三菱重工業
三菱重工業株式会社(みつびしじゅうこうぎょう、英: Mitsubishi Heavy Industries, Ltd.)は、三菱グループの三菱金曜会[1]及び三菱広報委員会[2]に属する日本の企業[3][4]。
Contents
概要
日本最大の機械メーカーであり[5]、三菱UFJ銀行・三菱商事と並ぶ三菱グループ御三家の一角。その製品数は700を超え、「機械のデパート」とも呼ばれる[6]。主力製品は、船舶・エネルギー関連機器・産業機械・航空機・ロケットなど。また、鉄道車両(リニア・電気機関車・懸垂型モノレール・新交通システム・LRVなど)の製造、さらにエアコンや事業所向け大型冷凍機、産業向け工作機械、ターボチャージャー、ETCシステムの製造でも知られ、過去には「シルバーピジョン」というスクーターも製造していた。
なお、エアコン・ETCシステム・加湿器は三菱グループ内で三菱電機と競合している(単に「三菱パッケージエアコン」「三菱ルームエアコン」といった場合、通常は三菱電機の製品を指す)。
コーポレートステートメントは『「この星に、たしかな未来を」(日本語 CI ステートメント) "Our Technologies, Your Tomorrow"(英語 CI ステートメント)』。社名は一般的に「三菱重工」とも表記される。
三菱重工業は伝統的に「三菱は国家なり」という意識を持ち、お国への所期奉公を社是としている。三菱重工業の社長、会長を歴任した飯田庸太郎は「防衛産業で日本のお役に立てなければ、三菱が存在する意味はない。もうかるからやる、もうからないからやらないではなく、もって生まれた宿命と思っています」と語っている[7]。
兵器製造の分野では旧防衛庁(2016年現在は防衛省)への納入実績第一位の企業であり、世界では21位・日本ではトップの軍需企業とされ[8]、戦闘機・ヘリコプター・イージス艦を含む護衛艦・潜水艦・戦車・ミサイルなどを製造している。事実上、日本の国防を担っている存在である。
一方2015年度には単年のみではあるものの防衛調達額で初めて二位となっており、近年は経営合理化の面から利益の少ない、若しくは赤字である防衛産業を忌避する動きも見られる[9](2016、2017年度は再びトップ[10])。
沿革
三菱財閥二代目の岩崎弥之助が創業する。1884年(明治17年)に工部省長崎造船局の工場施設を「郵便汽船三菱会社」が借り受け長崎造船所として事業継承。1887年(明治20年)に施設一切を買い受ける。1917年(大正6年)に三菱合資会社から独立して三菱造船株式会社(初代、以下省略)となった。
後に業務多角化に伴い三菱電機、三菱航空機(初代、以下省略)などを分社化するが、何れも収支不振連続から経営合理化のために三菱財閥4代目岩崎小弥太が「造船」と「航空機」の合併を決断し、1934年(昭和9年)に三菱造船と三菱航空機が合併して三菱重工業(初代)が創設される。「重工業」の語句は英文の「Heavy Industries」から小弥太が発案した造語であると語られている。日本の軍事力強化に伴い兵器(艦船、航空機)製造の中心として発展し、日本海軍超弩級戦艦武蔵の建造や零式艦上戦闘機(ゼロ戦)を設計、製造するなどして軍艦建造トン数は10倍以上、戦車の製造台数は200倍以上、資本金は20倍以上に成長する。
1945年(昭和20年)の第二次世界大戦終結後、GHQの財閥解体により東日本重工業(後の三菱日本重工業)、中日本重工業(後の新三菱重工業)、西日本重工業(後の三菱造船(2代目))の3社に分割される。当初は3社製品で棲み分けるも、線引きが曖昧になり製品群の重複が多数発生した。高度成長にあたり3社の再統合を計画に際し「財閥の再来」など非難も挙がるも、他の三菱グループと協力しながら1964年(昭和39年)に3社は再統合し(法手続上の存続会社は新三菱重工業)、社名を再び三菱重工業(2代目)にする。三菱グループは重化学工業関連企業が多く高度経済成長期に大きく発展する中で、戦後に中核を担い日本最大規模の重工業メーカーとして復興する。
年表
- 1884年(明治17年) - 三菱財閥の創業者岩崎弥太郎が長崎造船局を国から借り受け、長崎造船所と改称して造船事業に乗り出す。
- 1887年(明治20年) - 三菱社が借用の施設一切を買い受ける。
- 1917年(大正6年) - 三菱合資会社から造船業の一切を引き継いだ三菱造船(初代)が設立される。
