首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス
停車場・施設・接続路線 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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つくばエクスプレス(TSUKUBA EXPRESS、略称:TX)は、東京都千代田区の秋葉原駅と茨城県つくば市のつくば駅を結ぶ首都圏新都市鉄道 (MIR) の鉄道路線である。鉄道要覧における名称は常磐新線(じょうばんしんせん)であるが、案内上は全く使用されない。
Contents
概要
当初の計画路線名は「常磐新線」であり、「つくばエクスプレス」の名称は一般公募による[1]。最多応募は「つくば線」であったが、1987年に廃線となった筑波鉄道筑波線と同じ読みであるため採用されなかった。現在、首都圏新都市鉄道はCIにおいて会社名ではなく本路線名とそのロゴマークを使用している[2]。「つくばエクスプレス」「TSUKUBA EXPRESS」およびロゴマークは同社の登録商標である[注釈 1]。他社線においても社名を冠さない「つくばエクスプレス」[3] または「つくばエクスプレス線」[4][5][6][7] の呼称が使用される。開業前には計画路線名の「常磐新線」も多く用いられたが、開業後の案内では使用されておらず、橋梁の橋歴板等に見られる程度となっている。
2005年(平成17年)8月24日に開業。関東地方の主要幹線の中では最も歴史が浅く、既成市街地の地上における用地買収を避けて約25%の区間が地下に建設された[1]。起点側の秋葉原 - 八潮間は南千住から荒川橋梁(北千住 - 青井間)までを除いて地下線であり、終点のつくば駅も地下駅となっている。地上区間は全て高架または掘割構造であり、踏切が存在しない[1]。
最高速度130 km/h(通常127 km/h)と高速で運転を行っており、秋葉原 - つくば間58.3キロメートル (km) を最速45分(快速)で結ぶ。全線で自動列車運転装置 (ATO) による自動運転を行い、運転士は乗務するが、車掌は乗務しないワンマン運転を実施[1]。また全駅に可動式ホーム柵を装備するなど、自動化技術を多く採用している[1]。
東京と筑波研究学園都市および沿線地区間の通勤・通学路線としてのみならず、筑波山シャトルバス等と接続して筑波山への観光路線としての役割も担っている。
- Tx-Bampaku-Kinenkoen-Sta-Gate.JPG
社名に代わって路線名が多用される
- つくばエクスプレス - 青井駅「ホームドア」.JPG
青井駅の可動式ホーム柵
- Tx-asakusa-a1.JPG
市街地では地下を通る(浅草駅地上出口)
路線データ
- 管轄:首都圏新都市鉄道(第一種鉄道事業者[8])
- 路線名:常磐新線(通称:つくばエクスプレス)[注釈 2]
- 区間:秋葉原 - つくば 58.3 km[14][15][16]
- 駅数:20[14][16]
- 軌間:1067 mm[14][16]
- 複線区間:全線
- 電化区間:全線(秋葉原 - 守谷間 直流1,500 V、守谷 - つくば間 交流50 Hz・20,000 V)
- デッドセクション:守谷 - みらい平間、車上切替式
- 最大勾配:35パーミル[16]
- 最小曲線半径:200 m[16]
- 閉塞方式:車内信号閉塞式(ATC)
- 前方予告・進路予告機能付1段ブレーキ制御デジタル伝送式CS-ATCを採用
- ATOによる自動運転を採用
- 最高速度:130 km/h[16]
- 表定速度
- 秋葉原 - つくば間:58.3 km、快速45分、表定速度77.7 km/h、途中停車駅数7
- 北千住 - つくば間:50.8 km、快速33分、表定速度92.3 km/h、途中停車駅数3
- 流山おおたかの森 - つくば間:31.8 km、快速19分、表定速度100.4 km/h、途中停車駅数1
- 守谷 - つくば間:20.6 km、快速11分、表定速度112.4 km/h、途中停車駅数0
- 車両基地所在駅:守谷駅
- 建設主体:独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構(2003年10月1日に日本鉄道建設公団より事業承継)
路線概要
秋葉原 - 北千住
秋葉原駅からJR東北本線(山手線・京浜東北線・上野東京ライン)の下を北上した列車は、御徒町駅の手前で東にカーブし春日通りと都営地下鉄大江戸線の直下を走り、新御徒町駅の先で北にカーブし浅草駅に着く。同駅は東武鉄道、東京メトロ銀座線、都営地下鉄浅草線の浅草駅とは離れている[17]。秋葉原駅から南千住駅までは地下を走り、南千住駅の先からJR常磐線と東京メトロ日比谷線に挟まれる形で地上に出る[18]。隅田川を渡り、3階にホームがある北千住駅に着く。
北千住 - 守谷
北千住駅を出た列車は、東京メトロ千代田線およびJR常磐線と並走しながら荒川を渡り[19]、東武伊勢崎線と交差する辺りで北にカーブしながら地下に潜る。東京都内の地上風景は短く終わる。ここからしばらくは綾瀬川および首都高速6号三郷線とほぼ並行して地下を走り、八潮駅の手前で地上に出る。埼玉県最初の駅である八潮駅北側には首都高速6号三郷線の八潮パーキングエリアがある。
八潮付近からは郊外部を通る。中川を渡り、東京外環自動車道および国道298号との三重立体交差、三郷中央駅を経て埼玉・千葉県の境をなす江戸川を渡ると、再び地下に入り、住宅地の下にあるJR武蔵野線との乗換駅・南流山駅に到着する[19]。南流山を出るとしばらく地下線を走行する。この間に流鉄流山線をくぐる[20]。その後高架となり、流山セントラルパーク駅を過ぎ、東武野田線との接続駅・流山おおたかの森駅に到着。北東に向い、柏の葉キャンパス駅、柏たなか駅を経て、利根川橋梁で利根川を渡ると守谷駅に到着する[20]。
守谷 - つくば
守谷駅を出発するとすぐに車両基地出入線が分岐、さらにしばらくして直流電化と交流電化を隔てるデッドセクションを通過し、交流電化区間に入る[21]。ここから先は高架と切り通しで構成された田園地帯の線形の良い区間を130 km/h近くを保って運転する。みらい平駅、みどりの駅、万博記念公園駅、研究学園駅を経て、終点のつくば駅手前で地下(つくばトンネル)に入り、つくば駅に到着する。この区間を最速種別の快速は無停車で11分、平均速度112.4 km/hと在来線としてはきわめて高い速度で走破する。
電化方式
