コンテナ
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コンテナ (英: container)とは、内部に物を納めるための容器のことである。コンテナーとも呼ばれる[注 1]。
コンテナは、多種多彩な貨物輸送に使われ、人間が持ち運べる小型の物から大型の物までコンテナと呼ばれるが、本項目では全世界中で貨物輸送用に使われる物を総括的に記述する。
- ※本文中の「空コンテナ」表記は、日本国内では【からコンテナ】と呼ばれ、荷役施設内の区分表記や各種の関係書類等で幅広く認知されている業界用語であり、文字通り「空っぽのコンテナ」の略語である。
Contents
- 1 概要
- 2 長所
- 3 短所
- 4 海上コンテナ
- 5 海上コンテナの輸送手段
- 6 海上コンテナの種類
- 7 海上コンテナの歴史
- 8 大手海上コンテナ輸送業者
- 9 海上コンテナ取扱量
- 10 海上コンテナのISO規格
- 11 航空貨物用コンテナ
- 12 災害とコンテナの関わり総括事例
- 13 単に貨物を運ぶだけではない役目を負うコンテナ
- 14 コンテナを使った居住・貯蔵空間
- 15 脚注
- 16 関連項目
- 17 外部リンク
概要
一般的には、鋼鉄・アルミニウムなどで製造され、規格化された形状の箱で、その中に輸送物を積み込み航空機・鉄道・トラック・船舶などで輸送を行う。多くが直方体の形状であるが、丸みを帯びた筒状の円筒形や、機体に合わせた逆台形の航空貨物用などの例外的な形状もある。
規格化されているため、規格に対応した船や鉄道、トレーラーなど異なる輸送手段間で積み替えが簡便に行なえ、工場で荷を詰めたコンテナをそのままトレーラーで運びコンテナ船や貨物列車に載せて、再度トレーラに載せて倉庫や店舗へ配達することができる(複合一貫輸送)。コンテナ荷役は機械化されているため、荷役の手間、コスト、時間を大幅に削減でき、また盗難や汚損の危険も小さくなる。
- 規格
世界で最も一般的な貨物コンテナは、大きさなどの規格がISOによって国際的に統一されている「国際海上貨物用コンテナ」(Shipping containers または、Isotainers)と呼ばれるものである。国際海上貨物用コンテナでは、複数の長さがあるが主に長さが20フィート (6,058mm)、40フィート (12,192mm) の2種類が用いられており、コンテナの取扱量を示す単位TEUは、20フィートコンテナ1個分を1TEUとしている。
また、航空機での運搬用に、海上輸送用のコンテナとは別規格で国際的に統一されている航空貨物用コンテナがある。
従来から日本国内で使われているのは、旧日本国有鉄道時代から鉄道貨物の輸送用に採用して、「戸口から戸口へ」のキャッチフレーズで宣伝していた鉄道貨物用コンテナであるが、これは日本の独自規格である。国際的に使用されるコンテナは、その発祥時点で海上用、航空用ともヤード・ポンド法を尺度とするアメリカ合衆国で実用化された経緯から、ヤード・ポンド法に基づくフィート単位で規格化されたものが主流を占める。
- 歴史
コンテナが普及したのは1960年代からのことであり、コンテナの登場は物流の一大革命であった(コンテナライゼーション)。当初は58個のコンテナからスタートした。そこからコンテナ船は年々大型化を続けており、2014年には19,000 TEU、その3年後には20,000 TEUを超え、超大型コンテナ船が続々と記録を伸ばし就航している。
いまや主要港にはガントリークレーンと呼ばれるコンテナ用の大型クレーンの設置が当たり前となるなど、コンテナは世界の貿易や物流に大きな影響を与えている。
長所
- 貨物コンテナ共通
- 輸送中の水濡れなどの事故が少ない
- 梱包材をほとんど必要としないので、低コストであり環境にやさしい
- 海上用・陸上用のコンテナの場合
- 輸送機関同士での積み替えが迅速化・簡便化できるため、時間と費用の両面で従来手法に比べて圧倒的に有利となる
- 丈夫な鋼鉄製の箱は長年の使用が可能であり、貨物の梱包が簡略化できるので、梱包コストが削減できる
- コンテナは積み重ねることが可能であり、搭載と保管場所の節約になる
- 貨物をコンテナに入れたまま保管でき、屋根付き倉庫などを必要としない
- 海上輸送で従来、甲板積みができなかった貨物も可能となる
- 輸送中の盗難や不正輸出入のリスクが少ない
- ドア・ツー・ドアの一貫輸送が可能となる
- コンテナ自身の素材である鉄・アルミニウムも再利用が可能で、環境にやさしい
短所
- 貨物コンテナ共通
- コンテナ自身の重量を運ぶエネルギー消費が無駄になり、コストに加算される。
- 小口の輸送ではコンテナ1つを埋められず、費用空隙の効率を求めれば多種類または複数の荷主もしくはその両方の荷物を混載する手間がかかる。
- 海上用・陸上用のコンテナの場合
- 港湾に専用のガントリークレーンや、規格に適合したトレーラーなどの大型の荷役機械の整備が必要となる。
- コンテナの出発地や到着地に近い港でも荷役設備がなかったり、たとえその設備があっても使用するコンテナ船の寄港ができる港湾内の航路の水深が十分でなければ、遠くても設備や条件の整った港まで運ばなければならない。
- 貨物を抜き取る小規模な窃盗が減った反面、コンテナごとトレーラーなどで運び去る大規模な窃盗被害はありうる[2]。
- 銃器等や麻薬など、特に輸出入を禁止している物の臨検が、コンテナの床や柱を巧に利用し隠されてすり抜けられ、不正輸出入を摘発できないことがある。
- 密航者が中に詰め込まれて不法入国する[3][4]。
- VACIS Gamma-ray Image with stowaways.GIF
検問所のカーゴスキャニングシステムの画像。
積荷に潜む2人の密航者が映し出されている。
トレーラで運ぶ場合の短所
- 貨物の偏り
- 一般のトラックと異なり、海上コンテナ輸送にかかわる各国において、現行の国際条約下では輸送途中にコンテナの封印を開封して中身を確認することは、特別検査等の極希なケース以外は一切できない。このため配達するトレーラー運転手には、受け渡し書類等で積荷の品目や注意事項を多少は把握できるが、それはあくまでも書類上での参考程度にしか過ぎず、運転手には実際の中身の状態や、積まれ方が全くわからない。
- このため、重い荷物が均等に積み込まれず、車体が傾いた状態や、重心が高くなる状態になり、横転事故を起こしやすくなる[5]。
- 急ブレーキの反動
- ドライコンテナ等を輸送中のトレーラーが何らかの理由で急ブレーキを掛けた場合に、複合的に起こりうる重大事故としては、急ブレーキの反動で積荷によっては(例:石材・鉄骨・各種ロール状の物、機械類など)、荷崩れを起しコンテナ内でスケート状態となり、前方向の妻壁へ激突、突き破り、運転席を潰してしまうケースもある。
- 時に見受けられる事例として、何らかの理由で、原則としてトレーラー後尾側に向くはずの積み込み口が逆向きで、運転席側に向いていて、妻壁より構造的に弱い観音式ドア部分を突き破る等の人災的事故がある[6]。
- 危険物
- 夏場などでは、特に完全密閉状態となるドライ・コンテナなどに積載された、スプレー缶製品類や密閉された容器に入っている薬品・化成品等がコンテナ内部の高温で花火の様に連鎖的に突然、爆発・炎上という予測不可能な事故も多々起こっている[7]。
- コンテナロック作業の手間
- これを怠るとガントリークレーンやトランスファーテナーによってトレーラーごと吊り上げられたり、逆に繋がったまま発進した挙句に吊りワイヤーが張ってしまい急ブレーキ以上の衝撃を受け大事故になる怖れがある。特に風雨のときや、荷役作業が大幅に遅れて作業者が混乱しているときなどに起こりやすい。
- ロック未解除による車体吊り上げ事故の動画。
陸上で大量に保管中の短所
空(から)コンテナ専用のコンテナデポや、コンテナヤードで積上げ限界目安の七段に野積みされた光景は日本を含め、世界中で見られる。 限られた敷地を有効に使える半面、強風や地震には非常に弱く倒壊しやすいので、両側を階段積みにしたりワイヤー等で縛ったりして補強が必要である。
- Phb dt 8046 Nippoldstr.jpg
空(から)コンテナ専用のコンテナデポや、コンテナヤードで敷地回りの野積みコンテナ群を、外回りに崩落しない様に敷地内部に向かって階段積みにしている事例。
- Toppled containers - geograph.org.uk - 712581.jpg
積上げてあったコンテナが強風で崩れ落ちた光景。
- Port Le Havre 2008 019.jpg
ルアーブルの港に積み上げられた大量のコンテナ群。
※画像右端中央部の20ftコンテナは、脅威の八段積み状態である。
流出時の短所
海面すれすれまでに水没して海上を漂うコンテナは、レーダー等に映りにくく肉眼でも非常に発見しにくい。 しかもコンテナは四隅が尖っているため、衝突すれば例え大型船でも沈没を招く恐れがあり、航海上での大きな脅威となっている。
- E. Containerschiff im Orkan - Winter-Nordatlantik 1980.jpg
ハリケーンに遭遇したコンテナ船から流出して漂流中の物。大きさにもよるが、比較的各種方法で確認できる流出初期の光景。
- Conteneur perdu en mer.JPG
この状態では、例え大型船でも衝突すれば沈没を招く恐れがあり、航海上での大きな脅威となっている。
- NZ Defence Force assistance to OP Rena - Flickr - NZ Defence Force (19).jpg
海難事故により大量の崩落したコンテナが、海上を漂う大きな原因の一つとなっている。
- Alcúdia - La Victòria 07 ies.jpg
海上を漂う油又は、化学薬品類。
流出したコンテナでも積荷の内容によっては、このような二次的被害も起こりうる。
海上コンテナ
ISO規格コンテナの仕様
ISO規格での海上コンテナの長さは、主に20フィート (6,058mm)、40フィート (12,192mm) の2種類がある。幅は8フィート (2,438mm)、高さは8フィート6インチ (2,591mm) だが、9フィート6インチ (2,896mm) のハイ・キューブ・コンテナ(背高コンテナ、クンロクとも呼ばれる)も普及している。
なお、長さが45フィートタイプのコンテナも近年では新たにISO規格化され、欧米などで普及しつつあるが、それを積載したシャーシが日本国内の公道を極一部の例外(別記、ボーイング社部品輸送、物流改善研究の試験輸送)等を除き、現在の道交法下では走れない。このために日本で見かけるのは、港に海外から寄港したコンテナ船上での積載状態の風景か、これ等のコンテナ船が接岸中にコンテナ荷役作業の都合で、一時的に船上から降ろし隣接するヤード内で仮置しているなど、ごく限られた条件下の場合である。
海上コンテナの最大総重量(自重も含めたコンテナ全体の制限重量)は、20フィートタイプでは17,950〜24,000kg、40フィートタイプでは26,770〜30,480kg[注 4]であるが、世界的な物流環境の変化に伴い下記の積載規格表示画像例の表記にもあるように、近年製作されている20フィートタイプでは、30,480kgでも対応可能になってきている。ただし、実際に最大総重量30,480kgで輸送する場合は、20フィート又は、40フィートのいずれの場合でもコンテナの四面に目立つように、黄色地に黒色太字の三角線で囲んだ「Super heavy(黒色文字)」又は、白色地に赤色太字の三角線で囲んだ「Super heavy(赤色文字)」のいずれかの警告シール貼り付けが必要となる。
海上コンテナの自重 (Tare Weight) は、ドライ・コンテナで20フィートタイプが約2,300kg、40フィートタイプが約3,800kg。リーファー・コンテナで、20フィートタイプが約2,800kg、40フィートタイプが約4,200kgである。なお、これらを含むコンテナ個々のコンテナの詳細な情報は、外壁の在る場合は妻側の開閉できるドア表面、ドアのない又はタンク等の外壁のない場合は、片妻側のメインとなる妻側面の見やすい適切な場所への記載がISO規格での登録と、管理されている統一のコンテナには義務付けられている。
ただし海上コンテナの自重やその他の詳細は、製作するメーカー及び、付属する備品や装置・機器類の他、材質や製作年代等により若干異なる。
- Dortmund - PW-Felicitasstraße-Martha-Neumann-Straße - Heizkraftwerk 04 ies.jpg
ISO規格で必ず表示されるコンテナ個々の積載内容。
(この画像例での数値)
・総重量 = 30,480kg
・自 重 = 2,185kg
・積載量 = 28,295kg
・総容積 = 33.2m
- (No) = IMG 6134【 This is photography in Japan 】.jpg
【高さ制限表示】
標準的な高さ2.5mのコンテナながらも、トレーラーでコンテナ輸送時に多発している、高架橋や高さ制限のある場所でコンテナを引掛ける事故は絶えない。
運転手にも容易に高さがわかりやくするための警告シール。 - 海日 STKU 000011(1)④ 【原版】10,05,02仙台港駅 - コピー.JPG
【感電注意表示】
タンクやホッパーコンテナ等の、作業上やむなく屋根上に登る必要のあるコンテナには、鉄道などでの架線に触れない様に啓発するシール。
※屋根上に登るハシゴ付近に必ず表示を義務付けられている。 - 海日 NRSU 421762(4)② 【原版】07,09,16徳山港FT - コピー.JPG
【検査機関証表示】
国際輸送される海上コンテナ全てには、コンテナが製作され完成した時点で専門の検査機関により、 ISO 規格に問題なく適合している旨を記した表記の一例。 - (No) = IMG 6135【 This is photography in Japan 】.jpg
【各種の登録表示】
白色三行での所有者名 ・ コンテナの管理番号 ・ コンテナの種類を表した一例。 - (No) = IMG 6133【 This is photography in Japan 】.jpg
【欧州鉄道表示】
欧州圏域での鉄道輸送を承認された国籍シール。 - (No) = IMG 6131【 This is photography in Japan 】.jpg
【取扱い制限表示】
フォークリフトでの荷役作業を禁止する警告シール。
特にタンクコンテナで表示されている。 - Exploded view of typical aluminum container.png
20ft型ドライコンテナの製作図一例。
- Exploded view of typical steel container.png
40ft型ドライコンテナの製作図一例。
海上コンテナの旅
コンテナ詰めされた一般貨物は基本的に以下のように流れる。ただし特殊貨物や、工場へ空コンテナを運んで直接コンテナに詰める、工場バン詰め貨物などについてはこの限りではない。
- 輸出貨物を通関業者などの保税蔵置場に搬入し、通関する。
- 使用するコンテナ所有会社のバンプールから、コンテナ専用シャーシで空(から)のコンテナ(空バン)を引き取る。このときコンテナ専用シャーシ牽引のドライバーは、EIR(Equipment Interchange Receipt=機器受渡証の略)と呼ばれるコンテナをバンプールから搬出入するときに、荷主(トラック業者)とターミナルオペレータとの間でコンテナの状態を確認するために使う受渡証などの書類を受け取る。
- 通関手続きが完了次第、保税蔵置場にてコンテナに貨物を詰める(バンニング)。詰め終わったコンテナのドア口には防犯用に船会社から配布される、管理番号が書かれた「シール」という封印をかける。