- 1921年(大正10年) - 神戸造船所の電機製作所が三菱電機として独立。
- 1923年(大正12年) - 長崎造船所の電機製作所が分離独立し、三菱電機長崎製作所となる。
- 1934年(昭和9年) - 社名変更。三菱重工業(初代)となる。
- 1935年(昭和10年) - 横浜船渠株式会社を吸収合併(後の横浜造船所、現・横浜製作所)。
- 1950年(昭和25年) - 東日本重工業・西日本重工業(いずれも本社は東京都中央区)・中日本重工業(本社は兵庫県神戸市)へ分割。
- 1952年(昭和27年) - 3社が、それぞれ三菱日本重工業・三菱造船(2代目)・新三菱重工業へ改称。
- 1964年(昭和39年) - 3社が合併し、新生(2代目)・三菱重工業株式会社(本社は東京都千代田区)が誕生。
- 1970年(昭和45年) - 自動車部門が三菱自動車工業として独立。
- 1974年(昭和49年)8月30日 - 三菱重工爆破事件が発生。
- 1986年(昭和61年) - 基盤技術研究所設立。
- 2003年(平成15年)1月6日 - 三菱自動車工業から分離独立により三菱ふそうトラック・バスが発足。
- 2003年(平成15年)5月6日 - 本社を東京・丸の内から東京・品川に移転。
- 2005年(平成17年) - 三菱自動車工業を持分法適用会社とした。
- 2007年(平成19年)
- 2008年(平成20年) - YS-11以来の国産旅客機となるMRJの事業化を決定。事業会社である三菱航空機(2代目)株式会社を設立する。
- 2009年(平成21年)6月19日 - 井関農機とのディーゼルエンジン事業における協業で合意することを表明。
- 2010年(平成22年)6月22日 - 日立製作所との海外向け鉄道システム事業における協業で基本合意したことを表明。
- 2010年(平成22年)7月1日 - 印刷・紙工機械事業と、販売・アフターサービスを担当する三菱重工印刷紙工機械販売株式会社を統合して、三菱重工印刷紙工機械を設立する。紙・印刷機械事業部は廃止し、新会社は機械・鉄構事業本部に編入する。
- 2011年(平成23年)8月4日 - 一部のメディアにより、日立製作所と事業統合し、2013年春を目標に合弁会社を設立すると報じられた[11]。その報道に関して、三菱重工業は同日、複数回の否定するプレスリリースを発表した[12][13]。
- 2012年(平成24年)11月29日 - 日立製作所と、火力発電とその関連事業を統合の上、2013年1月1日に新会社発足予定と発表された。
- 2014年(平成26年)2月1日 - 日立製作所との火力発電事業の統合会社、三菱日立パワーシステムズ株式会社が発足。
- 2014年(平成26年)4月1日 - 三菱重工メカトロシステムズ株式会社・三菱重工パーキング株式会社・三菱重工鉄構エンジニアリング株式会社の鉄構装置事業部門が統合し新たに三菱重工メカトロシステムズが発足した[14][15][16]。
- 2015年(平成27年)10月 - 工作機械部門が三菱重工工作機械として分社化。代表は岩﨑啓一郎。
- 2016年(平成28年)10月31日 - 三菱自動車工業が保有するJリーグ・浦和レッドダイヤモンズの株式の一部を取得し、共同で経営に関わる予定であることを発表した[17]。
- 2017年(平成29年)10月1日 - 三菱重工メカトロシステムズ株式会社が、三菱重工印刷紙工機械株式会社を吸収合併し、三菱重工マシナリーテクノロジー株式会社のゴム・タイヤ機械事業及び三菱重工業株式会社の関連する製造・調達・品質保証機能を承継し、三菱重工機械システム株式会社に社名変更[18][19]。
- 2018年(平成30年)1月1日 - 船舶事業の再編を実施し、船舶・海洋事業本部を三菱造船株式会社(3代目)へ分社[20]。
主な事業拠点
- 本社(本社機能が以下に分散されている)
- 技術統括本部 <括弧内は略称>
- 事業ドメイン
- 事業所・工場[21](括弧内は略称)
- 長崎造船所<長船(ながせん)>
- 下関造船所<下船(しもせん)>
- 広島製作所<広製(ひろせい)>
- 三原製作所
- 神戸造船所<神船(しんせん)>
- 高砂製作所<高製(たかせい)>
- 名古屋航空宇宙システム製作所<名航(めいこう)>
- 名古屋誘導推進システム製作所<名誘(めいゆう)>
- 岩塚工場(名古屋市中村区)(旧・名古屋機器製作所<名機(めいき)>)