つくばエクスプレスは、秋葉原から守谷 - みらい平間までと守谷 - 守谷車両基地間が直流1500 Vで、以北は交流20000 V・50 Hzで電化されている。これは、茨城県石岡市柿岡にある気象庁地磁気観測所での地磁気観測への影響が懸念されたためで、JR常磐線の交直切換地点が運用上の拠点である土浦駅などではなく取手駅(直流側:東京方) - 藤代駅(交流側:いわき方)間の位置になったのと同様の理由である[22]。また守谷駅で接続する関東鉄道常総線が開業以来非電化であるのも、地磁気観測所がある影響のため、という同様の理由である。
秋葉原 - つくば間を通して運転するためには交直両用車両が必要になるが、直流専用車両と比べて製造費が高い。そのため、つくばエクスプレスでは秋葉原 - 守谷間限定で使用する直流専用電車TX-1000系と秋葉原 - つくば間の全線で使用する交直両用電車TX-2000系の2系列を用意することで、総費用の削減を図っている。なお、全線が交流とならなかった理由は、東京都内の地下区間を交流規格で設計した場合、絶縁のための空間をとることからトンネル断面が拡大し交直流車両の導入以上の費用がかかるため、と同社の見学会などで説明されている。
架線吊架方式は3種類採用されており、秋葉原から南千住 - 北千住間のトンネル坑口までは饋電線としての電気性能を有するアルミニウム製のT型架台に直接トロリ線を取り付けた剛体架線式、そこから守谷までは小菅 - 埼玉県東京都境間、南流山の地下区間を含めて、饋電線と吊架線を兼用させた一体構造の饋電吊架式、守谷から終点つくばまでは、みらい平、つくば付近の地下区間を含めて、トロリ線内に鋼心を入れて集電性を高めたCSシンプルカテナリー吊架式を採用している。
交直・交交セクション
守谷 - みらい平間に無電区間(デッドセクション)があり、電車は走行中に交直流切り替えを行う。通常は運転士の手動操作ではなく自動で行われる。デッドセクション通過中でも車内灯(蛍光灯)が消えることはないが、エアコンが停止するほか、行先・停車駅表示パネルが消灯する(ただし、旅客案内用フリーパターンディスプレイは消灯しない)。また、側壁(防音壁)に無電区間を示すマーキング塗装があり、これらからデッドセクションの判別が可能である[23]。
また、みどりの - 万博記念公園間にもデッドセクションがあり、同様に行先・停車駅表示パネルが消灯するが、これは「交交セクション」と呼ばれる箇所で、変電所相互における交流電流の位相差による障害を防ぐために設置されている。こちらにも側壁に無電区間を示すマーキング塗装がある。いずれの区間も、列車は惰行運転で通過する。
運行形態
運行時間帯は5時3分 - 翌0時58分[24]。秋葉原駅 - つくば駅間の全線運転と秋葉原駅 - 守谷駅間の区間運転の2本立てを基本としている。これは需要のほか、電化方式の区分(直流・交流)による使用車両の違いも大きい。また、八潮駅始発・終着や守谷駅 - つくば駅間の区間運転もある。列車種別は快速・区間快速・普通の3本立てで、平日朝夕通勤時は方向により快速の代わりに通勤快速が運転される。遠近分離と緩急接続を併せ持ったダイヤを特徴としている。また通勤快速運転時間帯(方向)は千鳥停車を採用している。全20駅中普通のみの停車駅は3駅である。
種別ごとに運転速度が分けられることはなく、すべての列車で高速運転を行う。車両性能に差がなく、全線が高架・掘割・地下線で建設されており、踏切もなく、首都圏のJRを除く通勤電車では初めて130 km/h運転を実施(ATOによる制限速度は127 km/h)。曲線においても半径820 m以上で130 km/h運転を可能としており、表定速度を高めた[25]。また、新鉄道技術省令[注釈 3] の範囲内で130 km/hを超える速度での運転ができ、保安装置を含めて設備上は最高速度160 km/hでの運転にも対応できるように設計されており、社の幹部も将来的には検討対象としている[26]。
列車種別
列車種別ごとに、路線図や時刻表などで用いられる種別色とともに示す。快速及び区間快速の停車駅は2005年(平成17年)の開業以来変更がない。
- ■ 快速 (Rapid)
- 基本的に秋葉原駅 - つくば駅間の全線で運転。全線標準所要時間は45分。
- 始発・終着駅、他社線乗換駅のほかは浅草駅にのみ停車(他社駅にも近接[注釈 4])。この関係で他社線乗換駅のない埼玉県内に停車駅はなく、千葉県流山市には2つ停車駅がある。
- 停車駅:秋葉原駅 - 北千住駅間の各駅・南流山駅・流山おおたかの森駅・守谷駅・つくば駅
- ■ 通勤快速 (Commuter-Rapid)
- 平日朝通勤時の上りおよび、平日夕通勤時の下りに運転。2012年10月15日新設[27]。全線標準所要時間は49分。
- 快速停車駅に加え、六町駅・八潮駅・柏の葉キャンパス駅・研究学園駅に停車する。当路線で初めて千鳥停車を採用し、通勤快速は六町駅に停車して三郷中央駅を通過、後述の区間快速は六町駅は通過で三郷中央駅に停車する。六町駅はこれまで普通のみ停車していた。
- 通勤快速の運転時間帯は、快速の運転は行われない。
- 停車駅:秋葉原駅 - 北千住駅間の各駅・六町駅・八潮駅・南流山駅・流山おおたかの森駅・柏の葉キャンパス駅・守谷駅・研究学園駅・つくば駅
- ■ 区間快速 (Semi-Rapid)
- 北千住駅 - 守谷駅間では一部の駅を通過し、秋葉原駅 - 北千住駅間と守谷駅 - つくば駅間では各駅に停車する。全線標準所要時間は52分。
- 行先表示器には「区快」と表示。その名称とは裏腹に快速運転区間があるのではなく快速停車駅に加えて停車駅が設けられており、通過運転区間でも市・区ごとに最低1つは停車駅がある。守谷駅 - つくば駅間は各駅に停車し普通を補完する役割を担っている。その実態から開業前の新聞報道では「準快速」の併記も見られた。
- 停車駅:秋葉原駅 - 北千住駅間の各駅・八潮駅・三郷中央駅・南流山駅・流山おおたかの森駅・柏の葉キャンパス駅・守谷駅 - つくば駅間の各駅
- ■ 普通 (Local)
- 各駅に停車する種別。全線標準所要時間は57分。普通のみの停車駅は青井・流山セントラルパーク・柏たなかの3駅のみ。
- 基本的に秋葉原駅 - 守谷駅・つくば駅間の運転で、一部八潮駅始発・終着があるほか、2016年10月15日ダイヤ改正では深夜につくば発北千住行き、北千住発八潮行きが設定された。開業当初の日中時間帯は秋葉原駅 - 守谷駅間の区間運転であったが、2007年10月18日ダイヤ改正以降は日中も秋葉原駅 - つくば駅間の全線運転の列車が運行されている。
- 八潮駅・流山おおたかの森駅で快速・通勤快速・区間快速と接続しており、各駅や車内でその案内も行われる。
最終列車は行先表示器に最終である旨の表示を行っていた(例: 「普通│(最終)つくば Local Last/Tsukuba」)が、2016年10月以降は省略されている。2009年10月まで駅に掲示されている時刻表には通過列車を示す―(横線)が表示されていた。
ダイヤの変遷
- 2005年(平成17年)
- 2006年(平成18年)
