函館空港
函館空港(はこだてくうこう、英: Hakodate Airport)は、北海道函館市にある空港。空港法に基づく国管理空港で、国土交通大臣が設置・管理する。
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概要
道南の政治・経済・文化の中心地であり観光資源にも恵まれた函館市の中心部から約9km(バスで約20分)東方の海岸沿いの丘陵に位置している。函館の奥座敷である湯の川温泉からはわずかに4.5kmの利便性の高い空港である。また函館空港は北海道最南端の空港でもある。海上保安庁函館航空基地を併設する。
空港施設や乗降客数・貨物取扱量とも新千歳空港に次いで北海道第2の規模を持つ。年間利用客数は、国内1,524,764人、国際161,983人(2014年度)[1]。
滑走路は12/30方向に3000mであり、冬季の大型ジェット機の着陸にも十分な滑走路長を持っている。滑走路全体に渡り、平行誘導路を有する。計器着陸装置(ILS)は滑走路12にカテゴリIが設置されている。
ジェット機の出発よりも後にプロペラ機(道内方面)のスケジュールが組まれているにも関わらず、プロペラ機の準備が先に完了していると、管制官の指示によって滑走路半分ほどの位置から離陸を開始する場合がある。
歴史
- 1961年(昭和36年) - 開港(滑走路1,200m)
- 1971年(昭和46年) - 滑走路延長(2,000m)、ターミナルビル(2代目)完成、ジェット機就航
- 1976年(昭和51年)9月6日 - ベレンコ中尉亡命事件(ミグ25事件)[2]
- 1978年(昭和53年) - 滑走路延長(2,500m)
- 1983年(昭和58年) - 国際定期便用代替空港に指定
- 1994年(平成6年) - 国際線開設(ユジノサハリンスク線)[3]
- 1995年(平成7年)6月21日 - 全日空857便ハイジャック事件[4]
- 1999年(平成11年)3月25日 - 滑走路が3,000mに延長、供用開始[5]
- 2002年(平成14年)1月21日 - 全日空391便着陸失敗事故
- 2003年(平成15年)12月18日 - 新ターミナルビル(3代目)暫定開業[6]
- 2005年(平成17年)6月2日 - 新ターミナルビル(3代目)開業[7]
施設
空港ターミナルビルは、滑走路北側に国内線ターミナルビルと国際線ターミナルビルが隣接して配置されている。現在の国内線ターミナルビルは2005年6月に竣工、全館の供用開始[7]。函館空港ビルデング株式会社により運営されている。地上3階建て。ボーディングブリッジは国内線用に3基、国際線用に1基の計4基を備える。
- 国内線ターミナル
- 1階 - 航空会社カウンター、到着ロビー
- 2階 - 出発ロビー、搭乗待合室、国内線ビジネスラウンジ(カードラウンジ)
- 3階 - 送迎デッキ、展望レストラン、国内線レセプションルーム
- 国際線ターミナル
- 1階 - 航空会社カウンター、出発ロビー、到着ロビー
- 2階 - 搭乗待合室、国際線レセプションルーム
- 有料駐車場 - 約600台
- 管制塔
- 空港監視レーダー
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国内線到着ロビー
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国内線出発ロビー
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国内線送迎デッキ
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国際線ターミナルビル
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国際線エリア
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管制塔
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管制塔(滑走路側)
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空港監視レーダー
就航路線
国内線
航空会社が2社以上の場合、最前の航空会社の機材・乗務員で運航する共同運航便(コードシェア便)
航空会社 | 就航地 |
---|---|
日本航空 (JAL) [8] | 東京国際空港、大阪国際空港、丘珠空港、奥尻空港 |
全日本空輸 (ANA) [9] | 新千歳空港、東京国際空港、大阪国際空港 |
AIRDO (ADO) ・ 全日本空輸 (ANA) | 東京国際空港、中部国際空港 |
バニラ・エア (VNL) | 成田国際空港 |
行き先 | 旅客数 | 国内線順位 |
---|---|---|
東京国際空港 | 約110万人 | 上位22位 |
国際線
航空会社が2社以上の場合、最前の航空会社の機材・乗務員で運航する共同運航便(コードシェア便)
航空会社 | 就航地 |
---|---|