- 横浜製作所<横製(よこせい)>
- 相模原製作所<相製>
- 名冷地区(愛知県清須市)(旧・名古屋冷熱製作所<名冷(めいれい)>)
- 栗東地区(旧・栗東製作所)
- プラント・交通システム事業センター<プラ交(プラこう)>(広島県三原市、横浜市)
丸の内の旧本社ビルは文部科学省の仮庁舎となっていた。2016年(平成28年)現在は、丸の内地区の再開発事業に伴うテナントの仮移転先になっている。
主要製品
社内には9つの事業本部、13の主な生産拠点が存在し、事業本部は受注品事業本部と中量産品事業本部に大別される。この受注品事業本部の所管する製品の生産は各事業所に振り分けられ生産を行われる。
例えば、船舶・海洋事業本部の製品は長崎造船所、神戸造船所、下関造船所、横浜製作所などで生産しているが、長崎造船所では原動機事業本部の製品である蒸気タービンや風力タービン、ボイラなどの生産も行っている。このように受注品事業では事業本部と事業所のマトリックス構造をなしている。
中量産品事業本部の生産はそれぞれの事業本部で生産を集約している。
船舶・海洋事業本部
日本国内では最大規模、世界でも有数のシェアと技術レベルを誇る、同社発祥の部門。
主に長崎造船所、神戸造船所、下関造船所、横浜製作所で製作される。2018年1月1日付で、「三菱造船株式会社」(3代目)へ移管。
タンカー
貨物船
客船
- フェリー
- 太平洋フェリー「きそ」「いしかり」「きたかみ」
- 東日本フェリー「びるご」「びなす」
- 川崎近海汽船「シルバークイーン」
- ダイヤモンドフェリー「さんふらわあごーるど」「さんふらわあぱーる」
- 新日本海フェリー「はまなす」など
- 旅客船
- P&O「DIAMOND PRINCESS」
- 日本郵船「飛鳥」「飛鳥II」など
- 鉄道連絡船
専用船
- 自動車・トラック運搬船
特殊船
- 海洋地球研究船「みらい」
- 海洋研究船「白鳳丸 (初代)」「白鳳丸 (2代)」
- ケーブル敷設船
- 地球深部探査船「ちきゅう」
- 有人潜水調査船「しんかい2000」「しんかい6500」
- 深海巡航探査船「うらしま」など
艦艇
アルミ高速船
- 漁業取締船
- 調査観測兼清掃船
その他
原動機事業本部
主に横浜製作所、高砂製作所、長崎造船所で生産を行う。なお火力発電事業については、2014年2月1日付けで、日立製作所との合弁会社「三菱日立パワーシステムズ」に移管された。
自然エネルギープラント
火力発電プラント
- 石炭焚プラント
- 油焚プラント
- ガス焚プラント
- GTCC(ガスタービンコンバインドサイクル)プラント
- IGCC(石炭ガス化コンバインドサイクル)プラント
蒸気・ガスタービン
- 事業用大型ガスタービン
- 1600℃級 : M501J(60Hz用)定格単機出力 327MW / M701J(50Hz用)
- 1500℃級 : M501GAC(60Hz用)定格単機出力 272MW
- 1500℃級 : M501G(60Hz用)定格単機出力 267MW / M701G(50Hz用)定格単機出力 334MW
- 1350℃級 : M501F(60Hz用)定格単機出力 185MW / M701F(50Hz用)定格単機出力 312MW
- 1150℃級 : M501D(60Hz用)/M701D(50Hz用)
- 事業用中小型ガスタービン
- MF-111
- MFT-8
- M251
- MF-61
- 事業用蒸気タービン
- GTCC発電所向け
- 石炭/石油焚き火力発電所向け
- 原子力発電所向け
エンジン
- 産業用ディーゼルエンジン
- 舶用ディーゼルエンジン
原子力事業本部
主に神戸造船所内と品川本社で設計開発、神戸造船所で生産、高砂製作所で生産や試験研究を行う。設計部門の技術者は、原子力、化学、機械、電気、建築、土木などの専攻を卒業したエンジニアで構成され、燃料、系統、電気、配置、機器、配管、建物などの設計を行う。
原子力プラント
- 泊発電所
- 敦賀発電所
- 美浜発電所
- 大飯発電所
- 高浜発電所
- 伊方発電所
- 玄海原子力発電所
- 川内原子力発電所
- コマンチピーク発電所3・4号機(米国向け最新プラントUS-APWRとして、2016年(平成28年)現在、米国の原子力審査局(NRC)に設計審査中)
- North Anna PlantUnit 3
機械・鉄構事業本部