- 12月8日 - ダイヤ改正。同年7月21日に設定された昼間の守谷駅 - つくば駅間の区間列車を定期化。朝ラッシュ時は混雑平準化のため普通列車の一部で八潮駅での追い越しを廃止し、秋葉原駅まで先着。
- 2007年(平成19年)
- 2008年(平成20年)10月1日 - ダイヤ改正。朝ラッシュ時間帯と昼・夜間の列車増発。守谷始発・終着の快速はすべて消滅。八潮始発の普通の増発。
- 2009年(平成21年)
- 3月30日 - 筑波大学で開催された応用物理学会の講演大会に合わせて、4月2日まで朝8時台の下り守谷行きの区間快速を1本つくばまで延長運転。
- 6月5日 - 毎週金曜日の最終列車前に臨時列車を増発運転開始。今回の増発は、秋葉原駅0時18分発下り最終列車の1本前に運行するもので、これにより金曜日の最終列車の混雑緩和と列車の遅延防止を図る。内容は、秋葉原発守谷行き普通列車1本で、秋葉原発0時9分、守谷着0時52分。
- 10月1日 - ダイヤ改正。朝ラッシュ時と夕ラッシュ時の区間快速増発と快速減便。前記の6月5日増発分の臨時列車が定期化され、夕ラッシュ時の普通は全列車八潮駅での待避から、区間快速の待避のみ流山おおたかの森駅に変更される(快速の待避は従来通り八潮駅で行う)。
- 2010年(平成22年)
- 2012年(平成24年)10月15日 - ダイヤ改正。列車の増発や運行区間の延長などにより、輸送力増強および運行頻度の増加等を行い混雑緩和や利便性の向上を図る。また、平日の朝上り・夜間ラッシュ時間帯下りに「通勤快速」を新設。通勤快速の運転時間帯は快速の運転は行わない。
- 2015年(平成27年)3月14日 - ダイヤ改正。始発列車の時刻繰り上げ、朝・夜間の列車の増発・運転パターンの見直しなどにより、利用客の利便性向上を図る。
- 2016年(平成28年)10月15日 - ダイヤ改正。始発列車の時刻繰り上げ、最終列車の時刻繰り下げ、早朝・深夜の列車増発、朝ラッシュ時の運転間隔平準化、夕ラッシュ時の運転パターンの統一などにより、さらなる利便性向上を図る。つくば発秋葉原行き最終列車の後に、つくば発北千住行き最終列車が設定された。北千住行きの定期列車はこの改正で初めて設定された。
- 2018年(平成30年)3月17日 - ダイヤ改正。列車の増発・種別変更や運行区間の延長などを行う。守谷駅の退避設備設置に伴い、日中時間帯の大部分において快速列車が普通列車を追い抜く駅を流山おおたかの森駅から八潮駅・守谷駅の2駅に変更し、同時間帯の八潮駅における区間快速列車と普通列車の待ち合わせを取りやめる。つくば行きのすべての通勤快速列車が八潮駅と守谷駅で普通列車と接続するようになる[28]。
運行本数
2012年10月15日ダイヤ改正時点での日中1時間あたりの運行本数は以下のようになっている。
種別\駅名 | 秋葉原 | … | 守谷 | … | つくば | 運行本数 | ||
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運行範囲 | 快速 | 2本 | ||||||
区間快速 | (各駅に停車) | 2本 | ||||||
普通 | 2本 | |||||||
4本 |
折り返し駅
折り返しを行っている駅は、秋葉原駅(起点駅)とつくば駅(終点駅)、引き上げ線のある八潮駅と守谷駅のほか、つくば方に渡り線のある北千住駅の5駅である。流山おおたかの森駅の秋葉原方にも渡り線があるが、通常は折り返し運転に用いられてはいない。2011年に起きた東北地方太平洋沖地震の際には、影響で数日間守谷方面に直通できず、流山おおたかの森駅での折り返し運転が行われた。
待避可能駅は、八潮駅・流山おおたかの森駅・守谷駅の3駅である。このうち守谷駅は開業当初から2面4線のホーム構成であったが、2017年に待避設備が設置されるまでは、内側線は上り・下りともにつくば方向は車両基地にしか出入りできない配線となっていた[29][30]。
車両
全線においてTX-2000系が、秋葉原 - 守谷間においては前述に加えてTX-1000系が運行されている。
計画当初は2階建て電車の投入も計画され、早い時期からデザインも決められ、完成予想図や模型も作られていた。この模型は現在も首都圏新都市鉄道が保管しており、「つくばエクスプレスまつり」等のイベントで展示されることがある。
また、2005年(平成17年)9月1日から女性専用車両を導入し、全列車6両編成ながら、そのうち1両を時間帯・方向によって女性専用車両として設定している[31][32]。 上りは平日の始発から9時まで、下りは秋葉原発の18時以降から最終列車まで、各列車ごとにそれぞれ1車両を女性専用としている[1]。
導入予定の車両
- TX-3000系 - 2020年春運行開始予定[33]の新型車両。6両編成5本を導入する予定である。
車両検修施設
現状ではJR等他の鉄道事業者との線路の接続が一切無いため、車両の搬入時はJR土浦駅から総合基地まで陸送によって輸送する方法を採っている。
列車内無線LAN接続
トライアル
2005年(平成17年)8月24日の開業時からTX-2000系第60編成において列車内無線LAN接続の実験運用が行われていた。開始時の利用可能区間は秋葉原 - 北千住間であったが、2006年(平成18年)3月14日より秋葉原 - 南流山間の10駅9区間で公式に利用可能となり、同年7月20日には全区間に拡大された。利用可能な編成については、第59編成を皮切りにTX-2000系全編成に順次拡大された。この実験運用は同月末をもって終了した。
商用サービス
2006年(平成18年)8月24日からTX-2000系全編成において秋葉原 - つくばの全区間で商用サービスが開始された。当初はNTTドコモのMzone(現・docomo Wi-Fi)・mopera U(公衆無線LANコース)のみであったが、同年11月9日からは東日本電信電話(NTT東日本)のフレッツ・スポットのサービスも開始された。
歴史
第二常磐線構想
常磐新線は、首都圏における宅地供給、茨城県南・県西地域の開発整備、常磐線の混雑緩和などを目的に計画された鉄道である[34]。1978年(昭和53年)、茨城県は「茨城県県南県西地域交通体系調査委員会」(委員長・八十島義之助)を設置し、「第二常磐線」構想を発表した[35]。東京都心と筑波を結ぶ具体的な鉄道路線が検討された記録を確認できるのは、筑波高速度電気鉄道を別にすれば、1983年(昭和58年)に茨城県が設置した「第二常磐線と地域開発に関する調査研究会」によるもの[35]が最初である。ただし、検討はそれ以前より行われており、筑波研究学園都市建設の際にすでに東京と結ぶ鉄道駅をも視野に入れた用地配慮がなされている[36]。
ルート案
1985年(昭和60年)の運輸政策審議会にて「常磐新線の新設」が盛り込まれる以前には、「第二常磐線」として以下の茨城県案、千葉県案などの建設ルートが挙げられていた。