エバー航空(BR)・全日本空輸(NH) | 台湾桃園国際空港(台北) |
タイガーエア台湾(IT) | 台湾桃園国際空港(台北)[11] |
タイ・エアアジア Xが、2018年夏にバンコクに就航させる計画がある[12]。
就航都市
同一都市圏に二つ以上の空港がある場合は「都市名/空港名」で記述する。
国内線 東京/羽田、東京/成田、大阪/伊丹、大阪/関西(夏季運航便(2017年3月18日よりバニラ・エアが定期便として就航予定)、札幌/新千歳、札幌/丘珠、奥尻、名古屋/中部、
国際線 台北/桃園
廃止された路線
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アクセス
函館市中心部(函館駅)まで約9km、五稜郭まで約8km。
- 函館帝産バス[32]
- 函館バス
- 大沼交通
- 大沼・函館空港シャトルバス
- 停車場所:函館空港 - 大中山バス停 - 七飯本町前 - 函館大沼プリンスホテル - 大沼公園ポロト館(大沼公園駅から徒歩7分)[35]
- 大沼・函館空港シャトルバス
- Hakodateteisanbus airport aero.jpg
函館帝産バス 函館空港連絡バス
- Onumakotsu tyokkoubus nsk SD.jpg
大沼交通 函館空港直行バス
路面電車の延伸要望
函館市企業局交通部が運営する路面電車(函館市電)の延伸乗り入れ要望が函館市民からあるが、実現には至ってない[36]。函館市企業局交通部#路線見直しを参照。
現在、最も空港から近い駅は湯の川停留場で、約3km離れているが、上記の函館バス乗り継ぎ指定停留場であるので、乗り継ぎ割引を利用して、同じく乗り継ぎ指定停留所である「湯倉神社前」バス停から「とびっこ」「29系統」(ともに「湯倉神社前(浜田歯科湯川医院前)」から乗車[37])・「96系統」(「湯倉神社前(清水眼科クリニック前)」から乗車[37])にて函館空港に向かう事が可能となっている。
事件事故
- 1971年(昭和46年)7月3日 - ばんだい号墜落事故[38][39]
- 1976年(昭和51年)9月6日 - ベレンコ中尉亡命事件(ミグ25事件)[2]
- 1977年(昭和52年)3月17日 - 全日空724便ハイジャック事件[40]
- 1995年(平成7年)6月21日 - 全日空857便ハイジャック事件[4]
- 2002年(平成14年)1月21日 - 全日空391便着陸失敗事故
- 2017年(平成29年)5月15日 - 陸上自衛隊連絡偵察機LR-2事故
脚注
- ↑ “管内空港の利用状況概況集計表(平成26年度速報値)” (PDF) (プレスリリース), 国土交通省東京航空局
- ↑ 2.0 2.1 “ソ連ミグ25戦闘機のベレンコ中尉 米国亡命の途中、函館着陸 “燃料切れ”を理由に 道警函本 動機など取り調べ”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1976年9月7日)
- ↑ 3.0 3.1 “ユジノ結び就航5周年 函館空港で記念行事”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1999年4月5日)
- ↑ 4.0 4.1 “全日空機ハイジャック救出 暁の急襲 万歳と歓声 静寂の中、赤ん坊の泣き声 足音…「犯人どこだ」”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1995年6月22日)
- ↑ “函館空港の3000メートル滑走路 一番機が離陸”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1999年3月25日)
- ↑ “函館空港新ビル開業”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2003年12月18日)
- ↑ 7.0 7.1 “函館空港新ターミナルビルオープン 道南の“顔” 明るく広々”. 北海道新聞. (2005年6月3日)
- ↑ ジェイエア、北海道エアシステムの機材・乗務員で運航する便あり
- ↑ ANAウイングスの機材・乗務員で運航する便あり
- ↑ “平成25年度の航空輸送統計の概況について” (PDF) (プレスリリース), 国土交通省総合政策局, (2014年6月3日)上位50位までを記載
- ↑ タイガーエア・台湾、函館〜台北/桃園線就航 8月12日から週5便 Traicy 2016年5月27日
- ↑ 来夏にも函館就航 タイ・エアアジアX、新千歳も再開 - 北海道新聞 2017年11月24日
- ↑ “エアトランセ 女満別へ就航 HAC、函館-奥尻も”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2006年4月1日)
- ↑ “エアトランセ 乗り合い便などに転換 利用客の反応 未知数 帯広、女満別 事務所縮小へ 苦境打開狙う”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2007年3月7日)
