春秋航空日本
提供: miniwiki
春秋航空日本株式会社 (しゅんじゅうこうくうにほん[1])は、春秋航空などが出資する日本の格安航空会社である。別称は、Spring Japan(スプリング ジャパン)であり、公式サイトや機内アナウンスなどではこちらの呼称が用いられる場合もある[2]。
概要
中国の格安航空会社春秋航空などが出資し、2012年9月7日に設立された。設立時の資本金は15億円で、航空運送事業許可の取得後に、60億円まで増資した。なお、航空法の外資規制があるため、春秋航空による出資は33%までにとどめられている[3]。出資第3位の山佐は航空機リースの他、パチスロの製造・販売でも知られる。
設立母体の春秋航空とは若干サービスを異なるものとして日本にあわせており、2017年にはオリコンが実施する日本顧客満足度調査のLCC国内線部門において価格、快適性、客室乗務員の対応など、全体的に高い評価を獲得し2年連続の首位となっている[4]。
2017年上半期、日本の航空会社では欠航率が最も高くなっている[5][6]。2017年5月から10月にかけて、安全上の理由から運航乗務員の2割にあたる、10人を乗務停止としていた[7]
2017年12月より、航空機整備の一部業務をJALエンジニアリングに委託することとなった[8]。
沿革
- 2012年(平成24年)
- 9月7日:会社設立。
- 2013年(平成25年)
- 5月:アイルランドに本拠を置く航空機リース会社AWASアビエーション・キャピタルが春秋航空日本の初号機となるボーイング737-800(機体記号:JA01GR)を受領[9]。なお、初号機は受領後も2013年7月中旬までアメリカ合衆国・アリゾナ州のピナル飛行場で保管されていたが[10]、7月21日に日本へフェリーされた。
- 8月2日:東京/成田 - 高松間でテストフライトを実施[11]。
- 12月17日:国土交通省から航空運送事業許可を取得[12][13]。
- 12月26日:機体と乗務員の制服を報道公開[14]。制服はデザイン専門学校の学生から募集し、優秀作品となったものを基にして制作した[15]。記者会見では株主の構成も明らかにした[16]。
- 2014年(平成26年)
- 2015年(平成27年)
- 2016年(平成28年)
- 2017年(平成29年)
- 2018年
- 3月30日 : 樫原利幸が社長に就任[34]。
保有機材
機種 | 機体記号 | 機材受領日 | 備考 |
---|---|---|---|
ボーイング737-800 | JA01GR | 2013年7月18日[37] | 初号機 |
JA02GR | 2013年12月22日 | ||
JA03GR | 2014年3月20日[38] | ||
JA04GR | 2017年1月12日[33] | ||
JA05GR | 2017年6月13日 | ||
JA06GR | 2017年6月23日 | 引渡後一時米国保管後[39]2018年5月31日来日[40] |
- ボーイング737-800:6機
- 座席数は189席[12]。全てエコノミークラスだが、以下のように区分が分かれており[41]、座席指定料金にそれぞれ差がある[42]。
- コンフォートシート(1列目) - 最前方に位置する席。前方が壁となるためシートピッチが最も広い。
- フロントシート(2・3列目) - コンフォートシートに次いでシートピッチが広い座席。
- レッグシート(16・17列目) - 非常口座席。16列目はリクライニングが不可能。
- スタンダードシート - 上記以外の座席。なお、機体右側のみ10列目が存在しない[41]ため、同じ料金区分の座席ではあるが5列目~15列目では右側と左側でシートピッチに差が生じている。
- 親会社の春秋航空ではエアバスA320型機を運用しているが、日本ではボーイング機を運航する航空会社が多いため、人材確保の観点から日本国籍のLCCでは唯一、ボーイング社製旅客機を採用した[43]。
- 就航当初の予定では2014年に3機、2015年から2017年の間毎年5機ペースでリース機として順次導入予定[44]としていたが、実際には4 - 6号機の受領が2017年以降にずれこんだ[45]。
- 座席数は189席[12]。全てエコノミークラスだが、以下のように区分が分かれており[41]、座席指定料金にそれぞれ差がある[42]。
- JA01GR 140413 RJAA 2585x1938.JPG
- Interior of Spring Airlines Japan Boeing737-800 JA01GR.jpg
機内(JA01GR)
就航路線
国内線
2018年現在[46]
国際線
2017年現在[47]
運休路線
- 東京/成田 - 高松(2014年8月1日から2015年10月24日まで運航)
- 東京/成田 - 大阪/関西(2016年9月28日[32]~2017年10月28日運航[49]、2018年8月2、5、9、12日のみ限定運航)
- 東京/成田 - 札幌/新千歳(2016年8月20日~2018年1月15日運航[50]、2018年8月から再開)[51]
運賃種別
2017年11月現在[52]
ラッキースプリング | スプリング | スプリングプラス | |
---|---|---|---|
予約変更・払い戻し | 不可 | 有料 | 無料 |
受託手荷物 | 有料 | 無料(最大15kg) | 無料(最大25kg) |
事故、トラブル
- 2017年10月22日、IJ701便(成田→佐賀、JA03GR)が熊本空港の東北東約40kmを飛行中、機体が動揺し客室乗務員1名が腰の骨を折る重傷を負った[53]。運輸安全委員会は航空事故と認定し、調査を進めている[54]。