茨城県は自らの各案で、東京都心から北千住を経由して筑波研究学園都市へ至るという基本構想を貫いた上で、その間の経由地をどこにするかという選択肢を南から北に向けてA-Dルートの順に提示していた。
千葉県案は、いずれも我孫子を終点とし、茨城県内のルートは発表していなかった。また、東京都内は1ルートを除いて既存の貨物線(新金貨物線など)を利用、千葉県内は1 - 5ルートが高架、6ルートが地下の構想となっていた。また、2ルートは東京駅ホームの位置が京葉線計画と競合すること、3ルートは起終点にターミナル機能が必要であること、6ルートには千葉県内の地下工事にかかる時間と費用を考慮し、早期に撤回された[39]。
開業に向けて
1985年(昭和60年)7月11日の運輸政策審議会答申第7号では「常磐新線の新設」という項目が設けられ、東京 - 守谷町南部間が「目標年次までに新設することが適当である区間」、守谷町南部 - 筑波研究学園都市間が「今後新設を検討すべき区間」とされ、後者についてはさらに「需要の動向、沿線地域の開発の進捗状況等を勘案の上、整備に着手する」とされた[40]。この答申により初めて起点が東京駅と明記された[41]。同答申はさらに常磐新線の事業主体が未定であること、建設運営経費が巨額となることなどの問題があることから整備方策を特記している。その要点は、
- 常磐新線は常磐線の混雑緩和を主目的として整備されるべきものであり、本来国鉄が建設運営にあたるべきであるが、国鉄の経営状態からすれば困難が予想され、第三セクター法方式も一案として考えられる。
- 資金調達を含め、建設・運営段階での関係者の全面的支援が必要。
- 従って答申後早期に国鉄等関連鉄道事業者、地方公共団体、金融機関等による検討と具体化が必要。
である[40][42]。これを受けて運輸省や関係自治体などで協議が進められ、1987年(昭和62年)9月に運輸省、東日本旅客鉄道(JR東日本)、沿線4都県からなる「常磐新線整備検討委員会」が設置された[43][44]。1988年(昭和63年)11月には同委員会で「常磐新線整備方策の基本フレーム」についての合意が成立し[43]、当面の建設区間を秋葉原 - 筑波学園研究都市とすること[44]、建設主体は第三セクター会社とし[44]、完成後はJR東日本が運営を行うことなどの方針が決定した。また、費用の関係で始発駅は当初予定の東京駅から秋葉原駅となった。1989年(平成元年)3月には運輸省が「新たなフレーム(案)」を示し自治体の負担軽減を提案するが、JR東日本は常磐新線に距離をとる様になった[43]。一方、同月に自治体および日本鉄道建設公団からの派遣職員により「常磐新線検討室」が設置され、検討事項に取り組むこととなった。
1989年6月には、鉄道整備と沿線の地域開発を同時に推進する「大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法」(略称:一体化法[45]、宅鉄法[46][47])が制定された[48][49]。この法律の内容は、鉄道新設と当時大きな課題となっていた首都圏の宅地供給事情を一体的にクリアするとしており、鉄道整備により、大量の住宅地供給が促進されることが見込まれることを期待し、周辺市町村を特定地域に指定して地元自治体などが宅地開発も同時に進めるとするものであり[34]、常磐新線は同法の適用第一号鉄道となった[46][45]。
「整備の方向を検討する路線」とされていた守谷以北については、茨城県の強い働き掛けで第2期線から第1期区間に格上げされた[50]。この頃から常磐新線の事業主体は第三セクター方式になる方向性が固まっていき[51]、ルート変更なども検討されたが、1990年(平成2年)11月15日の関連自治体副知事会で1990年度中に第三セクターを設立し、開業目標を2000年(平成12年)とすること、事業費用と負担割合についての合意が成立した[43]。同年12月に「常磐新線検討室」は「常磐新線第三セクター設立準備室」に改組された。
1991年(平成3年)3月には、沿線の4都県・12市町村の出資により[注釈 6]新線整備・運営主体となる第三セクターの首都圏新都市鉄道株式会社が設立され[8][51]、同年10月には国レベルで建設費に対する無利子貸付制度[注釈 7]が創設されるなど、早期開通に向けて体制が整えられた[34][52][53]。同じ月に法的手続きの第一段階である宅鉄法に基づく基本計画が国から承認され、常磐新線の計画路線である東京都千代田区(秋葉原) - 茨城県つくば市吾妻(筑波研究学園都市)間の経路と19か所の駅の位置が定められ[注釈 8]、整備に向けた動きが本格的に活発化した[34][54]。
首都圏新都市鉄道は1992年(平成4年)1月10日付けで第一種鉄道事業免許を取得した[8]。以降、同年9月に常磐新線プロジェクト研究会が、1994年(平成6年)6月には同研究会を引き継いで常磐新線プロジェクト推進協議会がそれぞれ設立され、出資方式、事業採算性、沿線開発などについての調査が実施された[55]。
1994年に、秋葉原で起工式が行われたことを皮切りに[56]、鉄道新線の建設が着々と進められたが、想定外の軟弱地盤や地下水対策による遅延や[57]、基本計画当初から茨城県内の地権者の反対によって用地交渉が暗礁に乗り上がるなど開発は難航し[34][58]、1996年(平成8年)12月には2000年の開業予定が2005年(平成17年)に変更された[57]。
2000年1月の運輸政策審議会答申第18号においては工事が着手されていた秋葉原 - つくば間が「目標年次(2015年)までに開業することが適当である路線」と位置付けられた[41]。未着手の東京 - 秋葉原間については位置付けが「今後整備について検討すべき路線」へと変更されており、整備区間の整備状況および開業後の経営状態から東京駅までの延伸を検討するという整理がなされた[59]。
2001年(平成13年)2月には、常磐新線イメージづくり調査委員会の答申に基づいた[60][61] 路線新名称として「つくばエクスプレス」が首都圏新都市鉄道より発表された。
2005年7月22日に完成検査に合格し、同年8月24日に開業した。当初は10月開業予定であったが、地元の強い要望と学校の2学期に間に合うように2か月繰り上げての開業となった。
開業後
開業直後には、一部の在京テレビ局などが昼間の当時まだ閑散とした普通列車を取材し、本路線の有効性について疑問視する論調を展開したこともあった[62]。初年度の乗客数は3,469万人で、1日平均の乗客数は開業前の予想「135,000人」を超える150,700人であった。2007年(平成19年)3月には開業20か月目で累積輸送人員1億人を突破した。1日の平均乗客数は2007年(平成19年)4月に239,000人、2008年(平成20年)11月に266,100人、2009年(平成21年)4月に270,500人を記録し、目標の27万人に到達した[63]。なお、運行する首都圏新都市鉄道によると、この目標は、将来の東京駅までの延伸を検討するための前提とされている[63]。
