広島空港

提供: miniwiki
2018/8/1/ (水) 18:00時点におけるja>TIMEFLIES1228による版 (運用時間変更)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
移動先:案内検索


広島空港(ひろしまくうこう、: Hiroshima Airport)は、広島県三原市本郷町にある空港空港法では第4条第1項第6号に該当する空港として政令で定める空港(国管理空港)に区分されている。

概要

三原市本郷町善入寺字平岩64-31にある(地図)。1993年平成5年)10月に開港[1]

山を切り開いて造った空港で標高が330mと高く、山間部にありがちなことなのだが気象条件が急激に変化しやすく、などが急に発生し流れ込んでくる傾向がある。また風も急に変化しやすい。運航は霧などの気象条件の制約を受けやすいので、以前は年間75便もが欠航していた[2]

滑走路は10/28方向に3,000mで、滑走路西側からの進入になる「滑走路10」に計器着陸装置(ILS)が設置されている[注 1]。欠航便や目的地変更便を解消するため、2008年6月5日よりILSをカテゴリーIIIaの運用を開始し、年間2便まで欠航便が減少した[2]。また、1年後の2009年6月4日にはもっとも精度が高いカテゴリーIIIbの運用を開始した[2]。ただしILSが設置されていない東側から進入する場合はILSは使えず、最終的にパイロットが滑走路を目視して手動で着地させる飛行方式で着陸することになる[3]。つまり、東側からの進入では霧などで視界不良になると着陸できなくなる可能性が高くなる[注 2]

年間利用客数は、開港時の予想で「最大でも300万人」とされていた。実績としては2014年度で国内2,437,574人、国際283,630人[4]。また中国地方で2番目に多い岡山空港と比較しても2倍以上である(→中国地方#空港)。2006年にはターミナルの旅客処理能力を500万人程度まで高める事業の一環として、搭乗橋が新たに追加増設された。

空港内の施設として海上保安庁第六管区海上保安本部広島航空基地(ひろしまこうくうきち)、広島県防災航空センター(ひろしまけんぼうさいこうくうセンター)が所在している。また空港設備を一周する形でサイクリングコースが整えられており、自転車のレンタルや競技会が開催開催されている。空港北側には広島県立中央森林公園があり、離着陸する飛行機を高台から見下ろすことが出来る。

ファイル:Hiroshima Airport Aerial photograph.2005.jpg
広島空港の空中写真。
国土交通省 国土画像情報(カラー空中写真)を基に作成。2005年撮影の4枚を合成作成。

歴史

年表

  • 1972年昭和47年)7月 - 広島県及び広島市が、広島空港の航空需要・施設能力等を明らかにするために広島空港基本調査を実施。
  • 1982年(昭和57年)3月 - 広島空港基本調査結果を公表。「既存空港(後の広島西飛行場)の沖出し案」、「洞山案(東広島市、竹原市、豊田郡安芸津町)」、「用倉案(豊田郡本郷町)」の3案が併記された。
  • 1983年(昭和58年)7月 - 広島空港問題連絡会議において、新空港候補地として用倉地区を選定。
  • 1986年(昭和61年)4月 - 新広島空港基本計画決定。
  • 1988年(昭和63年)11月 - 新広島空港本体工事起工式。
  • 1993年平成5年)10月29日 - 豊田郡本郷町にて、新広島空港として供用開始。同時に、広島市西区にあった旧広島空港は広島西飛行場へ名称変更された。
  • 1994年(平成6年)
  • 1996年(平成8年)11月 - 滑走路を西側に500m延長する工事に着手。
  • 2001年(平成13年) - 滑走路延長完成(2,500m→3,000m)[1]
  • 2005年(平成17年)3月22日 - 三原市と本郷町等との対等合併(平成の大合併)により、同市内となった。
  • 2006年(平成18年)4月1日 - 8番スポット搭乗橋供用開始(国内、国際線スポット合わせて6つ目)。
  • 2008年(平成20年) - RW10においてILSカテゴリーIIIaの運用を開始[1]
  • 2009年(平成21年)
    • RW10においてILSカテゴリーIIIbの運用を開始[1]
    • 12月27日 - 利用者数が延べ5,000万人を突破[5]
  • 2015年(平成27年)4月14日 - アシアナ航空162便着陸失敗事故が起こる。
    • この事故により空港は16日まで閉鎖されたほか、ILSローカライザーが破損したことに伴い、長期にわたり影響が出た[6]
      • 4月17日 - 5月5日昼 - 有視界飛行に限定しての発着[7][6]
      • 5月5日夕方から - 仮設の「CATI」での運用を開始[8]
      • 9月15日に「CAT-IIIa」が続けて9月19日から「CAT-IIIb」の運用が再開され、事故前の状態に戻った[9][10]
  • 2017年(平成29年)10月29日 - 7時半~21時半だった運用時間を1時間延長し22時半までの運用となる[11]

