池袋
池袋(いけぶくろ)は、東京都豊島区に属する池袋駅を中心とする副都心。東京都豊島区に属する区画の一つ。また豊島区における行政上の地名のひとつにもなっている(「行政地名としての池袋」を参照)。
Contents
概要
池袋は、新宿、渋谷と並ぶ山の手3大副都心の一つ。池袋駅を中心に巨大な百貨店や専門店、飲食店などが局在する。池袋駅の一日平均乗降者数は約271万人(2007年度)。池袋駅西口および東口駅前に繁華街が広がり、北口および東口サンシャイン通り裏手、同明治通北側一帯には大規模な歓楽街がある。1日に約100万人の集客人員がある。
西口方面には東武百貨店、ルミネ池袋(旧称メトロポリタンプラザ)、東京芸術劇場、池袋西口公園等、東口方面には西武百貨店、池袋パルコ、サンシャインシティ、豊島区役所等がある。
池袋駅が8路線からなる巨大な鉄道ターミナルであるほか、池袋には周縁部を含め明治通り、グリーン大通り、春日通り、要町通り、劇場通り、川越街道などの道路が集まる。
池袋駅から少し離れると立教大学(西池袋)、帝京平成大学(東池袋)、重要文化財に指定されているフランク・ロイド・ライト設計の自由学園明日館、多くの著名人が眠る雑司ヶ谷霊園などの緑や文化財も多く、池袋演芸場などの寄席や小劇場もある。
地名の由来
現在の池袋駅西口のホテルメトロポリタン一帯(西池袋1丁目)に存在していた袋型の池が袋池(丸池)と呼ばれており、それが地名の直接の由来となったとされている。ただし当地は旧雑司ヶ谷村であり、池袋のもともとの中心部だったといえる池袋本町(かつての本村)からは離れているため、この説には異論がある[1]。なお、丸池は時代を追って縮小され、70年代中頃までは現在のホテルメトロポリタン北側に存在した「元池袋公園」内に空池(からいけ)の状態で残っていたが、現在は完全に埋め立てられ、地名由来とされる池を偲んで、元の場所より東側の隣接地に元池袋史跡公園が開設された[2]。
歴史
古くは武蔵国豊嶋郡池袋村といい、戦国時代の古文書である『小田原衆所領役帳』(永禄2年・1559年)には「太田新六郎 知行 三貫五百文 池袋」とあることから、中世にはすでに近隣の地名(長崎・雑司ヶ谷・巣鴨・高田など)とともに確立していたと考えられる。
明治の廃藩置県が行われると、東京府(一部は浦和県から編入)に属し、1889年の町村制施行で、巣鴨村の大字となる。池袋が栄えるきっかけとなったのは、鉄道の開業である。上野駅〜前橋駅間に鉄道を開業させていた私鉄の日本鉄道が、1885年に官営鉄道(新橋駅〜横浜駅)との接続を目的に、現在赤羽線(埼京線)・山手線となっている赤羽駅〜品川駅間の路線を開業させた。だが、この時には池袋の地に駅は設けられなかった。
その後、1903年に田端駅への支線を建設することになった。当初は目白駅での分岐が想定されていたが、地形や経由地などにおいて種々の難点が指摘されたため、それより北の台地上に新たに池袋駅を開設してここから分岐することになった。
大正から昭和にかけ、東上鉄道(今の東武東上本線)や武蔵野鉄道(今の西武池袋線)なども池袋へ乗り入れるが、これらはどちらも当初繁華街とはいえなかった池袋は起点とせず、当時の繁華街であった神田・巣鴨(市電が1912年には乗り入れていた)への乗り入れを前提としていた。その過程において池袋は仮のターミナル駅として開設されたが、その後の事情でどちらも都心への延伸を断念し、結果として池袋起点となったものであった。この頃は、巣鴨のほかに、白木屋があり王子電気軌道(今の都電荒川線、1911年に開業)と山手線が交差していた大塚駅辺りが繁華街であって、池袋は豊島師範(東京学芸大学の母体のひとつ)や立教大学など、学校が置かれたことから文教地区となっていった。