- 輸出貨物の入ったコンテナ(実入り)を、ふたたび専用シャーシで船会社のコンテナヤードに搬入し、荷役日まで一旦蔵置される。
- 荷役プランナー(コンテナプランナー)が個々のコンテナの向け地や重量などを勘案して本船上における積載位置などを計画する。同時にコンテナ・ヤード内においても積載プランに応じたコンテナの配置替えを行う。
- 荷役当日、ストラドルキャリアまたはトランスファーテナーなどによって、ヤード内から順番にコンテナが搬出され、そのまま直接ストラドルキャリアで船側(せんそく)に運ばれるか、または大規模なコンテナターミナルでは、本船荷役専用の特殊シャーシーに載せ換えられ、船側へと運ばれる。
- ガントリークレーンにより、コンテナ荷役専用のスプレッダ装置を付けて日本国内では、20ftコンテナの荷役の場合には、単独1個または、2個を横並び一組で40ft扱いとして、また40fでは単独で1個ずつ吊り上げて本船に積み込まれる。ただし、愛知県/飛島コンテナターミナル等の極一部のスーパー港湾施設や諸外国の大規模施設では、日本の国内方式を更に真横に平行二列にして、2倍の本数が扱える高効率の施設も増えて来ている。
- 船倉内は大抵セルガイドという横ずれ防止用のレールがあるので特に固定する必要はないが、甲板上に積む際には上下のコンテナ同士を「ツイストロック」「オートロック」などの器具で固定するほか、波での横揺れや強風でも荷崩れしないよう更には、1段目〜3段目までのコンテナを「ラッシングバー」又は、「ターンバックル」などで固定する。なおこの作業は基本的に人力である。このとき、チェッカーが積載プラン通りに積み込まれたか、積載プランと違う場合は、どこのポジションに積まれたかを確認する。
- 到着地では船積みとは逆の順序でヤードに蔵置され、貨物はコンテナに入った状態で輸入者に委託された各々の通関業者によって通関される。コンテナそのものも輸入品であるが、国際コンテナ条約により船会社がまとめて簡易通関する(コンテナ通関)。なお、コンテナを船から揚げる際、チェッカーはコンテナにダメージがないか、ドア口にかけられた封印シールの管理番号が正しいかを確認し、ダメージ(ヘコミ・亀裂・破損)や管理番号が違う場合は荷役担当会社に報告をする。
- 専用シャーシにて封印されたコンテナを引き取り、配達先の倉庫や工場へ運ばれ、中身を出す(デバンニング)。そして空になったコンテナは、そのまま専用のトラクターに牽引されて、コンテナ所有会社指定の空バンプールへ回送返却され一連の流れが終わる。
- 2013-05-03 Fotoflug Leer Papenburg DSCF7472.jpg
空コンテナの出し入れをするデポは、場所によっては港から遠く離れた陸地奥でも工業地帯や、大規模な流通センター等の近隣にも設けられて、国内の広範囲へのコンテナ供給に寄与している。
- Volvo FH12-Meulman (NL)-2004.jpg
コンテナを運ぶトレーラー
- MVS Graciosa on the Rhine in Basel.jpg
大型港から小型船に積み替えて、海上や水深の浅い運河を経由して地方の小さな港へ中継輸送する。
- Flickr - Israel Defense Forces - Unloading the Weaponry.jpg
着地港のガントリークレーンで船倉から引き上げられ、出港地同様に一時保管の上、各種手続きが進められる。
- (No) = IMG 6165【 This is photography in Japan 】.jpg
場合によっては、害虫駆除のために青酸ガス等で厳重に燻蒸消毒される。
- Prince Rupert Container Terminal.jpg
コンテナ港から運河などのルートがない場合は、鉄道で内陸奥地まで大量に輸送する。
- HK Sheng Wan 上環 文咸西街 22-28 Bonham Strand 南北行大廈 Nam Pak Hong Building Container vehicle logictics June-2012.JPG
エバーグリーン社のリーファーコンテナから荷受人の元へと配達される風景。
- (No) = IMG 6278【 This is photography in Japan 】.jpg
空バンヤードでは、空バン専用のトップ・リフターで、国内では最大五段まで積上げて保管する。
空コンテナとコンテナリース
基本的に海上コンテナは船会社や物流輸送専門会社、リース専門会社の所有物であることがほとんどのため、輸出のコンテナ詰めをする際には使用する空コンテナの所有会社などから引き取り、また輸入貨物を出して空になったコンテナは所有会社などに返却する。
時代と共に進化するタンクコンテナの現状
タンクコンテナはその性質から同一荷主が使い回すことがほとんどのため、荷主の所有物 (S.O.C.=shipper's own container) であることが多い。しかし、積荷の性質に派生する修理・点検やタンク内外の洗浄メンテナンス、各国の諸事情による検査手続きの複雑化など、膨大な維持費の節約や効率化の観点から、タンクコンテナリース専門の会社も多数存在する。
日本の代表的なリース専門会社には、日本コンセプト(ニチコン)、日陸 、日本石油輸送 などがある。
海上コンテナの輸送手段
船舶輸送
コンテナを運搬する貨物船をコンテナ船といい、規格化されたコンテナだけを運搬する船はフルコンテナ船またはフルコン船と呼ばれる。
専用コンテナ船の船艙には、コンテナが左右にずれない様にするための「セルガイド」という鋼鉄製の強靭な垂直レールが備わっており、規格化された大きさのコンテナは、セルガイド最上部のエントリー・ガイドと呼ばれる斜体に沿って上甲板の開口部から、効率的に積み込まれる。上甲板の上まで積まれたコンテナは、3段目や5段目などの要所を、1本 20kg以上もある鋼鉄製の「ラッシング・バー」で固定する必要がある。
コンテナを専門に運ぶためにセルガイドを備えたコンテナ船では、20フィート・コンテナを縦に2個並べた真上に40フィート・コンテナを重ねることは普通に行なうが、上下が逆で、40フィート・コンテナの上に20フィート・コンテナを乗せて運搬することは行なっていない。これは、船艙の底の金具で20フィート・コンテナの横ずれを防止できるが、40フィート・コンテナの上面には四隅にのみ金具が備わっているだけであるため、20フィート・コンテナは充分に固定できないためである[8]。また,コンテナは四隅の金具で上に乗るコンテナの全重量を支えており,40フィート・コンテナの中央部分には20フィートの隅金具を支える隅金具がなく,上に乗る20フィート・コンテナの重量を支えることができないためである.
コンテナ船の荷役をする港湾施設はコンテナターミナルと呼ばれる。コンテナを積卸専用の岸壁クレーンをガントリークレーンといい、揚貨能力はおよそ35トン以上、作業のスピードは熟練作業員の場合、1時間に40本以上である。[9]
過熱するコンテナ船の巨大化
コンテナ船の大きさは、TEU (twenty-foot equivalent units) という、20フィートコンテナ1個の大きさを単位として、そのコンテナが何個まで積載できるかで表されることが多い。1 TEUは6.1m × 2.44m × 2.6mでおよそ39 m3である。コンテナ船の大型化は年々進み、1980年代末にはパナマ運河を通れないほどの大きさ、オーバーパナマックスの 4,000 TEUクラスが登場し、2000年代に入り 6,000 TEU、8,000 TEU、11,000 TEUという超巨大船まで就航している。
2006年9月に竣工したデンマークの海運会社「マースク」社の持つ「エマ・マースク」(11,000 TEU) は、当時としては世界最大のコンテナ船であった[注 6]。
その後もコンテナ船の巨大化は年月と共に進み、6年後の2012年12月に国際的な各種適合性認証サービス機関である、ビューローベリタス社より船級認定された当時としての世界最大のコンテナ船は、世界的に展開しているフランスCMA-CGMd社所有の「CMA CGM マルコ・ポーロ」号で、その積載可能コンテナ数は 16,020 TEUまでに大幅に増加し、2番目に大きいコンテナ船との比較では、積載量が約8%増加している。[10]
更に近年では、China Shipping Container Lines (CSCL) が韓国・現代重工業に発注した時点で、世界最大積載量となる 19.100 TEUコンテナ船が2014年11月18日に竣工し、「CSCL Globe」と命名するセレモニーが行われた。 しかし、世界最大積載量の座を獲得したCSCL Globe号は、僅か二ヵ月後の2015年1月13日には、MSC(地中海海運会社, Mediterranean Shipping Company)所有で、 19,224 TEU もの積載量を誇る「 MSC Oscar 」に、あっけなく世界一の座を奪われてしまった。
2017年3月27日には、日本の商船三井が韓国・三星重工業に発注した、世界初の20,000TEU級(20,170TEU)コンテナ船であるMOL Triumphが竣工[11]したが、同年4月にはMadrid Maersk(マースク社所有、20,568TEU)、同年5月にはOOCL Hong Kong(香港OOCL社所有、21,413TEU)が竣工するなど、最大積載量記録の更新は続いている。また、同年10月31日には、初の日本建造20,000TEU級(20,182TEU)コンテナ船となるMOL Truthが、今治造船にて竣工している[12]。
トラック輸送
鉄道輸送
鉄道は船に比べて速く、飛行機よりも割安なため、大陸間輸送の場合でもランドブリッジとして大陸横断鉄道が(特に北アメリカ大陸で)活用されている。内陸輸送の上でも、トラック数百台分のコンテナを一気に運ぶことができるため鉄道は効率的な輸送手段である。アメリカ合衆国やヨーロッパなどでは海上コンテナ(ISO規格コンテナ)の使用が一般的で、コンテナ貨車を 100両以上連ねた長大な貨物列車(俗に「マイル・トレイン」と呼ばれる)が効率的な物流手段として日常的に運転されている。
車両限界に余裕のあるアメリカなどでは、コンテナを上下2段に積み重ねて輸送する「ダブルスタックカー」も見られる。こうした複層貨物鉄道輸送はアメリカ以外でも効率的にコンテナを大量輸送するために導入されている。
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ドイツ国内での鉄道輸送風景。
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イギリス国内での鉄道輸送風景。
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ポルトガル国内での鉄道輸送風景。
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アメリカ・アリゾナ州の2段積みコンテナ車(ダブルスタックカー)。
海上コンテナの種類
ドライ・コンテナ
ドライ・コンテナ (dry container) は、身近な生活物資から工業製品・産業物資まで、大多数の一般貨物に幅広く利用され、日本語では有蓋コンテナとも呼ばれる。ただしドライ・コンテナ輸送ができない例外品としては、ドライ・コンテナの改造等の特殊な場合を除き液体・粉体・気体類などの状態で、それらの貨物を輸送する時の情況や事情で、事前に小型容器(数十キロ単位の袋 ・ フレコンバック ・ ガスボンベ ・ ドラム缶 ・ 小型タンク類)などに小口分割して準備することのできない貨物の他、専用の管理設備・機器が必要な要温度管理品、大物品、生物などがあげられる。
ドライ・コンテナの形状は箱型トラックの荷台部分のような細長い箱型で、コンテナの基本タイプとして世界で流通しているコンテナの中では圧倒的多数を占める。大きさのサイズとしては多岐に渡るが、当然ながら流通するその国々の事情に見合ったサイズが主流となる。
日本では主要先進国に比べ道路事情や各種規制により運用制限が多々あるために、長さ20ft、40ftタイプがほとんどであるが稀に10ftおよび、日韓・日中間の輸送用として近年では12ftタイプも流通している。また、原則的に公道は走行できないが、神戸・名古屋などの特定地区の港では超背高コンテナも存在している。(詳しくはハイ・キューブ・コンテナを参照)
積み込み口は後部片妻一方開きタイプが基本であるが、片側タイプまたは両側面が全面折戸式に開くタイプや、片側または両側の一部分に開口戸があるタイプなど、積荷や作業環境に応じた特殊なタイプも少数ながら存在する。
なお、基本的には床以外には内張りも簡易な通風孔も全くないために外気温の影響を受けやすく、外気との温度差により積荷に水滴などが付き変質したり、特に夏場などは内部の温度がかなり高温になるなど、輸送中の気温変化に対する充分な対策と配慮が必要となる。また、通風孔がないことが構造区分コードにより明確に区分されており、別項ハイ・キューブ・ドライコンテナでも同様である。
韓国のSINOKOR社が日韓の海上コンテナによる小口輸送のために、JR貨物の規格に合わせて12ft、5t積載用コンテナを新規に投入。コンテナ下部中央には、日本国内での鉄道輸送時に専用固定装置として使用する、半自動式中央緊締方式が採用されている。
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ドライ・コンテナの万能改造技
ドライコンテナは、一言で言えば『 所詮はただの箱 』に過ぎないが、近年の発達した世の中の小道具などを少し工夫した応用技や、簡単な改造をほんの少し加えたり、あるいはチョッとした創意工夫や制度利用により、割り増し運賃なしで片道だけ運べたりする。またある時は、カー・ラック・コンテナの代わりに車を安価に輸送したり、専用のホッパコンテナ顔まけの簡易バラ積みホッパコンテナへと、積荷の種類や個々の条件にもよるが、それらの問題が解決されれば、態々高価な専用コンテナを配備する為の大規模投資を抑える事が可能である。
ちなみにホッパコンテナへの積み込みは、通常は天井部(屋根部分)にある専用のハッチから落とし込むが、前記の改造した簡易ホッパコンテナでは、当然ながらその様な専用の設備はないので、正面ドアを開けた上部の袋と天井との横長の隙間より、水道ホースでバケツに水を流し込む要領で大口径の専用ホースを使用して、粒状や粉末状の積荷をコンテナ内部へ流し込む。
更に専用特殊コンテナ故に運用航路や時間が限定されたり、又、宿命的に付き纏う片道運用が比較的多く、本来なら不必要な空荷状態で返却するために発生する損金を蒙るリスクが付き纏うが、このドライコンテナの応用事例により、無駄な返回送費用を圧縮できる。
- Container 【 22G1 】 WTPU 010097(1)---No,3 【 Pictures taken in Japan 】.jpg
一般汎用ドライコンテナ(タイプ 22G1)の妻側扉開口付近を改造し、張り鉄柵を仮設で据付して、台形状にベニヤ板で排出口を設置している。更にコンテナ内部には反復使用が出来るシート状のインナーバック(簡易大型袋)を吊り下げ、簡易ホッパコンテナに仕立てている。
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ドライコンテナに小型のタンクを積み込み、ダンプUP出来る構造のトラックで配達している、奇抜な応用事例。<この後、小型タンクにホース類を接続し排出する。
※中の小型タンクは、コンテナ内部に元々仕込んであるフック等を利用し、厳重にベルトで固定している。 - Lashing and dunnage bag application.JPG
ドライコンテナに小型の液体タンクを積み込んだ一例。
タンクから積荷の液体を降ろす時は、タンクに専用のホースを繋ぎ更にコンテナをダンプUPして排出する。