利用者数

広島市に本社を置く南日本航空(東亜航空)は、1956年(昭和31年)から定期便(鹿児島 - 種子島線)の運航を始め、さらに吉島飛行場を拠点として路線を拡充した[12]

高度経済成長期の1961年(昭和36年)に(旧)広島空港が開港すると同社は吉島から拠点を移し、同空港と中国四国地方九州とを結ぶ近距離便および東京便の運航を開始した[12]。また、全日本空輸も近距離便などを開設した[13]。このため、近距離便の比重が大きい年間旅客数が20万人を超える空港として発展したが、1966年(昭和41年)に石崎汽船広島港 - 松山港間に水中翼船を就航させ、1968年(昭和43年)に国鉄がダイヤ改正(ヨンサントオ)をすると、近距離便は伸び悩むこととなった[12]

しかし、1960年代末からは大阪便や東京便の旅客数増大があり、年間旅客数は50万人を超えるようになった[12]1975年(昭和50年)に山陽新幹線岡山駅 - 博多駅間で延伸開業すると、大阪便および福岡便が廃止となり、年間旅客数は開業前の約1/3まで減少した[12]。これ以降、当空港の旅客数は東京便がそのほとんどを占めるようになり、徐々に旅客数を増やした[12]

1984年(昭和59年)の東亜国内航空エアバス機乗り入れからジェット化が本格的に始まると、年間旅客数は50万人を再び突破し、日本航空の乗り入れが開始されトリプルトラックとなったこともありバブル景気期にかけて急増[12]1992年度(平成4年度)には約200万人に達した[14]

1993年度(平成5年度)の年間旅客数は、(旧)広島空港が206万人[14]、10月に開港した(新)広島空港が86万人[15]と一気に100万人近い増加を見せた。新空港は、推計人口が県内1位の広島市地図安芸地方県庁所在地政令指定都市)と同2位の福山市地図備後地方中核市)のほぼ中間に位置している[注 3]。ただし、福山市からは岡山空港地図)も利用圏内にある[注 4]といったことや、バブル崩壊も加わって、新空港の年間旅客数は減少し、1995年度(平成7年度)には265万人となった[15]。その後は増加に転じ、2002年度(平成14年度)に344万人でピークに達した[15]

この間に、山陽新幹線ののぞみの増発や500系700系N700系が導入され、広島駅 - 東京駅間では航空機と新幹線は時間距離ではほぼ同等[16]となっており、また、2003年10月の品川駅の開業もあって、利用シェアの航空機対新幹線は62%対38%(2002年度)を航空機ピークとして、55%対45%(2005年)、51%対49%(2007年)、と近年急速に新幹線に回帰され、2008年には新幹線が50%シェアにまで回復した。この後、2009年8月29日にエクスプレス予約のEX-ICサービスが山陽新幹線を含む東海道・山陽新幹線全線でサービスが開始されたことなどもあり[17]、新幹線のシェアはさらに拡大し、2016年度には37.3%対62.7%と、新幹線が6割超を占めている[18]

また、新幹線選択者が増えた理由の一つに当空港へのアクセスの脆弱性がある。軌道系アクセスがない[19]ため、リムジンバスが主流となっており、経路となる山陽自動車道渋滞/事故による遅延や運休も珍しくなく、特にETCの休日特別割引が行われていた2010年度は799便が運休となり、全本数の1%を上回った。[20]

