剣翔桃太郎
剣翔 桃太郎(つるぎしょう ももたろう、1991年7月27日 - )は、東京都葛飾区出身の追手風部屋所属の現役大相撲力士。本名は安彦 剣太郎(あびこ けんたろう)。身長184cm、体重171kg、血液型はB型[1]。最高位は西十両5枚目(2016年11月場所)。趣味は寝ること。得意手は押し、右四つ、寄り。好物は肉、マシュマロ
来歴
葛飾区立南奥戸小学校2年生の時に祖父から「優勝したら小遣いをやる」と言われて小遣い稼ぎのつもりでわんぱく相撲の大会に参加するようになると、葛飾区内では無敵の強さを誇るようになった。4年生から参加できる都大会への参加が決まるとその優勝賞金は倍に増やされたが、結果は1回戦負け。この時に相撲に負けたこと自体を悔しく感じたことで本格的に相撲を始める事を決意し、地元の葛飾白鳥相撲教室で稽古を始めるようになった。[2]5年時にはわんぱく相撲全国大会ベスト8の実績を残した。同学年の千代嵐とは出身地が近いことからアマチュア時代は何度も顔が合ったという[3]。同郷の千代大龍が小学6年生で相撲を始めた当初は自身が稽古に協力したと伝わるが、自身は千代大龍より3学年下なので千代大龍が中学に進学してからは面識が無くなったという。同郷の千代大龍と同じく葛飾区立大道中学校に進学し、3年時には全国都道府県別中学選手権3位に輝いた。[4]英乃海の後を追って進学した埼玉栄高校時代は3年時に高校総体団体優勝、全日本ジュニア体重別選手権100キロ以上級優勝など活躍を見せ、アマチュア時代の実績はこの頃が最も充実していた。大学も英乃海の後を追って日本大学文理学部体育学科に進学したが、大学時代は稽古に真面目に取り組まずに遊ぶようになってしまったという。[2]2年の終わりで改心して団体戦レギュラーの座を掴むも3年で左肘の靭帯を負傷してしまった。個人戦では1年から4年連続で全日本相撲選手権出場を果たし1年時と2年時にベスト32の結果を残したが結局もう一つのところで個人タイトルを逃し、結局大学時代は個人無冠に終わった。[5]なお大学の同期生には後に大相撲でも同部屋となる大翔丸がいる。
大学卒業間際に日本大学の1年先輩である遠藤を追う形で追手風部屋に入門し、2014年1月場所初土俵。動機は本人曰く「入門するなら勢いのある部屋がいい」とのことで、遠藤から刺激を受けることを望んだという。初土俵となる1月場所は3戦全勝で一番出世。翌3月場所、続く5月場所もそれぞれ7戦全勝として序ノ口優勝、序二段優勝の結果を残した。7月場所は始まる前から優勝した気になり油断したため、7番相撲で飛燕力に敗れて三段目優勝を逃した。幕下に昇進した9月場所では、高校・大学の先輩で、場所後に十両昇進を決めた英乃海にこの場所唯一の土をつ け、最後の相撲では幼少期から何度も対戦した千代嵐と対戦し、勝利。幕下優勝を飾った。[3]優勝インタビューでは「今場所は思い切り当たれる相撲がなく、余裕がなかった。まだ自分には筋肉や本当の地力がなく、感覚だけで取っている。(幕下上位の)来場所は、まずは勝ち越しを目標にしたい」と場所の総括を兼ねて抱負を語っていた[6]。前相撲デビューから6場所目にして関取目前となる東幕下4枚目まで昇進した11月場所は、最後の相撲で負けて初土俵以来初の負け越しを喫したが、2場所後の2015年3月場所で再び東幕下4枚目に戻ると今度は勝ち越した。その後1場所の負け越しはあったものの、幕下5枚目以内の番付で関取を窺う場所が続き、9月場所の時点で幕下5枚目以内での勝ち越しが3回を数えたにもかかわらず十両昇進が見送られた際は相撲雑誌に「5枚目以内で3回の勝ち越しで上がれなかったケースは全く珍しい」と投書が送られた[7]。しかし東幕下筆頭とした同年11月場所を5勝2敗と勝ち越して十両昇進を果たした。十両昇進と同時に、これまで本名のままだった四股名を「剣翔」と改めた。[8]新十両会見では「人気、実力ともに遠藤関を超えたい」と、日大の先輩で角界きっての人気力士の兄弟子超えを宣言した。これには同席した師匠の追手風も「難しいことを言うなあ」と苦笑い。それでも止まらず「1度もごちそうしたことないので、遠藤関にごちそうしたい。大きい顔したいです」とノリノリで話した[9]。迎えた2016年1月場所では千秋楽までもつれたものの8勝7敗と勝ち越し。この場所では奇しくも、自身と同時に新十両を手にした千代翔馬が同じ十両12枚目(剣翔は東、千代翔馬は西)でこれも同じ8勝7敗の成績を残している。その後は7~8勝の小幅の勝ち越しか負け越しを重ねる形で十両に定着したが、十両9場所目となった2017年5月場所は6日目の朝乃山戦で下手投げで敗れた際に腰を痛め[10]、残りの相撲の出場が危ぶまれる中で皆勤はしたが6勝9敗と、初めて7勝を挙げられずに終えることとなった。2018年1月場所も7勝8敗で終え、2018年3月場所前の記事では「そろそろ殻を打ち破る活躍を期待したい」と書かれた[11]。しかし、3月場所では殻を打ち破るどころか、自身初めての2桁黒星となる、4勝11敗と大きく負け越した。東十両14枚目で踏みとどまった5月場所では、逆に自身初めての2桁白星となり、3月場所とは勝ち数と負け数が逆の11勝4敗を記録した。千秋楽は勝てば十両優勝となる相星決戦で阿武咲との取組だったが、敗れて初めての十両優勝はならなかった。9月場所は自身6度目の7勝8敗となり、「8勝すれば安心しちゃうし、8敗するとヤバいと思う。気持ちの問題ですね」と反省し、27歳になった身として「もう上を目指さないといけませんね」と焦りを見せた[12]。
