A.P. モラー・マースク
A.P. モラー・マースク(デンマーク語:A.P. Møller - Mærsk A/S)は、デンマークの首都コペンハーゲンに本拠を置く海運コングロマリット。ファンネルマークは青地に7角の白い星。2006年現在、売上高世界一の海運企業[1](ニューズウィークの業種別ランキングでは海運部門1位[2])であり、コンテナ船部門に強みがある。
概要
世界125カ国に拠点を置き、コンテナ船のほかにもタンカー、車両運搬船など全部で約250隻の船舶を保有(運航しているコンテナ船は約550隻)。海運以外にも流通、造船、石油やガスの採掘(Mærsk Olie og Gas AS)などを手がけている。
歴史
1904年、ピーター・マースク・モラー、アーノルド・ピーター・モラー親子が中古の汽船「スヴェンドボーグ」を購入して事業を開始。その後業容を拡大し世界屈指の海運会社へと成長。
1999年には船舶用コンテナを発明し海運業で成功を収めたマルコム・マクリーンが設立したシーランドの国際定航部門を買収(現在のマースクライン)、2006年2月にはコンテナ船部門で世界第3位だったP&O ネドロイド(イギリス・オランダ系)を買収し(現在はマースクラインの名で運航)、さらに規模を拡大させた。
日本での事業
日本には1947年に日本支社を東京に、港湾管理事務所を横浜・神戸に開設。その後1981年に現地法人として「マースク株式会社」を設立し、横浜市・静岡市清水区・名古屋市・大阪市・神戸市等の国内8箇所に拠点を置いている。国内の自社コンテナターミナルは横浜港(南本牧埠頭)、神戸港(六甲アイランド)の2カ所。特に横浜・南本牧は2バースで年間100万TEU規模の取り扱いを有し、単独船社ターミナルとしては国内随一の物量を誇る。
エネルギー事業
エネルギー事業ではMaersk Oil(Mærsk Olie og Gas AS)が唯一の子会社である。1962年、デンマーク領内の北海での石油・天然ガスの開発及び生産が承認されたことにより設立された。[3]北海等の困難な環境下での生産技術、問題のある地層から石油を取り出す掘削技術を持つ。
今日、Maersk Oil社は世界中の石油・天然ガスの開発に携わっており、合計石油生産量は1日あたり60万バレル、天然ガスでは2800万立方メートル以上である。生産の殆どがデンマークとイギリス領内の北海からのものであるが、カタール沖、アルジェリア、カザフスタンでの生産も含まれている。加えて、ドイツ・ノルウェー領内の北海、メキシコ湾、トルクメニスタン、オマーン、モロッコ、ブラジル、コロンビアそしてスリナムでの開発に関与している。これら殆どの活動はMaersk Oil社の全出資ではなく、コンソーシアムを組んで行われている。
脚注
- ↑ 川崎汽船株式会社『2007年ファクトブック—2.主要海運会社との比較 (186KB)—』
- ↑ [「41業種835社産業別ランキング」阪急コミュニケーションズ『ニューズウィーク日本版』、2007年10月10日号、P71]
- ↑ http://www.maerskoil.com/en/AboutMaerskOil/