※中の小型タンクは、コンテナ内部に元々仕込んであるフック等を利用し、厳重にベルトで固定している。
簡易ベンチレーター付きドライ・コンテナ
用途としてはドライ・コンテナとほとんど変わりはないが、コンテナの側面上部の端に小さな縦長型の簡易通風孔が複数個取り付けられたタイプのコンテナである。しかし、その能力はベンチレーター・コンテナと比べて非常に低いため、前項のドライ・コンテナ同様、輸送中の温度変化に対する充分な対策と配慮が必要となる。また、通常型のドライ・コンテナとは構造区分コードにより明確に区分されており、後記のベンチレーター・コンテナでも同様である。
なお、いずれのタイプにも共通して簡易通風孔からの異物・密輸品等の投入防止の保安対策規定として、コンテナ製作時や修理時において簡易通風孔の網目口径・網目の材質・強度および、取り付け加工方法などが別途、厳格に定められている。
元々の通風孔本体は金属製だった為に、流通過程で必ず受ける擦れや接触による凹み等のダメージを受けると、その修理には板金で叩き直したり酷い時にはガスバーナーで焼き切って、新たに溶接し直すなど手間隙や維持費管理の負担増は元より、見た目も継ぎ接ぎだらけとデメリットが多かった。しかし、その後の部材の開発で通風孔本体は金属でなく、強化プラスチック製のはめ込み式の為に専用の加工用具さえあれば、溶接設備や溶接・板金等の高度な技術などもさほど必要なくても何処でも取り付け加工や、破損時の交換修理が比較的簡単に出来る。この為に近年の簡易通風タイプコンテナでは、標準的に幅広く使われている。
本体の外周及び本体上部の左右二箇所と、下部中央一箇所の取り付けねじは、密輸品や異物投入等の不正防止のために内外共に、特殊なコーキング剤で固められているので、コーキング剤を剥がす専用の溶剤や専用の工具類が無いと、容易に取り外しが出来ないようになっている。
簡易通風孔付ドライコンテナは、通常片側面の上部左右いずれかの端付近に一ヶ所のみ単独取り付け又は、上部左右端付近の各、一ヶ所(片側面合計、二ヶ所)付が標準であるが、このハンブルグ・スード社( ドイツ )の特徴は、二ヶ所取り付けでワンセット(片側面合計、四ヶ所)が基本となって、簡易通風構造タイプのコンテナとしては比較的高性能の自然換気が出来ている。しかし、タイプコードは G1 と変わっていない。
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40ft型・国際海上ISO規格ドライコンテナ (妻側積込み口扉の全景) 簡易通風孔付で、タイプコード G1 割り当て。
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40ft型・片側面の上部右側片端に通風孔1個付で、 G1 割り当て。
- Container 【 2210 】 EMCU 296755(3) 【 Pictures taken in Japan 】.jpg
20ft型・片側面の上部左右両端(合計二箇所)に溶接型の古い簡易通風孔付で、タイプコード 2210 割り当て。
ハイ・キューブ・コンテナ
ハイ・キューブ・コンテナ (high cube container) とは、標準的な高さである各種8ft6inコンテナより更に背の高さが1ft (30cm) 高い、9ft6inコンテナのことである。一般的には背高コンテナとも呼ばれているが、日本語圏の荷役従事関係者では、9ft6inにちなみ、「クンロク」とも呼ばれている(これに対し、通常型の8ft6inコンテナは「ハチロク」と呼ばれている)。したがって荷役中や一般道での輸送中に高さへの注意喚起のために、側面やドアに注意書きが上部に黒と黄色の警告色によるステッカーが貼られている。
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ハイ・キューブ・コンテナが生まれた背景
このハイ・キューブ・コンテナが生まれ、世界中では無論、道路の高さ制限が多い日本でもこのコンテナが全国規模で輸送できるように、莫大な国費を費やして日々道路整備をしている背景には、今日の流通経費の削減等の根強い要望があるためである。例えば、軽量品貨物を従来の8ft6inコンテナへ一杯に詰めても最大積載重量を大幅に下回ることが多いことから、少しでも多くの貨物を合法的に積載するために開発された。
積み込み口は後部片妻一方開きタイプが基本であるが、片側または両側面が全面折戸式に開くタイプや、片側面の一部分に開口戸があるタイプなど、積荷や作業環境に応じた特殊なタイプも少数ながら存在する。
軽量品(車椅子)の支援物資が、ほぼ隙間なく目一杯に詰め込まれている事例。
コンテナの上部に背高を示す警告色のシールが、入り口全幅に張られている。
※ 右側の空っぽコンテナは従来の8ft6inコンテナ。
日本
日本国外では早くから広範囲に普及していたが、日本国内では道路交通法による高さ制限等の問題で普及していなかった。しかし、法令改正による道路環境整備や運搬シャーシ及び牽引トラクタ等の規制緩和で急速に増え、ドライ・コンテナ、冷凍コンテナに多く見られる。また、日本国内に流通している各種のハイ・キューブ・コンテナは流通コストの関係で、ほとんどが40ft型であり、20ft型はまれである。
ボーイング社部品輸送
特殊な事例としてボーイング747の翼などの部材を、ボーイングの工場があるワシントン州シアトルへ輸送するための全長20ft型、40ft型、などのコンテナをベースとして、高さが約17ftと通常の二倍に相当する超巨大コンテナも米ボーイング社の協力会社である川崎重工業・三菱重工業各社にて地区限定で流通している。これらの輸送はウエストウッド・シッピングラインが担当する。
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リーファー・コンテナ
リーファー・コンテナ (Reefer container) は、生鮮食品・冷凍食品・生花や低温輸送が必要な化学製品、医薬品、電子部品、フィルム、美術品などの輸送のためのコンテナであり冷凍コンテナとも呼ばれ、一般貨物用のドライコンテナに次いで数が多い特殊コンテナである。
冷凍と総括的に名前が付いているが、現状としては内部温度がコンテナ本体に付随している設定用のコントロールパネルによって、冷凍や冷蔵・保温等の積荷に最適な温度帯に設定されている。例えば、肉や魚などの冷凍食品は-20℃位、野菜や果物などのチルド品は0℃前後を維持しながら通風を行い、産業用の製品で高温に弱いものは適切な温度で保持される。さらに一部の冷凍コンテナでは、野菜や果物から発生するエチレンガスを除去したり、送風による乾燥を防ぐ為に適度な湿度を自動的に散布する機能を備えていたり、天井部に肉をまるごと吊るすミートレールが備わっているものもある。
コンテナ内壁は発泡ポリウレタン製の高性能断熱材やステンレスで覆われ、内部には冷風を適切に循環させるためのダクトや、床全面にはアルミ製の細いレール状の溝が多数ある。
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外部給電方式
コンテナ内部に220ボルトまたは、440ボルトの外部電力給電で稼動する冷却・保温ユニットを備え、+20℃から-25℃程度(機種によっては、-35℃位)までの冷却と保温が可能であり、このコンテナの荷役用ドアは基本的には短辺(妻壁)片側に1つだけ設けられているタイプが殆どであるが、積荷の特異性や使用者の意向により、運用状況によっては補助的なサイドドア等が付随したタイプも少数ながら運用されている。その他にはドライコンテナ同様に、背高(ハイキューブ)タイプもドライコンテナに次ぐ量で、世界中で大量に流通している。
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日本
日本国内での運用には、長さ20ft級コンテナでは大多数が高さ8ft6in型で、9ft6in背高タイプはごく稀である。しかし、長さ40ft級コンテナでは9ft6in背高タイプが近年の日本の道路交通法の緩和と、経済性から多用されている。
デュアルモード(併用)方式
運用先での外部電力供給が不可能等の事情に合わせた、ディーゼルエンジン発電機搭載式と従来の外部給電式の併用タイプであるが、このタイプは極少数派である。但し、電源が確保しにくい環境に合わせて、軍用リーファーコンテナは、デュアルモード型が多用される。また海上コンテナでは圧倒的な仕様となる外部給電方式では、給電する側に安定した高電圧の設備が必要だが、これらの設備が無い又は、確保しにくい紛争地域や発展途上国及び、インフラの未整備地区でもリーファーは非常に重宝される。
例えばせっかくの給電型高性能リーファーコンテナが有っても、外部給電網が無い又は、有っても常に安定した電圧や連続給電性が確保できなければ、むしろそのリーファーコンテナに対する信頼度が低下し現場は混乱してしまう。しかし、デュアルモード型はコンテナ本体にディーゼル発電機を搭載しているので、燃料や多少の冷却水・オイル等さえあれば安定して自己発電が継続して出来る。本来、電気の元は火力発電所では石炭の他に重油も使って発電し、船舶やトレーラーで輸送中の電源も元々は、ディーゼル発電機で造った電力を給電している。これらの事から陸地での長期運用時には、デュアルモード型が重宝されている。
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ポートホール型
ニュージーランドやオーストラリアからの欧州への輸送では、特殊な機構を備えたポートホール型の冷凍コンテナも使われている。この冷凍コンテナは断熱材を全体に配した立方体の本体と、前扉部分とは反対側奥の妻壁部分上下に穴(ポートホール)が2つあるのみで、冷凍ユニットは備わっていない。ISO規格で定まった位置の穴に船から冷却風を供給・排出し循環させて冷却する仕組みになっており、コンテナ船側に専用の設備が必要である。またこの専用船では船艙全体を断熱構造にすることが多い。このポートホール型コンテナを船に積載する前や陸揚げ後は、岸壁近くに冷気供給装置を備えた専用の施設で管理しているが、そういった装置を備えない港や、トラック又は鉄道で輸送中では、「ランドセル」とよばれるポートホール型コンテナ専用の大型冷却ユニットを、金具を使って取り付けて管理している。
このシステムは特にコンテナ船側に専用の設備を設置するために、建造費用や設備の維持管理に多大なランニングコストが掛かる上、運用にも制約が多いために、現代の運用効率の向上や経費節約の流れから見れば、今後は縮小され、やがては消滅していくのではないかという観測がある。
リーファーコンテナで大多数を占める外部給電式の最大の弱点は、常に電源に繋がって給電を受けていなければ、意味がないと言う点である。特に鉄道輸送やトレーラーなどでの輸送中には、船舶とは違って輸送車両から直接の安定した給電は、ほぼ望めない。このような場合には、ディーゼル発電機を内蔵した小型の給電機器をトレーラーやコンテナ本体に取り付け、安定した電源を提供している。また鉄道で輸送する場合は前記の個々のコンテナに取り付けるほか、コンテナの個数が多い場合にはコンテナ自体が大型の発電機となった専用の『Power Generation Container(発電コンテナ)』を搭載し、一括して多数のコンテナの冷凍機器を集中管理して対応している。
しかし、そもそもコンテナ本体には冷凍機自体がなく、強力なエアコンからの冷気を常にパイプから噴出して周りを冷やしているスポットクーラーの原理と同じポートホール型では、冷気自体を常に生み出す機能を備えたディーゼル発電機付の外付け冷凍機が必要となり、必然的に機器も大型となる。
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ダブル(ツイン)ユニット型
二組の完全に独立した冷却装置を両妻壁側又は、近年新しく採用されている片妻側に備えて、長時間での連続使用に対しても信頼性を高めた「ダブルユニット型」または、「ツインユニット型」と呼ばれるタイプである。この2組搭載型は万一、片方の冷却装置が故障しても、もう一組の冷却装置がバックアップし、化成品・特殊原料・精密機器など、積み込みから積み出しまでの間も、一貫して常に一定温度に保つ必要性が特に高い特別な積載貨物に用いられる。なお、このコンテナの積み込み口は基本的に、冷却装置が両妻壁側タイプの場合は長手方向の片側面または、両側面に設置してあり、近年登場した二台の冷却装置を片妻側に纏めたタイプでは、通常のコンテナ同様に、冷却装置設置側とは反対側の片妻側に付いている。また海外の20ftタイプでは、片妻面と片側面のいわゆる、L字二方向に冷却装置設を取り付けた非常に稀なケースも存在している。
積載容量確保の為に近年新しく開発された、冷却装置類を片妻側へ一括して組み込んだコンテナ。
冷却装置は中央の丸型ファン部位、左側に "1" 及び、右側に "2" と記載された四角形の小型冷却装置が組み込んである。
※写真のコンテナは外部給電方式の他、ディーゼル発電機も搭載している『デュアルモード(併用)方式』なので、複数の駆動方式 ・ 冷凍機の二重系統化などと、リーファーコンテナの中では最強の性能を誇るタイプとなっている。
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サーマル・コンテナ
サーマル・コンテナ (Thermal container) は、日本語では冷蔵コンテナ・保温コンテナ・断熱コンテナとも呼ばれている。断熱材で覆われたコンテナ本体には冷却・加温ユニットの機械的装置が一切なく、コンテナの内部温度に関しては特に規定がないので、通常はすでに予冷や加温された貨物をそのまま積み込み使用したり、事情によっては寒冷地で凍結を嫌う貨物を輸送する場合などにも利用される。
その他、ドライアイスを詰め込み冷蔵状態にしたり、特殊な事例としてコンテナの妻側壁に設置された特殊な注入バルブより、炭酸ガス(二酸化炭素)の冷媒をコンテナ内部全体に充填し、約-50℃の超低温冷凍状態に冷却する特殊なタイプもある。この超低温冷凍状態に冷却した日本国内での代表的な一例として、輸入冷凍マグロ輸送に長さ40ft・9ft6in背高タイプの運用が、静岡県清水港や東京湾岸の埠頭で確認されている。
ハンガー・コンテナ
ハンガー・コンテナ (hangar container) は、衣類を輸送するためのコンテナである。ドライ・コンテナと同じ外形をしたコンテナの内部にハンガーをかけられる取り外し可能なパイプ状のラックが多数備わっており、コンテナ内部が絨毯で保護されている場合もある。このため空になった後にコンテナの有効活用と、空コンテナをわざわざ回送割引運賃が適用されない正規の運賃を払って送り返すという諸経費の無駄を省くための工夫が必要となる。
例えば、空回送冷凍コンテナなどでよく使われる輸送方法である、雑貨物資を帰り荷物として詰め込むことが考えられるが、内部が絨毯で保護されているなどの場合、多大な手間隙かけてコンテナ内部にビニールシート類を敷き詰めて、荷物の汚れが直接付かないようにするなどの、ある意味で使用用途が限定されるコンテナである。
しかし衣類を畳まずに吊るした状態で輸送することができるので、商品の折れ傷み防止や積載品数の増加、梱包資材の節約、更には出荷時に納品先の店舗仕様にあらかじめ札付けの準備をしておけば、流通中間で一切の手を加えることなくあたかも製造工場から直輸入したようになるので、これにより商品流通側から見れば経済性向上や荷役労働環境の改善、流行ものの衣類もスピーディーに仕入れることができる。