1933年に白木屋と京浜急行電鉄が共同で設立した京浜百貨店が1930年代に菊屋デパートの名で池袋駅に開店。そして東京市電(1943年に東京都電となる)が1939年に池袋駅前に乗り入れ、この頃から交通の結節点として、賑わいを見せるようになる。菊屋は1940年に武蔵野鉄道(現西武鉄道)に買収され、武蔵野食糧を開設。武蔵野デパートを経て1949年に西武百貨店と改称した。
また東武百貨店が1962年に本店を開店して1964年に東横百貨店池袋店を買収し、1958年に開店した東京丸物池袋店は1968年に西武百貨店に買収されパルコになった。
新宿、渋谷と並ぶ副都心であり、近年は乙女ロードにより女性利用者が急増しファッションスポットも増加、高野之夫区長が文化事業や街の美化に取り組んだ結果、2013年の住みたい街ランキング3位になる程の人気スポットに変わりつつある[3](2018年は5位)。
現在池袋と名の付く地区の大半は、一時期西巣鴨町に属していた。東池袋二丁目には西巣鴨橋という橋が現存する。またサンシャインシティは巣鴨拘置所の跡地に立てられたものである。
主な施設
東池袋・南池袋
- サンシャインシティ
- ナムコ・ナンジャタウン
- サンシャイン60…展望台、スカイデッキ、クルーズクルーズ、トリアノンレストラン
- サンシャインプリンスホテル
- 専門店・レストラン街アルパ
- 専門店・レストラン街アルタ(旧・三越YOU館)
- サンシャイン水族館
- コニカミノルタプラネタリウム満天
- 古代オリエント博物館
- サンシャイン劇場
- 舶来横丁
- 展示ホールA〜D
- 西武百貨店池袋本店
- ビックカメラ池袋本店・ビックパソコン館池袋本店・池袋東口カメラ館・池袋東口総合館
- ヤマダ電機LABI1日本総本店池袋(旧・三越池袋店)・LABI1池袋モバイルドリーム館
- ドン・キホーテ池袋東口駅前店
- 2010年2月に閉店したさくらや池袋店の跡地にオープンした。
- パルコ、P'パルコ
- 池袋の若者ファッションの発信基地。パルコ1号店で、渋谷パルコより売上高は多い。
- アンティ・アンズ 池袋東口店
- 日本初上陸となるプレッツェル専門店。
- 東急ハンズ池袋店
- リブロ池袋本店
- キュラーズ東池袋店
- ジュンク堂書店池袋本店
- 池袋病院
- 池袋イーストビル
- リブロ東池袋店
- アニメイト池袋本店 - 乙女ロード沿い
- まんだらけ池袋本店 - 乙女ロード沿い
- コミックとらのあな池袋店
- ゲーマーズ池袋店
- ケイ・ブックス池袋アニメ館、池袋コミック館
- トヨタアムラックス
- 豊島公会堂
- 東京音楽大学
- 帝京平成大学
- 東池袋中央公園
- 雑司ヶ谷霊園
西池袋・池袋
- 東武百貨店 池袋本店
- 売り場面積都内最大の百貨店。隣接するルミネ池袋と合わせれば、国内最大規模の商業施設である。和洋中55店舗を誇る都内最大規模のレストラン街は、夜11時まで営業(フロアによって営業時間は異なる)西口で詳述。
- ルミネ池袋
- かつてはメトロポリタンプラザだったが、JR東日本の子会社間による事業再編により、2010年4月1日より「ルミネ池袋」としてオープンした。
- ホテルメトロポリタン
- エソラ池袋
- 池袋マルイ
- ビックカメラ池袋西口店
- ロサ会館
- 1945年に映画館としてオープン以来、現在では飲食店、風俗店、漫画喫茶、スポーツ施設など様々店舗が雑居した老舗アミューズメントセンターである。
- 知音本店
- 池袋北口に本店を置く大手中華物販店。知音書店、知音中国食品、知音食堂、知音旅行社など幅広い分野でチェーン店化して展開している。
- クラブハウスウェディング・リビエラ東京
- 立教通り沿いの結婚式場。1950年に料亭・白雲閣として創設、その後リビエラ白雲閣、クラブハウスウェディング・リビエラ東京と改名している。
- 自由学園明日館
- 米国の建築家の巨匠・フランク・ロイド・ライト設計で重要文化財に指定されている。