初年度営業収益は予想の90億円を大幅に超え、140億円となった。ただし、最終損益は減価償却費109億円を計上したなどのため、49億円の赤字であった。その後、増発のための車両増備による減価償却費増があったものの、2008年度(平成20年度)決算にて減価償却費込みの営業黒字を達成した[64]。さらに2009年度(平成21年度)決算では当初計画である「開業20年後に単年度黒字」を大幅に前倒しして最終黒字となった。
年表
開業まで
- 1985年(昭和60年)7月11日 - 運輸政策審議会答申第7号で「常磐新線の新設」という項目が設けられる。
- 1988年(昭和63年)11月 - 常磐新線整備検討委員会で「常磐新線整備方策の基本フレーム」についての合意が成立する。
- 1991年(平成3年)12月4日 - 「常磐新線設立準備室」が発足[65]。
- 1991年(平成3年)
- 1992年(平成4年)1月 - 「首都圏新都市鉄道」に対して鉄道事業免許が交付される[46]。
- 1993年(平成5年)
- 1994年(平成6年)
- 1995年(平成7年)
- 2月 - 東京都は新浅草 - 六町間約9.9 kmの工事施工認可。
- 7月 - 車両基地の安全祈願祭。
- 1996年(平成8年)
- 1997年(平成9年)
- 1月 - 小貝川橋梁下部工事の安全祈願祭、工事着手。
- 5月 - 日本自動車研究所が一部施設の移転を発表。
- 7月 - 1都3県は宅鉄法に基づく基本計画の変更を運輸・建設・自治大臣へ申請(開業年度変更等)、同月承認。
- 1998年(平成10年)
- 1月 - 流山市区間について都市計画決定の告示。
- 9月 - 秋葉原駅工事の安全祈願祭、工事着手。
- 12月 - 流山新市街地 - 守谷間約6.1 kmの工事施工認可。
- 1999年(平成11年)
- 3月 - 柏市内区間について都市計画決定の告示。同月、伊奈・谷和原 - つくば間約12.2 kmの工事施工認可。
- 6月 - つくば市内区間について都市計画決定の告示。これにより、秋葉原 - つくば間全線が都市計画決定される。
- 2000年(平成12年)
- 3月 - つくば駅および守谷駅工事着手。
- 7月 - 南流山 - 流山運動公園間の工事施工認可。これにより全線で工事施工認可[55]。
- 2001年(平成13年)
- 2002年(平成14年)8月 - つくばエクスプレスの車両デザイン決定[55]。
- 2003年(平成15年)
- 2004年(平成16年)
- 2005年(平成17年)
開業後
- 2005年(平成17年)
- 2006年(平成18年)
- 2007年(平成19年)
- 2008年(平成20年)11月12日 - 国賓として来日中のスペイン国王フアン・カルロス1世夫妻と、天皇・皇后のために団体臨時列車(お召し列車)運行[31]。TX-2468に乗車(復路のみ。往路は常磐線でE655系「和(なごみ)」利用)。
- 2009年(平成21年)
- 2010年(平成22年)
- 2011年(平成23年)
- 3月11日 - 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)発生直後より終日全線で運転見合わせ。
- 3月12日 - 9時10分頃より秋葉原 - 八潮間で運転再開し、12時07分頃から流山おおたかの森駅の非常渡り線を使って、八潮 - 流山おおたかの森間の運転再開。運行は秋葉原 - 流山おおたかの森間で15分間隔、すべて各駅停車で最高速度は80 km/h程度での運転。
- 3月13日 - 6時51分頃より全線での運転を再開(秋葉原 - 守谷間10分間隔、守谷 - つくば間20分間隔ですべて各駅停車での運転)したが、柏たなか - 守谷間で軌道損傷個所があり、発車直後から流山おおたかの森 - 守谷間で35 km/hでの徐行運転を行い、その数本後の列車からは柏たなか - 守谷間の軌道損傷個所のみで徐行運転実施。
- 3月14日 - 東京電力にて、輪番停電実施により14時50分 - 21時(午後の停電)に全線で運転を見合わせ実施。
- 3月15日 - 3月16日 - 首都圏の輪番停電(変電所の分離が上手くなされていないため)により、輪番停電の予定に併せて全線での一部運休を実施。
- 3月17日 - 3月22日 - 運転本数をさらに約5割程度に間引いた上で、終日運行実施。特に電力が厳しくなる夕方は、本数をかなり減らして運行実施。
- 3月23日 - 4月2日 - 通常の8割程度の本数で運行実施。快速を運休する代わりにラッシュ時は区間快速を増発実施。
- 4月3日 - 9月9日 - 平日に限り、日中をのぞいて平常ダイヤに戻し、平日の日中と休日は従来通り、快速を運休にした8割相当のダイヤで運転実施。女性専用車が復活。
- 4月23日 - 6月14日 - 休日ダイヤの快速運用復活。また、節電のため車内の蛍光灯の一部を撤去。
- 6月15日 - 9月9日 - 柏たなか - 守谷間での軌道損傷個所復旧工事終了により、徐行運転解除および、平日のみ節電対応ダイヤ実施。休日は震災前のダイヤに戻しての運行実施。
- 9月12日 - 平日ダイヤを節電ダイヤから震災前の通常ダイヤに戻しての運行実施。
- 2012年(平成24年)
- 2013年(平成25年)
- 8月9日 - 省エネ運転(惰行制御を取り入れた自動列車運転)の開始。
今後の計画
8両編成化
8両編成化のため全駅でホーム延伸工事が行われることが2008年に明らかとなった[82]。
延伸計画
秋葉原駅から東京駅までの延伸を茨城県と県下市町が実現を強く要望しているが、現時点で正式決定には至っていない。1985年7月の運輸政策審議会答申第7号では常磐新線の起点を東京駅としており、東京 - 守谷町南部間が「目標年次(2000年)までに新設することが適当である区間」として位置づけられていたが、2000年1月の運輸政策審議会答申第18号においては東京 - 秋葉原間については位置付けが「今後整備について検討すべき路線」へと変更されている(テンプレート:節リンクを参照)。
東京駅へ延伸した場合は丸の内側の丸ビル地下(JR東京駅西側約200 m)に直結し、JR京葉線との接続を重視する構想もあるが、現時点では延伸時の駅設置地点は未定となっている。また、延伸ルート上に秋葉原ワシントンホテルが、その南側には神田川があり、直下には東京メトロ日比谷線、その下を都営地下鉄新宿線がくぐっており、東京延伸には更にこの下に線路を建設しなければならない。このため、東京延伸は深度50 m以上の大深度地下を利用することが検討されている。
