グアテマラ
グアテマラ共和国(グアテマラきょうわこく、スペイン語: República de Guatemala)
面積 10万8889km2
人口 1552万8000(2013推計)
首都 グアテマラ市
中央アメリカ北西部にある国。西と北はメキシコ,北東はベリーズ,南東はホンジュラス,エルサルバドルと国境を接し,南は太平洋に臨み,東にわずかながらカリブ海の海岸線をもつ。国土の南半は山がちで,南北二つの山系からなる中央高地がその中核をなす。南側の山系には中央アメリカの最高峰タフムルコ火山(4220m)をはじめとする火山が多い。北半はペテン平原と呼ばれる低平な石灰岩台地で,カルスト地形がみられる。太平洋岸には幅約 50kmの海岸低地が連なる。熱帯気候区に属するが,中央高地には垂直気候帯が発達。北東貿易風の影響下にあるため,風上のカリブ海側は高温多雨で熱帯雨林が繁茂,風下の太平洋側は雨が少なく疎林,草原が広がる。11月~4月が乾季。スペイン人来住以前は,マヤ族を中心としたインディオが住み,マヤ文明が栄えた地であり,今日も住民の約 40%を占める。また,ラディノと呼ばれるスペイン系白人とインディオの混血も約 60%で,ほかに白人,黒人がごく少数住む。宗教はローマ・カトリックが 4分の3を占め,公用語はスペイン語であるが,通用語として約 20種のインディオの言語がある。1524年スペイン人に征服されたのち,グアテマラ総督領の一部として統治されたが,1821年独立を宣言。のち一時メキシコ帝国に併合されたが,その崩壊とともに 1823年旧総督領諸国が中央アメリカ連邦を結成。同連邦解体後 1839年単独の政府を樹立,1847年共和国として正式に独立した。1871年以降 70年以上自由主義時代が続いたのち,1944年10月の革命を経て,1945年以降アレバロ・ベルメホ政権下に社会改革が進められ,次のヤコボ・アルベンス・グスマン大統領は農地改革を実施(グアテマラ革命)。しかしアメリカ合衆国の介入で 1954年軍部による反革命が起こり,軍による独裁政治とこれに抵抗する左翼ゲリラの間で内戦状態となった。1986年民政移管したが,クーデター未遂やテロが頻発し,1996年に和平協定が成立するまで内戦が続いた。経済的には就業人口の約 40%が農業に従事するが,国民総生産 GNPに占める割合は 25%に満たない。主作物はコーヒー,サトウキビ,バナナ,綿花で,ほかに国内消費用にトウモロコシ,マメ類,カボチャなどを栽培する。各種の鉱物資源に恵まれ,アンチモン,鉄鉱石,鉛,金などを産する。1980年代初めから石油の開発が進められ,輸出もされている。工業は 1960~80年に急速に成長したが,以後は減速。主要工業は食品,たばこ,繊維,セメントなど。マキラドーラ(保税加工区)を設置し輸出向け衣類の製造に力を入れている。北部を除くと交通網は比較的発達。