主に神戸造船所、横浜製作所、機械事業部(広島)、プラント交通システム事業センターで生産を行っている。
エネルギー
- 火力発電装置
- 水力発電装置
環境装置
- 排煙脱硫装置
- 排煙脱炭装置
石油・ガス生産
- LNG貯槽
- 石油精製設備
交通システム
- 新交通システム(クリスタルムーバー)
- 鉄道システム
- 懸垂式モノレール
- エアブレーキ装置
- ITS
- パーキングシステム
- 立体駐車場[22]
- 駐車券発行機
物流・運搬
産業機械
試験装置
免振・制振設備
紙・印刷機械
詳しくは、三菱重工印刷紙工機械へ
航空宇宙事業本部
主に名古屋航空宇宙システム製作所、名古屋誘導推進システム製作所で生産を行っている。
宇宙機器
- N-Iロケット
- N-IIロケット
- H-Iロケット
- H-IIロケット
- H-IIAロケット
- H-IIBロケット
- きぼう(JEM)
- セントリフュージ(重力発生装置搭載モジュール - CAM):計画中止
- HTV(無人宇宙輸送船)
航空機
自衛隊機
- T-2高等練習機
- F-1支援戦闘機
- F-2戦闘機(ロッキード・マーティン共同開発)
- OH-1観測ヘリコプター(川崎重工業、分担生産)
- P-1哨戒機(川崎重工業、分担生産)
- C-2輸送機(川崎重工業、分担生産)
- US-2救難飛行艇(新明和工業、分担生産)
- ライセンス生産
- F-86F戦闘機(ノースアメリカン、ノックダウン生産あり)
- F-104J戦闘機(ロッキード、DJ型はノックダウン生産のみ)
- F-4EJ戦闘機(マクドネル・ダグラス、EJ改型は国内で改造)
- F-15J戦闘機(マクドネル・ダグラス、電子機器は国内開発)
- S-51(H-5)輸送ヘリコプター(シコルスキー・エアクラフト、ノックダウン生産)
- S-55(H-19)輸送ヘリコプター(シコルスキー)
- S-58輸送ヘリコプター/HSS-1哨戒ヘリコプター(シコルスキー、ノックダウン生産のみ)
- S-62J輸送ヘリコプター(シコルスキー、ノックダウン生産のみ)
- S-61L輸送ヘリコプター/HSS-2/2A/2B哨戒ヘリコプター(シコルスキー)
- MH-53E掃海ヘリコプター(シコルスキーから輸入・国内再組み立てのみ)
- UH-60J救難ヘリコプター(シコルスキー)
- UH-60JA汎用ヘリコプター(ライセンスで改造開発)
- SH-60J哨戒ヘリコプター(シコルスキー、電子機器は国産)
- SH-60K哨戒ヘリコプター(ライセンスで国内開発、開発名はSH-60J改)
- 研究機
民間機
- YS-11(分担生産。整備点検・修理も日本航空機製造から継続して行っている)
- MU-2
- MU-300(レイセオンに製造権売却、ビーチジェット400)
- MH2000
- MRJ:環境適応型高性能小型航空機(開発中)
- ボーイング製品(共同開発・分担生産)
- エアバス製品(分担生産)
- ボンバルディア製品(共同開発)
- グローバルエクスプレス(主翼・中胴の設計・製造、プロダクトサポート)
- DASH8 Q-400(リスクシェアリングパートナー:中胴、後胴、垂直尾翼、水平尾翼、エレベーター/ラダー、ドアなど全体の半分近くの設計・製造)
- CRJ-700/900(後胴の設計・製造、プロダクトサポート)MRJ開発に伴い中止
- チャレンジャー300(主翼の設計・製造、概念設計JCDPから参加)
- チャレンジャー5000(主翼の設計・製造)
- シコルスキー製品
- S-92ヘリコプター(共同開発、胴体キャビン担当)
エンジン
- LE-7Aロケットエンジン(H-IIAロケット搭載)
- LE-5Bロケットエンジン(H-IIAロケット搭載)
- JT8Dターボファンエンジン(プラット・アンド・ホイットニーからライセンス生産、C-1搭載用)
- MB-XXロケットエンジン(ボーイング共同開発…2016年現在は、P&Wに事業が移っている)
- TS1ターボシャフトエンジン(OH-1搭載)
- MG5ターボシャフトエンジン(MH2000搭載、TS1の民間型)
- PW4000ターボファンエンジン(共同開発)
- V2500ターボファンエンジン(共同開発)
- トレント1000ターボファンエンジン(共同開発)
誘導機器
- 地対空誘導弾ナイキJ MIM-14(ウェスタン・エレクトリックからライセンス生産)