東京方面への延伸には1日平均乗客数が27万人以上が条件とされている。前述の通り、平成21年度の1日平均乗客数が27万人を上回ったため、延伸計画は今後、加速するものと予測されている[63]。国土交通省も東京駅の場所や費用の検討をしており、丸の内仲通りが有力との新聞報道もあった[83][84]。
2016年4月、国土交通省交通政策審議会による「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について」[85] では、つくばエクスプレスの東京駅延伸に加え、中央区などが提唱している都心部・臨海地域地下鉄構想(東京駅 - 銀座駅 - 臨海部)との一体整備および相互直通運転が「国際競争力の強化に資する鉄道ネットワークのプロジェクト」として答申に盛り込まれた[86]。
北への延伸は、つくばから土浦市や百里基地(茨城空港)[87][88]、さらには水戸市[89] への延伸を求める主に茨城県民の要望もあるが、具体化していない。茨城県も北への延伸については現時点では消極的な態度をとっている[90][91][92]。なお、2018年5月に土浦・つくば・小美玉・石岡・かすみがうら・行方・鉾田の7市の市議会が、「TX茨城空港延伸議会期成同盟会」を発足させた。県などへの要望活動などで連携していく方針であるという[93][94]。
利用状況
2016年度の一日平均輸送人員は354,000人である。開業以降、輸送人員は増加傾向が続いている。
2017年度の朝ラッシュ時の最混雑区間は青井駅 → 北千住駅間であり、ピーク時(7:30 - 8:30)の混雑率は165%である[95]。
2017年より首都圏新都市鉄道HPに公開された「朝ラッシュ時間帯の混雑状況について」では、北千住駅を7:40 - 8:15頃に到着する列車が最も混雑する[96]。
当路線と並行する常磐線から乗客の転移も進み、朝ラッシュ時の混雑率も年を追うごとに増加している。2012年度のダイヤ改正では、ラッシュ時に設定されていた快速を通勤快速に変更し、千鳥停車を採用した。2015年度のダイヤ改正では、それまで朝ラッシュ時の上り線で実施されていた八潮駅の列車待避を解消し、秋葉原駅 - 流山おおたかの森駅間で平行ダイヤとなった。
近年の輸送実績を下表に記す。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。
年度 | 輸送実績(乗車人員):人/日 | 最混雑区間(青井 → 北千住間)輸送実績[97][98][99][100] | 特記事項 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
定期 | 定期外 | 合計[101] | 運転本数:本 | 輸送力:人 | 輸送量:人 | 混雑率:% | ||
2005年(平成17年) | 150,700 | 16 | 13,152 | 14,380 | 107 | 2005年8月24日、開業 | ||
2006年(平成18年) | 118,000 | 77,000 | 195,300 | 16 | 13,152 | 18,329 | 139 | |
2007年(平成19年) | 146,000 | 89,000 | 234,200 | 17 | 13,974 | 20,779 | 149 | |
2008年(平成20年) | 164,000 | 94,000 | 257,600 | 20 | 16,440 | 25,896 | 158 | |
2009年(平成21年) | 176,000 | 94,000 | 270,300 | 20 | 16,440 | 25,007 | 152 | |
2010年(平成22年) | 187,000 | 96,000 | 282,600 | 20 | 16,440 | 26,232 | 160 | 東日本大震災発生年度 |
2011年(平成23年) | 192,000 | 98,000 | 289,700[102] | 20 | 16,440 | 25,811 | 157 | |
2012年(平成24年) | 201,000 | 105,000 | 305,900[103] | 22 | 18,084 | 26,339 | 146 | |
2013年(平成25年) | 214,000 | 110,000 | 323,900[104] | 22 | 18,084 | 26,597 | 148 | |
2014年(平成26年) | 214,000 | 112,000 | 325,600[105] | 22 | 18,084 | 27,918 | 154 | |
2015年(平成27年) | 222,000 | 116,000 | 340,000[106] | 22 | 18,084 | 28,280 | 156 | |
2016年(平成28年) | 230,000 | 121,000 | 354,000[107] | 22 | 18,084 | 29,218 | 162 | |
2017年(平成29年) | 22 | 18,084 | 30,140 | 165 |
駅一覧
- 停車駅 … ●:停車、|:通過
- 普通列車はすべての駅に停車するため省略。
- ※:定期券の連絡運輸なし
電化方式 | 駅番号 | 駅名 | 駅間キロ | 累計キロ | 区間快速 | 通勤快速 | 快速 | 接続路線・備考 | 地上/地下 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
直流 | 01 | 秋葉原駅 | - | 0.0 | ● | ● | ● | 東日本旅客鉄道: 山手線 (JY03)・ 京浜東北線 (JK28)・ 総武線(各駅停車) (JB19) 東京地下鉄: 日比谷線 (H-15)※ 都営地下鉄: 新宿線(岩本町駅:S-08)(徒歩連絡) |
地下区間 | 東京都 | 千代田区 |
02 | 新御徒町駅 | 1.6 | 1.6 | ● | ● | ● | 都営地下鉄: 大江戸線 (E-10) | 台東区 | |||
03 | 浅草駅 | 1.5 | 3.1 | ● | ● | ● | |||||
04 | 南千住駅 | 2.5 | 5.6 | ● | ● | ● | 東日本旅客鉄道: 常磐線(快速)(上野東京ライン) (JJ04) 東京地下鉄: 日比谷線 (H-20)※ |
荒川区 | |||
05 | 北千住駅 | 1.9 | 7.5 | ● | ● | ● | 東日本旅客鉄道: 常磐線(快速)(上野東京ライン) (JJ05) 東武鉄道: 伊勢崎線(東武スカイツリーライン) (TS-09) 東京地下鉄: 日比谷線 (H-21)・ 千代田線 (C-18) |
地上区間 | 足立区 | ||
06 | 青井駅 | 3.1 | 10.6 | | | | | | | 地下区間 | ||||
07 | 六町駅 | 1.4 | 12.0 | | | ● | | | |||||
