瀬戸内運輸
瀬戸内運輸株式会社(せとうちうんゆ)は、愛媛県東予地区を中心に路線バス・観光貸切バスを運行するバス会社である。通称は「せとうちバス」で、バス車体にも記されている。
概要
愛媛県東予地方を主たる営業エリアに、路線バス・貸切バスの運行事業などを営んでいる。路線バス部門は、東予地方を中心に、西は松山市、東は四国中央市まで路線網を拡げている。高速バスは東予地区と東京、関西(大阪市・神戸市)、広島(広島市・福山市)、福岡県(福岡市・北九州市)を結ぶ路線を運行する。保有車両台数は瀬戸内運輸本社だけでも188両(路線車115両・貸切車73両)[1]、地域子会社としてバス事業を営む瀬戸内海交通、せとうち周桑バスの2社も加えれば238両(路線車153両・貸切車85両)を数える[1][2]、県内有数の観光バス事業者でもある。
本社は今治桟橋にある。また、バス事業だけでなく物販事業や、子会社を通じて貨物輸送、車両整備、タクシーなどの事業を展開している。
歴史
前身は瀬戸内商船という広島県尾道市に本社を置く海運・船舶会社で、今治〜尾道間や多度津〜広島間など瀬戸内海で多くの航路を開設し運行を行なっていた。バス事業は1919年に多度津港〜多度津駅を結ぶバス路線を開設したことが始まりである。
昭和初期には、瀬戸内商船の他、昭和自動車(1927年設立)や文化自動車(1928年設立)・今治自動車(1920年設立)・今治市営バス(1931年設立)などがバス路線を開設し今治市内ではバス事業者が乱立していた。しかし、戦時下で統制が行なわれる中で陸上交通事業調整法などの制定によりバス事業の統合が行なわれる中で、瀬戸内商船が母体となる瀬戸内運輸が統合主体となり東予地域のバス事業者を統合した。また、海務院の指導により100トン未満の船舶統合が行なわれるようになり、これに伴って瀬戸内商船も所有船舶を広島県汽船(瀬戸内海汽船の前身)・東海汽船に現物出資し、尾道〜今治間の貨物船舶事業(1975年に撤退)以外から撤退した。これによりバス事業者へと事業を転身した。
戦後も東予地域においてバス路線を拡大した。1950年に伊予鉄道(現 伊予鉄バス)と協定を結び今治市と松山市・新居浜市や新居浜市と松山市を結ぶ急行バスなどの運行を開始した他、1964年には伊予鉄道・琴平参宮電鉄と共同で四国急行バス(1977年に解散)を設立し松山市と高松市を結ぶバス路線の運行を開始した。
1957年には地元自治体と共同で大三島観光交通(現在の瀬戸内海交通)を設立し大三島など芸予諸島にバス路線を開設した他、1965年には新居浜市営バス(新居浜市公営企業局交通課)、1968年には別子山村営バスから路線譲渡を受けた。
1970年代に入り、モータリゼーションが進む中でバスの利用者は大きく減少した。自家用車の普及が渋滞招き、バスの運行速度を低下さらにバスの利用者離れを招いた。1965年に約3,300万人だった輸送人員は、1980年には約1,100万人にまで激減した。[3]
厳しい経営環境の中、伊予鉄道から出資を受けた他、バス路線の縮小や営業所の統合、バスのワンマン化や周桑地域のバス路線を新たに設立したせとうち周桑バスへ移管するなどのコスト削減が行なわれた。一方、1989年に東京〜今治間を結ぶパイレーツ号、1999年には広島・尾道・福山〜今治を結ぶしまなみライナー(尾道線は2005年廃止)、2000年に大阪・神戸〜今治を結ぶいしづちライナーといった都市間高速バス路線が新たに開設されている。
沿革
- 1916年11月 - 広島県尾道市に「瀬戸内商船株式会社」設立。
- 1919年9月 - 多度津港〜多度津駅間の連絡バスの運行開始。
- 1924年12月 - 今治港〜今治駅間の連絡バスの運行開始。
- 1942年7月 - 戦時統合令に基づき、所有定期旅客船を広島県汽船・東海汽船へ現物出資。尾道〜今治港間の鉄道連帯貨物の船舶輸送開始。