- 地対空誘導弾ペトリオット MIM-104:PAC-2、PAC-3(レイセオンからライセンス生産)
- 03式中距離地対空誘導弾 SAM-4
- サイドワインダーミサイル AIM-9L(レイセオンからライセンス生産)
- 69式空対空誘導弾 AAM-1(殆ど量産せず)
- 90式空対空誘導弾 AAM-3
- 04式空対空誘導弾 AAM-5
- その他
- Mk 48・Mk 41 VLS:ミサイル垂直発射装置(ロッキード・マーティンからライセンス生産)
- PAP-104 Mk.5:遠隔制御式機雷処分具(フランスECAからライセンス生産)
第二次世界大戦前
旧日本陸軍
- 己式一型練習機(アンリオ HD.14E2)
- 八七式軽爆撃機
- 九二式偵察機
- 九二式重爆撃機
- 九三式重爆撃機
- 九三式双発軽爆撃機
- 九七式重爆撃機
- 九七式軽爆撃機
- 九七式司令部偵察機
- 九九式襲撃機
- 九九式軍偵察機
- 一〇〇式司令部偵察機
- 四式重爆撃機「飛龍」
- キ83試作遠距離戦闘機
旧日本海軍
- 一〇式艦上戦闘機
- 一〇式艦上雷撃機
- 一〇式艦上偵察機
- 一三式艦上攻撃機
- 八九式艦上攻撃機
- 九六式艦上戦闘機
- 九六式陸上攻撃機
- 九七式二号艦上攻撃機
- 九八式陸上偵察機
- 零式艦上戦闘機
- 零式水上観測機
- 一式陸上攻撃機
- 局地戦闘機「雷電」
- 十七試艦上戦闘機「烈風」
- 十九試局地戦闘機「秋水」(陸海軍共同開発)
民間機
汎用機・特車事業本部
神奈川県相模原市中央区の本工場、愛知県名古屋市の岩塚工場、北海道千歳市の千歳工場で生産される。
エネルギー
- コージェネレーションシステム(CGS)
- ディーゼルエンジン発電設備
- ガスエンジン発電設備
- ガソリン発電機
船舶・海洋
物流・運搬
- 重量物運搬車
- 無人搬送車(AGV)
- キャリア
- アーティキュレートダンパ
自動車関連
(元々は航空機エンジン用の開発から始まったもの)
- カーエアコン
- ETC車載器
- パーキングシステム
産業機械
インフラ設備
- 建設機械
- モータグレーダ
- アンカードリル
- 油圧機械
防衛
- 特殊車輌
冷熱事業本部
愛知県清須市の枇杷島本工場、三重県松阪市の松阪工場のほか、大型冷凍機部が高砂製作所内に駐在している。
家庭用ルームエアコン
- 「ビーバーエアコン」のブランド名で展開
業務用エアコン
車輌用エアコン
- 乗用車用エアコン
- バス用エアコン
- 冷凍車用冷凍ユニット
冷凍機
- ターボ冷凍機
工作機械事業本部
工作機械、常温ウェーハ接合装置、精密切削工具、自動車部品は滋賀県栗東市の本工場で、パワートランスミッション製品は愛知県名古屋市の岩塚工場で生産される。また、航空機主翼を始めとして社内製品そのものの工作機械も手がける。
工作機械
常温ウェーハ接合装置
精機品
- 精密切削工具
- パワートランスミッション製品
- 航空機用歯車
自動車部品
- エンジンバルブ
- トランスミッション部品など
エレクトロニクス製品
- 精密位置測定器など
関連会社
日本国内
- 三菱重工冷熱株式会社 - 本社:東京都品川区、空調機器・ヒートポンプ・冷凍機器等の製造販売。
- 三菱マヒンドラ農機株式会社 - 本社:島根県松江市、農業機械・汎用機の製造販売。旧社名は佐藤造機株式会社→三菱農機株式会社。
- 新菱冷熱工業株式会社 - 本社:東京都新宿区、創業時より三菱グループと緊密な関係にあるが、創業者一族の加賀美家が経営権を持っている。創業事業である空調機器販売(三菱重工一次代理店)や空調設備工事を中心に各種設備工事を手がけており、高砂熱学工業、三機工業、ダイダンと並ぶ設備業界大手。
- 三菱航空機株式会社 - 本社:愛知県西春日井郡豊山町、2008年(平成20年)4月1日設立。小型旅客機MRJの事業主体。
- 三菱重工航空エンジン株式会社 - 本社:愛知県小牧市。2014年(平成26年)10月1日設立。民間航空機用エンジンに関する設計・製造・販売・修理を行う。
- 中菱エンジニアリング株式会社 - 本社:名古屋市、1974年(昭和49年)10月1日に神菱エンジニアリング(現・MHIニュークリアシステムズ・ソリューションエンジニアリング)より分離独立。航空宇宙分野や冷熱機器・産業機械分野の製品の設計や開発、実験計測やソフトウェアの開発を行う。