- 江戸川乱歩居宅
- ミステリー文学資料館
- 池袋警察署 - 交通違反反則金納付の池袋通告センターと一体。
- 池袋防災館 - 池袋消防署内にあり、災害を模擬体験できるコーナーがある。
- 豊島区立郷土資料館
- 東京芸術劇場
- 立教大学
- 極真会館 - 極真空手の総本山
- 池袋西口公園
- 光文社
- 東京都豊島合同庁舎(豊島法務局)
- 豊島清掃工場(池袋マンモスプール跡地)
- 昭和鉄道高等学校
- 豊島学院高等学校
繁華街
池袋は日本有数の繁華街の一つである。駅の東西に繁華街が広がっている。近年は南口エリアにも繁華街が広がり、ビームスやアディダスジャパン、スターバックスなど路上店舗も増加傾向にある。
東口
駅東口には西武百貨店、パルコ、サンシャインシティ、ビックカメラ、ヤマダ電機、豊島区役所などがあり、東口一帯に繁華街が広がる。駅からグリーン大通りを進むと左手にサンシャイン60ビルやトヨタアムラックスが見えてくる。サンシャインシティ方面へ延びるサンシャイン60通りは、飲食店、映画館、ゲームセンター等も多く、休日は歩行者天国になっている。このサンシャイン60通り沿いや、ヤマダ電機LABI1日本総本店池袋の西側には歓楽街が広がり、2014年10月には結婚式場が入っている創業施設WACCAもオープンし、ますますの賑わいも見せている。
パルコ、P'パルコ、サンシャインシティアルパ&アルタなどがある。 池袋はまたジュンク堂書店(本屋としては日本一の大きさを誇る)、リブロなどの都内屈指の書店激戦区でもあり、10店舗以上のCD店が競合する音楽激戦区、ラーメン、回転寿司などのグルメ激戦区でもある。書店については、神田神保町や早稲田のように密集はしていないものの古書店も非常に多く、大型新刊書店の多さとあいまって東西池袋は神田新保町に次ぐ「本の街」の様相を呈していたが、その主力を担っていた東口の光芳書店チェーンが大幅に店舗整理したこともあり、かつての盛況には及ばない。またサブカルチャーの一部であるアニメのグッズや書籍などを販売しているアニメイトやとらのあな、ゲーマーズ等の店舗も東口周辺に立地している。
- 西武百貨店は、東口の顔で、同百貨店の旗艦店でもある。エルメスやラルフローレンなど欧米の人気ブランドを日本の百貨店の中でいち早く導入し、ブランド力のあるデパートに発展させ、かつてのセゾン文化の発信基地にもなった。新宿伊勢丹等に次いでファッションに敏感な女性に根強い人気があり、都内屈指の売上額を誇っている。また同百貨店のデパ地下は、日経MJの2002年などの調査で首都圏人気NO1に選ばれた。また西武百貨店の源流は、三井高利が始めた三越の前身の呉服店、越後屋(1672年創業)より古い、1662年創業の呉服店、日本橋白木屋に求められる。1933年に白木屋と京浜電鉄が共同で設立した京浜百貨店が菊屋デパートの名で池袋駅に出店し、その後、武蔵野デパートを経て西武百貨店になった。
- サンシャインシティは、展望台を有する超高層ビルの「サンシャイン60」をはじめ、都市型テーマパーク「ナムコ・ナンジャタウン」、「国際水族館」、「コニカミノルタプラネタリウム満天」、「サンシャイン劇場」、「専門店・レストラン街アルパ・アルタ」、「プリンスホテル」などからなる日本初の複合都市。近年、「りらくの森」、「アイスクリームシティ」、「シュークリーム畑」、「餃子スタジアム」などのテーマパークもオープンしている。アルパの噴水広場では各種イベントも開かれる。
- サンシャイン通りに近い路地を入ると昭和の叙情的ムードが漂う飲み屋街・「ひかり横丁」(現在は閉鎖された)や、北側には、かつての骨董街神田から移ってきた骨董店が入居する「東池袋骨董商会」がある。毎月第2月曜日、池袋駅前公園で骨董市が開催されている。
