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牛、豚、鶏といった代表的な食肉。世界保健機関と国際がん研究機関(IARC)は、IARC発がん性リスク一覧のおそらく発がん性がある2Aに牛豚羊馬ヤギといった赤肉を追加した[1]。鶏は含まれず。

(にく)とは、動物の皮下組織および筋肉のことである。

概要

単に「肉」というと、皮下組織全般を指し、脂肪組織の層や血管など循環器系と筋肉組織に末梢神経などを指す。消化器官心臓など循環器系の一部、を含む神経系などは内臓として区分されることもあるが、こと食肉(人間食料として扱う肉)の場合は動物の内臓も食べる文化もあり、やや複雑である。

肉は生物(特に動物)の肉体においては、外界と体内を隔てるとして体内恒常性の維持に役立ったり、脂肪の形で生存に必要なエネルギーを蓄えたりする機能を持ち、また筋肉はを支えとして体を動かす機能を果たしている。

ただ、単に肉とするばあいは、近世以前の解剖学発達以前的な曖昧な区分でしかなく、こと生物学的には「肉」と呼ばれる生物の体を構成する組織ではなく、更に細分化された区分が用いられる。ゆえに「肉」と表現するのは学術的な意図の無い、日常における大雑把な概念で事足りる場合のみである。

なお植物でも果実栄養を貯蔵している部分を果肉と呼び、の部分でも比較的厚みがある場合は、その内部組織を肉質と表現する場合がある。

一般においての「肉」

ある程度均等で厚みのある生物の体を指し、ヒトの体でも肥満の者の贅肉(過剰に発達した皮下組織→脂肪組織)を指して「肉」という。またその範疇ではボディビルのように過剰な栄養と運動で極端に肥大させた筋肉も「肉」の範疇である。猥雑な表現の範疇では、肉体の一部を道具などに擬え「肉」を接頭詞とする場合があり、猥雑な意味が無い場合でも機械装置の補正なしに眼球)で見る(視覚)ことを肉眼と呼ぶ。ワープロなどを用いずに実際に執筆したという意味での肉筆、機械などによらず人間が直接声を発した(場合によってはマイクや電話などを通したものも含む)という意味での肉声なども同様である。

その一方で工学の範疇では、均一な素材のことを肉に擬える場合があり、例えば「肉厚」というと、構造に厚みがあることを指す。また余分な素材が使われている場合には「贅肉」と呼び、構造強度に影響し難い部分を削ることを「肉抜き」ともいう。その延長で機械装置の余分な部分(機能など)を贅肉と呼ぶ場合もある。例えばレーシングカーなど余分なものを省いて「より速く走ること」を求められる自動車では、性能を追求する上で様々な部分が削り取られる。

食肉

日本語では古来、(食肉を産する獣そのものも含めて)「しし」と呼んでいたが、漢語の呉音からきた「にく」に完全にとって代わられ、今日では「イノシシ」「ししおどし」などの複合語や、「肉」の異体字の「宍」を「しし」と読ませる人名などに痕跡をとどめるのみとなっている(シカも参照)。

生涯を通し、ほぼ他の動物の肉のみを食べる動物を肉食動物と呼ぶ。

脚注

関連項目