- MHIソリューションテクノロジーズ株式会社 - 本社:広島市西区、研究開発から機械装置、各種プラントの設計製作を支援する技術統括本部直系のエンジニアリング会社。
- MHIエアロスペースシステムズ株式会社 - 本社:名古屋市、1986年(昭和61年)12月1日設立。ロケットや人工衛星など航空宇宙分野関連するシステム設計、ソフトウェア開発やカーナビ、医療機器用ソフトウェアの開発を行う。
- MHIニュークリアシステムズ・ソリューションエンジニアリング株式会社 - 炉心設計・安全解析からプラント設計までを行う原子力の総合エンジニアリング会社。
- 三菱原子燃料株式会社 - 加圧水型原子炉用燃料の製造・研究。自社で再転換設備を保有する唯一の企業で、燃料の一貫生産を行う。本社:東京都千代田区、東海事業所。
- 三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社 - 本社:横浜市、1976年(昭和51年)2月2日設立。2009年(平成21年)10月に菱和エンジニアリング株式会社との合併により現社名となる。旧社名は「三菱重工環境エンジニアリング株式会社」。環境装置設計・製作・アフターサービス・運転管理、化学プラント設計。
- 三菱重工機械システム株式会社 - 本社:神戸市兵庫区。料金収受機械およびシステム、ETCシステム、油圧機器、甲板機械・デッキクレーン、エアヒータ、機械装置(試験装置、文化・スポーツ施設、加速器など)、ゴム・タイヤ機械、立体駐車場、鉄構プラント、食品包装機械、印刷機械および紙工機械、その他機械設備の設計・製造・販売及びアフターサービスを行う。
- 三菱日立パワーシステムズ株式会社 - 本社:横浜市西区。2014年(平成26年)2月1日設立。日立製作所との火力発電事業統合会社。
- MHPSエンジニアリング株式会社 - 本社:横浜市中区。設計から建設までの総合エンジニアリング。
- 三菱日立パワーシステムズインダストリー株式会社 - 本社:横浜市中区。産業用ボイラ・中小型火力発電プラントなどのエンジニアリング。
- 三菱ロジスネクスト株式会社 - 本社:京都府長岡京市。バッテリー式フォークリフトなどの産業機器製造。
- ダイヤモンドF.C.パートナーズ株式会社 - Jリーグ・ 浦和レッドダイヤモンズの持株会社。2016年(平成28年)に三菱自動車と共同出資により設立。
- U-MHIプラテック株式会社 - 本社:名古屋市、2005年(平成17年)4月1日設立。射出成形機・付属機器金型ならびに部品の設計・製造・販売・サービス。2017年(平成29年)1月に宇部興産との合弁会社となる。
- 三菱ふそうトラック・バス株式会社 - 本社:神奈川県川崎市、2003年(平成15年)1月に三菱自動車工業から分離・独立。三菱ふそうバス製造、菱和車体工業を子会社に持つ。2016年(平成28年)現在はダイムラー傘下であるが、三菱各社との関係は維持しており、三菱重工業も出資(株式の2.38%)している。
- 三菱自動車工業株式会社 - 本社:東京都港区、1970年(昭和45年)に分社独立。2005年(平成17年)に持分法適用会社とした。2016年(平成28年)に日産自動車株式会社が34%の株式を取得しルノー=日産アライアンスの一員となったが、三菱ふそうと同様に三菱各社との関係は維持しており、三菱重工業も出資(株式の8.34%)している。
- 三菱造船 - 本社:横浜市西区、2018年1月1日設立。艤装主体船(フェリー、貨客船、RORO船、巡視船等)の建造等[20]。
- 三菱重工海洋鉄鋼 - 本社:長崎県長崎市、2018年1月1日。大型船の建造、海洋鉄構構造物の製造および修理[20]。
日本国外
- 米国三菱重工業株式会社(本社:アメリカ・ニューヨーク)
- 欧州三菱重工業株式会社(本社:イギリス・ロンドン)
- 三菱重工業(香港)有限公司(本社:香港)
- 泰国三菱重工業株式会社(本社:タイ・バンコク)
- 三菱重工業(上海)有限公司(本社:中国・上海)
- 韓国三菱重工業株式会社(本社:韓国・ソウル)
- 三菱ニュークリアーエナジーシステムズ(本社:アメリカ・ワシントンD.C.)米国向け最新型原子力プラントUS-APWR(改良型加圧水型軽水炉)の事業会社
元関連会社
- キャタピラージャパン株式会社 - 本社:東京都世田谷区、建設機械の製造販売・リース。アメリカ、キャタピラー社との共同出資企業(戦後初のアメリカ側一部所有権保有における合弁)。2008年(平成20年)8月に「新キャタピラー三菱株式会社」から社名変更した。2012年に株式をすべてキャタピラー社に譲渡し、合弁は解消。販売協力などの協力関係は継続。