- 東口繁華街は近年、副都心線の開業に合わせるように北へ、南へとさらに広がりを見せており、池袋駅東口地下街を、サンシャインシティや東池袋4丁目まで延伸する「東口地下街計画」や、LRTを東口駅前からグリーン大通りを直進させ、南池袋2丁目で右折し、都電荒川線・都電雑司ヶ谷停留場に接続する構想などが浮上している(現時点では構想段階にとどまっている)。その2丁目に豊島区役所の新庁舎移転計画が進行しているが、区庁舎の位置と規模に関与する利害関係者の綱引き状態となっている。また、現区役所跡地には商業施設を建設する構想もある。
- ヤマダ電機は「LABI」という都市型店舗としては国内3店舗目となる「LABI池袋店」を東口に出店。その立地はビックカメラ池袋本店の1軒隣で、ビックパソコン館池袋本店の正面に位置するため、2社の間で売り上げ争いが勃発、その様子はマスコミでも大きく取り上げられた。また、2009年5月に閉店した三越池袋店の建物が2009年10月にヤマダ電機LABI1日本総本店池袋となり、近接する地域のビックカメラ・ヤマダ電機がともに2店舗となることからマスコミでも大きく報じられた。この2社は同じく池袋に店舗を持つさくらやを傘下におさめているベスト電器の買収合戦でも対立しており、今後も池袋が注目される機会は多いと思われる。
西口
駅西口には東武百貨店、メトロポリタンプラザ、丸井、東京芸術劇場、立教大学などがあり文化・芸術の香る街である。また居酒屋など飲食店が密集するロマンス通りや西一番街中央通りなどにライブハウスや映画館などがあるロサ会館や池袋演芸場などもある。メトロポリタンプラザの西南には、日本で最初にケーキブッフェを始めたことで有名なホテルクラウンプラザ・メトロポリタン東京がある。南西エリアは、木々の茂る西池袋公園や立教学院本部、中学校や小学校があり、西池袋2丁目~4丁目、目白3~5丁目にかけて閑静な住宅町が広がる。
- 西口の顔東武百貨店は、売り場面積都内一・食品売り場面積は日本一の百貨店である。レストラン街SPICE・SPICE2だけで51店舗を数え、都内最大の店舗数を誇る。
- SPICEだけではなく、メトロポリタンプラザ7F~8Fの「レストラン街」24店を合わせれば75店舗になり、東武本館B2Fから6Fまでの「カフェ」9店、東武本館B2F~B1Fまでの「イートイン」11店を合わせれば95店舗、メトロポリタンプラザB1F・3F・5Fの「カフェ」3店を含めれば98店舗、東武ホープセンター(地下街)の「飲食店」13店を合わせれば、111店舗の飲食店が集まる、日本はおろか世界で最も飲食店の多い商業施設の一つと言える。
- 日経MJや(株)インターワイヤードなどの人気デパ地下調査でも3位にランクインしている。隣接するメトロポリタンプラザと合わせれば、売場面積が102,571m2に達し、国内最大規模の商業施設でもある。床や壁には大理石が敷き詰められ豪華絢爛な雰囲気をかもし出している。
- メトロポリタンプラザのB1Fから6Fまでは女性向け衣料や雑貨が中心。その他に、いけだ書店、HMV、無印良品、映画館やリラクゼーションスペース、銀行、証券会社、郵便局、クリニック、「貸し会議室」なども併設されている。
- 西口ロータリーに繋がる池袋西口公園は、作家・石田衣良の小説『池袋ウエストゲートパーク』(I.W.G.P)がTBS系で長瀬智也、窪塚洋介らの出演でテレビドラマ化され、撮影の舞台になった。当公園の東側には東武会館を挟んで池袋駅と東武百貨店が、南西側には東京芸術劇場が、また北側にはバス乗降場を挟んでビックカメラ西口店・東京都豊島合同庁舎がある。かつて東口の新栄堂、西口の芳林堂と呼ばれ親しまれた芳林堂書店が合同庁舎裏手にあったが、東口のリブロやジュンク堂、東武百貨店内の旭屋書店の出店に押され、2003年12月31日に閉店した。