なお、コンテナの外観上からは特にhangar container、または、日本の鉄道コンテナで見られるハンガーコンテナなどと特段の表記や、一部の船主会社のようにハンガーの絵をデザイン的にペインティングをしていない限り、通常は見分けることが非常に難しい。また、1995改定のISO規格コンテナ構造区分コードでは直接該当するタイプコードがないため、通常的に割り当てられているドライ貨物用の「 G0 又は G1 」が付与されたり、割り当て不能時に便宜的に総括付与する「G9」が使われる場合がある。
- ※太字二桁部分の一例。
- 長さ40フィート・高さ8フィート6インチの一例⇒43G9
- 長さ40フィート・高さ9フィート6インチの一例⇒45G9
ベンチレーター・コンテナ
ベンチレーター・コンテナは、ドライ・コンテナにベンチレーター(通風装置)を取り付け、コンテナ内部の空気が常に換気されるように工夫されたコンテナで、日本語では通風コンテナとも呼ばれる。野菜や果物・植木等の樹木など、輸送中に換気が必要な物資の輸送に使用される。換気方法としては、コンテナ側面へ無数の網目状の通風孔を全面的又は、帯状に上下に取り付けた「自然換気型」と、強制的に換気する「機械式換気型」のタイプに、コンテナ構造区分コード上でも区別されている。
なお、いずれのタイプにも共通して通風孔からの異物・密輸品等の投入防止の保安対策規定として、コンテナ製作時や修理時において通風孔の網目口径・網目の材質・強度および、取り付け加工方法などが別途、厳格に定められている。
タンク・コンテナ
タンク・コンテナ (tank container) は、油類、化成品、各種ガス、濃縮果汁、原酒、食品原料などの液体や気体を輸送するためのタンクを備えたコンテナである。洗浄技術の向上によりさまざまな用途に転用でき効率的な運用を図ることができることからISO規格長さ20ftのものの普及が急速に進んでいるが、特殊化成品や各種ガスの小ロット輸送用の長さ10ft型および、ヘリウムガスなどの各種軽量ガス輸送用の40ft型も存在し、日本国内でも化学工業地帯を主体として運用されている。特に近年の医療機器で重要視されている画像診断装置の一種であるMRI装置の冷却に欠かせないヘリウムガスは、全量を輸入に頼っている為に、この専用コンテナでの輸入事例が年々活発に行われている。
積荷の性質や用途により、(危険物用)と、(非危険物《普通品》用)の二種類に大きく区別され、更に(完全液体類)と、液体(液化)類と気体類の両用となる、いわゆる(ガス類)用のタンクコンテナに構造的にも分類される。このために様々なコンテナ外観・タンクの高さ・口径種類の他、積荷により加温・保温機能や、逆に冷凍コンテナと同様に専用の給電コンセントから送電を受けたりあるいは、画像のように外付けの発電機と接続する給電式の冷却用外機設備を片妻側に備えて、積荷の品質管理を行うなどの各種装置を備えている。変り種としてはタンクコンテナ全体的には非常に稀な事例となるものの、そのコンテナの外観はドライコンテナと同様に完全な箱型であり、その構造を利用して積載容量を最大限に引き出せる方式として、構造的に圧力に弱い為に積荷に圧力を加えない、主にアスファルトや特殊なオイル系の積荷用に運用されている。
なお、外観は20ft型および、40ft型のタンク・コンテナなるも、積荷は粉末状、または、粒状の穀物・化成品・鉱物・食品などを専用に運ぶコンテナも存在するが、液体状ではない乾燥した粉末や粒状積荷の場合は、コンテナ構造区分コードでバルク・コンテナ(ホッパ・コンテナともいう)となる。
危険物用タンク・コンテナ
海上輸送上の危険物用タンク・コンテナへ積荷を充填する際の注意点は、原則として充填率80%以上、95%以内に収める規定[13]として、国連機関で定めている危険物輸送の規則(IMDG = International Maritime Dangerous Goods Code)がある。
非危険物(普通品)用タンク・コンテナ
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破壊されてタンク本体に巻かれている、薄茶色の断熱材が露出している。
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( 20T3 )
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( 20T3 )
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( 22T4 )
フラット・ラック・コンテナ
フラット・ラック・コンテナ (flat rack container) は、ドライ・コンテナに積載できない大型機械、円筒形工場用設備、木材、石材、鋼材、工作物、インゴット、大型タイヤ、各種車両、小型ボート、各種ケーブルドラムやロール状の鉄板などを積載するため、天井・両側壁がなく土台となる床のほかに両妻壁(トラックの荷台で言う前後の壁の部分)または、四隅の柱だけの開放型コンテナである。なお、これらの妻壁や柱構造は完全固定型と、折倒し可能な可変型などにコンテナ構造区分コード上で区分される。これらのコンテナは固定型であれ可変型であれ、基本構成は両端にある四隅の柱が主体となるために、関係者の間では単にラックコンテナと呼ばれている。
通常は海損防止のため船倉内に積載されるが、コンテナ本体より一回り大きな貨物を積載する場合も多々あるので、上に他のコンテナを積み重ねられない場合や、周りに他のコンテナを密着して並べて蔵置きができない場合も多く、この場合は船倉スペースに無駄が生まれる分だけ輸送運賃は高くなる。
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20ft両妻壁固定型に原木を積込んだ風景。
車体寸法規格の大きい諸国では、積載シャーシー自体にコンテナ荷役用の簡易クレーンが付いているので、作業効率が優れている。
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アメリカ軍専用の折たたみ型フラット・ラック・コンテナに固定された、多連装ロケット砲にセットされる為のユニット化された多連装ロケット弾。
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米国リース会社・CAI社の40ft折たたみ型 4364タイプ ラックコンテナ。
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積荷が無くなり、無用になった左記のラックコンテナを折りたたんで積み上げ、ラッシングバーで固定し纏めて単体
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両妻壁折りたたみ型42P3タイプをフラット・ベッド・コンテナとしての使用一例。
画像上部中央に写っている巨大な木箱の真下に、薄い灰色の40ftタイプのフラット・ラックコンテナが二個横並びで、台座として使われている。 - Drill bit 090707 002.jpg
両妻壁折りたたみ型をフラット・ベッド・コンテナとしての使用一例。
棒状の長い積荷の真下に、40ftタイプのフラット・ラックコンテナが二個縦並びで、台座として使われている。
デッドスペースを回避し、波しぶきに出来るだけ晒されぬ様に最上段に積み、且つ周りを他のコンテナで囲っている。
日本
日本の長さ12ft鉄道コンテナを3個積載して、1個の長さ40ft・9ft6in背高海上コンテナとして輸送できる、ラック貨物コンテナも存在する[14]。元々、日本の長さ12フィート鉄道コンテナを貨車・トラックへの積載時の固定装置は、日本独自の規格である半自動式中央緊締方式のため、国際海上ISO規格のツイストロック方式である船舶を利用した広範囲な外国への国際輸送は、トラック積載状態での日韓フェリー輸送のごく一部の事例を除き事実上、鉄道コンテナ単体での国際輸送が不可能であった。しかし、近年の国際的な物流事情の流れに即し、この独自の日本規格を変更することなく円滑に行える切り札的輸送方法として、ラックコンテナに鉄道コンテナを載せるという発想が生まれた。このラック貨物コンテナ床面には、収納可変式の半自動式中央緊締装置とツイストロックが三組分備えてあり、帰り輸送時等に積載する鉄道コンテナがなくとも、通常の汎用ラックコンテナ同様に他の貨物を積むことができるので、片荷による運用コストアップを抑えた運用ができる。なお、このコンテナは両端の四本柱は固定式である。
更に、過去の制作費の安い時代には中国、韓国から12フィート鉄道コンテナを逆輸入するための、アダプター的役目の1個のみ搭載できる四角形骨組みだけの、長さ20フィート型のラックコンテナもある[15]。ただし、積載効率が非常に悪く輸送コストもかかるので、試作品や冷凍コンテナのユニットなし本体のみなど、特殊な事情時に運用される。
伸長式ハイト・フラット・ラック・コンテナ
伸長式ハイトフラットラック (extendable-height flat rack container)
フラット・ベッド・コンテナ
別名、プラットホームベースともいう。基本的には、前項のフラット・ラック・コンテナのような四隅柱すらない土台となる床だけの変わった床板タイプのコンテナで、関係者の間では単にフラットコンテナと呼ばれているが、長手方向の両側に簡易差込式のいくつかの補助柱を備えたタイプも多く存在する。しかし、コンテナ自体が土台となる床だけのタイプゆえに、基本的には取り外した複数の補助柱をコンテナ本体内に収納できないため、これらの付属品管理が難しいのが難点である。
貨物を積載した場合には、仮に補助柱を使用している状態でもこのコンテナの上に他のコンテナは、補助柱の強度やあらゆる安全性の観点により一切段積みができないために、必ずデッドスペースが発生してヤードでの保管時は無論、特に船舶に積載しての輸送時には積み込み場所が制限や限定されるリスクが有る。例えば、コンテナ6個分の建設用機械類を輸送する場合に、前項のフラット・ラック・コンテナを使用しその機械の寸法が全てコンテナからはみ出ていないのであれば、ヤード保管時でも密着して蔵置きができたり、段積みもできるために、占有床面積はコンテナ2〜3個分で済む。また船舶輸送時であればさらに多段積みができるので、占有床面積は1〜2個分で澄む計算となり、この場合は他のコンテナと同等の効率の良い運用が可能で、運賃面でもデッドスペースの割り増し料金が付きにくい。
これに対して、このフラットコンテナは元々、段積みできる四隅の柱がないので貨物を積載した場合は、コンテナの段積み自体が全くできないために、輸送運賃や保管料の面で割増料金を課せられ、更に運用ルートおよび使用方法が大幅に限定される。構造的には非常にシンプルながらある意味、運用コストのかかる特殊なコンテナである。
前項の折倒し型および、この床だけのタイプは積載物なしの場合に数段の積重ねが出来るが、この状態での船舶以外へ積み込んでの回送輸送(トラック・鉄道利用時)はごく一部のものを除き[1]、構造安全上できない。ただし、参考事例として国際的な輸送は出来ないが、日本国内専用のJR貨物指定の同様構造コンテナの一部には、数個をまとめて段積み回送輸送ができるタイプのものもある。
オープン・トップ・コンテナ
コンテナ本体の高さを完全に超えた積荷に柔軟に対応出来る、オープン・トップ・コンテナの積載例。
茶色いコンテナ上部全体の青いシートで覆われた表面が盛り上がっているので、他のコンテナをこの上に段積みする事は一切できない。
オープン・トップ・コンテナ (open top container) は、屋根部分が通常の固定された強固な天板の代わりに幌や防水シート類が張ってあり、これらを取り外しクレーンにより開いた上部開口部からの荷役ができるため、ドライ・コンテナに積載できない高さのある貨物や、コンテナ壁面のドアからの搬出入作業が困難な重量物・長尺・異形貨物を主に積載する。日本語では無蓋(むがい)コンテナとも呼ばれている。なお、コンテナ本体より更に高さのある貨物を積載する場合も多々あるので、天井シートを駆使して盛り上がっている部分を包んでいるが、特に北九州市門司港の太刀浦埠頭地区でよく観られる輸出品である、鉱山用巨大ダンプに使われている大口径のタイヤは、背丈が高過ぎる為に天井シートが使えないので、あえて丸裸状態でトレーラー輸送したり、コンテナ船等の船舶に積載することとなる。
尚、積載する時等の荷役作業時は、ジブ・クレーン等で直接ワイヤーロープを使い、コンテナ上部四隅のツイストロック用ホールでの四点吊り上げ作業以外では、ガントリークレーンを使った通常のスプレッダ装置での直接吊り上げは出来ない。
この場合は、フラット・ラック・コンテナの荷役でも多用されている足長四本足テーブル形の専用アタッチメントを取り付けて吊り上げる。この様に天井シートが盛り上がる場合や丸裸状態では、フラット・ラック・コンテナ同様に船倉内及び、船上では大きなデッドスペースが生じるため、積載位置が大幅に制限されたり場合によっては割り増し運賃となるので、輸送運賃は高くなるリスクが付きまとう。また積載する船舶や航路によっても、受け入れスペースに余裕が無かったり、スペースを確保出来ても積載個数が限られて輸送プランが計画通りに進まず、商取引にも大きな影響を及ぼす恐れも多々ある。
その他、少数ながら高さが4〜6ft程度のハーフ型も、積荷を限定された専用貨物輸送用として存在する。
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天井を空けてクレーンを使っての荷役作業風景。
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20ft型を改造した、四連装地対空バリアント コンテナ ミサイル。
(通称:クラブ K システム) - Container 【 42U1 】 WHLU 340091(1)---No,1 【 Pictures taken in Japan 】.jpg
天井のシートを完全に取り外した状態。[注 7]
ハード・トップ・コンテナ
コンテナ構造区分コードでは別タイプとなるが、外観はドライ・コンテナと変わりはないものの、屋根の天板部分全体をクレーンで吊り上げて開閉するタイプで、少数ながら日本でも流通している。ただし、このタイプは、重い屋根の天板部分全体をクレーンで吊り上げて開閉するために、荷役作業前後に多少の手間が掛かる。
従来のオープン・トップ・コンテナでは、ほとんどに採用されている布張りの幌や、防水ビニールシート類が張ってあるために、積載貨物の情況に応じて天井が盛り上がるように貨物を積載したりするような柔軟性に優れているが、このコンテナは屋根全体が一枚又は、二枚の鉄板蓋でできているので、コンテナ本体内寸の高さより背の高い貨物は全く積載できない。しかしその反面、このコンテナの上には他のコンテナを何段にも積み上げできるため、船倉内でのデッドスペースは全く発生しないので、割り増し料金などのコストが節減できる。
カー・ラック・コンテナ
自動車輸送専用のコンテナで、大きく分けて固定ラック型と、折畳ラック型に分かれる。
固定ラック型
イメージとしては例えが悪いが、通常のドライ・コンテナタイプの鉄骨作り二階建て倉庫が火事で全焼して、底床と中間床の付いた完全な骨組み状態で焼け残った様な、文字通りただのラック型コンテナである。多くの場合では、最上部に固定された屋根が付いている。このコンテナは、構造自体が鉄の骨組みだけと言うシンプルな構造の為に、製作コストや後のメンテナンス費用が安く付く。しかしその反面、二階床が固定されている為に、二階部分への出し入れには専用の高所型スロープ又は、飛行機に貨物を積み込む様な高所リフト等が必要であり、車高の高いトラック又は、バス等は積載できない。更に全体が固定型の為に、帰り荷の無い返回送時には無駄な運送コストが掛かる。
折畳ラック型
- Autorackcontainer.JPG
ペン・コンテナ
牛、馬、羊等の生きた動物を輸送するためのコンテナ。屋根、通風窓、掃除口、排水口、餌箱等に独特の工夫がされている[16]。