- 三菱重工パーキング株式会社 - 本社:横浜市西区。立体駐車場全般の営業・開発・設計・製作・据付・メンテナンス・運営管理。2014年(平成26年)4月1日に三菱重工メカトロシステムズ・三菱重工鉄構エンジニアリングの鉄構装置事業部門と合併し新たな三菱重工メカトロシステムズ(現:三菱重工機械システム)が発足した[14][15][16]。
- 湘南モノレール株式会社 - 本社:神奈川県鎌倉市。2015年(平成27年)6月にみちのりホールディングスへ株式譲渡。
- 株式会社東洋製作所 - 本社:神奈川県大和市、冷凍・空調設備機器製造販売。2015年(平成27年)7月に三菱重工冷熱株式会社へ吸収合併。
- 三菱重工食品包装機械株式会社 - 本社:名古屋市、2005年(平成17年)4月1日設立。主に飲料用ボトリング機械や医療用包装機械の製造・販売・研究開発・サービス。2016年(平成28年)10月に三菱重工メカトロシステムズ株式会社(現:三菱重工機械システム株式会社)へ吸収合併。
- 三菱重工印刷紙工機械株式会社 - 本社:広島県三原市、2010年(平成22年)に設立。2017年(平成29年)10月に三菱重工メカトロシステムズ株式会社へ吸収合併。
関連施設
- 三菱重工大倉山病院(神奈川県横浜市)(旧名・2016年現在は医療法人三星会・大倉山記念病院)
- 三菱名古屋病院(愛知県名古屋市)
- 三菱神戸病院(兵庫県神戸市)
- 広島三菱病院(広島県広島市)
- 三菱三原病院(広島県三原市)
- 三菱長崎病院(長崎県長崎市)
これらの医療機関は、企業立病院であるが、三菱重工業関係者以外も利用可能。
出身著名人
- 内舘牧子(作家)
- ジョー小泉(プロボクシング解説者)
- 鈴木淑子(競馬ジャーナリスト)
- 吉川英治(作家)
- 若松茂美(経営コンサルタント、元マッキンゼー日本支社副社長)
- 高木勇人(巨人→西武)
- 伊藤太(愛知県春日井市長)
諸問題・不祥事
ダイヤモンドプリンセス火災事故
- 。
内部告発と報復
- 2004年(平成16年)7月、同社神戸造船所に勤務していた54歳の男性が、同造船所の複数の社員による『監理技術者』の資格者証の不正取得があったとして、社内のコンプライアンス委員会にメールで通報したところ、設計補助の担当を外されて閑職に回され、さらに2007年(平成19年)6月に関連会社へ出向(休職派遣)を命ぜられ、「報復人事を受けた」として、出向の取り消しと、慰謝料など110万円の支払いを求める労働審判を神戸地裁に起こした[23]。
F-2支援戦闘機墜落事故
偽装請負問題
- 同社高砂製作所で、約8年間に亘り請負・派遣双方で勤務してきた兵庫県加古川市在住の46歳の男性が、長年に亘り偽装請負状態で勤務させられたとして、2009年(平成21年)1月13日に、同社を相手取って、神戸地裁姫路支部に対し、正社員としての地位確認を求める訴訟を起こした[24]。
情報漏洩
- 2011年9月
2011年9月19日に、読売新聞が朝刊の一面で、三菱重工の社内のシステムが広範囲にわたってコンピューターウイルスに感染していた事を報道し、同日16時過ぎに三菱重工はこれを認めるプレスリリースを発表した。感染は本社、工場、研究所等の国内11拠点のサーバー45台と職員のパソコン38台で、造船、防衛、航空宇宙、発電プラント、鉄道等の情報が狙われていた[25]。。
- 2012年11月
2012年11月30日に三菱重工は、同月27日に名古屋航空宇宙システム製作所の宇宙関連業務に使うコンピューター4台が新型のウイルスの感染していたことが判明した事をプレスリリースで発表した。同30日には宇宙航空研究開発機構もイプシロンロケットの情報が外部に漏洩した可能性があることを発表していた[26]。
脚注・出典
- ↑ 三菱金曜会
- ↑ 三菱広報委員会
- ↑ 三菱金曜会会員会社紹介
- ↑ 三菱広報委員会 - 会員会社紹介
- ↑ “売上高ランキング”. 日本経済新聞 (2016年3月7日). . 2016年3月11日閲覧.
- ↑ “使命感なくして「大勝負」はできず 技術者の矜持――西岡 喬(三菱重工業 相談役)”. 日経ビジネスマネジメント (2008年12月17日). . 2016年3月11日閲覧.