- 1943年6月 - 東予地区のバス事業者を買収・吸収合併により統合し、海運業からバス事業へ事業を転換。商号を「瀬戸内運輸株式会社」に改称、本社を愛媛県今治市に移転。
- 1945年4月 - 広島県汽船などが合併し瀬戸内海汽船が設立され、瀬戸内運輸社長であった野間信凞が副社長に就任する(1962年まで)。
- 1946年 - 企業再建整備法に基づく、特別経理会社に指定される。
- 1949年
- 10月 - 東予自動車整備工場を吸収合併。
- 11月 - 西条営業所を開設。
- 1950年6月 - 一般貸切旅客自動車運送業認可。
- 1951年1月 - 小松営業所を開設。
- 1952年4月 - 瀬戸内タクシー株式会社を設立。
- 1956年1月 - 本社屋が新築落成。
- 1957年9月 - 大三島観光交通株式会社(現:瀬戸内海交通)設立。
- 1958年10月 - 小松営業所・壬生川出張所を統合し、周桑営業所を新設。
- 1959年12月 - 国鉄バスとの相互乗り入れ協定により新居浜〜阿波池田間の運行が始まり、定期路線が徳島県まで延長[4]。
- 1960年2月 - 松山みどりタクシー(現:瀬戸内タクシー有限会社)を買収。
- 1961年
- 1962年10月 - 川之江営業所を新設。
- 1964年3月 - 伊予鉄道・琴平参宮電鉄と共同出資で四国急行バス株式会社を設立[6]。
- 1965年10月 - 新居浜市営バスから路線譲渡を受ける。
- 1966年8月 - 石鎚登山ロープウェイ株式会社設立。
- 1968年3月 - 別子山村営バスを譲受。
- 1969年3月 - 乗合バスのワンマン運行開始。
- 1970年10月 - 貨物自動車運送業の区域を拡大し、長距離トラックの運行開始。
- 1973年5月 - 今治センター(後の今治高島屋)の株式約55%を取得し、子会社化。
- 1974年12月 - 協同組合瀬戸内事務センター設立[7]。
- 1975年
- 2月 - 東京事務所を開設。
- 12月 - 国鉄の貨物輸送営業政策変更により鉄道連帯貨物の船舶輸送事業から撤退。
- 1976年4月 - 尾道出張所の貨物輸送事業を博運社に譲渡し、尾道出張所を閉鎖。
- 1977年
- 2月 - 四国急行バスが解散。
- 3月 - 貨物自動車運送事業を分離し、瀬戸内貨物株式会社(現:株式会社せとうち総業)設立。
- 1981年 - 乗合バスのワンマン化が完了[8]。
- 1984年
- 1985年2月 - 今治高島屋が解散。
- 1987年10月 - シャディせとうち(現:シャディサラダ館小松店)オープン[10]。
- 1988年8月 - 株式会社せとうち整備今治を設立。
- 1989年
- 7月 - パイレーツ号(今治〜東京間)の運行を開始。
- 8月 - せとうち周桑バス株式会社を設立。
- 1995年7月 - 新居浜整備工場を分離し、株式会社せとうち整備新居浜を設立。
- 1999年5月 - しまなみライナー(今治〜広島、福山、尾道間)運行開始。
- 2000年9月 - いしづちライナー(今治〜大阪・神戸間)運行開始。
- 2001年
- 6月 - 広島営業所を開設。
- 10月 - 菊間営業所を廃止[11]。
- 2005年6月 - しまなみライナー尾道線を廃止。
- 2010年4月 - 阿波池田線の七田〜阿波池田駅間廃止に伴い(同時に七田線に名称変更)、徳島県の路線バスから撤退。別子山線と余木崎線全線も廃止。
- 2017年
- 9月 – 新宮〜天日間廃止。
- 11月 - シャディサラダ館小松店が閉店。
- 2018年
- 2月 - 本社を今治市片原町から今治市東門町に移転[12]。