ハイド・コンテナ
獣皮の輸送に使われるコンテナ。獣皮からはハイド・ジュースと呼ばれる汁や臭気が出るため、特別な対策がなされている。
バルク・コンテナ
穀類や粉状・粒状の貨物の専用輸送に用いられるコンテナ。基本的には、「箱型」と「丸型」に分かれている。
箱型バルク・コンテナ
コンテナの上部に開口部があり、貨物を流し込むことができる。
- Container 【 2080 】 MPIU 111113(1)"'---No,2"' 【 Container pictures taken in Japan 】.jpg
( 2080 )
- Container 【 2080 】 MPIU 111113(1)"'---No,1"' 【 Container pictures taken in Japan 】.jpg
( 2080 )
丸型バルク・コンテナ
いわゆる、液体用タンクコンテナを「粉物」用に置き換えて使用する。
海上コンテナの歴史
規格化された箱に不揃いな荷物を詰めて輸送の便宜を図るというアイデア自体は18世紀末の運河時代にまでさかのぼるが、当初の箱は小さくて荷物があまり入らない割に重量が重く、空箱を送り返す手間ばかりがかかり、なかなか普及しなかった。コンテナが重要となったのは、世界的にコンテナおよびコンテナ荷役機械が標準化された20世紀半ば以降である。
コンテナ化は貨物の荷役作業はもとより、物流全般、港湾・倉庫・船舶・鉄道、果ては航空の設計や仕組みまで大きく変えた。さらに、国際輸送にかかる時間と費用を削減して輸出入を有利にした、20世紀の物流革命の最も重要な要素であった。
前史
1830年代には欧米のいくつかの地域の鉄道会社が貨物列車用に、荷車や船にも積み替えできる木製の小さなコンテナを運用していた。こうしたコンテナは、もとは1780年代末にイギリスのブリッジウォーター運河をはじめとする各地の運河会社が艀に石炭を詰めるために開発したものであった。1840年代には鉄製のコンテナも登場し、1900年代初頭には鉄道から貨物自動車に載せ換えられる密閉されたコンテナも登場した。1920年代には、イギリスの鉄道会社間の運賃決裁などを行う鉄道運賃交換所 (Railway Clearing House) が各社まちまちのサイズのコンテナ標準化を行い、「RCHコンテナ」が誕生した。これは5フィートまたは10フィートの長さで、積み置きはできなかった。非常な成功を収めたものの、イギリスだけでの標準にとどまった。アメリカのみならず西側諸国やソ連などでも第二次世界大戦後、各国独自の規格の鉄道コンテナが普及していった。
アメリカでも1920年代に、鉄道・自動車・船の間での積み替え作業を省略するため、さまざまなインターモーダル輸送が試みられた。1926年から1947年にかけシカゴのシカゴ・ノースショア・アンド・ミルウォーキー鉄道は長物車に船社所有の貨物自動車を載せるサービスを始め、1929年初頭には船会社シートレイン・ラインズ社(Seatrain Lines)がニューヨーク・キューバ間で貨物列車輸送を始めた。1930年代半ばにはシカゴ・グレートウェスタン鉄道が長物車に貨物自動車を載せるピギーバック輸送を開始し、各鉄道会社が1950年代までにこのサービスに加わった。
戦争とそれにともなう兵站輸送の増大もコンテナの登場を後押しした。第二次世界大戦の後期にアメリカ陸軍は輸送船への積み下ろし時間を可能な限り短縮するためコンテナの使用を開始した。このコンテナは「トランスポーター」と呼称された。「トランスポーター」は再使用可能な鉄の箱で、寸法は長さ8.5フィート (2.6m)、幅6.25フィート (1.91m)、高さ6.83フィート (2.08m)、9,000ポンドの貨物が詰められた。当初は士官用の日用品輸送が中心だったが、朝鮮戦争で機密物資の荷役能力や効率性が評価され用途が広がった。釜山港での沖仲仕による作業時間の長さ、木箱に入れた貨物が窃盗されたり荷役時にダメージを受けたりしやすいことも、軍に鉄製コンテナの必要性を痛感させた。1952年には、修理用器具や部品などコンテナで急送する貨物を意味する「CONEX」(Container Express の略)と呼ばれる便が登場した。最初のCONEX貨物の輸送は、ジョージア州コロンバスのデポでコンテナに詰められサンフランシスコへ鉄道輸送され、横浜経由で韓国に上陸するという経路をとった。これにより荷役の手間は省かれ、輸送時間は従来の半分に短縮された。ベトナム戦争では物資の大半がCONEXで輸送された。国防総省は8フィート×8フィート×10フィートの軍用コンテナを標準化し、一般用にも普及した。
1951年、デンマークで、コンテナを輸送する目的で建造された最初の貨物船が運用された。同年、シアトル・アラスカ州間でも貨物船によるコンテナ輸送が始まった。コンテナ専用に建造された貨物船「クリフォード・J・ロジャース (Clifford J. Rodgers)」を使用した、世界初の海陸一貫コンテナ輸送システムは、1955年にモントリオールで、ホワイト・パス・アンド・ユーコン・ルート社(White Pass and Yukon Route, アラスカ太平洋側からユーコン準州を結ぶ鉄道)により構築されている。1955年11月26日、600個のコンテナを載せたクリフォード・J・ロジャース号はノースバンクーバーから出港し太平洋を北上してアラスカ州東南部のスキャグウェイ港へ着き、ここでコンテナ専用貨車に積み替えられ国境を越えてユーコン準州へと北上した。ユーコン準州からの貨物は、現地の荷主がコンテナに詰め、鉄道・船・トラックを経由して一度もコンテナを開けられることなく受取人のもとへ届いた。
構想
今日につながる船舶用コンテナの発明者は、一介のトラック運転手から身を起こし、全米有数の陸運業者となったマルコム・マクリーン(1913-2001)といわれ、1956年にアメリカ最初のコンテナ専用貨物船「Ideal-X」を就航させている。そのアイデアは1930年代、彼がニュージャージーのトラック運転手だった時代にまでさかのぼるが、実現したのは彼が船会社「シーランド」(現マースクライン)を設立した1950年代だった。
かつては貨物船の荷役は、いくらかのクレーンを補助的に使うほかは、基本的に陸仲仕や沖仲仕といわれる港湾労働者たちが大勢で人手で行っていた。彼らは岸壁に停泊した本船に数日がかりで荷物の積み下ろしを行っていた。港の沖では、無数の本船が岸壁の順番待ちを強いられ、無駄な時間をすごしていた。こうした港湾での待ち時間は、世界的な船のスケジュールや、陸上輸送・工場生産のスケジュールをも狂わせていた。はしけにより沖仲仕が海上で荷役作業をすることがあったが、風が強く海が荒れている場合などは大変危険な作業であった。
また倉庫や船舶から貨物の一部が抜き取られる「荷抜き」も頻繁に発生していた。ロンドンのドックランズなどの倉庫・埠頭街や保税地区は高い塀で周りを囲まれていたが、内部の作業員による盗難は収まらなかった。加えて港湾荷役は「肉体労働者である沖仲士を大量に雇い集めての集団労働」という性格から、暴力団(マフィアやヤクザなど)の介入を招きやすく、主要な港の有力な港湾荷役会社が暴力団のフロント企業であったり、港湾労働者の労働組合を実質的にマフィアが仕切ったりするような事例が世界各地に多々存在した。
陸上での、トラックから倉庫や船への積み下ろし作業も、手間と時間がかかるものだった。個人トラック業者だったマクリーンは、積んできたトラックの荷物が船に積まれていくのを岸壁でじっと待つ間、トラックから荷物を降ろしてまた本船の船倉に並べなおすよりは、いっそのことトラックごと船に積んでしまえば楽になるはずだと考えていた。
実用化
マクリーンが陸運会社を大きくした1950年代、彼はかねてからのアイデアを実現に移すべく中古の貨物船を購入して改造し、トレーラーをそのまま船倉に乗り入れさせて積み込む貨物船(RO-RO船)を実現した。だがこれはトレーラーの車輪や運転席の分だけ無駄なスペースが必要で、もっと効率的に詰め込むため、彼はトレーラーの運転席・車台部分と荷物の入った部分を分離させ、荷物の入った箱型の部分を規格化して「コンテナ」にし、一方船側の船倉全体に規格化されたコンテナを積み木のように積み固定するためのガイドレールを縦横に設けた「コンテナ船」を発明した。このコンテナを運ぶクレーンは当面は船にも設置したものの、基本的に船には余計なクレーンは設置せずに、港の岸壁にコンテナ積み下ろし用の「ガントリークレーン」を設置して、将来はこれを世界中の港に整備すべきだとした。マクリーンは自らの陸運会社を売って船会社を買収し、中古軍用タンカーを買ってコンテナ船「Ideal-X」に改造し、1956年、ニュージャージー州ニューアークからテキサス州ヒューストンまでを58個の金属製コンテナを積んで運航した。
世界標準化
海上輸送のコンテナ化により、船に積んだコンテナを別の港で規格化された車台を持つトレーラーにおろしてそのまま客先まで運ぶという、海陸一貫輸送が実現した。マクリーンはこれらのコンテナ船を持つ会社を海陸一貫の理想をこめて「シーランド」と名づけ、アメリカ国内航路だけでなく外国航路にも乗り出した。アメリカ合衆国の同業者やヨーロッパ、日本の船会社も追随し、ベトナム戦争の兵站輸送を始め海上貨物輸送の多くがコンテナを採用した。1960年代後半には世界各地の主要港で、従来型の荷役作業を行なう港湾労働者の「コンテナ化反対運動」のさなか、コンテナ専用埠頭が次々完成した。この時代、日本の神戸港がコンテナ取扱個数世界一を誇っていた。
海上輸送用コンテナの規格は、アメリカのトレーラーや鉄道で使われていたコンテナが元になった。当初はシーランド社の用いていた35フィートコンテナ(アメリカのセミトレーラー車の当時の最大規格)、およびマトソン社[2]の24フィートコンテナ(同じくフルトレーラー車の最大規格)の2種類が主流だったが、国際海運業界の採用を前に1963年にISOが規格を統一し、長さ40ft高さ8ft(1A型)と長さ20ft高さ8ft(1C型)などの4種類とされた。
コンテナ自身は耐久性があって何年も使用が可能であり、中身の貨物は運送中も確実に保持・保護され、積み重ね可能で、野積みの状態で倉庫代わりにもなり、荷抜きの問題は大幅に解消された。世界中の航路を2,000 TEU級の大型コンテナ船や1万 TEUを超える超大型コンテナ船が往来し、ガントリー・クレーンを使いわずか1日や半日で貨物の積み下ろしを終えて次の港へ向かうという、定時性が高く早いコンテナ時代が到来し、世界の貿易や物流のありようが、わずか十数年で根底からがらりと変わってしまった。こうしてコンテナ船に対応できない従来型の埠頭や倉庫は急速に寂れていった。
さらなる拡大
1980年代末には、国際貨物が急増する日本やアジア⇔北米間の海上輸送に対応するため、4,000 TEU級の巨大船が建造された。これらの船は狭いパナマ運河を通れないため、大西洋側には行かないかわり、オークランドやロングビーチなど太平洋側の港で船から貨物列車の台車(コンテナ車)に直接コンテナをおろし、大陸横断鉄道で全米へ輸送することになった。コンテナを一度に大量に運ぶ船の導入により、効率化と運賃競争激化への対応をめざしたものである。また、鉄道で西海岸から東海岸に運送したほうが、すべて船で運ぶより到着時間が早いメリットもあった。さらに、9.6フィート高のコンテナや、45フィート長の大型コンテナも登場する。コンテナ船は商用のみならず軍需物資輸送にも使用され、湾岸戦争では多国籍軍の食糧・兵器輸送のために82,000 TEU以上がペルシア湾に運ばれたが、混載された貨物の複雑きわまる行き先管理は当時の情報システムの限界に達し、その後の物流の大きな課題となった。
2000年代前後より、中国の「世界の工場化」にともない輸送量がさらに増える一方、運賃競争も激しさを増してコンテナ船会社同士の国境を越えた合併が相次いだ。船自体も8,000 TEU、9,000 TEU、14,500 TEUという全長300mを超える超大型船が運航されるようになった。これにあわせ、世界中の港ではガントリー・クレーンの大型化や水深15m級岸壁の整備など、設備の大型化工事に追われている。今日では一年間の船舶輸送のうち、90%以上がコンテナ化され、年2億個以上のコンテナが輸送されている。
ISOによるコンテナ標準化で、陸運会社や鉄道会社は、ISO標準コンテナに合わせた大きさのトレーラーや貨車の車台への置き換えが迫られた。また、多種の異なった大きさだった貨物用パレットも、ISO標準コンテナに合うサイズに標準化されてきており、独自のパレット規格にこだわってきた、JR貨物などの日本の各業者も、標準化が急務となっている。特に日本の鉄道貨物を殆ど独占しているJR貨物の独自のパレット規格が、海と陸の一貫輸送の大きな障壁となっている。
大手海上コンテナ輸送業者
世界の12大コンテナ輸送会社 コンテナ輸送数順 (TEU) | |||
会社名 | TEU | ||
---|---|---|---|
マースクライン (デンマーク) | 2,592,694 | ||
メディテラニアン・シッピング・カンパニー (MSC)(スイス) | 2,362,854 | ||
CMA-CGM (フランス) | 1,514,423 | ||
エバーグリーン(長栄海運)(台湾) | 868,953 | ||
中国遠洋運輸公司グループ(COSCO) (中国) | 772,304 | ||
ハパックロイド (ドイツ) | 727,838 | ||
アメリカン・プレジデント・ラインズ(APL)(シンガポール) | 628,146 | ||
韓進海運 (韓国) | 627,027 | ||
チャイナ・シッピング (CSCL) (中国) | 601,563 | ||
商船三井 (日本) | 547,464 | ||
東方海外貨櫃航運公司(OOCL) (香港) | 458,416 | ||
日本郵船(NYK) (日本) | 457,529 |
世界の12大コンテナ輸送会社 (船舶数順) | |||
会社名 | 船舶数 | ||
---|---|---|---|
マースクライン (デンマーク) | 570 | ||
メディテラニアン・シッピング・カンパニー (MSC)(スイス) | 472 | ||
CMA-CGM (フランス) | 429 | ||
エバーグリーン(長栄海運)(台湾) | 206 | ||
パシフィック・インターナショナル・ラインズ(PIL)(シンガポール) | 174 | ||
中国遠洋運輸公司グループ(COSCO) (中国) | 161 | ||
ハパックロイド (ドイツ) | 152 | ||
チャイナ・シッピング (CSCL) (中国) | 133 | ||
アメリカン・プレジデント・ラインズ(APL)(シンガポール) | 121 | ||
韓進海運 (韓国) | 115 | ||
商船三井 (日本) | 110 | ||
ハンブルグ・スド (ドイツ) | 103 |
- 2014年1月20日現在。出典はAlphaliner[17]。多国籍企業については親会社が本社を置く国名を表記。
- 2005年8月、マースク・シーランド[3]はP&Oネドロイド[4](イギリス、オランダ)の買収を完了し、2006年よりマースクラインの統一ブランドで運用されている。
海上コンテナ取扱量
世界の海上貨物コンテナの取扱量を港湾ごとに見ると、2008年の統計では中国の港が20位までに8港も入っている。上位の8位まではすべてアジアの港である。日本の港は2008年で東京が24位で横浜が30位となっている。1970年代は神戸とロッテルダムが世界のトップであったことを考えれば、産業構造の変化が進んでいることがわかる。中国でも、特に上海港の伸びが著しく、後背地での生産や消費の激増と洋山深水港の開港などにより取扱量が増え、シンガポールや香港を抜いて1位となった。
|
海上コンテナのISO規格
大きさ
以下に海上貨物コンテナに関するISO規格とISO規格に含まれない規格を示す。青い部分が主に流通しているコンテナである。