2002年度(平成14年度)の後は横ばいで推移していたが、2008年度(平成20年度)にリーマン・ショックが発生すると減少傾向が強まり、東日本大震災が影響した2011年度(平成23年度)に256万人で底になった。2012年(平成24年)12月に民間にも開放された岩国錦帯橋空港地図[注 5]は、広島市役所からの道程が42km、(新)広島空港のそれが52kmで、当空港は駐車場が有料なのに対し、岡山と岩国では条件を満たせば無料になるなど、当空港は新幹線や周辺空港と様々な面で競合している。

以下に乗降客数を示す[21][22][23]マウスポインタを棒グラフの各要素に合わせると、該当年度の数値がポップアップする。 {{ #invoke:Chart | bar-chart | height = 300 | width = 400 | stack = 1 | group 1 = 2964769 : 3015412 : 3054533 : 3149682 : 3159278 : 3033117 : 2977868 : 2983110 : 2944491 : 2824607 : 2524333 : 2389687 : 2193804 : 2304342 : 2334797 : 2437574 : 2385088 | group 2 = 291285 : 321961 : 296499 : 293871 : 161656 : 267619 : 314035 : 353917 : 346991 : 305622 : 297478 : 330393 : 364089 : 348826 : 306332 : 283630 : 282910 | colors = LightSeaGreen : Tomato | group names = 国内線 : 国際線 | units suffix = 人 | x legends = :2000年度:::::2005年度:::::2010年度:::::2015年度 }}

旧広島空港

1945年に進駐軍アメリカ軍)が作成の広島市地図。現在の光南付近の"HIROSHIMA AIRPORT"が広島飛行場(吉島飛行場)。"UNDER CONSTRUCTION"(建設中)とあるが、戦中には供用されていた。
1981年に撮影された広島空港(現・広島ヘリポート)。国土交通省 国土画像情報(カラー空中写真)を基に作成。
  • (旧)広島飛行場(吉島飛行場) → 廃港(地図
  • (旧)広島空港 → 広島西飛行場 → 広島ヘリポート(地図

戦中に日本陸軍の広島飛行場(吉島飛行場)が供用されたが、戦後占領期は接収され、サンフランシスコ講和条約後に返還された。返還後はグライダーの発着に利用されたが廃港になった。滑走路(L=1,300m)の跡地は広島市道中島吉島線(吉島通り)に転用された。

高度経済成長期の1961年に1,200mの滑走路を持って開港した広島空港は、現在の広島市西区にあり[24]、現在地に移転後は2012年まで広島西飛行場として供用されていた。旧広島空港から現在地に移転した理由には、地形的に旧空港の拡張が困難で、住宅地に近く騒音問題も有った[24]。また、広島平野の周辺が島や山で囲まれた盆地に位置しており、着陸時に市街地上空を旋回する必要があるなど空港へのアプローチが難しい。1994年には着陸のために空港に近づいていたセスナ機が操縦ミスで江田島の山中に墜落する航空事故も発生している[25]

旧空港(= 現在の広島ヘリポート)は1972年に滑走路長が1,800mに延長されたが、ボーイング747型機等の大型機は離着陸できなかった[注 6]。さらに、ターミナルやエプロンが狭いうえ平行誘導路を備えていないため、繁忙期であっても便数を増やすことが困難であったことから、需要に対して供給が追いつかない状態にあった。瀬戸内海に面し、天満川と太田川放水路に挟まれた場所に位置していたため、滑走路の延長や誘導路の新設と言った拡張のための用地確保が難しく、新たに瀬戸内海を埋立てて用地を確保するのも費用がかかりすぎるという問題があった。

施設

空港ターミナルビル

空港ターミナルビル中央に吹き抜けがあり、イベントなどに使用されている。2013年には空港ラウンジが改装され、面積や内装が改善された。2階出発ロビーには、平山郁夫の陶板壁画「厳島神社」(縦2.8m×横12m)が展示されている[24]。ビル内に設置されていた広島空港郵便局は2014年4月1日に廃止された[26]