08 | 八潮駅 | 3.6 | 15.6 | ● | ● | | | 待避可能駅 | 地上区間 | 埼玉県 | 八潮市 | |
09 | 三郷中央駅 | 3.7 | 19.3 | ● | | | | | 三郷市 | ||||
10 | 南流山駅 | 2.8 | 22.1 | ● | ● | ● | 東日本旅客鉄道: 武蔵野線 (JM16) | 地下 | 千葉県 | 流山市 | |
11 | 流山セントラルパーク駅 | 2.2 | 24.3 | | | | | | | 地上区間 | ||||
12 | 流山おおたかの森駅 | 2.2 | 26.5 | ● | ● | ● | 東武鉄道: 野田線(東武アーバンパークライン) (TD-22) 待避可能駅 | ||||
13 | 柏の葉キャンパス駅 | 3.5 | 30.0 | ● | ● | | | 柏市 | ||||
14 | 柏たなか駅 | 2.0 | 32.0 | | | | | | | |||||
15 | 守谷駅 | 5.7 | 37.7 | ● | ● | ● | 関東鉄道:常総線 待避可能駅 |
茨城県 | 守谷市 | ||
交流 | 16 | みらい平駅 | 6.6 | 44.3 | ● | | | | | ホーム地下 | つくば みらい市 | ||
17 | みどりの駅 | 4.3 | 48.6 | ● | | | | | 地上区間 | つくば市 | |||
18 | 万博記念公園駅 | 3.2 | 51.8 | ● | | | | | |||||
19 | 研究学園駅 | 3.8 | 55.6 | ● | ● | | | |||||
20 | つくば駅 | 2.7 | 58.3 | ● | ● | ● | 地下 |
駅番号
各駅にそれぞれ駅番号を付与している。数字のみの2桁で付番され、秋葉原駅が01、新御徒町駅が02……と続き、つくば駅が20である。他路線との関連性はなく、つくばエクスプレス単独の駅番号となっている。
駅の装飾・設備
- Moriya-art.jpg
守谷駅のステンドグラス(2005年10月6日撮影)
- いくつかの駅構内に、ガラスアートやステンドグラスなどのパブリックアートが装飾されている。
- 秋葉原:陶板レリーフ(改札外、A1出口方面)
- 八潮:ガラスアート(コンコース)
- 流山おおたかの森:ステンドグラス(同上)
- 守谷:ステンドグラス(同上)
- 全駅にAEDが設置されている。
- 秋葉原とつくばの両駅に「TXルーム」が設置され、要人の休憩場所や視察者への説明会場として利用されている。2008年と2010年の行幸啓では天皇・皇后の休憩場所として使用された[108]。
運賃
大人普通旅客運賃(小児半額・端数は1円単位で切り上げ)。2014年4月1日改定。
キロ程 | 運賃(円) | キロ程 | 運賃(円) |
---|---|---|---|
1 - 3 | 165 | 28 - 30 | 669 |
4 - 5 | 206 | 31 - 33 | 720 |
6 - 7 | 247 | 34 - 36 | 772 |
8 - 9 | 288 | 37 - 39 | 822 |
10 - 11 | 329 | 40 - 42 | 874 |
12 - 13 | 370 | 43 - 45 | 926 |
14 - 15 | 411 | 46 - 48 | 977 |
16 - 18 | 463 | 49 - 51 | 1,029 |
19 - 21 | 515 | 52 - 54 | 1,080 |
22 - 24 | 565 | 55 - 57 | 1,131 |
25 - 27 | 617 | 58 - 59 | 1,183 |
開業時の運賃はJR東日本・東海旅客鉄道(JR東海)・西日本旅客鉄道(JR西日本)の幹線の運賃水準を参考として、秋葉原 - つくば間は当時の高速バス運賃よりも若干安くなるように設定された。ただし、つくばエクスプレス開業と同時に高速バスつくば号の運賃も1,150円に改定され、結果的に同額となっていた。2014年4月の消費税率改定に伴う運賃改定の結果、現在はつくば号の方が若干安くなっている。
乗車券
普通乗車券(片道・往復)、回数乗車券(普通・時差・土休日)、定期乗車券(通勤・通学)、団体乗車券(普通・学生)の4券種9区分を取り扱うほか、各駅で入場券を発売している。定期券には磁気券とIC券の2種類ある。ICカードはPASMO・Suicaをはじめとした全国交通系ICカード10種類が利用可能で、すべての自動改札機が2枚投入に対応している。定期券購入には次のクレジットカードも使える(VISA、Master、JCB、AMEX、DINERS、MUFGカード、DCカード、UFJカード、NICOS)。また、身体・知的障害者割引制度がある。なお、パスネットの改札機での利用は2008年3月14日をもって終了した。
連絡運輸
連絡乗車券を設定しているが、普通乗車券については接続鉄道事業者で唯一の株主である関東鉄道の常総線のみとなっている。各駅の切符売り場にはTX線内運賃の横に関東鉄道常総線の乗り継ぎ運賃が記されている。他の他社線については後述の企画乗車券を多数設けて対応している。
企画乗車券
常時発売
- TX&常総ライン往復きっぷ
- TOKYO探索きっぷ
- 筑波山きっぷ
- TX東京メトロパス[31]
- TX&東京スカイツリー周辺散策フリーきっぷ
- つくばエクスプレス秋葉原・新御徒町発なら浅草駅まで、青井 - つくば発なら北千住駅までの往復乗車券と「東京スカイツリー周辺散策フリーきっぷ」「スカイツリーシャトル上野・浅草線一日フリー乗車券」がセットになったもので、東京スカイツリーが開業した2012年5月22日から発売している。また、つくばエクスプレス浅草 - 北千住間も乗り降り自由となっている。
- 発売駅:つくばエクスプレス各駅(浅草駅・南千住駅・北千住駅を除く)
毎年一定期間に発売
- TX!1日乗り放題きっぷ
- 適用区間: 全線
- 毎年夏休み・冬休み・春休みおよびゴールデンウィーク頃の期間につくばエクスプレス各駅で発売、有効期間は発売当日限り。発売額は2014年のゴールデンウィーク分から大人2,380円、小児680円となった[110]。同年3月発売分までは大人2,300円、小児680円で[111]、大人と小児の発売額を合計すると2,980円(298=ツクバ (two ku ba))となっていた。
- 2006年12月22日から2007年1月8日に初めて発売された。この乗車券の発売に伴い、2007年より「新春一日乗車券」(後述)は発売されなくなった。また、「夏休み!1日乗り放題きっぷ」(後述)に代わり、2008年から夏休み期間も「TX!1日乗り放題きっぷ」の名称で発売されるようになった。
発売終了分
- 開業記念一日乗車券
- 新春一日乗車券
- 夏休み!1日乗り放題きっぷ
- 開業2周年記念一日乗車券
イメージキャラクター
シンボルマーク
