天空海翔馬
天空海 翔馬(あくあ しょうま、本名:高畠 祐貴(たかはた ゆうき)、1990年11月6日 - )は、茨城県東茨城郡大洗町出身で、立浪部屋所属の現役大相撲力士である。最高位は東十両14枚目(2018年1月場所)。身長182cm、体重165kg。
2017年春巡業より、貴健斗とコンビを組んで初切を担当している。
来歴
自動車販売業を営む家庭で生まれ育ち、父も中学在学時にレスリングで全国制覇した。那珂湊第一高校(現・那珂湊高校)では柔道部に所属し、2007年度には総体に出場した経験もある[1]。
卒業後は水戸産業技術専門学院に入学したものの、在学中に同郷の稀勢の里の活躍を目の当たりにしたことで力士への道を志し、2010年11月に立浪部屋に入門した。当初は自動車整備士の国家資格を取得し、2011年3月の卒業以降に上京し本格的な力士生活を開始する予定であったが、直前に東日本大震災が発生し、地元・大洗町も津波による甚大な被害を受け、ライフラインは止まり余震も続いた。その影響で部屋入りを延期し、がれき撤去や片付け作業に追われていた時期は力士の道を断念することをも考えたほどであったが、父の励ましを受けて2011年4月29日より立浪部屋での生活を開始した[2]。
入門当初は豊乃浪 祐貴(とよのなみ ゆうき)の四股名で土俵に上がり、2011年1月場所で序ノ口、同年5月技量審査場所で序二段、9月場所では三段目と、順調に番付を上げた。2013年5月場所で初めて幕下へ昇進すると、そのまま幕下の地位に定着した。2014年3月場所より天空海 翔馬(あくあ しょうま)の四股名に改名した。当四股名には、「成績に波があるので、浪を取って波をなくしたい。」という意味が込められていた。極めて難読とされる当四股名は、入門当初に立浪が考えていた「阿久亜」の読み(アクアワールド茨城県大洗水族館からきている)をそのまま引用した上で、番付上昇の願いを込めた「天」と、地元・大洗町を象徴する「空」と「海」の漢字を利用したとされる[3]。この年の後半から、幕下上位で相撲を取るようになり、関取昇進の機会をうかがうようになる。自己最高位を更新(東幕下5枚目)して迎えた2016年3月場所では、12日目の6番相撲で勝ち越し決定後、千秋楽の7番相撲で当時東十両12枚目に在位していた朝弁慶と対戦し、初めて大銀杏姿で土俵に上がったものの押し出しで敗れ、十両昇進には至らなかった。翌2016年5月場所も自己最高位を更新(東幕下2枚目)して迎え、4日目の3番相撲で当時西十両13枚目に在位していた宇良と対戦し、2度目の大銀杏姿での取り組みに挑んだが、下手投げに屈した上に、当該取組で膝を負傷してしまい、以降も不調が続き1勝6敗と入門以来の大敗を喫した。
2017年は1年間を通じて、幕下15枚目以内の番付で相撲を取った。この年の春巡業で貴乃花の付き人となり、貴乃花から「まわしを取らずに前へ出ろ」と繰り返し諭されたことにより相撲に迷いが無くなった[4]。11月場所では西幕下4枚目の番付で6番目を終わって4勝2敗の成績であり、千秋楽に西十両14枚目で7勝7敗としていた矢後との取組に勝って5勝2敗とした。この場所後の番付編成会議で、2018年1月場所での新十両昇進が決定した。十両昇進に際し、天空海は「頑張って故郷を元気にしたいです」と地元への思いを語った[5]。同級生には遠藤らがおり、幕内での対戦も望む。「スマホで、自分のしこ名が一発変換されるようになりたいですね」と、飛躍への思いをにじませた[4]。
新十両として迎えた2018年1月場所は初日から4連敗をするなど本来の相撲を取りきれず、4勝11敗で跳ね返された。幕下に落ちた3月場所は西幕下5枚目で4勝3敗と勝ち越したが、西幕下3枚目に上がった5月場所は3勝4敗と負け越した。西幕下5枚目に番付を下げた7月場所は4勝3敗の成績だったが、幕下上位で勝ち越した力士が少なかったという幸運もあり、場所後の番付編成会議で9月場所での再十両昇進が決定した[6]。
エピソード
- 2018年1月場所に初土俵を踏んだ朝青龍の甥である弟弟子の豊昇龍は新十両となった天空海の化粧廻しを借りて新序出世披露に臨んだ[7]。
- 映画「君の名は。」のラストシーンやキービジュアルで見られる、聖地として有名な須賀神社前階段(四ツ谷)に訪れた際、そこで主人公・立花瀧とヒロイン・宮水三葉のようなポーズを一緒にいた越錦と再現して撮影し、自身のTwitterに投稿。その写真「君の四股名は。」はインターネット上で話題になった[8]。
- 2018年9月場所で十両に復帰した時に、締め込みを新十両の時とは違うものに変えた。ライムグリーンの新しい締め込みは、部屋の弟弟子だった元十両・力真から譲り受けたもので、力真は現役時代に使用していない新品だった。この締め込みを使用するに当たり、「力真の気持ちも引き継いで勝ち越して恩返しをしたい」と意気込んだ。[9]
主な成績
2018年9月場所終了現在
- 通算成績:182勝153敗3休(47場所)
- 十両成績:7勝20敗3休(2場所)