- 芸術劇場の西側、劇場通りを挟んだ路地奥には西池袋公園が、また西口五差路交差点南西角にはマルイ(池袋マルイ、マルイ・インザルーム)があり、周辺にはカフェ・チェーン店(エクセルシオール、ドトールコーヒー、カフェ・ベローチェ)や各種飲食店が点在する。また五差路交差点付近にはファミリーレストランジョナサン(五差路交差点南東角)や、デニーズ(劇場通りを北に進んだ西側道路沿い)もあり、ファミリーも利用しやすい環境が整っている。西池袋公園の奥には結婚式場「リビエラ白雲閣」および立教大学がある。
- 池袋駅西口駅前から池袋西口公園にかけての地下は有楽町線および副都心線の池袋駅となっている。2009年3月にエチカ池袋が駅コンコースに、2009年11月にエソラ池袋が駅直上にそれぞれオープンした。エチカ池袋を出て西へ移動すると創業大正8年の老舗漢方薬局・池袋一二三堂薬局が店をかまえている。
北口・南口
南北に伸びる池袋駅が池袋の街を東西に分断しているため、東口・西口の区分に比べると北口・南口エリアの使用頻度は低い。
- 北口は歓楽街が広がり、多くの飲食店やキャバクラ、風俗店などが立ち並び、新宿歌舞伎町に似た雰囲気をかもし出している。中には中華物販大手の知音本店や池袋陽光城、華文書店、その他多くの中華料理店などを中心に中華系の店がおよそ200店舗点在しているため池袋チャイナタウンとも呼ばれるミニ中華街がとしての側面もある[4]。また、ヤクザで的屋系の指定暴力団である極東会の本部もこの域内に存在する。ビックカメラ池袋北口店は東京における第一号店として進出してきたが、現在は西口の丸井スポーツ館跡地の池袋西口店に移転している。そして、東西池袋を繋ぐ歩行者専用の地下通路(自転車の場合は下車をして手押し通る事ができる)での雑司が谷隧道(通称:ウィ・ロード)や車道の池袋大橋などの出入口でもある。
- 南口は西武百貨店池袋本店が南口まで伸びていて、リブロブックス池袋本店や西武百貨店の駐車場などがある。またジュンク堂書店池袋本店など大型書店なども立ち並んでいる。そして池袋東西をまたぐびっくりガードがあり、西口のホテルメトロポリタン方面へと繋がっている。また明治通りを中心に飲食店なども多いが、目白方面に向けて閑静な住宅街が広がっている。
東口・西口の連絡
- 南北に伸びた池袋駅構内を、南・中央・北の3本の東西地下自由通路が結んでおり、鉄道利用がなくても通行可能となっている。また、池袋駅北側には、北口とヤマダ電機付近を東西で結ぶ地下通路(雑司が谷隧道:下記を参照)も整備されており、スロープを使えば自転車(降りて押して通行)での往来も可能となっている。
- 他の都内繁華街(新宿駅・渋谷駅)と比べて池袋は鉄道で大きく分断された町並みである。このため自動車交通は東西の移動がほとんどなく、わずかに百貨店の連絡バスがあるのみ。バスも池袋駅西口・池袋駅東口行きでは経路がまったく違う。
- 自動車で池袋に行く場合、各百貨店の駐車場か、東西口の各公営駐車場かに駐車する結果になる。東西をまたぐ移動は池袋大橋・びっくりガード・春日通り経由しかない。結局徒歩で移動することになるのでよほどの荷物・大人数などといった事情がなければ鉄道を使うほうが便利。駅周辺は人通りが多く自転車で通行すると歩行者の通行を妨げる場合が多いので、なるべく避けたほうがよい。
- 自転車・バイクで移動する場合は雑司が谷隧道が加わる。池袋と東池袋(池袋駅北口と東口)とを連絡する重要な役目があり、夜中でも人通りが絶えない。しかし歩行者専用なので、二輪車が通行する場合、搭乗せずに手で押して通行しなければならない。
- 東西連絡通路(南デッキ)構想があり、これは線路上空をまたいで西武百貨店とメトロポリタンプラザを結ぶ通路を設置しようとするもので、豊島区は2013年10月にJR東日本と、東西連絡通路と中央地下通路再整備について覚書を締結した。また、西武百貨店と、建て替えが決まっている西武鉄道の旧本社ビルを結ぶ南北連絡通路構想に関しても、西武鉄道と覚書締結に向け最終調整を進めている。[5]
