オーストラリア

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オーストラリア連邦(オーストラリアれんぽう、英語: Commonwealth of Australia)

オーストラリア大陸およびタスマニア島などからなる国.イギリス連邦の構成国。国名はラテン語のテラ・アウストラリス(南方の大陸の意)に由来。17世紀のオランダ人航海家アベル・J.タスマンの来航,1770年のジェームズ・クックの東海岸上陸ののち,1788年のニューサウスウェールズ植民地発足がこの国の起源。その後 19世紀前半にタスマニア,ビクトリア,クイーンズランドの各植民地が分離し,サウスオーストラリア,ウェスタンオーストラリの両植民地が建設され,今日の州の原型が成立した(→ニューサウスウェールズ州タスマニア州ビクトリア州クイーンズランド州サウスオーストラリア州ウェスタンオーストラリア州)。1901年に連邦を結成。植民地の後身である 6州と,ノーザンテリトリーと呼ばれる准州,オーストラリアンキャピタルテリトリーと呼ばれる連邦政府直轄地区により構成される。連邦が外交,軍事,貿易などかぎられた権限を州から委譲されているほかは,州政府が広い権限をもち,政治的経済的社会的には州が重要な地域単位である。住民のうちオーストラリア先住民は全人口の 2.5%にすぎない。ほかはイギリス系やアイルランド系が多いが,特に第2次世界大戦後は南ヨーロッパ系や東ヨーロッパ系の住民が増え,大都市にこの傾向が著しい。1979年に「白豪主義」を制度上撤廃し,アジアからの移民も増加,今日では約 7%に達している。都市人口は全人口の 85%を占め,州都およびキャンベラなど 10万以上の都市に 70%以上が集中している。これは大陸の自然条件および交通条件により,居住適地が東部,南東部,南西部の狭い海岸にかぎられることと,州経済の中心としての州都の重要性が高いことのためである。高い生活水準と進んだ社会福祉制度を支える経済は,農牧業および鉱業に依存してきた。農牧業従事者は少ないが,関連する 2次産業,3次産業への波及や輸出において重要。羊毛,肉,コムギ,酪製品など農牧産品は,1990年代初めには輸出額の約 40%を占めていたが,2010年には約 10%まで減少している。鉱業は 19世紀以来の金,石炭,非鉄金属(銅,鉛,亜鉛)に加え,第2次世界大戦後,特に1960年代以降,鉄鉱石,原料炭,ボーキサイト,ニッケル,ウランなどの大規模な開発により,輸出においても関連工業への波及や辺地の開発の点からも重要性が増大し,2010年には輸出額の約 70%を占めた。工業は鉄鋼,自動車をはじめ国内市場向けの諸製品の生産と,農牧業,鉱業,エネルギー資源を背景とした資源関連工業に特色がある。非イギリス系住民の増加,アメリカ合衆国や日本,東南アジアとの経済関係の強化により,イギリスとの関係は相対的に弱まってきている。公用語は英語。(→オーストラリア史