紀伊田原駅
紀伊田原駅(きいたはらえき)は、和歌山県東牟婁郡串本町田原にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)紀勢本線(きのくに線)の駅である。
歴史
この駅は1936年12月、国鉄紀勢中線の下里駅から串本駅までの開通と共に開業したが、その約4年後の1940年には江住駅から串本駅・新宮駅から紀伊木本駅(現在の熊野市駅)の開業により紀伊木本駅から和歌山駅(現在の紀和駅)までが紀勢西線とされたため国鉄紀勢西線の駅となった。その後当駅は1959年、今の紀勢本線が全通し亀山駅と和歌山駅(現在の紀和駅)の間が紀勢本線となったのを受け国鉄紀勢本線の駅となり、さらに国鉄分割民営化を経て現在に至っている。
- 1936年(昭和11年)12月11日 - 国鉄紀勢中線の下里駅から串本駅までの延伸にともない開業[1]。
- 1940年(昭和15年)8月8日 - 紀勢西線の江住駅から串本駅、新宮駅から紀伊木本駅(現在の熊野市駅)の開通により紀伊木本駅から和歌山駅(現在の紀和駅)までが紀勢西線とされたため国鉄紀勢西線の駅となる[1]。
- 1959年(昭和34年)7月15日 - 三木里駅 - 新鹿駅間の開通をもって現在の紀勢本線が全通し新たに亀山駅と和歌山駅(現在の紀和駅)の間が紀勢本線となり、当駅も国鉄紀勢本線の駅となる[1]。
- 1985年(昭和60年)3月14日 - 無人化。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により西日本旅客鉄道の駅となる[1]。
駅構造
単式ホーム・島式ホーム混合の2面3線を持ち、単式ホーム(1番のりば)に接して駅舎のある地上駅である。ホーム間の連絡は跨線橋による。
新宮駅管理の無人駅。開業当時からの駅舎が窓がふさがれながらも使用されている。トイレは、男女共用の汲み取り式である。
駅舎内には駅ノートが設置されている。
のりば
のりば | 路線 | 行先 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | W きのくに線 | 串本・紀伊田辺・和歌山方面 | 待避列車は3番のりば |
2・3 | 紀伊勝浦・新宮方面 | 3番のりばは一部列車のみ |
1番のりばが下り本線、2番のりばが上り本線、3番のりばが上下副本線である。
3番のりばは上下線双方向の入線・発車が可能。ごく一時期、朝の通勤・通学時間帯に新宮から送り込み回送され、当駅始発(3番のりばから)の新宮行き普通が運転されていた。事故やトラブル・大雨・落雷などによるダイヤ乱れの場合は3番のりばで列車の折り返しが行われることがある。
近くには田原海水浴場と国民宿舎「あらふね」があり、過去には急行「きのくに」が海水浴客の便宜を図って、夏季に臨時停車していた時期があった。
過去には駅舎正面向かって左手に小型貨車2両程度の貨物ホームがあり、さらに3番線の西側にも貨車留置用の側線があった。貨物ホーム跡の上には現在信号機器室が設置されているが、ホームはそのまま残されており、現役当時を偲ばせている。また、ホーム跡に敷かれていた線路は保線用車両の留置用として使用されていたこともあったが、近年になって3番線西側の側線に敷かれていた線路とともに廃止された。3番線西側の側線跡にはコンクリート製の車止めが現在でも残っている。
駅周辺
この周辺では熊野灘のぎりぎりまでに山が迫るという地形が広がっているがこの駅のある田原集落は田原川がその山を削った田原川河口のわずかばかりの平地に開けている。田原集落は古くからの漁港の集落であり、この駅は田原集落の西の端、あと少しで山という場所に位置していて海まではすこしだが離れている。田原の集落には郵便局、小学校などがある。なおこのあたりのこのあたりの海岸では冬季の早朝に「田原の海霧」とよばれる現象が発生する。それは放射冷却により田原川上流にたまった霧が川を下りながらその量を増して行き暖かい海に出たところで濃くなって表出することによって生まれるもので海面に霧が張って海が白く見えるのである。駅周辺の集落は軽自動車一台程度しか通れないような狭い路地に古びた民家が密集している。
- 田原郵便局
- 串本町立田原小学校
- 木の葉神社
- 田原海水浴場
- 荒船キャンプランド
- 森戸崎
- 佐部温泉
利用状況
年度 | 1日平均 乗車人員 |
---|---|
1998年 | 80 |
1999年 | 76 |
2000年 | 62 |
2001年 | 45 |
2002年 | 40 |
2003年 | 43 |
2004年 | 42 |
2005年 | 37 |
2006年 | 28 |
2007年 | 24 |
2008年 | 23 |
2009年 | 20 |
2010年 | 23 |
2011年 | 18 |
2012年 | 18 |
2013年 | 15 |
2014年 | 13 |
2015年 | 17 |
2016年 | 18 |
その他
- 駅名の読みはきいたはらとされているが地名の田原はたわらと読むのが正しいとされている。附近を通っている国道42号のキロポストの表記は地名の正式な読みにしたがってTawara(たわら)とされている。
- 以前は国道42号から紀伊田原駅への案内表示があったのだが数年前に台風により吹き飛ばされた模様でそれ以来案内表示は設置されていない。
- 過去には入り口に軒があり、その下に旧式表示(右横書き)で「驛原田伊紀」と書かれていた。これは開業当初からのものと思われる。JR化後、その表記の上に「JR紀伊田原駅」の駅名標が掲げられ、旧式表記は駅名標に隠れて見られなくなっていたが、軒が取り払われ駅名標を軒のあった場所より上方に移設した事により、再び「驛原田伊紀」の旧式表記が現れた姿となっている。
隣の駅
脚注
関連項目
外部リンク
- ■ 紀勢本線(新宮 - 和歌山 - 和歌山市)(きのくに線 : 新宮 - 和歌山 W)
- (亀山方面<<)新宮 - 三輪崎 - 紀伊佐野 - 宇久井 - 那智 - 紀伊天満 - 紀伊勝浦 - 湯川 - 太地 - 下里 - 紀伊浦神 - 紀伊田原 - 古座 - 紀伊姫 - 串本 - 紀伊有田 - 田並 - 田子 - 和深 - 江住 - 見老津 - (双子山信号場) - 周参見 - 紀伊日置 - 椿 - 紀伊富田 - 白浜 - 朝来 - 紀伊新庄 - 紀伊田辺 - 芳養 - 南部 - 岩代 - 切目 - 印南 - 稲原 - 和佐 - 道成寺 - 御坊 - 紀伊内原 - 紀伊由良 - 広川ビーチ - 湯浅 - 藤並 - 紀伊宮原 - 箕島 - 初島 - 下津 - 加茂郷 - 冷水浦 - 海南 - 黒江 - 紀三井寺 - 宮前 - 和歌山(>>天王寺方面) - 紀和 - 和歌山市