  • 1階
    • 案内所
    • 到着ロビー
    • 手荷物受取所
    • 入国審査場
    • 各レンタカーカウンター
    • バス・タクシー乗り場
    • コンビニ
  • 2階
    • 国内線出発ロビー
    • 国際線出発ロビー
    • 手荷物預かり所
    • 出国審査場
    • 土産物屋・カフェ
    • JALラウンジ(国内線)、ANAラウンジ(国内線)、ビジネスラウンジ「もみじ」(国内線)、LOUNGE「Maple」(国際線)
  • 3階
    • 見学・送迎デッキ(有料)
    • レストラン

空港に拠点がある機関

海上保安庁第六管区海上保安本部広島航空基地
所属機:ビーチクラフト「あきたか」、他
広島県防災航空センター
所属機:防災ヘリコプター「メイプル」

周辺施設

就航路線

航空会社が2社以上の場合、最前の航空会社の機材・乗務員で運航する共同運航便

国内線

航空会社 就航地 
日本航空[注 7] 新千歳空港東京国際空港
全日本空輸 新千歳空港、東京国際空港、那覇空港
IBEXエアラインズ
・ 全日本空輸
仙台空港成田国際空港
春秋航空日本 成田国際空港
ファイル:Hiroshima Airport in night.JPG
夜間の国際線エプロン(2008年6月8日撮影)。
かつての定期就航路(航空会社名は休廃止時点)
日本航空の広島‐成田線は、成田-ソウル線が広島空港に寄航する形で運航され、国際線乗継便として利用ができた。[28]
広島 - 女満別線は福岡空港発着便が広島空港に寄航していたが、福岡 - 広島間の利用はできなかった。
就航路線別年間旅客数/順位[29]
行き先 旅客数 国内線順位
東京国際空港 約179万人 上位7位

国際線

航空会社 就航地 
チャイナエアライン
・日本航空
 台湾台湾桃園国際空港(台北)
キャセイドラゴン航空 香港の旗 香港香港国際空港(香港)
香港エクスプレス航空 香港の旗 香港・香港国際空港(香港)
エアソウル
アシアナ航空
大韓民国の旗 韓国仁川国際空港(ソウル)
中国国際航空
・ 全日本空輸
中華人民共和国の旗 中国大連周水子国際空港(大連)、北京首都国際空港(北京)(大連経由)
中国東方航空
日本航空
中華人民共和国の旗 中国上海浦東国際空港(上海)
シルクエアー シンガポールの旗 シンガポールシンガポール・チャンギ国際空港(シンガポール)[30]

就航都市

国内線

国際線


アクセス

広島市街まで約55 km(約60分)。近くに山陽本線白市駅があるが空港への軌道アクセス路線はないため、全てのアクセスは道路を経由したものとなっている。

路線バス

広島空港からは、最寄り駅のJR山陽本線白市駅をはじめ、三原駅尾道駅竹原駅西条駅広島駅および広島市内、呉駅などを結ぶ路線バスが運行されている。また、福山駅-広島空港線にて高坂バス停において甲奴駅尾道駅大三島、府中、平成大学方面への乗り継ぎができる。2016年7月14日-2018年3月31日の予定[33]で、三次市と広島空港を結ぶ空港連絡バスの運行社会実験も行われている。