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構造区分コード
構造区分コードとは、国際ISO規格に定めるコンテナ個々の国籍や種類および、形式を識別するためにアルファベットと数字から構成され、4桁-6桁でコンテナに記載されている共通識別記号である。1987年改定のコードと1995年改定のコードを以下に示す。
1987年改定表
1987年改定コードは、国際ISO規格のISO 6346:1984に基づき、日本ではJIS Z 1615:1987(制定年月日1972年3月21日、改定年月日1987年3月15日)として制定された。
このコードは一例として、例えば「 JP 2210 」のようにアルファベット2文字と、数字4桁で構成されている。アルファベット2文字は、#国籍コードの国名一覧表で割り当てられた国籍コードであり、コンテナ本体への記載が義務付けられていた。なおJPは( 日本 )を表す。
また一例でのJPに続く数字4桁( 2210 )部分のうち、#数字4桁中の前部2桁一覧表により一例での( 22 )部分をコンテナの大まかな種類を示す( 種類コード )として示し、#数字4桁中の後部2桁一覧表により一例での( 10 )部分を、コンテナの種類毎に更に細分化した( 形式コード )として示す。
例えば、あるコンテナを種類コードで先ず(タンクコンテナ)という種類に分類し、その分類された個々の(タンクコンテナ)を更に(普通品用途)又は、(危険品用途)等に形式コードで細分化して、必要なニーズに的確且つ敏速に対応出来る様にしておけば、商機を逃がさず投資したコンテナの稼働率も上がり、更には事故や違法行為を未然に防ぐ事が出来る。
種類コード一覧表内に出てくるグースネックトンネル(単にグースネックとも言う)とは、コンテナ本体の底の部分に存在してトレーラーなどに積載した時に、シャーシ前側の突起と組み合わせるための細長い窪みのことを指す。別名、トンネルリセスとも言う。
国籍コードの国名一覧表
旧、国籍コードの不明国籍一覧表
旧、コード | 画像例 ※番号クリック |
---|---|
BSX | ・(BSX 2210 =資料) |
CHX | ・(CHX 2271 =資料) |
CSX | ・(CSX 2210 =資料) |
DKX | ・(DKX 2210 =資料) |
DXX | ・(DXX 2072 =資料) |
FLX | ・(FLX 2075 =資料) |
FXX | ・FXX 4278 |
GBX | ・(GBX 2078 =資料) |
NLX | ・(NLX 2078 =資料) ・(NLX 2272 =資料) |
NZX | ・(NZX 2040 =資料) |
SFX | ・(SFX 2280 =資料) |
RCX | ・(RCX 2251 =資料) |
数字4桁中の前部2桁一覧表
種類コード | 長さ | 高さ | グースネックトンネル | 画像例 |
---|---|---|---|---|
10 | 10 フィート | 2,438 mm | 無 | (10T5 =資料) |
12 | 2,591 mm | 無 | ||
18 | 1,295 〜 2,438 mm | (有)・(無)を問わず | (18UA =資料) | |
20 | 20 フィート | 2,438 mm | 無 | 20T6 |
21 | 2,438 mm | 有 | ||
22 | 2,591 mm | 無 | 2210 | |
23 | 2,591 mm | 有 | 2351 | |
24 | 2,591 mm 以上 | 無 | (24T2 =資料) | |
25 | 2,591 mm 以上 | 有 | 25G1 | |
26 | 1,219 〜 1,295 mm | 無 | 2650 | |
27 | 1,219 〜 1,295 mm | 有 | ||
28 | 1,295 〜 2,438 mm | (有)・(無)を問わず | 2876 | |
29 | 1,219 mm 以下 | (有)・(無)を問わず | 2960 | |
40 | 40 フィート | 2,438 mm | 無 | 40S1 |
41 | 2,438 mm | 有 | ||
42 | 2,591 mm | 無 | 42B6 | |
43 | 2,591 mm | 有 | 4361 | |
44 | 2,591 mm 以上 | 無 | 4410 | |
45 | 2,591 mm 以上 | 有 | 45G1 | |
46 | 1,219 mm | 無 | ||
47 | 1,219 mm | 有 | ||
48 | 1,295 〜 2,438 mm | (有)・(無)を問わず | 48T9 | |
49 | 1,219 mm 以下 | (有)・(無)を問わず | 49P0 |
数字4桁中の後部2桁一覧表
形式コード | 種類
※積荷に適合したコンテナ。 |
詳細
※青色文字は該当画像へリンク。 |
画像例
※番号をクリック。 |
---|---|---|---|
00 | ドライ・コンテナ
(簡易通風孔なしの一般用途) |
片妻または両妻開き。 | ・JP 2000 |
01 | 片妻または両妻開き、さらに長手方向の片側または両側全面開き。 |
・JP 2201 | |
02 | 片妻または両妻開き、さらに長手方向の 片側または両側一部開き。 | ・JP 2202 | |
03 | 片妻または長手方向の両側開きかつ、段積強度のある屋根部位も開く。 | ||
04 | 片妻または長手方向の両側開き、または、両側のみ開きかつ、いずれの場合も段積強度のある屋根部位も開く。 | ||
05 | 本来は予備コード用であるが、現状では長手方向の片側開きとして流通している。 |
・ US 2205 | |
06 〜 09 | ※ 予備コード。(割当なし) | ||
10 | ドライ・コンテナ
(上部に簡易通風孔付きの一般用途) |
コンテナ全長1 mあたりの通気面積が、25 cm2未満。 | ・JP 2210 |
11 | コンテナ全長1 mあたりの通気面積が、25 cm2以上。 | ||
12 | ※ 予備コード。(割当なし) | ||
13 | ベンチレーター・コンテナ
(通風孔付きの通風専用用途) |
コンテナ側面に上下部の一方部又は両方部又は、側面全体部の通風孔付きで、いずれの場合でも機械なしの自然換気方式。 | ・(FR 2213 =資料 ※上部のみに帯状通風孔付。) |
14 | ※ 予備コード。(割当なし) | ||
15 | 内部に換気用の機械付。 | ・(2215 =資料) ※扉部分に円形通風機付。 | |
16 | ※ 予備コード。(割当なし) ※本来の用途割り当ては『 通風系 』であるが、諸外国では『 開放型コンテナの固定妻壁構造 』として流通している。・(GB 2216 =資料) |
||
17 | 外部に換気用の機械付。 | ||
18・19 | ※ 予備コード。(割当なし) | ||
20 | バルク、ホッパ・コンテナ
(箱型の非加圧排出式容器で、乾燥した 粉末又は、粒状のバラ積み用途) |
密閉式。 | |
21 | 通気装置式。 | ・(RU 2221 =資料) | |
22 | 換気装置式。 | ||
23 | 機密式。 | ||
24 | ※ 予備コード。(割当なし) | ||
25 | 特殊貨物用コンテナ
(特殊用途) |
動物用。(ペン・コンテナ) | |
26 | 自動車用(カーラック)及び、バイク類。 | ・JP 2826 | |
27 〜 29 | ※ 予備コード。(割当なし) | ||
30 | リーファー・コンテナ (冷凍、加温用途) |
機械なし冷凍専用。 (各種冷媒又は、保冷材投入式で外気温度が+38度時に、庫内は-18度の温度維持条件付) |
|
31 | 機械付冷凍専用。 (外気温度が+38度時に、庫内は-18度の温度維持条件付) |
・(DE 2231 =資料) | |
32 | 機械付冷凍・加温両用。 (外気温度が+38度時又は、-20度時に、庫内は-18度又は、+16度の温度維持条件付) |
・JP 2232 ・JP 2232 | |
33 | 機械付加温専用。 (外気温度が-20度時に、庫内は+16度の温度維持条件付) |
||
34 〜 38 | ※ 予備コード。(割当なし) | ||
39 | ※本来は予備コード用の割り当てであるが、現状では予備機を含む二組の冷凍機械付として流通している。 | ・JP 2239 ( FRONT/前側 ) | |
40 | ポートホール型、リーファー・コンテナ (冷凍・加温用途で、専用の機械は外付け脱着式) ※庫内温度維持条件はなく、機械の能力による。 |
コンテナ本体の熱貫流率K【W/(cm2℃)】は、0.4以下。 | ・IT 2040 ・NZ 2040 |
41 | コンテナ本体の熱貫流率K【W/(cm2℃)】は、0.4以下。 ※脱着式の外付け装置は、コンテナ本体の外周寸法内に収まる事。 |
||
42 | コンテナ本体の熱貫流率K【W/(cm2℃)】は、0.7以下。 | ・(IS 2242 =資料) | |
43・44 | ※ 予備コード。(割当なし) | ||
45 | サーマル・コンテナ
(冷蔵・保温用途) |
コンテナ本体の熱貫流率K【W/(cm2℃)】は、0.4以下。 | |
46 | コンテナ本体の熱貫流率K【W/(cm2℃)】は、0.7以下。 | ||
47 〜 49 | ※ 予備コード。(割当なし) | ||
50 | オープン・トップ・コンテナ
(箱型で固定した屋根なし・無蓋構造) |
片妻または両妻開き。 | ・NO 2650 |
51 | 片妻または両妻開き、さらに扉上部はり(カマチ)は着脱式。 | ・JP 2251 | |
52 | 片妻または両妻開き、さらに長手方向の片側または、両側開き。 | ||
53 | 片妻または両妻開き、さらに長手方向の片側または、両側開きで扉上部はり(カマチ)は、着脱式。 | ||
54 〜 59 | ※ 予備コード。(割当なし) | ||
60 | プラットホーム、フラットベッド・コンテナ(土台となる床だけの構造) | 規格はJIS Z1625(国際大型プラットホームコンテナ)に準ずる。 ※ただし、諸外国では『 二本でセットとなった逆U字型、固定隅柱構造のラック 』として流通している。・(2260 =資料) |
・DK 2960 |
61 | フラット・ラック・コンテナ
(固定妻壁構造) |
固定した妻壁構造。 | ・(ES 2061 =資料 ※バスケット型) |
62 | 全て独立した固定隅柱構造。 | ・ JP 2262 | |
63 | 開放型コンテナ
(折りたたみ構造) |
妻壁折りたたみ式。 | ・CH 2263 |
64 | 独立した隅柱の折りたたみ式。 | ・PA 2264 ・ US 4364 | |
65 | 開放型コンテナ
(上けた <カマチ> 固定構造) |
固定された屋根付。 | ・JP 2265 |
66 | 固定された屋根無し。 | ||
67 | 固定された屋根および、妻壁無し。 | ||
68・69 | ※ 予備コード。(割当なし) | ||
70 | タンク・コンテナ
(液体、気体用途) |
液体、気体非危険物。 (最大圧力条件付) |
・ JP 2070 |
71 | 液体、気体非危険物。 (最大圧力条件付) |
・JP 2071 | |
72 | 液体、気体非危険物。 (最大圧力条件付) |
・(DXX 2072 =資料) ※箱型。 | |
73 | 液体、気体危険物。 (最大圧力条件付) |
・JP 2273 | |
74 | 液体、気体危険物。 (最大圧力条件付) |
・JP 2274 | |
75 | 液体、気体危険物。 (最大圧力条件付) |
・(2075 =資料) | |
76 | 液体、気体危険物。 (最大圧力条件付) |
・JP 2276 | |
77 | 液体、気体危険物。 (最大圧力条件付) |
・JP 2277 | |
78 | 液体、気体危険物。 (最大圧力条件付) |
・US 2078 | |
79 | 本来は予備コード用であるが、現状ではガス輸送用として流通している。 | ・NL 2079 | |
80 | ホッパ・コンテナ
(箱型の容器で、乾燥した粉末又は、粒状のバラ積み用途) |
密閉式ホッパ型。 | ・JXX 2080 |
81 | 通気装置式ホッパ型。 | ・(DE 4481 =資料) | |
82 | 換気装置式ホッパ型。 | ||
83 | 気密式ホッパ型。 | ||
84 | ※ 予備コード。(割当なし) | ||
85 | バルク・コンテナ
(丸型タンク体の容器で、乾燥した粉末又は、粒状のバラ積み用途) |
平置き状態での加圧式。 (最大圧力条件付) |
|
86 | 平置き状態での加圧式。 (最大圧力条件付) |
||
87 | ダンプupでの加圧式。 (最大圧力条件付) |
||
88 | ダンプupでの加圧式。 (最大圧力条件付) |
・JP 2288 | |
89 | ※ 予備コード。(割当なし) |
1995年改定表
1995年改定コードは、国際ISO規格のISO 6346:1995(発行年月日1995年11月23日)に準拠したもので、1987年改定表のうち形式コードの部分を置き換えている。また国籍コードについては、画像のように記載のものと、同じ所有者でも未記載のものが混在しており、近年新しく製作されたコンテナは未記載がほとんどである。
形式コードは、アルファベット1文字と数字1桁の組み合わせに変わった。
形式コード | 【 種 類 】
※積荷に適合したコンテナ。 |
【 詳 細 】
※青色文字は該当画像へリンク。 |
【画像例】
※番号をクリック。 |
---|---|---|---|
G0 | ドライ・コンテナ(一般用途) | 簡易通風孔無し、片妻または両妻開き。 | ・12G0 ・(22G0 =資料) ・45G0 |
G1 | 上部に簡易通風孔付き、片妻または両妻開き。 【例外事例】 |
・20G1 ・22G1 ・25G1 ・42G1 ・45G1 | |
G2 | 片妻または両妻開き、さらに長手方向の片側または両側全面開き。 | ・(22G2 =資料) ※片妻・片側L二方開。 ・22G2 ※両側総開き。 | |
G3 | 片妻または両妻開き、さらに長手方向の片側または両側一部開き。 | ・(22G3 =資料) ・45G3 | |
G4 | 現状では、未分類特殊構造(G9)コードへの割り当てに匹敵する様な、各種の特殊仕様へ割り当てられている。 | ・22G4 ・(45G4 =資料) ※屋根は取り外し可能の鉄蓋仕様。 | |
G5〜 G8 | 《 詳 細 不 明 》 | ||
G9 | 未分類特殊構造に「当面」付番されるコード。 一例として(ハンガー)、(ドライ、バルク兼用)、(その他特殊用途)。 |
・20G9 ※基本はバルク用 ・ ドライ用の両用ながら、現状は石灰石をバラ積み輸送している。 | |
V0 | ベンチレーター・コンテナ(通風孔付き通風用途) | コンテナ側面に上下部の一方部又は両方部又は、側面全体部の通風孔付きで、いずれの場合でも機械なしの自然換気方式。 | ・22V0 ※上・下部に帯状通風孔付。 |
V1 | 《 詳 細 不 明 》 | ・(22V1 =資料) ※上・下部に帯状通風孔付。 | |
V2 | 換気用機械内蔵型、強制換気方式。 | ・(42V2 =資料) ※扉部分に円形通風機付。 | |
V3 | 《 詳 細 不 明 》 | ||
V4 | 換気用機械外部設置型、強制換気方式。 | ||
V5 〜 V8 | 《 詳 細 不 明 》 | ||
V9 | 未分類特殊構造に「当面」付番されるコード。 | ||
B0 | バルク、ホッパ・コンテナ(乾燥ばら積み用途) | 箱型、非加圧排出式。 | ・22B0 ・22B0 |
B1 | ホッパ・サイロ型、非加圧排出式。 | ・(45B1 =資料①) | |