- 2017年11月末に一部報道によって「5月に佐賀空港で主翼揚力発生補助翼(フラップ)の準備ができていないまま離陸しようとした事案、10月に成田/新千歳線の飛行計画書が誤っていたものの気付かずに離陸してしまった事案などがありパイロット再訓練のため最大10名が乗務停止になっていた」事が報道[55]された。
- 2017年11月頃から、運休[56][57]、欠航[58][59]、遅延[60]、時間変更[61]が多発し、12月には運航一ヶ月前の運航便届け出が国土交通省航空局に出されない事案[62]も発生している。2018年になってからも1月13日から運用機材の耐空証明検査に関する機材繰りによる欠航が発生し[63]、1月16日以降は国内線は成田-広島、佐賀のそれぞれ1往復合計2往復便の運航だけ残して減便運航体制となる。2018年7月20日、6月からJALと整備子会社JALエンジニアリングへ航空機の管理を含む包括的な整備業務委託を開始したことで運休時4機運用での体制を保有6機運用の運航体制を構築し、運休路線などの再開に目途がつき、8月から成田-新千歳を再開し、増便、成田-広島を復便、成田-関西は8月に4日間だけ限定運航することを発表[64]。
脚注
- ↑ テンプレート:Youtube - ANN NEWS
- ↑ 引用エラー: 無効な
<ref>
タグです。 「company
」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません - ↑ “激安航空”日本国内線参入へ 中国のLCC春秋、来年秋に成田拠点で 空の低価格競争に拍車 MSN産経ニュース 2012年11月28日付
- ↑ 格安航空券 LCC 国内線のランキング・比較 - オリコン 2017年2月1日
- ↑ 特定本邦航空運送事業者(※)に関する航空輸送サービスに係る情報公開(平成29年1~3月)のポイント (PDF) - 国土交通省
- ↑ 特定本邦航空運送事業者(※)に関する航空輸送サービスに係る情報公開(平成29年4~6月)のポイント (PDF) - 国土交通省
- ↑ パイロット10人乗務停止 春秋日本、安全上トラブル - 産経新聞 2017年11月30日
- ↑ 春秋航空日本の安全品質向上の支援を開始します - 日本航空 プレスリリース 2017年12月1日
- ↑ AWAS delivers first new 737-800 passenger aircraft to Spring Airlines Japan (PDF)
- ↑ リース会社AWAS、春秋航空日本に初の737-800新造機をデリバリー FlyTeam
- ↑ 月刊エアライン 2013年10月号 p.127
- ↑ 12.0 12.1 航空運送事業の許可について(春秋航空日本株式会社) 国土交通省 2013年12月17日付
- ↑ 春秋航空日本、航空運送事業許可を取得 今後増資へ FlyTeam 2013年12月17日付
- ↑ 春秋航空日本、機体と制服をお披露目 Aviation Wire(2013年12月26日付)
- ↑ 春秋航空日本、制服はデザイン学校の5名の優秀作から共同製作 Flyteamニュース(2013年12月26日付)
- ↑ 春秋航空日本、上級クラス席導入 人材はリンクからも Aviaton Wire(2013年12月26日付)
- ↑ Spring Japan(春秋航空日本㈱) スケジュール・運賃決定 春秋航空日本 2014年3月25日付
- ↑ 春秋航空日本、東京/成田〜高松・広島・佐賀線に2014年6月27日就航! ダイヤを発表! Traicy 2014年3月25日付
- ↑ ジェイティービーが春秋航空日本に出資! 会見で詳細を発表へ Traicy 2014年3月25日付
- ↑ JTB、春秋航空日本株式会社に出資を発表 FlyTeam 2014年3月25日付
- ↑ 混雑空港を使用して運航を行うことの許可について 国土交通省 2014年5月20日付
- ↑ 春秋航空日本、成田発着3路線の国内線就航を申請へ FlyTeam 2013年9月5日付
- ↑ 「春秋航空日本」が航空機などお披露目 来年5月国内線参入へ準備進む SankeiBiz(2013年12月26日付)
- ↑ 中国系LCCの「春秋航空日本」も就航延期 パイロット不足で8月まで Sankei Biz 2014年6月6日付
- ↑ 春秋航空日本 国内線就航の申請へ - NHKニュース
- ↑ 国内3路線に中国系格安航空=成田拠点の「春秋日本」 時事ドットコム 2014年8月1日付
- ↑ Spring Japan 冬ダイヤ決定 (PDF) 春秋航空日本 2014年9月25日
- ↑ 春秋航空日本、高松から10月撤退 就航1年2カ月で - Aviation Wire 2015年8月21日
- ↑ 29.0 29.1 春秋航空日本、16年2月に国際線参入 成田―重慶など2路線 - 日本経済新聞 2015年11月4日
- ↑ 30.0 30.1 Spring Japan 国際線就航のための認可申請 - 春秋航空 2015年11月4日
- ↑ 春秋航空日本、東京/成田〜札幌/千歳線をきょう開設 毎日1便を運航Traicy 2016年8月20日
- ↑ 32.0 32.1 春秋航空日本、東京/成田〜大阪/関西線を9月28日就航Traicy 2016年8月25日
- ↑ 33.0 33.1 33.2 “春秋航空日本、成田-天津就航 週3往復”. Aviation Wire (2017年1月28日). . 2017閲覧.