ICカードPASPYが利用できるバスではSuicaPASMOなども利用できる。

広島空港からの高速バス、路線バスの行き先と乗り場の詳細情報は運行会社に関係なく交通アクセスに記載されている。


路線 運行会社 所要時間 備考
広島駅新幹線口発着便(広島高速1号線経由) 5社による共同運行
広島電鉄広島バス広島交通中国ジェイアールバス芸陽バス
45分程度
広島バスセンター発着便(中筋駅広島IC経由) 5社による共同運行
広島電鉄・広島バス・広島交通・中国ジェイアールバス・芸陽バス
51 - 53分程度 平和大通り発着便あり
福山駅発着便(高坂BS経由) 中国バス・鞆鉄道 57分程度
尾道駅発着便(新尾道駅経由) おのみちバス 55分程度
三原駅発着便(本郷経由) 中国バス 38分程度
竹原フェリー乗り場発着便(竹原駅経由) 安全タクシー 30分程度 9人乗りジャンボタクシー
白市駅発着便 芸陽バス 13 - 15分程度 ネオポリス・高屋東工業地・中核工業団地発着便あり
西条駅北口発着便 中国ジェイアールバス・芸陽バス 25分程度 ※2017年10月29日運行開始
呉駅発着便(安芸阿賀駅経由) 広島電鉄 70分程度 クレイトンベイホテル発着便あり
三次駅発着便(吉舎経由) 備北交通 82分程度 三次工業団地発着 2018年3月31日まで試験運行予定。

自家用車

自家用車でアクセスする場合、高速道路利用では広島駅から約50kmで、広島高速1号線(6.5km。広島東ICと直結)および山陽自動車道(広島東IC - 河内IC:32.5km)。一般道を利用すると、広島駅から国道2号経由で約53km、1時間半以上かかる。

なお空港の駐車場は全てのエリアが有料であり、大部分の駐車場エリアが無料で利用可能な岡山空港と対照的である。かつては空港出口から左手に無料駐車場があったが、現在は閉鎖されており使用できない。民間の駐車場は1箇所のみ存在し割安な料金設定ではあるが、空港から距離があるため無料シャトルバスの利用が必要である。

アクセスに関する動き

2012年12月13日に、岩国基地の軍民共用化が実現し岩国錦帯橋空港として開港した。広島駅付近から、岩国錦帯橋空港と広島空港はほぼ同距離であり、横川駅より西の地区では岩国錦帯橋空港の方が近い。広島駅からも山陽新幹線を利用すると、やはり岩国錦帯橋空港の方が近くなってしまい、アクセスの改善が急務となっている。

道路

2015年現在、広島駅新幹線口から広島空港までを全区間高速道路で結ぶ計画が進められており、今後は広島高速5号線の開通を残すのみとなっている。この区間の供用開始によって、所要時間は38分に短縮される見込み。

また、山陽自動車道河内インターチェンジから空港を経由して中国横断自動車道尾道松江線に接続する計画の地域高規格道路広島中央フライトロード」が一部供用開始されている。2011年に三原市本郷町の空港ICから同市大和町の大和南ICまでの約10Km区間が暫定2車線で開通しており、残りの区間は調査区間に指定されている。

鉄道

最寄駅はJR山陽本線白市駅で、駅から空港までバスで約15分。

かつて、空港と広島市内を結ぶ空港連絡鉄道の構想がいくつか存在した[34]。当初はHSST方式も構想にあがった[35]が断念し、JR山陽本線・白市駅から分岐する新線を敷設する在来線方式の構想になった[36]広島県庁JR西日本の資金負担を当て込んだが、そもそもJR西日本は、旅客機の羽田便と露骨に競合する東海道・山陽新幹線を運行しており、JR側からダイヤが錯綜している[37]などの理由が挙がり、実現しなかった。

その後、JR西日本と接続しない単独路線の建設や運行車両を広島県が保有しJRにリースすることが計画された[38]が、「大幅な赤字が予想される」として2006年9月に計画の凍結が発表された[39]

その後の2013年1月18日、白市駅に「広島エアターミナル(HAT、仮称)」を建設し、搭乗手続きや手荷物検査など、空港の一部機能を設置する案が広島県より明らかにされた[40]

なお、他にも山陽新幹線の新駅設置やロープウェイ建設などの構想もあった(→空港連絡鉄道#計画中(計画断念)の空港アクセス参照)。

事故・インシデント

事故

  • 2015年4月14日、仁川発広島行アシアナ航空162便[41](機材:A320-232[42]、登録番記号:HL7762[43])がRWY28への着陸時にローカライザーアンテナに接触し滑走路から逸脱[41]、27名の負傷者を出した[43]