- ↑ 手嶋龍一 『たそがれゆく日米同盟 ニッポンFSXを撃て』 新潮文庫。
- ↑ “SIPRI Top 100 and recent trends in the arms industry” (2015年12月14日). . 2016年3月11日閲覧.
- ↑ “三菱重工がまさかのトップ転落…日本の「防衛産業」に異変アリ!”. 現代ビジネス (2016年10月07日). 2016年10月11日閲覧。
- ↑ “防衛装備庁 : 調達実績及び調達見込(中央調達分)” (日本語). www.mod.go.jp. . 2018閲覧.
- ↑ “日立・三菱重工 統合へ 13年に新会社、世界受注狙う”. 日本経済新聞. (2011年8月4日) . 2015年7月27日閲覧.
- ↑ “本日の一部報道について”. 三菱重工業 (2011年8月4日). . 2015年7月27日閲覧.
- ↑ “当社に関する一連の報道について”. 三菱重工業 (2011年8月4日). . 2015年7月27日閲覧.
- ↑ 14.0 14.1 “新会社発足のお知らせ”. 三菱重工メカトロシステムズ株式会社. . 2015年7月27日閲覧.
- ↑ 15.0 15.1 “沿革”. 三菱重工メカトロシステムズ株式会社. . 2015年7月27日閲覧.
- ↑ 16.0 16.1 “新会社設立のお知らせ”. 三菱重工パーキング株式会社. . 2015年7月27日閲覧.
- ↑ “浦和レッドダイヤモンズの株式取得に関するお知らせ” (プレスリリース), 三菱重工業, (2016年10月31日) . 2016年11月2日閲覧.
- ↑ インダストリー&社会基盤ドメインの子会社を統合 新会社名「三菱重工機械システム」三菱重工業
- ↑ 当社インダストリー&社会基盤ドメインにおける製造、品質保証及び調達機能の一部の会社分割による当社子会社への承継に関するお知らせ三菱重工業
- ↑ 20.0 20.1 20.2 “船舶事業を再編し、三菱造船と三菱重工海洋鉄構の2社を設立 高密度艤装船や環境対策、新燃料対応などに注力” (プレスリリース), 三菱重工業, (2017年12月1日) . 2018閲覧.
- ↑ 事業所・工場
- ↑ 三菱重工メカトロシステムズ株式会社
- ↑ “「不正告発で報復人事」 三菱重社員、取り消し申し立て”. 朝日新聞. (2008年9月28日). オリジナルの2008年9月29日時点によるアーカイブ。
- ↑ “「8年半働いた 私は正社員」 派遣男性が三菱重工提訴”. 朝日新聞. (2009年1月13日) . 2015閲覧.
- ↑ “三菱重工、国内11拠点でウイルス感染の事実を公表、「機密情報流出は確認されず」”. ITPro. (2011年9月19日) . 2015年7月27日閲覧.
- ↑ “三菱重工でもウイルス感染 宇宙関連情報、漏洩か”. 日本経済新聞. (2012年11月30日) . 2015年7月27日閲覧.
関連項目
- 三菱財閥
- 三菱グループ
- 三菱造船
- テクノ菱和(同社の主力代理店)
- ジャパンエンジンコーポレーション
- 井関農機
- ナゴヤドーム(名古屋発動機製作所大幸工場の跡地)
- 国際原子力開発株式会社 - 電力会社9社・メーカー3社・産業革新機構の出資により、2010年(平成22年)10月22日に設立された。
- オーディー05オムニバスチャイナトリーティ
- 大府飛行場
- 提供番組
- ワザあり!にっぽん(中京テレビ・日本テレビ系でかつて放送していた一社提供(末期は降板)番組。同社の関連会社であるリョーインが技術協力をしていた)
- おはようコールABC(朝日放送、2013年9月現在唯一の提供番組、時間は月曜日の6時30分頃)
- 報道ステーションSUNDAY(テレビ朝日系、2013年10月から提供スポンサー。)
スポーツ関連
- 三菱重工業サッカー部(浦和レッドダイヤモンズの前身)
- 三菱重工長崎サッカー部
- 三菱重工長崎マラソン部
- 三菱重工長崎ラグビー部
- 三菱重工相模原ダイナボアーズ(ラグビーチーム)
- 三菱自動車京都レッドエボリューションズ(旧・三菱重工業京都ラグビー部)
- 三菱日立パワーシステムズ硬式野球部(旧:三菱重工横浜硬式野球部)
- 三菱重工名古屋硬式野球部
- 三菱重工神戸・高砂硬式野球部
- 三菱重工広島硬式野球部
- 三菱重工三原硬式野球部
- 三菱重工長崎硬式野球部
外部リンク
- テンプレート:三菱グループ