一月場所 初場所(東京) |
三月場所 春場所(大阪) |
五月場所 夏場所(東京) |
七月場所 名古屋場所(愛知) |
九月場所 秋場所(東京) |
十一月場所 九州場所(福岡) |
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2010年 (平成22年) |
x | x | x | x | x | (前相撲) |
2011年 (平成23年) |
東序ノ口25枚目 6–1 |
八百長問題 により中止 |
東序二段52枚目 4–3 |
西序二段18枚目 5–2 |
西三段目77枚目 3–4 |
西三段目93枚目 4–3 |
2012年 (平成24年) |
東三段目76枚目 6–1 |
西三段目19枚目 3–4 |
東三段目39枚目 3–4 |
東三段目55枚目 4–3 |
東三段目38枚目 3–4 |
東三段目53枚目 6–1 |
2013年 (平成25年) |
東三段目3枚目 3–4 |
西三段目12枚目 6–1 |
東幕下34枚目 2–5 |
西幕下51枚目 5–2 |
西幕下34枚目 3–4 |
西幕下41枚目 4–3 |
2014年 (平成26年) |
西幕下34枚目 4–3 |
西幕下28枚目 2–5 |
東幕下48枚目 6–1 |
西幕下20枚目 4–3 |
西幕下17枚目 5–2 |
東幕下12枚目 4–3 |
2015年 (平成27年) |
西幕下8枚目 3–4 |
西幕下13枚目 5–2 |
東幕下8枚目 4–3 |
東幕下6枚目 2–5 |
東幕下17枚目 5–2 |
東幕下8枚目 4–3 |
2016年 (平成28年) |
東幕下7枚目 4–3 |
東幕下5枚目 4–3 |
東幕下2枚目 1–6 |
西幕下18枚目 5–2 |
西幕下10枚目 3–4 |
西幕下16枚目 5–2 |
2017年 (平成29年) |
西幕下8枚目 4–3 |
西幕下6枚目 2–5 |
西幕下15枚目 4–3 |
西幕下12枚目 4–3 |
西幕下10枚目 5–2 |
西幕下4枚目 5–2 |
2018年 (平成30年) |
東十両14枚目 4–11 |
西幕下5枚目 4–3 |
西幕下3枚目 3–4 |
西幕下5枚目 4–3 |
西十両14枚目 3–9–3[10] |
x |
各欄の数字は、「勝ち-負け-休場」を示す。 優勝 引退 休場 十両 幕下 三賞:敢=敢闘賞、殊=殊勲賞、技=技能賞 その他:★=金星 番付階級:幕内 - 十両 - 幕下 - 三段目 - 序二段 - 序ノ口 幕内序列:横綱 - 大関 - 関脇 - 小結 - 前頭(「#数字」は各位内の序列) |
改名歴
- 豊乃浪 祐貴(とよのなみ ゆうき) 2010年11月場所 - 2014年1月場所
- 天空海 翔馬(あくあ しょうま) 2014年3月場所 -
脚注
注釈
出典
- ↑ “[大会結果:一般] 茨城県柔道連盟”. 茨城県柔道連盟. . 2017閲覧.
- ↑ “豊乃浪 父の言葉に押され/被災地へ届け - 大相撲ニュース nikkansports.com”. 日刊スポーツ (2011年5月22日). . 2017閲覧.
- ↑ 日刊スポーツ. (2014年2月25日)
- ↑ 4.0 4.1 初場所で初の十両 大洗出身・天空海関 キラキラしこ名 高みへ 東京新聞 2018年1月12日(中日新聞社、2018年2月6日閲覧)
- ↑ 新十両の天空海「故郷を元気に」 東日本大震災で自宅被災、茨城県大洗町出身 産経ニュース 2017.11.29 12:22(産経新聞社、2018年2月6日閲覧)
- ↑ “常幸龍、炎鵬らが再十両昇進”. 日刊スポーツ. (2018年7月25日) . 2018閲覧.
- ↑ 日刊スポーツ 2018年1月23日
- ↑ 「君の名は。」を再現した天空海関の「君の四股名は。」が人気 「主題歌は前前前頭ですね!」と替え歌も ねとらぼ 2018年02月03日 17時00分 公開(アイティメディア株式会社、2018年2月6日閲覧)
- ↑ “2人の十両力士が締め込みに込める思い”. 日刊スポーツ. (2018年9月16日) . 2018閲覧.
- ↑ 腰椎椎間板ヘルニア、腰椎捻挫のため12日目から休場
関連項目
外部リンク
- 天空海 翔馬 - 日本相撲協会
- 天空海 翔馬 力士情報 - 相撲レファレンス
大相撲関取一覧 - 平成30年七月場所 | ||||||
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幕内前頭 |
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十両 | ||||||
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十枚目 |
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