脚注

注釈

  1. 日本で複数方向にILSを設置している空港は、羽田、成田、関西、中部、福岡、新千歳、女満別、下地島のみである。
  2. 羽田空港など東側から飛来する便は、快晴時など条件が良い時を除いて広島空港上空をオーバーパスし東広島市上空で180度旋回の後RW10に西側から着陸進入するルートが優先的に使用されている。このルートは大回りになるため、悪天候時と快晴時では到着時刻に10分以上差が出ることがある。
  3. 広島高速1号線間所出入口から山陽道河内IC広島県道73号広島空港線経由で42.4km。山陽道福山東ICから本郷IC広島県道82号広島空港本郷線経由で53.7km。
  4. 2006年から2009年にかけては福山駅から岡山空港までの直通バスも運行されていた(ももっちライナー参照)。
  5. 岩国空港開港日から広島バスセンター~岩国空港間のバスが運行されている。
  6. 当時は離着陸できる最大の機種はボーイング767型機で、双発機しか運航できなかった。エンジンが三基以上のワイドボディ旅客機(当時は、ボーイング747、L-1011DC-10等)は、滑走路長が最低でも2500mは必要であった。
  7. JALエクスプレスの日本航空への再統合前は一部便の機材・乗務員はJALエクスプレスが運航していた。