つくばエクスプレスのロゴマークであるTXは、Tsukuba Expressからきている。
- TとXが弧を描き、交わることによりスピード感や活力を表現している。
- 2つの弧は、沿線住民や利用者にとっての「夢の架け橋」的存在となることを象徴している。
- 東京電力やアサヒビールなどのデザイン開発を行った永井一正によるものである。
沿線
埼玉・千葉両県内の区間や茨城県守谷・つくば両市内はもちろん、開業前には開発の進展が危ぶまれていた守谷以北の快速通過駅でも、みらい平駅前には飯田産業、つくば市役所の新庁舎が完成した研究学園駅前には穴吹工務店や三菱地所による大規模マンションがそれぞれ着工されている。また、すでに流山おおたかの森駅前に高島屋系の東神開発による「流山おおたかの森 S・C」、柏の葉キャンパス駅前に三井不動産による「ららぽーと柏の葉」、研究学園駅近くにダイワハウスによる「iiasつくば」が、八潮・みらい平両駅前にはカスミをキーテナントとするショッピングセンター「フレスポ八潮」「ピアシティみらい平」がオープンするなど、新規開発が行われている。年々、その沿線における不動産価格の増加、高騰が続いており、流山市や守谷市域においては特に顕著である。
開発計画
- 茨城県が整備
-
- みらい平(みらい平駅)
- 田園都市島名(万博記念公園駅)
- UR都市機構が整備
-
- つくばみどりの里(みどりの駅)
- 研究学園葛城(研究学園駅)
- 中根・金田台(つくば駅近郊)
施設・住宅団地など
- 研究学園葛城(研究学園駅)
- 企業のショールームが複数立地している。
- つくばみどりの里(みどりの駅)
-
- つくば市パーク&ライド駐車場
- カスミ みどりの駅前店
- ジェントルヒルみどりの - 高級戸建住宅街
- エクセレントシティつくばみどりの - 64戸
- 田園都市島名(万博記念公園駅)
- みらい平(みらい平駅)
-
- カスミ みらい平駅前店
- とりせん みらい平店(スーパーマーケット)
- センチュリーつくばみらい平 - 660戸(飯田産業)
- みらい平陽光台 - 89戸(セキスイハウス・ダイワハウス工業)
- エコライフガーデン光が丘 - 57戸(パナホーム)
表彰・受賞歴
つくばエクスプレスが受賞した表彰など。
- 2005年(平成17年)
- 2006年(平成18年)
- 1月27日 - 東記念賞(社団法人日本鉄道運転協会)
- 3月6日 - 第16回読者が選ぶネーミング大賞 生活部門2位(日刊工業新聞社)
- 5月26日 - 平成17年度土木学会賞技術賞 21世紀にふさわしいまちづくりと一体的に整備した鉄道新線(社団法人土木学会)
- 10月2日 - つくばエクスプレス列車内無線LAN 平成18年度情報化月間情報処理システム表彰(情報化月間推進会議)
- 10月19日 - いばらきイメージアップ大賞(茨城県)
- 10月24日 - 守谷駅 第51回鉄道建築協会作品部門 国土交通省局長賞(社団法人鉄道建築協会〈国土交通省鉄道局局長〉)
- 10月24日 - 研究学園駅 第51回鉄道建築協会作品賞(社団法人鉄道建築協会)
- 10月24日 - みらい平駅 第51回鉄道建築協会作品賞(社団法人鉄道建築協会)
- 2007年(平成19年)
- 10月12日 - 運転無事故表彰(2005年10月1日から2007年9月30日までの2年間)(国土交通省関東運輸局長)
脚注
注釈
- ↑ 日本第4526931号、第4528643号、第4542177号、第4550991号、第5147374号、第5151391号、第5153431号、第5153432号、第5153433号、第5176639号。
- ↑ 関東運輸局鉄道部の完成検査時プレスリリース[9] による。都市計画法による都市施設(都市高速鉄道)名称も、各都市計画区域ともに「常磐新線」として都市計画決定されている。運輸審議会からの答申があった旨を伝える国土交通省の通知[10] では「つくばエクスプレス線」が用いられているが、運輸審議会の答申[11] 自体には路線名は含まれていない。開業後の官報告示では、「外国人観光客の来訪地域の整備等の促進による国際観光の振興に関する法律」関連告示[12] で「常磐新線」が用いられる一方、首都圏整備法関連告示では開業以前の「つくばエクスプレス(常磐新線)」という併記から「つくばエクスプレス」のみに改められている。正式名称変更の難しさについては鉄道ピクトリアル2007年2月号の105頁で言及されており、鉄道・運輸機構の財務諸表[13] では「常磐新線」が用いられている。また、『鉄道要覧』平成18年度版でも「常磐新線」である。
- ↑ 最高速度については『鉄道に関する技術上の基準を定める省令の解釈基準(2002年3月8日国鉄技第157号)』にて規定されている。
- ↑ 東京メトロ銀座線田原町駅
- ↑ 扇橋は東京都江東区の地名。現在の半蔵門線住吉駅の南方。
- ↑ 常磐新線整備検討委員会のメンバーであったJR東日本は国鉄民営化後の自社の経営に全力を挙げていることを理由に、出資を断った[51]。
- ↑ 建設の主体となる日本鉄道建設公団および大規模な改良事業を行う帝都高速度交通営団に対して、事業費のうち40パーセントを無利子貸付し、地方公共団体から同額の同額の無利子貸付を受けるというもの[52]。
- ↑ 基本計画における島名駅を除いた19か所の駅は、東京側から順に、秋葉原、元浅草、新浅草、南千住、北千住、青井、六町、八潮、三郷中央、南流山、流山運動公園、流山新市街地、柏北部中央、柏北部東、守谷、伊奈谷和原、萱丸、葛城、つくばである[34]。
- ↑ 秋葉原駅・浅草駅発売分は途中下車不可。南千住駅・北千住駅発売分は浅草駅のみ途中下車可能。
出典
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- 三井康壽 『筑波研究学園都市論』 鹿島出版社、2015-05-30。
関連項目
- am/pm→ファミリーマート - 首都圏新都市鉄道がフランチャイズ加盟店となっていて本路線の駅構内に店舗がある。
- 都市軸道路
- 常磐高速バス
- 筑波高速度電気鉄道 - 20世紀初頭にあったほぼ同経路の鉄道路線構想
- つくばみらい市立図書館 - つくばエクスプレスに関する資料を収集
- 沿線の大規模イベント
- つくばマラソン - 各地からの参加者を吸い上げ(ストロー効果)、非常に混雑する。
- かすみがうらマラソン - 日本三大市民マラソン。つくば駅から臨時バスが運行される。
- 土浦全国花火競技大会 - 日本三大花火大会。影響を受ける。
- 浅草サンバカーニバル - 日本最大のサンバカーニバル
- 隅田川花火大会 - 東京三大花火大会
- 第三セクター鉄道
外部リンク
- つくばエクスプレス
- UR都市機構のつくばエクスプレスタウン - 沿線各駅の周辺開発はUR都市機構と自治体の共同開発