- 3月 - 道後エクスプレスふくおか(松山・今治~北九州・福岡間)の運行に参入[13]。
営業所
- 今治営業所
- 愛媛県今治市東門町二丁目 隣接停留所も同名称。
- 周桑営業所
- 愛媛県西条市小松町新屋敷 隣接停留所も同名称。乗車券発売所がある。
- 新居浜営業所
- 愛媛県新居浜市新田町二丁目 隣接停留所も同名。かつては住友別子病院への最寄り停留所だった事もあり、長らく停留所名は「住友病院前」とされ、住友病院前終着のバスは営業所敷地内での降車になっていた。同病院が建て替えられた際に、病院敷地内にバスの乗り入れが可能なロータリーが設けられ2018年3月20日より運用開始した事で「住友病院前」停留所が「住友別子病院」停留所に改称の上で病院敷地内に移転し、旧停留所が新たに営業所名である「新居浜営業所」と改称され、特急松山線の停車及び神戸・大阪行き、東京行きの各高速バスの客扱機能はそのまま「新居浜営業所」停留所が受け持っている。待合所があり、乗車券類は敷地内にある「せとうち観光社」で瀬戸内運輸発行のほぼ全種類の乗車券を扱う。新居浜営業所事務所でも高速バスと区間式回数券・組み合わせ回数券など一部券種の購入が可能[14]。夜間はほぼ中型路線車のみが停泊している。[15]
- 多喜浜営業所[16]
- 愛媛県新居浜市多喜浜二丁目 隣接停留所を持たない。「せとうち整備新居浜」敷地内にある。観光車・大型車・中型路線車が夜間停泊する。[17]
- 川之江営業所
- 愛媛県四国中央市川之江町 最寄り停留所も同名称で、車庫敷地内にある。待合所と乗車券発売所がある。
- 広島営業所
- 広島県東広島市黒瀬町楢原 観光バス専業の営業所。
廃止された営業所など
- 西条車庫(出張所) 停留所名「西条車庫前」
- 停留所名は「西条済生会病院前」停留所に変更。跡地は同院の駐車場となった。
- 小松営業所
- 周桑営業所への統合移転後も、バスターミナルは残っている。停留所名は「小松町役場前」を経て「小松総合支所前」[18]に変更。
- 壬生川車庫
- 周桑営業所への統合移転後も、しばらくバスターミナルは残っていた(停留所名「壬生川」)が、現在は停留所自体が廃止されている。現在のそごうマート三津屋店の場所にあった。
- 菊間営業所
- 現在は「菊間」停留所。
- 土居車庫
- まるがめボート無料送迎バスのかつての停留所に「旧土居車庫前」の記載が残っていたが、詳細は不明。
路線
高速バス
詳細は、公式サイトを参照。
パイレーツ号
共同運行会社:(2015年9月30日までは京浜急行バス、2016年4月15日からは東急トランセ)
- 運行区間
- 渋谷マークシティ - 二子玉川ライズ - 新居浜 - 今治国際ホテル - 今治桟橋(今治港)
- 路線沿革
- 1989年7月14日 - 品川BT・浜松町BT発着で運行開始。当初は京浜急行電鉄(当時)との共同運行だった。
- 1997年7月19日 - 今治国際ホテル経由に変更。
- 2005年12月1日 - 東京側の運行会社を京浜急行バスから京急観光バスへ移管。
- 2008年3月16日 - 京急観光バスの会社清算に伴い、東京側の運行会社を京浜急行バスへ再移管。
- 2008年7月16日 - 走行ルートを新名神高速道路経由に変更、上下便とも出発時刻を20分繰り下げるダイヤ改正を実施。
- 2015年10月1日 - 運行会社が瀬戸内運輸のみとなる(但し、京浜急行バスは、東京側の運行支援は継続)。
- 2016年4月15日 - 東急トランセが共同運行に参入し、東京側の終点を渋谷マークシティに変更(二子玉川ライズ経由。品川と浜松町は廃止)。同時に運賃改定[19][20]、京浜急行バス側の運行支援も終了。
いしづちライナー
共同運行会社:阪神バス
しまなみライナー
道後エクスプレスふくおか
主な一般路線バス
中距離系統