出典

  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 引用エラー: 無効な <ref> タグです。 「ocab」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません
  2. 2.0 2.1 2.2 “広島空港の着陸誘導で新施設”. 47NEWS. 中国新聞. (2009年5月9日). オリジナル2013年6月18日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130618043018/http://www.47news.jp/localnews/hiroshima/2009/05/post_20090509200457.html 
  3. 坪田敦史 (2015年4月15日). “アシアナ機事故は手動着陸の「滑走路28」 操縦ミスか”. 乗りものニュース. . 2015-4-16閲覧.
  4. “管内空港の利用状況概況集計表(平成26年度速報値)” (PDF) (プレスリリース), 国土交通省大阪航空局, http://ocab.mlit.go.jp/about/total/report/pdf/h26syuukei.pdf 
  5. 広島空港、10月11日に利用者6,000万人を達成(FlyTeamニュース 2013年10月14日)
  6. 6.0 6.1 事故機まだ…広島空港3日ぶり再開 離着陸条件を厳しく - 朝日新聞 2015年4月17日
  7. 広島空港の滑走路等に係る暫定運用再開について - 国土交通省交通局 2015年4月16日
  8. 着陸機誘導施設 運用開始 - NHK広島放送局 2015年5月5日
  9. 広島空港の誘導施設運用再開へ - NHK広島放送局 2015年9月9日
  10. 広島空港、羽田線の利用者数も前年比割れを解消 CAT-IIIb復旧で - flyteam 2015年12月14日
  11. 広島-東京「新幹線vs飛行機」の仁義なき戦い 航空の最終便繰り下げで「夜の競争」が激化。 東洋経済オンライン 鳥海 高太朗 : 航空・旅行アナリスト 帝京大学非常勤講師 2017年11月10日配信
  12. 12.0 12.1 12.2 12.3 12.4 12.5 12.6 新広島空港の開港に伴う現広島空港の存続問題 (PDF) (北海道地理学会)
  13. 年表詳細(全日本空輸)
  14. 14.0 14.1 基礎資 料(平成25年度末) ~本市の特性~ (PDF) (広島市)
  15. 15.0 15.1 15.2 広島空港の現状及び将来に向けた課題について (PDF) (広島県 空港活性化部会 2015年12月3日)
  16. 空港および高速道路の状況, , ファクトシート (西日本旅客鉄道), http://www.westjr.co.jp/company/ir/library/fact/pdf/2014/fact06.pdf . 2015-4-21閲覧. 
  17. 新幹線のチケットレスサービス「EX‐IC」がいよいよ東海道・山陽新幹線全線でご利用可能に! - JR東海ニュースリリース 2009年5月28日付 2015年10月14日 閲覧.
  18. 山陽新幹線・航空機との競合, , ファクトシート (西日本旅客鉄道), https://www.westjr.co.jp/company/ir/library/fact/pdf/2017/fact2017.pdf 
  19. 西飛行場廃港受け入れ 空港アクセス改善急げ”. 社説. 中国新聞 (2011年5月28日). 2011年5月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2012-12-4閲覧.
  20. 広島―東京間、航空会社の逆襲なるか 新幹線シェア伸ばす”. 日本経済新聞 (2011年12月31日). . 2016-2-23閲覧.
  21. 広島空港環境計画最終評価報告書 (PDF) (国土交通省 広島空港エコエアポート協議会 2015年3月)
  22. 空港管理状況(国土交通省航空局航空ネットワーク企画課)
  23. 4.4 広島空港における騒音の状況 (PDF) (環境省「大気環境・自動車対策 報告書」)
  24. 24.0 24.1 24.2 『空港をゆく』 イカロス出版〈イカロスMOOK〉、2013-12。ISBN 978-4863207912。
  25. 航空事故調査委員会 (1996-8-18) (PDF). 航空事故調査報告書 個人所属 セスナ式208B型JA8898 広島県佐伯郡能美町 平成6年4月6日 (Report). http://www.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/rep-acci/96-3-4-JA8898.pdf. 
  26. 廃止:広島空港郵便局(広島県)
  27. (財)航空振興財団,1993,航空時刻表1993年11月号,P53および(財)航空振興財団,1994,航空時刻表1994年3月号,P53
  28. (財)航空振興財団,1993,航空時刻表1993年11月号,P53
  29. “平成25年度の航空輸送統計の概況について” (PDF) (プレスリリース), 国土交通省総合政策局, (2014年6月3日), http://www.mlit.go.jp/common/001041866.pdf 上位50位までを記載
  30. シルクエアー、広島〜シンガポール線開設 10月30日から週3便 Traicy 2017年5月30日付
  31. 中国東方航空、広島~上海/浦東~成都線を区間運休 Traicy 2018年2月17日付
  32. 全日空、「広島~グアム線」開設を申請 (全日本空輸)2016年7月31日閲覧
  33. 空港路線バスの運行延長 - 中国新聞 2016年9月24日
  34. 平成22年1月に寄せられたご意見 - 広島県
  35. 交通・物流部門ニュースレターNo.12 - 日本機械学会 平成8年9月20日発行
  36. 平成17年2月定例会代表質問要旨 - 自由民主党広島県議会議員会 石橋良三
  37. “広島県議会”. 平成18年6月定例会(第2日). (2006-06-27). http://asp.db-search.com/hiroshima/dsweb.cgi/document!1!guest05!!29160!0!1!1,-1,1!3192!70022!1,-1,1!3192!70022!26,0,26!12!243!15281!26!7?Template=DocPage. "直通運行については、山陽本線ダイヤの影響が出るなど問題があるとの見解が示されました。" 
  38. 空港アクセスで検討会 広島県とJR西 - 2004年2月11日 中国新聞
  39. “広島県議会”. 平成18年9月定例会(第2日). (2006-09-25). http://asp.db-search.com/hiroshima/dsweb.cgi/document!1!guest05!!29160!1!1!1,-1,1!3192!70022!1,-1,1!3192!70022!10,0,10!16!308!15538!11!11?Template=DocPage. "空港への軌道系アクセスの整備は、一時見送ることといたします。" 
  40. JR白市駅に搭乗手続き機能 - 中国新聞 2013年1月19日
  41. 41.0 41.1 “アシアナ機着陸失敗 着陸寸前に「ローカライザー」に接触”. FNNニュース. (2015年4月15日). オリジナル2015年4月16日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150416220542/http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00290350.html 
  42. aviation-safety.net20150414-0 2015年4月18日確認
  43. 43.0 43.1 航空事故の概要”. 運輸安全委員会. . 2015閲覧.

関連文献

  • 山本耕三「新広島空港の開港に伴う現広島空港の存続問題」、『北海道地理』第1993巻第67号、北海道地理学会、1993年、 19-25頁、 doi:10.14917/hgs1959.1993.19

外部リンク