広島バス
広島バス(ひろしまバス、英語: HIROSHIMA-BUS CO., Ltd.)は、広島市を中心とした路線バス・貸切バスを運行する会社である。本社は広島県広島市中区光南六丁目1番68号。
概要
広島市の旧市街(中区・南区・東区・西区)と安佐北区および府中町に14路線16系統の路線網を持つ。安佐北区への路線は小河原町・高陽A団地へ向かう29号線(深川線)と高陽B団地へ向かう30号線(深川線)、府中町を経由する路線は洋光台団地(南区向洋新町)へ向かう21号線(宇品線)のみで、基本的には旧市街を中心に運行している。どの路線でも運行頻度が多く、各系統が集中する広島駅 - 紙屋町間は運行頻度が夜を除いて2分に1本以上の間隔で走っている。
帝産グループの事業を引き受ける形で運行を開始したこともあり[1]、全国の帝産グループ同様に1965年(昭和40年)11月16日から[2]、資本関係の無くなる1971年(昭和46年)8月31日まで『帝産広島バス』 という社名を名乗っており[3]、バスの車体には帝産グループ所属バスの特徴であるグレイハウンド犬が描かれていた。その後広島電鉄との関係を深め、1971年(昭和46年)9月8日から[4]、独占禁止法の排除勧告を受け入れる1973年(昭和48年)7月まで、広島電鉄と広島バスが経営統合を行ったこともある(広電バス#昭和40年代のバス事業再編計画参照)[5]。その時の取り決めで増岡組に株式が譲渡され[5]、2013年2月現在も系列の鉄鋼ビルディングを含め65%強の株式を所有する大株主になっている。
広電バスの「青バス」に対して「赤バス」と呼ばれる[6]。広電の株式放出後も、ノンステップバスの試行導入時にお互いに塗色パターンをそろえた車両を同時導入するなど現在も関わりが深い(現在も広島電鉄は広島バスの大株主の一つでもある)。
2008年1月26日にICカード乗車券PASPY使用が広島市内中心部路線で開始され、2009年8月8日の中山・深川線の使用開始により全線で使用可能となった。なお、広島バスでは2017年2月までPASPY定期券は発売せず、紙製定期券のみを発売しており、下車時に乗務員に券面を提示する必要があった。2017年3月1日からPASPY定期券の発売を開始し、紙製の定期券の新規発行を廃止するが、小河原車庫での注文と取次販売は同年6月30日まで暫定措置として継続する[7]。
略歴
- 1950年5月24日 - 会社設立[8]。
- 1950年8月3日 - 一般乗合旅客自動車運送事業の免許を受ける[8]。
- 1950年8月26日 - 帝産オート株式会社中国支社の車両と従業員を引き継ぎ[1]運行を開始[8]。当初は全区間均一運賃であった[8]。
- 1951年2月 - 一般貸切旅客自動車運送事業の免許を受ける[8]。
- 1951年3月1日 - 定期観光バスの運行を開始[9]。
- 1965年2月15日 - 芸陽バスに資本参加[10]。
- 1965年11月16日 - 「広島バス株式会社」から「帝産広島バス株式会社」に社名変更[10]。
- 1971年8月25日 - 帝産オートとの提携関係が解消されたことにより臨時株主総会開催[4]。
- 1971年9月1日 - 「帝産広島バス株式会社」から「広島バス株式会社」に社名変更[4]。
- 1971年9月8日 - 広島電鉄と資本提携[4]。
- 1973年1月15日 - 広島電鉄のバス・電車との連絡定期券を発売開始。
- 1973年7月17日 - 公正取引委員会より私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)上の競争の実質的制限にあたるとする排除勧告に広島電鉄が同意[11]。
- 1973年8月9日 - 合意に基づき株式を譲渡し、増岡組傘下となる[11]。
- 1984年 - 最後までツーマン運転だった中山線がワンマン化され、全線ワンマン化が完了[12]。
- 2009年2月28日 - 広電バスとの連絡定期券の発売を廃止[13]。
- 2012年3月9日 - 所有する芸陽バスの全株式を広島電鉄に譲渡した[14]。
- 2013年12月1日 - 定期観光バスの全コースが廃止となる。
各営業所の所在地
乗合バス
現在
- 大州営業課(22号線の起終点) - 開業時に帝産オートより引き継ぎ[1]
- 吉島営業課(24号線の起終点) - 1964年3月25日に吉島第二車庫として開設[15]
- 小河原営業所(29号線の起終点) - 2001年3月22日開設[16]
- 広島県広島市安佐北区小河原町字片山1159番地3
- 管轄路線:29号線・30号線・高陽団地循環線