主な成績
2018年9月場所終了現在
通算成績
- 通算成績:183勝149敗(29場所)
各段優勝
- 幕下優勝:1回(2014年9月場所)
- 序二段優勝:1回(2014年5月場所)
- 序ノ口優勝:1回(2014年3月場所)
場所別成績
一月場所 初場所(東京) |
三月場所 春場所(大阪) |
五月場所 夏場所(東京) |
七月場所 名古屋場所(愛知) |
九月場所 秋場所(東京) |
十一月場所 九州場所(福岡) |
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2014年 (平成26年) |
(前相撲) | 西序ノ口12枚目 優勝 7–0 |
西序二段11枚目 優勝 7–0 |
東三段目21枚目 6–1 |
東幕下42枚目 優勝 7–0 |
東幕下4枚目 3–4 |
2015年 (平成27年) |
東幕下8枚目 5–2 |
東幕下4枚目 4–3 |
西幕下3枚目 4–3 |
西幕下2枚目 3–4 |
西幕下5枚目 5–2 |
東幕下筆頭 5–2 |
2016年 (平成28年) |
東十両12枚目 8–7 |
西十両9枚目 7–8 |
西十両10枚目 8–7 |
東十両10枚目 8–7 |
東十両9枚目 8–7 |
西十両5枚目 7–8 |
2017年 (平成29年) |
西十両8枚目 8–7 |
東十両8枚目 8–7 |
西十両6枚目 6–9 |
西十両9枚目 8–7 |
東十両8枚目 7–8 |
西十両8枚目 8–7 |
2018年 (平成30年) |
東十両6枚目 7–8 |
西十両7枚目 4–11 |
東十両14枚目 11–4 |
東十両7枚目 7–8 |
東十両8枚目 7–8 |
x |
各欄の数字は、「勝ち-負け-休場」を示す。 優勝 引退 休場 十両 幕下 三賞:敢=敢闘賞、殊=殊勲賞、技=技能賞 その他:★=金星 番付階級:幕内 - 十両 - 幕下 - 三段目 - 序二段 - 序ノ口 幕内序列:横綱 - 大関 - 関脇 - 小結 - 前頭(「#数字」は各位内の序列) |
改名歴
- 安彦 剣太郎(あびこ けんたろう):2014年1月場所 - 2015年11月場所
- 剣翔 桃太郎(つるぎしょう ももたろう):2016年1月場所 -
脚注
- ↑ 「相撲」編集部 編 『平成二十七年度 大相撲力士名鑑』 41頁
- ↑ 2.0 2.1 ベースボール・マガジン社刊 『相撲』 2015年4月号(春場所総決算号) 104頁
- ↑ 3.0 3.1 ベースボール・マガジン社刊 『相撲』 2014年10月号(秋場所総決算号) 68頁
- ↑ ベースボール・マガジン社刊 『相撲』 2014年2月号(初場所総決算号) 114頁
- ↑ ベースボール・マガジン社刊 『相撲』 2014年4月号(春場所総決算号) 69頁
- ↑ 【秋場所】栃ノ心が2場所連続十両優勝 2014年9月26日17時19分 スポーツ報知
- ↑ 『大相撲ジャーナル』2017年1月号 p.102
- ↑ 剣翔、千代翔馬が新十両昇進 再十両は千代の国、出羽疾風 SANSPO.COM 2015年11月25日(2015年11月25日閲覧)
- ↑ 新十両の安彦改め剣翔ノリノリで兄弟子遠藤超え宣言 日刊スポーツ 2015年11月25日16時24分
- ↑ 十両・剣翔が腰を負傷…7日目の出場は「分からない」/夏場所 SANSPO.COM 2017.5.20 05:00
- ↑ 『相撲』2018年3月号 p.59
- ↑ 『相撲』2018年10月号 p.65
関連項目
外部リンク
- 追手風部屋公式サイトの力士紹介
- 剣翔 桃太郎 - 日本相撲協会
- 剣翔 桃太郎 - 相撲レファレンス
大相撲関取一覧 - 平成30年七月場所 | ||||||
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東 | 番付 | 西 | ||||
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横綱 |
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三役 | ||||||
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大関 |
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逸ノ城 | 関脇 | 御嶽海 | ||||
玉鷲 | 小結 | 松鳳山 | ||||
平幕 | ||||||
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幕内前頭 |
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十両 | ||||||
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十枚目 |
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関取経験がある幕下以下の現役力士 | ||||||
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