演劇と映画の街
池袋は、新宿、下北沢、銀座に次いで劇場の数が多い演劇の街であり、演劇・ミュージカルの専門学校、舞台芸術学院もあり、多くの俳優を輩出している。
主な劇場
- 東京芸術劇場
- 元、東京学芸大学(旧豊島師範)附属豊島小学校の跡地に、建てられ、大中1つと小2つの計4ホールと展示ギャラリーなどから構成される。大ホールはオーケストラ中心のコンサート専用ホールで、客席数は1999。フランス/マルク・ガルニエ社製の世界最大級のパイプオルガンがあり、ルネッサンス、バロック、モダンの3時代それぞれの当時の調律法で演奏可能である。中ホールは客席841で、本格的演劇、オペラ、バレエなどが主に上演される。2つの小ホールは、それぞれ客席300で多目的ホールとして活用されている。西口駅前徒歩1分。
- サンシャイン劇場
- 客席数832。東口サンシャインシティ内。徒歩10分。
- シアターグリーン
- 渋谷ジァン・ジァン、下北本多劇場などと並ぶ若手劇団の登竜門。大中小3ホールからなる。東口徒歩3分。
- 池袋小劇場
- 客席数80。劇団と同名。西口徒歩5分。
- 池袋演芸場
- 国内に現存する5つの常設寄席の一つ(都内に4つ、大阪に1つ)。西口徒歩3分。
また、池袋は郊外のシネマコンプレックスに押され気味なものの豊島区屈指の映画館の集積地である。東口線路沿いの文芸坐は新文芸坐として、遊技場を加えた娯楽集積施設として新装営業している。
主な映画館
文豪・寺院巡り
- 雑司ヶ谷霊園
- 東通りを直進する。夏目漱石、泉鏡花、竹久夢二、小泉八雲、永井荷風、ジョン万次郎、金田一京助、東條英機らが眠る。
- 鬼子母神
- 子供の守り神として有名な鬼子母神は、境内に"子育て"や"子授け"の神木・大イチョウやケヤキ並木があり秋の紅葉は美しく、10月16〜18日にはお祭りが開かれ露店が並ぶ。なお、この鬼子母神に由来する郷土玩具として、古くからすすきみみずくが伝わっているが、この玩具と池袋駅の待ち合わせのシンボルであるいけふくろうとの間で特に関連があるわけではない。
- 護国寺
- 1681年(天和元年)に5代将軍徳川綱吉の母、桂昌院の発願で建てられた。都内唯一の木造大寺院建築である本堂は、滋賀の園城寺(三井寺)から移築された書院造の月光殿とともに重要文化財に指定されている。
- 東京カテドラル聖マリア大聖堂
- 丹下健三設計のカトリック東京大司教区の教会。ステンレスとスチールの外装が太陽光を反射して美しい。
- 江戸川乱歩居宅
- 慈眼寺、染井霊園
- 最寄駅はJR巣鴨駅だが、芥川龍之介、谷崎潤一郎らが眠る慈眼寺、高村光太郎、二葉亭四迷らが眠る染井霊園などもある。
文化
池袋モンパルナス
- 大正期から昭和戦前期にかけて、池袋に近い現在の椎名町や東長崎一帯に100戸を超えるアトリエ付きの貸家が建てられ池袋には多くの画家が集まり、ほかにも詩人や俳優といった人たちもがまじりあって、混血の画家・小熊秀雄にパリの芸術家地区モンパルナスにならって「池袋モンパルナス」と呼称された文化圏を形成した。
- かつては、セゾン美術館(西武美術館)、東武美術館などがあり、現代美術や前衛芸術の発信基地になったが、母体の経営難や百貨店美術館の退潮とともに2000年代までに姿を消した。
- また西武百貨店、パルコなどを擁したセゾングループが最新の欧米ブランドやファッション、インテリアなどを紹介、セゾン文化と呼ばれ一時代を風靡した。
- 名画を数多く上映することで根強いファンが多い文芸坐は1990年代末に一旦閉館したが、新文芸坐として復館した。
- 作家江戸川乱歩居宅は、西池袋に構えられた。
通信制高校・通信制大学学習センター
- 鹿島学園高等学校通信制課程東京校
- 八州学園高校
- 東京福祉大学
予備校