- 広島県広島市安佐北区小河原町字片山1159番地3
- 向洋車庫(21号線の起終点) - 1973年8月11日開設[11]
- 広島県広島市南区向洋大原町9番1号
- 井口車庫(25号線の起終点) - 1981年6月18日開設[17]
- 広島県広島市西区商工センター八丁目3番4号
- 東浄車庫(27号線の起終点)
- 広島県広島市東区戸坂新町二丁目2番4号
過去
貸切バス
車両
路線車両は日産ディーゼル(当時)と三菱ふそうが在籍しているが、2000年までの導入車両は殆ど富士重工ボディを架装している。尚、97年に導入したノンステップバスは全て三菱ふそうで、三菱自動車バス製造架装の車両である。2003年春には富士重工がバスボディ製造から撤退した関係で、2010年まで一時的に西日本車体工業の三菱ふそう及び日産ディーゼルの導入も行われた他、2009年からは三菱自動車バス製造架装の三菱ふそう及び日産ディーゼルの導入も行われている(日産ディーゼルのバス事業撤退後は三菱ふそうのみ導入)。路線車約200台のうち、ほとんどが大型車だが、商工センター循環線(28号線)用に中型車が2台在籍している(この2台は、三菱ふそうのエアロミディである)。
2000年頃からは富士重工ボディの東京都交通局の日産ディーゼルの中古車両が数多く導入された。導入された車両の中には「都市新バス仕様車」と呼ばれる車両も転入していた。また、三菱ふそうの新呉羽自動車工業や三菱自動車工業架装車両も数は少ないが導入していた(現在は廃車されている)。
2005年頃からは西武バスや東急バスからの移籍車両も導入。富士重工ボディの日産ディーゼルが大半である。更に2010年頃からは立川バス・横浜市交通局・相鉄バス・箱根登山バス・羽田京急バスの三菱ふそうバス製造架装の三菱ふそう車両も導入されている。
2014年に入り、広島バスとしては初となるいすゞ自動車製の路線バス車両が導入された。また2015年には、17年ぶりにノンステップバスの導入が再開され、ノンステップバスが運用に入る路線も拡大された。
観光車両は約35両が在籍、日産ディーゼルと三菱ふそうを採用しているが、ハイデッカー車は富士重工製を導入した。さらに2015年より、いすゞのガーラを広島バスでは初めて導入した。スーパーハイデッカーは三菱ふそうのエアロクィーンを導入している。現行塗装はかつて運行していた都市間路線バスで採用されていたものを踏襲しており、旧カラーは若干のアレンジを加えた上で路線バス車両に採用されている。
2007年に県内の路線バス事業者としては初の新型エアロエース導入事業者となった。ただし観光バス専業事業者も含むと福山市のアシナトランジット株式会社のほうが導入が早かったため広島県内では2番目の導入である。
広島バスが運行を請け負うマツダ構内バスは一般路線からの転用車や中古車両が使用されており、一般・貸切車では導入実績の無い日野自動車製の車両も導入されている。
脚注
- ↑ 1.0 1.1 1.2 『広島バス60年史』9ページ
- ↑ 『広島バス60年史』16ページ
- ↑ 『広島バス60年史』22ページ
- ↑ 4.0 4.1 4.2 4.3 『広島バス60年史』85ページ
- ↑ 5.0 5.1 『広島バス60年史』23ページ
- ↑ 『広島バス60年史』8ページ
- ↑ 平成29年3月1日(水)開始 PASPY定期券の販売について - 広島バス(2017年1月30日)2017年3月12日閲覧。
- ↑ 8.0 8.1 8.2 8.3 8.4 『広島バス60年史』79ページ
- ↑ 『広島バス60年史』12ページ
- ↑ 10.0 10.1 『広島バス60年史』83ページ
- ↑ 11.0 11.1 11.2 『広島バス60年史』86ページ
- ↑ 『広島バス60年史』30ページ
- ↑ “広島バス・広電バスの連絡定期券廃止について”. 広島バス (2009年2月12日). . 2012閲覧.
- ↑ “株式の取得(子会社化)に関するお知らせ(平成24年3月)” (PDF) (プレスリリース), 広島電鉄, (2012年3月9日) . 2012閲覧.
- ↑ 『広島バス60年史』82ページ
- ↑ 16.0 16.1 『広島バス60年史』94ページ
- ↑ 『広島バス60年史』89ページ
- ↑ 『広島バス60年史』87ページ
- ↑ 『広島バス60年史』80ページ
- ↑ 20.0 20.1 『広島バス60年史』81ページ
参考文献
- 『広島バス60年史』広島バス60年史編集委員会編、広島バス、2010年8月。
外部リンク
- 広島バス株式会社
- (2015年9月2日 - )