B2 | ハードトップ・強制反転型、自然落下排出式。 | ・( 20B2 =資料)※諸外国では、四側面が全て開閉しない固定されたプール状の隔壁構造の容器型コンテナで、天井のみ取り外し可能な天板で蓋をする。 ある意味横長のタッパ状の構造を備えて、鉱山から掘り出した鉱物のバラ積み輸送用として流通している。 積荷の排出方法は、専用の逆U字形スプレッダ装置でコンテナの両端側を掴み、半回転又は一回転させて自然に落下させる。 | |
B3 | 《 詳 細 不 明 》 | ||
B4 | タンク型、加圧排出式。 | ・( 22B4 =資料) | |
B5 | 《 詳 細 不 明 》 | ||
B6 | タンク型、加圧排出式。 | ・42B6 ・42B6 | |
B7 | タンク型、加圧排出式。 | ・22B7 | |
B8 | 《 詳 細 不 明 》 | ||
B9 | 未分類特殊構造に「当面」付番されるコード。 | ||
S0 | 特定貨物コンテナ(特殊用途) | 動物用(ペンコンテナ)。 | ・(22S0 =資料) |
S1 | 自動車 ・ バス ・ トラック類用。 | ・(22S1 =資料) ※箱型仕様。 | |
S2 | 鮮魚輸送用。 | ||
S3 | 発電専用。 ※ 現状では、例外で(G0)コードでの割り当てあり。 |
・22S3 ※アフガニスタンにおける、ドイツ国際治安支援部隊で使用。 ・(25S3 =資料) ※米キャタピラー社が得意とする建設現場他、各種の大規模催事会場等への臨時電源供給用。 | |
S4 〜 S8 | 《 詳 細 不 明 》 | ||
S9 | 未分類特殊構造に「当面」付番されるコード。 | ||
R0 | リーファー・コンテナ(冷凍、加温用途) | 機械式、冷凍専用型。 | |
R1 | 機械式、冷凍・加温両用型。 ※旧形式区分#数字4桁中の後部2桁一覧表の2239ツイン型は、この新形式区分での R1に統一されている。 【事例】 |
・12R1 ・25R1 ・42R1 | |
R2 | 機械式、冷蔵・加温両用型。 | ||
R3 〜 R8 | 《 詳 細 不 明 》 | ||
R9 | 未分類特殊構造に「当面」付番されるコード。 | ||
H0 | サーマル・コンテナ(保冷、保温用途) | 外付けの取り外し可能な機器で保冷および/または加熱し、熱伝達係数K = 0.4W以下。 | |
H1 | 保冷および/または取り外し可能な機器を内蔵。 | ||
H2 | 外付けの取り外し可能な機器で冷蔵および/または加熱し、熱伝達係数K = 0.7W以下。 | ||
H3 ・ H4 | 《 詳 細 不 明 》 | ||
H5 | 機械なし保冷(各種冷媒投入式)、熱伝達係数K = 0.4W以下。 | ・22H5 ・45H5 | |
H6 | 機械なし保冷(各種冷媒投入式)、熱伝達係数K = 0.7W以下。 | ||
H7 ・ H8 | 《 詳 細 不 明 》 | ||
H9 | 未分類特殊構造に「当面」付番されるコード。 | ・(22H9 =資料) ※断熱式プレハブ小屋 | |
U0 | オープン・トップ・コンテナ(箱型で屋根板無し無蓋構造)又は、(箱型で屋根板有り且つ、屋根板の吊上げ取外し式) | 現状としては屋根板無し無蓋構造及び、段積強度のある屋根開き(屋根板の吊上げ取外し式)が混在している。 扉上部はり(カマチ)はいずれも固定式。 |
・(12U0 =資料) ・(18U0 =資料①) ※画像中央下部、二個連結で20ftとしても使用できる。 ・(22U0 =資料) ・(28U0 =資料) ※無蓋構造で後部扉は、ダンプカー用の傾斜型排出板仕様になっている。 ・(28U0 =資料①) ※屋根をシートで覆っている斜め画像。 ・(28U0 =資料①) ※屋根は取り外し可能の鉄蓋仕様、(U6)コードに該当するハードトップ構造で後部扉は、ダンプカー用の傾斜型排出板仕様になっている、後部画像。 |
U1 | 片妻または両妻開き、さらに扉上部はり(カマチ)は着脱式。 | ・22U1 ※本体高さより積荷のシートが盛り上がっている事例。 ・(22U1 =資料) ・(22U1 =資料①) ※室内から見た長手方向に移動する、蛇腹状の天井梁金具風景。 ・(25U1 =資料) ※背高シート屋根仕様。 ・45U1 ・(45U1 =資料) ※日本の東芝メディカルシステムズ所有の、医療機器輸送用。 | |
U2 | 片妻または両妻開き、さらに扉上部はり(カマチ)は着脱式。 | ・20U2 | |
U3 〜 U5 | 《 詳 細 不 明 》 | ||
U6 | 段積強度のある屋根開き(屋根板の吊上げ取外し式)。 さらに扉上部はり(カマチ)は着脱式。 |
・22U6 ※日本国内限定で、各地の災害瓦礫輸送用。 ・45U6 | |
U7・U8 | 《 詳 細 不 明 》 | ||
U9 | 未分類特殊構造に「当面」付番されるコード。 | ・(22U9 =資料) ※バスケットコンテナでの割り当て例。 | |
P0 | 開放型コンテナ(各種構造) | プラットホーム、フラットベッド・コンテナ (土台となる床だけの構造)。 | ・22P0 ・49PO |
P1 | フラットラック両妻固定。 | ・42P1 | |
P2 | フラットラック全柱独立固定。 | ・(25P2 =資料) | |
P3 | 両妻折たたみ式。 | ・22P3 ・22P3 ・40P3 | |
P4 | 両妻折たたみ式。 | ・42P4 | |
P5 | 全体が骨格を基本とした構造。 | ・(45P5 =資料) ※両妻柱枠取り外し可能式(風車部品を運ぶ為の特定積荷専用)背高タイプ。 ※空返送時は複数個の段積が可能である。 | |
P6 ・ P7 | 《 詳 細 不 明 》 | ||
P8 | 両妻折たたみ式。 | ・22P8 ・45P8 | |
P9 | 未分類特殊構造に「当面」付番されるコード。 | ||
T0 | タンク・コンテナ(液体・気体用途) | 液体。 | ・22T0 |
T1 | 非危険物液体。 | ・(22T1 =資料) | |
T2 | 《 詳 細 不 明 》 | ・(22T2 =資料) | |
T3 | 危険物用。 | ・20T3 | |
T4 | 《 詳 細 不 明 》 | ・22T4 | |
T5 | 危険物液体。 | ||
T6 | 危険物液体。 | ・12T6 ・20T6 ・20T6 | |
T7 | 危険物液体。 | ・22T7 | |
T8 | 非危険物気体(ガス)。 | ・(20T8 =資料) ・22T8 | |
T9 | 危険物気体(ガス)。 | ・20T9 ・22T9 ・(28T9 =資料) ※ボンベ2段仕様。 | |
TD | 特定危険物液体 。 | ・22TD | |
TG | 特定非危険気体類(ガス)。 | ・20TG | |
K0 | 非危険物液体。 | ||
K1 | 危険物液体(最大圧力は、2,65気圧以下)。 | ||
K2 | 危険物液体(最大圧力は、2,65気圧以上で10気圧以下)。 | ・(20K2 =資料) ※日本国内の液体苛性ソーダ輸送で使用中。 | |
K3 | 危険物液体(最大圧力は、10気圧以下)。 | ||
K4 | 制御管理用の電源を必要とする、非危険物液体。 | ||
K5 | 制御管理用の電源を必要とする、危険物液体(最大圧力は、10気圧以下)。 | ・(22K5 =資料) ※アメリカで運用されている、日本のフジフイルム子会社。 | |
K6 | 制御管理用の電源を必要とする、危険物液体(最大圧力は、10気圧以上)。 | ||
K7 | 継続する低温管理が必要である。 | 一例として、超低温輸送されているヘリウムガス輸送専用のタンクコンテナに割り当てられている。 | |
K8 | 全ての気体(ガス)。 | ・(22K8 =資料) | |
K9 | 未分類特殊構造に「当面」付番されるコード。 |
航空貨物用コンテナ
航空貨物用コンテナの定義と現状
航空貨物用コンテナは別名、ULD (Unit Load Device) と呼ばれる。飛行機のメーカーや機種、運航する航空会社に応じて作られている。飛行機内部の限られた貨物スペースに搭載する関係から1辺が1-2m程度、長くても6m程度で、海上用や鉄道用に比べると非常に小さい。円筒形をした飛行機の断面に合わせるため、直方体の箱のほか、その一辺を欠いたような五角柱形状のものも多い。航空機の積載荷重制限は船舶や鉄道より厳しいことから、軽量化のためジュラルミン製のものが多い。小型軽量のため、専用のローラーコンベア上では人力で移動可能である等ハンドリングは比較的容易である。反面、材質が軽く脆弱なため、鉄道用や海運用のコンテナに比較すると強度が弱く、損傷しやすい面もある。
航空機用コンテナを、空港と航空貨物会社の市内営業所や航空郵便受渡郵便局などの間で輸送する場合、コンテナ自体は基本的に防水構造(一部の規格を除く)[注 12]であるため、通常は平荷台トラックが使用される。荷台上での内容物の積卸が容易となるよう、あおり戸を低くした専用仕様車もある。事業者によってはコンテナの損傷防止のためウィング車などを使用する例もある。
- Okęcie - containers.JPG
空港内に並んだ各種の航空機用コンテナ。
航空貨物用コンテナの種類
他のコンテナ同様、保冷機能を有したものもある。変わったものでは競走馬専用のコンテナや貨客兼用機(コンビ型)用の客室乗務員休憩室コンテナ、一部機体では燃料タンク代わりに搭載出来るコンテナ型追加燃料タンクがある。アルミ合金製の軽量ISO20フィート規格コンテナもあり、貨物機の上部デッキに搭載される。
- Nippon-Sharyo LD-3V ULD 002.JPG
日本車輌製造製LD-3V型
- Nippon-Sharyo LD-3V ULD 001.JPG
同内部
- Mobile Crew Rest MCR0003LH in Finow.jpg
ルフトハンザドイツ航空のボーイング747コンビ:貨客兼用型に搭載されていたモービルクルーレスト(客室乗務員休憩室コンテナ)。
- WestJet empty cargo bins.jpg
逆台形タイプが主流の航空貨物用コンテナでは珍しい、ウエストジェット航空所有の、長方形で且つ両サイドがカーテンシート式ドライコンテナ。
カルガリー国際空港にて。 - Uld LD8.JPG
両側が逆台形タイプで且つ両サイドがカーテンシート式、LD8型ドライコンテナ。
航空貨物用コンテナの規格
タイプ | 容量 | 寸法 (底幅 / 全幅 × 奥行 × 高さ) |
自重 | 最大総重量 | |
---|---|---|---|---|---|
LD-1 | 5.0 m3 (175 ft3) | 156.2 / 233.7 × 153.4 × 162.6 cm (61.5 / 92 × 60.4 × 64 in) |
70 - 170 kg (155 - 375 lb) |
1,588 kg (3,501 lb) | ドアは帆布か固い板 747, 767, 777, 787, MD-11 の床下貨物室 |
LD-2 | 3.5 m3 (124 ft3) | 119.4 / 156.2 × 153.4 × 162.6 cm (47 / 61.5 × 60.4 × 64 in) |
92 kg (203 lb) | 1,225 kg (2,700 lb) | 747, 767, 777, 787 の床下貨物室 |
LD-3 | 4.5 m3 (160 ft3) | 156.2 / 200.7 × 153.4 × 162.6 cm (61.5 / 79 × 60.4 × 64 in) |
82 kg (181 lb) | 1,588 kg (3,500 lb) | 747, 767, 777, 787, DC-10, MD-11 の床下貨物室 |
LD-6 | 8.9 m3 (316 ft3) | 317.5 / 406.4 × 153.4 × 162.6 cm (125 / 160 × 60.4 × 64 in) |
230 kg (507 lb) | 3,175 kg (7,000 lb) | LD-3の2倍の大きさ, ドアはストラップ入りの帆布 747, 777, 787, DC-10, MD-11 の床下貨物室 |
LD-8 | 6.9 m3 (245 ft3) | 243.8 / 317.5 × 153.4 × 162.6 cm (96 / 125 × 60.4 × 64 in) |
127 kg (280 lb) | 2,450 kg (5,401 lb) | LD-2の2倍の大きさ, ドアはストラップ入りの帆布 767, 787 の床下貨物室 |
災害とコンテナの関わり総括事例
阪神・淡路大震災
- Images from The Great Hanshin-Awaji Earthquake=c180.jpg
神戸市中央区地内。
大規模な海上コンテナ施設が集中している神戸ポートアイランドで、埋め立てて造成した人工島ゆえの液状化現象により、横転した駐車中のコンテナ積載車両。 - Images from The Great Hanshin-Awaji Earthquake=c116.jpg
神戸市中央区地内。
大規模な海上コンテナ施設が集中している神戸ポートアイランドで、埠頭の護岸が崩れて傾いた駐車中のコンテナ積載車両。
画像中央左側は、海中に転落して浮かんでいるコンテナの姿。 - Images from The Great Hanshin-Awaji Earthquake=a056.jpg
戸市東灘区の六甲アイランド内で地盤陥没したコンテナターミナル施設。
※神戸ポートアイランド同様に、大規模に埋め立てて造成した人口の島の為に、比較的新しい施設とはいえ液状化現象で大規模な被害を被った。 - Images from The Great Hanshin-Awaji Earthquake=c111.jpg
神戸市中央地区。
神戸ポートアイランド内のコンテナターミナルで、液状化と護岸崩落の為にガントリークレーンが倒壊し、左側端に積み上げていた冷凍コンテナの一群が直撃でスクラップ状態となっている。
東日本大震災
宮城県女川町では、2011年11月に、東日本大震災被災地向けに作られた仮設住宅としてはじめて海上コンテナが使われた多層式仮設住宅の入居が開始された。コンテナや紙管を利用した建築で知られる建築家の坂茂に女川町が打診して設計されたもので、平らな土地が少ない女川町に対応する為、日本の仮設住宅としては初の3階建構造となっている[26]。
右の空撮映像は東北大震災での大津波の直撃を受け、ほぼ壊滅的な被害を受けた仙台塩釜港高砂コンテナターミナルの悲惨な光景。
一部の三段積み状態も含む、大量の規則正しく整然と並べられていた海上コンテナが、一瞬で積み木崩し状態に散乱し、その他にも写真には写っていないが、引き波の影響で大量のコンテナが、既に太平洋へ流出してしまっている。
構内でのコンテナ移動荷役方式を、門型移動式クレーン方式では無く、コンテナを抱き込んだ状態でも広大な構内を自由に走り回れる、大型のストラドルキャリア方式としていた為に、写真で見る限りでも7台もの黄色いストラドルキャリアが横転している。
また中にはコンテナ1個を抱きかかえて、別のコンテナの上にさしかかり、二段積み状態のままで運悪く横転している車両も見られる。
- The container which was carried away by a tsunami,Kashima-city,Japan.jpg
東北地方太平洋沖地震により発生した津波により運ばれたコンテナ。鹿嶋市、神栖市。
- UM8A-××× 【全国通運】 東日本大震災.jpg
岩手県大槌町から静岡市への木くず搬出風景。( 震災当時の山田町処理施設にて )
伊豆大島・土石流災害
平成25年10月の台風26号に伴い発生した伊豆諸島大島町の災害廃棄物を、平成26年1月30日から平成26年10月16日まで、東京都内7つの清掃工場で受入処理をする事となった。[27]