概ね特急系と営業所間をまたぐもの。
- 特急大三島(宮浦港) - 今治桟橋 - 今治駅前 - 松山市駅 (今治営業所担当)
- しまなみ海道開通前は今治-松山間を終日30分間隔で運行していた時代もあった。
- 今治-大三島間は子会社の瀬戸内海交通が急行便を運行している。
- 伊予鉄バスとの共同運行路線であったが、同社は2006年9月30日を以て路線を廃止、瀬戸内運輸単独運行となった。
- 2006年10月1日今治駅-松山市駅1,000円などに値下げ。また旧北条市内の経路をバイパス経由に変更。
- 2008年10月1日より、国道196号(菊間・北条経由)から国道317号(玉川経由)に経路変更。
- 経路変更時は松山宮浦港間3往復のみであったが、増発や区間便の設定が毎年行われ、2013年8月1日現在、大三島-松山間が1日4往復、他に7往復今治-松山の区間便が設定されている。前述の急行便をあわせ、大三島-今治間は20往復(学校長期休業時を除く平日)となる。
- 車両は、ハイデッカーの高速・観光仕様車が運用に就く。
- 特急新居浜駅 - 新居浜営業所前 - 西条駅前 - 小松総合支所前 - 川内 - 四国がんセンター - 松山市駅 - JR松山駅
- 今治営業所 - 今治桟橋 - 今治駅前 - 河原津 - 小松総合支所前 - 西条駅前 - 住友病院前 - 新居浜駅 (主に周桑営業所担当)
- かつては急行便として走っていたが今は各停。
- 2013年10月1日より、(新居浜)市役所前 - イオンモール間の経路を昭和通りから平和通り経由に変更。新たに西高入口・十全病院南口停留所が新設される。この経路変更により、新居浜駅より十全総合病院へ直接アクセスできるようになった。また、営業キロが変更になることに伴い、一部区間で運賃値下げとなった。
- 一般路線車を使うものではせとうちバスで最長路線でもあることから、新車が投入されることが多い路線でもある。
- 今治営業所 - 今治桟橋 - 今治駅前 - 志々満原 - クアハウス今治 - 三芳 - 小松総合支所前
- 周桑営業所 - 小松総合支所前 - 西条駅前 - 住友病院前 - 新居浜駅 - マイントピア別子
- 平日・土曜のみ運行。日曜・祝日は代わりに住友病院前 - マイントピア別子の区間便を運行。
- 2013年10月1日より、一部便が愛媛労災病院経由となる。この経路変更により、新居浜駅から愛媛労災病院に直接アクセスできるようになった。
- 住友病院前 - 新居浜駅 - 土居 - 三島 - 川之江営業所 (新居浜営業所と川之江営業所が担当)
今治市周辺
- 今治営業所 - 今治桟橋 - 今治駅前 - 波止浜 - 波方港北 - 西浦 - 小部 - 波止浜 - 今治駅前 - 今治桟橋 - 今治営業所
- 今治営業所 - 今治桟橋 - 今治駅前 - 波止浜 - 小部 - 西浦 - 波方港北 - 波止浜 - 今治駅前 - 今治桟橋 - 今治営業所
- 「渡し場」経由(系統番号⑤)、郷山経由(系統番号③)がある。
- 今治営業所 - 今治桟橋 - 今治駅前 - 阿方 - 大西 - 星之浦海浜公園 -亀岡 - 太陽石油前 - 菊間
- 今治営業所 - 今治桟橋 - 今治駅前 - 近見 - 小浦 - 展望台入口 - 大浜南 - 今治駅前 - 今治桟橋 - 今治営業所
- 今治営業所 - 今治桟橋 - 今治駅前 - 馬越 - イオンモール今治新都市 - 玉川支所 - 鈍川温泉 - 神子森
- 今治営業所 - 今治桟橋 - 今治駅前 - 馬越 - イオンモール今治新都市 - 玉川支所 - 竜岡 - 木地口 - 葛谷
- 今治営業所 - 今治桟橋 - 今治駅前 - 立花 - 中寺 - 下朝倉 - 朝倉支所 - 上朝倉(浅地口)