大手三大予備校(河合塾、駿台予備学校、代々木ゼミナール※2015年閉校)他、四谷学院、城南予備校、早稲田塾、早稲田アカデミー、武蔵高等予備校、お茶の水ゼミナール、看護医療専門の東京アカデミー、医学系を含む総合予備校早慶外語ゼミ、芸大・美大予備校のすいどーばた美術学院、また資格や社会人入試に特化した東京リーガルマインド(LEC)、TAC、大原学園(資格の大原)等、ありとあらゆる予備校や資格系学校などがひしめきあっており、さらに小中進学受験校を併せるとその数は日本一を誇ると見られている。サポート校なども存在する。
発祥・名産
- 西武百貨店 - 池袋店が本店
- 東武百貨店 - 池袋本店がある(「東武」を冠する百貨店の1号店は東武宇都宮百貨店)
- パルコ - 池袋店が1号店
- ロフト 池袋店が1号店
- リブロ - 池袋店が本店・1号店(西武百貨店池袋本店内、2015年7月20日閉店)[6]。本社は東池袋
- ビックカメラ - 池袋が本店
- アニメイト - 池袋店が本店・1号店
- 大戸屋(和定食専門チェーン店) - 池袋が発祥
- サクマ式ドロップス - 池袋が本社(大正7年移転)
- 大山道場 - 極真会館の前身。日本の実戦空手(フルコンタクト空手)の発祥地。
- チーズドッグ - 池袋駅東口地下通路にあった軽食店街「すなっくらんど」(1997年閉鎖)が発祥、全国に広まった。現在はエチカ池袋内に専門店「ザ・プレミアム・チーズドック BUKURO-DOG」が営業している。
池袋が舞台となる作品
行政地名としての池袋
池袋 | |
---|---|
— 町丁 — | |
座標: 東経139度42分26.89秒北緯35.7377944度 東経139.7074694度 | |
国 | 日本 |
都道府県 | 東京都 |
特別区 | 25px 豊島区 |
地域 | 西巣鴨地域 |
面積 | |
- 計 | 0.755km2 (0.3mi2) |
人口 (2017年(平成29年)12月1日現在)[7] | |
- 計 | 19,930人 |
等時帯 | 日本標準時 (UTC+9) |
郵便番号 | 170-0014(一丁目)[8] 171-0014(二〜四丁目)[9] |
市外局番 | 03[10] |
ナンバープレート | 練馬 |
池袋は、豊島区における行政地名(町名)でもある。池袋一丁目から池袋四丁目まで存在する。
概要
ちょうどJR線、川越街道、山手通り、要町通りに囲まれた地域であり、同区西池袋、上池袋、池袋本町、板橋区中丸町、南町、同区高松、要町と接している。
また、池袋駅(東京メトロ副都心線)、要町駅(東京メトロ有楽町線、副都心線)とも接していて、豊島清掃工場や東池袋へ繋がる池袋大橋の出入口でもあり、首都高速5号池袋線の北池袋出入口でもある。このように池袋の中心的な繁華街ではないが交通の要衝としては欠かせない地域である。しかし、西口五差路交差点の要町通りと劇場通りの交差する辺りは池袋西口の繁華街としても食い込んでいる。
一般的に「池袋」と言われているのは、池袋駅を基点とした東口、西口に延びる繁華街の総称であり、行政地名としての豊島区池袋はそれより北西寄りの地域をさす。
地価
住宅地の地価は、2017年(平成29年)1月1日の公示地価によれば、池袋3-9-2の地点で50万6000円/m2となっている[11]。
沿革
住居表示実施により成立。谷端川以西の旧長崎村域は1871年に浦和県(現埼玉県)から東京府に編入されている。
世帯数と人口
2017年(平成29年)12月1日現在の世帯数と人口は以下の通りである[7]。
丁目 | 世帯数 | 人口 |
---|---|---|
池袋一丁目 | 1,856世帯 | 2,422人 |
池袋二丁目 | 4,616世帯 | 6,422人 |
池袋三丁目 | 5,162世帯 | 7,578人 |