これに伴い、先の東北地震で震災瓦礫輸送の一環として使用され、その後に輸送が終了し余剰となっていたJR貨物認定の鉄道輸送用UM8A形式の無蓋コンテナ166個を、新たにリースで借り受け[28]、大島元町港 ⇔ 東京都の辰巳埠頭間の船舶輸送用として準備した。尚、このUM8A形は元々、コンテナ下部を大型フォークで持ち上げての荷役作業を想定していた為に、船舶輸送で必要となるコンテナ上部四隅には、吊り上げ用のフックホール等が無いので、輸送工程の半数以上を占める海上輸送での吊り上げ荷役作業を円滑に進める必要性から、急遽コンテナ上部四隅の柱を切断してツイストロック用のホール付ブロックを1コンテナ当たり四個を溶接加工して、吊り上げ荷役が出来る様に改造を施し、輸送体制を整えた。
- UM8A-297 ① 【伊豆大島 土石流災害復興現場】より.jpg
大島元町港 ⇔ 東京都の辰巳埠頭間の船舶用輸送用に特別に用意された、土石流瓦礫輸送専用の長さが12ftサイズで、5t積み瓦礫輸送用コンテナ。
- UM8A-487 【日本通運】 東日本大震災.jpg
【参考画像】 東北震災時代に活躍していた、コンテナ上部四隅柱が加工される前の姿。
熊本地震
『平成28年熊本地震』より発生した大量の災害廃棄物を、県外の廃棄物処理施設において広域処理するため、東北震災で始めて登場し、輸送終了後に待機状態となっていた大栄環境社所有のハード・トップ・コンテナを再利用して輸送する事となった。
28年6月より熊本市内の仮置場においてに詰め込まれた災害廃棄物を、井本商運株式会社が熊本港から三重県の廃棄物処理施設に向けて大阪港まで海上輸送し、大阪港からは陸路で輸送された。画像は今回の輸送のために熊本港コンテナターミナルに積上げられた、大量のハード・トップ・コンテナ群。
- 【熊本災害関連】001135546 国交省サイトより.jpg
熊本港コンテナターミナルで、災害廃棄物コンテナの荷役風景。
単に貨物を運ぶだけではない役目を負うコンテナ
コンテナの本来の目的は、貨物を運ぶ事である。 しかし、近年の産業構造の大きな変化や、日々生まれ続ける革新的技術等を組み合わせて現代ではコンテナとは貨物を運ぶ容器では事足りなくなり、以前では想像もつかなかった使われ方もしている。その代表事例が、従来の貨物ではなく、設備そのものを運ぶ事である。
各種設備機器類での応用事例
- 2000年代後半からは通信技術の飛躍的な発展で、いわゆるパソコンが日々欠かせない存在となり、それに伴いコンテナベースのデータセンターも現れている(詳細はデータセンター#コンテナ型データセンターを参照)。Googleは、自社のコンピューティング環境の効率やコストに敏感といわれてきたが、2009年4月に同社は、1AAAタイプのコンテナに1160台の自前サーバを搭載してモジュール化し、これらを多数組み合わせてデータセンターを構築していることを公表した[29]。
有事での応用事例
- 1991年の湾岸戦争で、コンテナは当初の予定にない様々な使われ方をした。多国籍軍の物資を運ぶだけでなく、換気のために穴を空けることによって、間に合わせの居住空間や捕虜の移送用としてもコンテナは使われた。コンテナは敵の攻撃に備える遮蔽物としても使われ、壁面に土嚢を積むことで対戦車ロケット弾 (RPG) にも耐えうる簡易要塞を構築することが可能であった。
- 20年前に世界中の注目を集めた日本国内で起きた、阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件を始め、アメリカでの世界貿易センタービルの崩壊事件他、各地で絶える事のない戦争などの経験を生かして、コンテナを応用した診療所・仮説ベット・手術室等の各種高度医療設備や、入浴や仮説トイレ・調理設備、更には避難シェルターなどと、いわゆるライフライン設備を備えた機動性に富むコンテナが開発され続けている。
コンテナを使った居住・貯蔵空間
コンテナの強度は新しい素材の登場や、近年の溶接や塗装を含め目覚しい製造技術の向上と共に、20世紀とは格段に強度が増してきている。例えば一個当たり30数トンのコンテナが船倉で九段積みされて静止状態時で最下位の上部四隅コンテナには、30数トン×八個=300トン弱の加重が既に掛かっている。 更に航海中で大しけに遭遇し船体が上下に激しく揺れた場合には、静止状態の二倍弱の数百トンもの加圧される垂直荷重に絶えうる強固な強度が製造時に規定されている。また近年の二万TEU超え積みメガ級コンテナ船の甲板上では、脅威の十段積みも日常的に見られる。このためにコンテナの耐久性も非常に高く規格化され、積み上げたり横に連結することや逆に切断することができ、移動が比較的簡易に可能で世界中にあふれており、特に汎用性の高いドライコンテナは比較的安いため、理想的な建築材料とも言える。
建築関連での応用事例
コンテナを買い取って物置代わりに使う家庭や、建築現場やイベント会場での仮設オフィス、空き地でのカラオケボックスに使う会社などは以前からあったが、コンテナを多数組み合わせて家屋や各種の店舗や屋台、オフィス、アパート、寮、学校、アトリエ、ほか仮設住宅などを作っている個人や会社や政府関連機関、あるいは建築家も世界各地に多く現れている。
- Hh-containerhbf.jpg
コンテナ製仮設事務所
- Studentenboot Zwolle.jpg
コンテナで作った住宅。オランダのズヴォレ市
日本国内での現状としても、海上コンテナをベースにしたコンテナハウスなど、改造コンテナの使用事例も多い。しかしこのように建築材料として優れた面をもつ一方で、比較的手軽に利用・設置が可能であることから、建築確認申請等の手続きを経ずに(あるいはそれを要することを知らない一般市民により)設置され、違反建築物として取り締まりの対象とされる例が全国で後を絶たない。このような違反においては、コンテナ同士の結合や基礎への緊結も十分になされていない例も多い。
こうしたことから実際に利用する場合には、建築士や特定行政庁に相談する等、十分注意する必要がある。
娯楽・芸術での応用事例
- キルギスタンなど中央アジアでは、ドルドイ(Dordoi、дордои)と呼ばれる巨大迷路のようなバザールがISOコンテナを積み上げて形成されている。ドルドイは首都ビシュケクをはじめ大きな町で、あらゆる商品、特に衣服などを扱う市場として設置され、市民以外にもカザフスタンをはじめ多くの遠来の客や商人を呼び込んでいる。
- レッドブル・エアレース・ワールドシリーズでは世界各地に臨時の管制塔を設営するため、コンテナの側面に窓を開けた移動可能な管制塔を利用している。
- 世界各地では、例えばコンテナをアーチ状に組んだりした大規模な芸術祭や、コンテナを巧みに取り入れたオブジェなどの展示も盛んに行われている。
- E7920-Dordoy-Bazaar-electronics.JPG
コンテナを積み上げて造られたバザール、ドルドイ
- Speybank by Luc Deleu.jpg
ルック・デルー作「Speybank」
(横浜トリエンナーレ2005年展、山下公園にて) - Container.JPG
40ftコンテナで作られたオブジェ。(神戸海洋博物館・神戸港
- 2017RedBullAirRaceChibaRaceControl.jpg
コンテナを改造した管制塔(2017年の千葉大会)
貿易摩擦等での想定外事例
1990年代以降、北アメリカには、貿易赤字に伴って比較的安いコンテナが大量にあふれることになった。工業製品はアジアから、一部はヨーロッパから、コンテナに積載されて北アメリカに来るが、北アメリカから輸出する製品は少なく、船会社はそれなりの費用をかけて空コンテナを大量に送り返す必要があった。空コンテナの返送費より新品のコンテナを中国などで買う費用の方が安い場合もあるため、コンテナを一方的にアジアからアメリカに送り、不要になった中古コンテナのアメリカでの新たな使い道を見つける必要が生じていた。
脚注
注釈
- ↑ JIS Z8301 では最後を伸ばさないが国語表記の基準(文化庁)では伸ばす。
- ↑ トラックの荷台では中身が確認できるが、海上コンテナでは万国共通の専用封印の為、中身は極一部の特例の場合を除き、基本的に確認できない。
- ↑ 45ft以上のコンテナ上下部分には、本来の吊り上げや固定に使われる両端部のツイストロック用ホール以外に、世界的に共通の規格で統一された当時から今日まで広く普及している、40ftサイズ対応での荷役機器を有効に活用し、更に近年普及してきた長大サイズに合わせた新規投資負担を回避する為に設置された、側面部の各長手方向一辺梁の途中部位に、40ftサイズに合わせたツイストロック用ホールが必ず設置してある。
この為にコンテナ1個当りのツイストロック用ホール数は、40ftタイプ迄では8個、45ftタイプ以上では16個となる。 - ↑ 近年、日本国内で流通しているコンテナによっては海外の事業者名義又は、日本の事業者名義の20ft又は40ftを問わず、34,000kgとの記載された事例も目立って来ている。
しかし、日本国内で流通させる場合は、30,480kg以下に減量させている。 - ↑ 青いコンテナの真下の特殊シャーシには、ツイストロック等の固定装置は無く、代わりにシャーシ前後左右から斜め上向きに飛び出している爪状の受け枠で、ズレない様に支える。
- ↑ 日本にも2006年10月に神戸、名古屋、横浜へと寄港しているが、ガントリークレーンの荷役能力が不十分で、迅速な荷役が行なえていない。
- ↑ 更にこのコンテナは、開口した上部の横向きの一本梁が、片端を支点として180度水平に横撥ねして高さ制限を無くしてしまう、特殊なカラクリ構造を備えている。
- ↑ 茨城県/2016年1月29日、平成27年9月、関東・東北豪雨により被災した常総市における災害廃棄物。
- ↑ 使われている青色コンテナは、両側(長手方向)に強硬な屋根蓋を固定するロックバーが、各4本づつある。本来ならば、強硬な屋根蓋仕様用のタイプコード、U6が割り当てられるが、この輸送では屋根に弾力のあるシート類仕様に割り当てのタイプコード、U1を使用している。
- ↑ その8年後の2014年11月には、約3割増し容量の、19.000 TEUクラスが就航した。
- ↑ 2013年順位 1位上海3362TEU、2位シンガポール3224、3位深圳2328、4位香港2235、5位釜山1769、6位寧波1735、7位青島1552、8位広州1531、7位ドバイ1364、8位天津1301、9位ロッテルダム1162、10位大連1086、11位ポート・クラン(マレーシア)1035、12位高雄994、13位ハンブルグ930。28位東京486、横浜289
- ↑ コンテナ開口部の蝶番部の構造が単純なため内容物の濡損する可能性はある。
出典
- ↑ “OOCL Hong Kong Achieves Guinness World Record” (英語). The Maritime Executive . 2018閲覧.
- ↑ チーズ20トンどこへ? 舞鶴港でコンテナごと盗難 2003/01/09 【共同通信】
- ↑ ただし、熱中症死や密閉されたコンテナでの窒息死などのリスクを伴う
- ↑ コンテナから集団密航か 福井県の敦賀港 2003/01/16 03:09 【共同通信】
- ↑ 新システムでトレーラー横転を防げ!
- ↑ 中国でドアを突き破り、飛び出した大型の石材に打ち潰されたトレーラーのキャビン
- ↑ 【画像と記事】ドライコンテナで建設機械類を輸送中に大爆発を起こし、コンテナの後部観音扉が吹き飛ぶ
- ↑ 渡辺逸郎著 「コンテナ船の話」 成山堂書店 18年12月18日初版発行 ISBN 4-425-71371-0
- ↑ 40ftコンテナを約一分以内で荷役作業しているカウント付きの動画。
- ↑ 世界最大のコンテナ船「CMA CGM Marco Polo」号が、認証機関のビューローベリタス社にて船級認定。 2012/12/12up
- ↑ 世界最大のコンテナ船MOL Triumph竣工 ~世界初20,000TEU超のコンテナ船 アジア-北欧州航路に就航~
- ↑ 日本初の20,000TEU型コンテナ船MOL Truth竣工 ~国内建造最大、アジア-北欧州航路に就航~
- ↑ ※注意点 タンク内充填数量について 【株式会社・日新】
- ↑ 出典=アスタミューゼ株式会社
- ↑ 出典=コンテナの絵本
- ↑ 横浜市港湾局 港湾業務用語集
- ↑ “Alphaliner - TOP 100 Operated fleets”. Alphaliner. . 2014/1/20閲覧.
- ↑ AAPA World Port Rankings 2011 (PDF) 2011年3月23日閲覧
- ↑ 1995年順位 1位香港1254、2位シンガポール1185、3位ロッテルダム479、4位高雄523、5位釜山450、6位ハンブルグ289、7位横浜276
- ↑ 「海上物流、主役は中国」日本経済新聞2015年4月27日朝刊9面。出典は「世界のコンテナ輸送と就航状況 2014年版」(日本郵船編。日本海運集会所発行)
- ↑ 吉識恒夫著 『造船技術の進展』 成山堂書店 2007年10月8日初版発行 ISBN 9784425303212
- ↑ BIC(Bureau International des Containers)のサイト。
- ↑ 23.0 23.1 国際大形コンテナのコード、識別及び表示方法
- ↑ Freight containers -- Coding, identification and marking
- ↑ Boeing Cargo (PDF)
- ↑ 宮城最後の仮設住宅、入居始まる=土地少なく初の3階建て-女川 2011年11月6日 時事ドットコム
- ↑ 大島町の災害廃棄物の受入処理
- ↑ ⼤島町災害廃棄物処理調査報告
- ↑ グーグル、自社設計のサーバを初公開 -データセンターにみる効率化へのこだわり 文:Stephen Shankland(CNET News.com) 翻訳校正:川村インターナショナル 2009年4月6日
- (資料1) http://www.matts-place.com/intermodal/part1/sea_containers1.htm
- (資料2) http://62.195.114.122/index2.html
- (資料3) http://photos.yahoo.co.jp/ph/gazouya1/rlst?.dir=/&.src=ph&.done=http3a//photos.yahoo.co.jp/ph/gazouya1/lst%3f%26.dir=/%26.src=ph%26.view=t gazouya1 (※フリー画像アルバム)
関連項目
- 物流、ロジスティクス
- メガターミナルオペレーター
- コンテナ荷票
- モーダルシフト
- JR貨物のコンテナ形式
- ばら積み貨物、ブレイクバルク貨物
- 事業者:フォワーダー、乙仲
- 荷役:フォークリフト、トップリフター、リーチスタッカー、ストラドルキャリア
外部リンク
- 横浜市港湾局 - 海上コンテナの種類
- 旭運輸株式会社 - 海上コンテナの種類
- 板橋商事 - 海上コンテナ用語関連
- BIC国際コード所有者検索 - 海上コンテナ所有者検索用、国際登録機関公認サイト(英文)
- 日本工業標準調査会(JIS検索) - JIS規格番号入力から、各種コンテナJIS規格詳細を検索可能。
- コンテナの絵本 - コンテナファンのページ (日本語⇒海上コンテナ・国内内航コンテナ・国内鉄道コンテナ各種総合画像サイト)
- MATT'S PLACE-Intermodal Container Web Page - コンテナファンのページ、海上コンテナ専門画像サイト(英文)
- 海上コンテナ図鑑 Freight containers in Japan - 海上コンテナの画像サイト
- NCA - 日本貨物航空 - 航空貨物用コンテナの種類