- ↑ 春秋航空日本、社長に日航OBの樫原氏 - 日本経済新聞 2018年3月16日
- ↑ Spring Airlines Japan fleet details - AirFleets.net
- ↑ Spring Airlines Japan Fleet Details and History - PlaneSpotters.net
- ↑ JA01GR 登録情報
- ↑ 春秋航空日本、3機目の737-800を受領 就航時の機材揃う FlyTeam 2014年3月29日付
- ↑ JA06GR機体詳細
- ↑ 春秋航空日本、6機目「JA06GR」が成田到着 同日中に羽田へフェリー
- ↑ 41.0 41.1 航空機のご紹介—春秋航空公式サイト - 春秋航空日本
- ↑ 付帯サービス—春秋航空公式サイト - 春秋航空日本
- ↑ 春秋航空日本、成田-高松など国内3路線就航へ 14年5月末 Aviation Wire 2013年9月5日付
- ↑ 春秋航空日本、記者会見と制服・機内サービスの発表会を開催!=出資者も明らかに Traicy 2013年12月26日付
- ↑ “春秋航空日本、「JA04GR」から「JA06GR」を予約登録 2017年に受領”. flyteam (2016年8月2日). . 2017閲覧.
- ↑ 時刻表 日本発国内線 - 春秋航空日本
- ↑ 成田発着国際線 - 春秋航空日本
- ↑ 重慶・東京間の直行便が就航 - 中国国際放送 2016年2月15日
- ↑ スプリングジャパン(春秋航空日本)、成田=関西線を2017年10月28日で運休 - トラベルタウンズ 2017年8月31日
- ↑ 春秋航空日本、1月16日以降の航空券発売へ 札幌は調整中 -Aviation Wire 2017年12月22日
- ↑ Spring Japan 夏季ダイヤで国内線新千歳・広島・関西線の 復便・増便決定!本日より販売開始
- ↑ 運賃・変更・取消 - 春秋航空日本
- ↑ 春秋航空機 飛行中に大きく揺れ、乗員1人が骨折 - 毎日新聞 2017年10月27日
- ↑ 調査中の案件 - 運輸安全委員会
- ↑ 春秋航空日本、所属パイロット10名を乗務停止 安全上のトラブルで - FryTeam.jp 2017年11月30日
- ↑ 春秋航空日本、11月28日から12月6日まで成田/新千歳線を運休 - FryTeam.jp 2017年11月28日
- ↑ 春秋航空日本、機材繰りで成田/広島線を一部運休 12月7日の1往復便 - FryTeam.jp 2017年12月4日
- ↑ 春秋航空日本、12月4日から6日までの成田/佐賀線を欠航 機材繰りのため - FryTeam.jp 2017年11月29日
- ↑ 春秋航空日本、2018年1月8日から11日まで成田/新千歳線を欠航 - FryTeam.jp 2017年12月22日
- ↑ 春秋航空日本、1月8日から10日まで成田/佐賀、広島線で遅延 機材繰りで - FryTeam.jp 2017年12月21日
- ↑ 春秋航空日本、12月7日に成田/新千歳線で運航時間を変更 機材繰りのため - FryTeam.jp 2017年11月29日
- ↑ 春秋航空日本、成田-札幌1月に一部欠航 16日以降は国内線全便が予約不可続く - AviationWire 2017年12月21日
- ↑ 春秋航空日本、佐賀と広島一部欠航 737耐空証明で - Aviation Wire 2018年1月13日
- ↑ 春秋航空日本、札幌8月再開 広島も2往復に
関連項目
外部リンク