- ↑ “チャーターなどで運航再開のエアトランセ 利用客確保が課題 初日は4便30人 出発時刻周知に難点”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2007年3月15日)
- ↑ “HACトライアングル実現 函館-釧路線が就航”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1998年7月1日)
- ↑ “エアトランセ離陸 函館-帯広に第1便”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2005年3月14日)
- ↑ “エアトランセ新千歳-帯広線冬季運休 再開「現状では困難」 社長会見 帯広の利便性に難点”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2006年9月30日)
- ↑ “HAC函館―三沢線就航 ビジネス、観光促進期待 わずか30分 搭乗率向上が課題”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2013年8月2日)
- ↑ 北海道エアシステム、4月26日から三沢/函館線の運航を再開 FlyTeam 2014年4月7日付
- ↑ “HAC初の道外路線 函館-仙台第1便出発”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2001年11月1日)
- ↑ “経済レーダー 快調に“飛行”函館-山形線 新規就航の季節運航便 東北観光 意外な健闘 道内旅行も新たな可能性”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1998年6月11日)
- ↑ “函館-庄内ひとっ飛び 就航初便祝う”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1997年5月1日)
- ↑ “きのう今日あす 地方版から”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1994年4月23日)
- ↑ “ソウル線就航1カ月 搭乗率は目標下回る 函館のPR強化課題 韓国人客 札幌、青森へ流れる”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2006年7月4日)
- ↑ 中国国際航空、7月から函館/北京線に就航 FlyTeam (2015年3月30日)
- ↑ 中国国際航空、函館/北京線を運休 5月2日の運航が最終便 FlyTeam 2016年4月22日付
- ↑ 中国東方航空、10月27日から函館/杭州線の定期便を開設 週2便 FlyTeam (2015年9月11日)
- ↑ 中国東方航空、函館/杭州線を欠航へ 5月21日から10月末まで FlyTeam 2016年4月25日付
- ↑ 奥凱航空、函館〜西安線に就航 12月23日から週1便 Traicy (2016年11月13日)
- ↑ オッケー航空、函館〜西安線を運休 就航から1ヶ月経たずに決定 Traicy 2017年1月13日付
- ↑ 函館タクシー株式会社 函館帝産バス シャトルバス2018年6月12日閲覧。
- ↑ 快速便はここが終点となる。
- ↑ 空港五稜郭線快速
- ↑ 大沼交通 大沼・函館空港シャトルバス2018年6月12日閲覧
- ↑ 第1回函館市交通事業経営計画検討会議会議録 函館市交通局 2013年4月5日閲覧
- ↑ 37.0 37.1 函館バスウェブサイト時刻表・停留所名:湯倉神社前の「浜田歯科湯川医院前」中に「とびっこ」「29系統」時刻の記載が、「清水眼科クリニック前」中に「96系統」時刻の記載がある。2018年6月12日閲覧
- ↑ “東亜国内航空機が遭難 乗客、乗員68人”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1971年7月4日)
- ↑ “ばんだい号 横津岳(七飯)で発見 散乱する機体”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1971年7月5日)
- ↑ “全日空ハイジャック 千歳-仙台”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1977年3月18日)
関連項目
- GLAY JUMBO(1999年)
- 名探偵コナン 銀翼の奇術師 - 作品中で実際に登場した。
- 北海道の関与団体の一覧 - 函館空港ビルデング株式会社は北海道の「関与団体」として指定されている。
外部リンク
- 函館空港 公式ウェブサイト (日本語) - 函館空港ビルデング
- 函館空港 (日本語) - 国土交通省 北海道開発局 港湾空港部
- 空港整備事業 (日本語) - 国土交通省 北海道開発局 函館開発建設部
- 気象庁 新千歳航空測候所 函館空港出張所 (日本語)
- 函館空港の制限表面図 (PDF) (日本語) - 国土交通省 東京航空局