池袋四丁目 | 2,571世帯 | 3,508人 |
計 | 14,205世帯 | 19,930人 |
小・中学校の学区
区立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなる。なお、豊島区の小・中学校では学校選択制度を導入しており、以下の指定校に隣接している通学区域の学校も選択することが可能[12]。
丁目 | 番地 | 小学校 | 中学校 |
---|---|---|---|
池袋一丁目 | 全域 | 豊島区立池袋小学校 | 豊島区立西池袋中学校 |
池袋二丁目 | 全域 | ||
池袋三丁目 | 全域 | ||
池袋四丁目 | 全域 |
主な交通網
鉄道の駅
- 要町駅(東京地下鉄)
路線バス
- 国際興業総合案内所停留所、池袋二丁目停留所、要町駅停留所(国際興業バス)
- 高松郵便局停留所(国際興業バス)
- 池02・82系統 - 熊野町循環
- 池03・83系統 - 中丸町循環
- 池20系統 - 高島平操車場行
- 池20・池21・池03・池83系統 - 池袋駅西口行
- 池21系統 - 高島平駅行
- 池袋四丁目停留所、豊島清掃事務所停留所(国際興業バス)
主要な道路
- 国道254号(川越街道)
- 首都高速5号池袋線
- 首都高速中央環状新宿線
- 東京都道441号池袋谷原線(要町通り)
- 東京都道317号環状六号線(山手通り)
- 池袋大橋
- 劇場通り
主な施設
池袋一丁目
池袋二丁目
- ルミナリータワー池袋
- 区民ひろば池袋
- 池袋郵便局
- 巣鴨信用金庫池袋支店
- 群馬銀行池袋支店
- 大和証券池袋西口支店
- 赤札堂池袋店
- エクセルシオールカフェ池袋2丁目店
- ホテルチェーン東横イン池袋北口1店、北口2店
- スーパーホテルシティ池袋北口店
- 立正佼成会
池袋三丁目
池袋四丁目
参考文献
- 宇佐美承『池袋モンパルナス』、集英社、1990年6月。ISBN 4-08-772743-2(のち、『池袋モンパルナス - 大正デモクラシーの画家たち』と副題を付して集英社文庫に収録、1995年1月刊。ISBN 4-08-748273-1)
脚注
- ↑ 地名における「袋」には「川と川が合流しているところ」という意味があり、谷(谷戸)などが袋状にえぐれた地形や(都内では沼袋、横浜市中区の池袋など)、河川が袋のように曲流するところ(横浜市の鶴見川沿いなどの、いくつかの「袋」がつく小字など)に多い。これを基に、NHK総合テレビ「ブラタモリ 池袋・巣鴨」(2011年1月27日放送)では、村内を流れていた川が合流している、旧池袋村北東部付近(池袋本町4丁目~板橋区板橋1丁目)を地名の発祥に関係した場所と推測している。
- ↑ 元池袋史跡公園|豊島区公式ホームページ
- ↑ “ダサい”池袋、なぜ人気&人口急増?おしゃれスポット続々、集客力や行政努力も功奏
- ↑ 共同通信社ニュース特集:北京五輪:池袋に「チャイナタウン」 新華僑の生活支える 2008年2月28日
- ↑ “13年度中に基礎調査/池袋駅東西連絡通路が再始動/豊島区”. 建設通信新聞. . 2013-12-9閲覧.
- ↑ リブロ池袋本店40年の歴史に幕 作家らも駆け付け、ネットでも惜しむ声 2015年07月21日 池袋経済新聞
- ↑ 7.0 7.1 “町丁別の世帯と人口”. 豊島区 (2017年12月1日). . 2018閲覧.
- ↑ “郵便番号”. 日本郵便. . 2018閲覧.
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- ↑ “市外局番の一覧”. 総務省. . 2018閲覧.
- ↑ 国土交通省地価公示・都道府県地価調査
- ↑ “通学区域(指定校)および隣接校選択制”. 豊島区 (2017年12月11日). . 2018閲覧.