- (②桜井団地循環)今治桟橋 - 今治駅前 - 馬越 - 桜井団地 - 唐子台口 - 済生会病院前 - フジグラン前 - 今治営業所 - 今治駅前 - 今治桟橋
- (①唐子台循環)今治桟橋 - 今治駅前 - 今治営業所 - フジグラン前 - 済生会病院前 - 唐子台口 - 桜井団地 - 馬越 - 今治駅前 - 今治桟橋
- (シャトルバス)今治桟橋 - 今治駅前 - 岡山理大今治キャンパス - しまなみヒルズ - イオンモール今治新都市
- 一部便のみ、岡山理科大学・しまなみヒルズを経由。
新居浜市・西条市周辺
- 西条済生会病院前 - 西条駅前 - 石鎚ロープウェイ前 - 西之川
- 住友病院前 - 新居浜駅 - 中萩駅前 - 西条駅前 - 西条済生会病院前
- 広瀬公園 - 西之土居 - 住友病院前 - 十全総合病院前 - 労災病院 - 垣生 - 多喜浜駅
- 住友病院前 - 多喜浜駅の区間便あり。
- 住友病院前 - 十全総合病院前 - 新居浜駅 - 平形 - 多喜浜駅 - 黒島
- 住友病院前 - 労災病院(一部便) - 新居浜駅 - 山根グラウンド - マイントピア別子
- 平日は周桑営業所から同区間に直通する便もある(上記参照)。
- 山根グラウンド止まりの便あり。
- 新居浜駅 - イオンモール新居浜(シャトルバス) (新居浜営業所担当)
- 直行便で、運賃は片道210円である。昭和通り・平和通りを経由する一般路線バスの両停留所間の運賃250円に比べ割安。
- 2007年4月1日より土曜・日曜・祝日のみの運行、さらに2012年以降は日曜・祝日のみの運行となった。平日および土曜日は上記の住友病院前行など、同モールを経由する路線バスの利用となる。
新居浜太鼓台祭りシャトルバス
2007年の新居浜太鼓台祭りにおいて、「西条まつり・新居浜太鼓祭り観光ブランド化推進実行委員会」による無料シャトルバスが運行され、新居浜営業所が運行を担当した。運行経路は次の通り。
- 新居浜駅前 - 市営球場 国領川河川敷 川西・川東・川東西部地区統一かきくらべ会場
- 通常路線バスの直通系統が無く、元塚で乗換となる区間を直通で結んだ。
- 新居浜駅南口 - 山根浄水場(マイントピア線臨時山根グラウンドと同一箇所)山根グラウンド上部地区統一かきくらべ会場
- 祭り見学時間帯に有効な路線バスが極少だった区間を補完した。通常バスが発着しない新居浜駅南口を活用し、楠中央通りを避けたことで、見物客のマイカーや移動する太鼓台による渋滞を極力回避したことが特徴。
四国中央市周辺
※JR四国バス川池線代替バス(新宮 - 霧の森間除く)
フリー乗降バス
山間部・閑散部を中心に、フリー乗降区間を有する路線がある。ホームページには明示されていない。該当する路線は車内放送で案内がある。
- マイントピア別子線 山根グラウンド - マイントピア別子間
- 新宮・霧の森線 三角寺口 - 新宮 - 霧の森間
オレンジフェリー連絡バス
路線乗合バスを大阪南港-東予港間のオレンジフェリーに接続する連絡バス(貸切)併用として運行している便がある。東予港での乗降客は運賃無料、それ以外の停留所相互間の利用者は一般路線バス同様運賃を支払って利用できる。東予港ゆきは予約不要だが、今治・新居浜ゆきは大阪南港乗船券発券所か船内の案内所で乗車整理券を受け取る必要があり、整理券がない場合は乗車できないこともある[23]。次の3路線が運行されている[24]。
- 新居浜・西条方面
- 新居浜駅 - 住友病院前 - 西条駅前 - 小松総合支所前 - 東予港
- 東予港行は新居浜・西条方面から小松方面への最終便を兼ねる。停留所名は「東予港」だが方向幕は「オレンジフェリー」を表示する。同区間のせとうちバスの各停留所に停車する。
- 東予港→住友病院前→新居浜駅(直行・新居浜行のみ運行)
- 途中住友病院前のみ停車。住友病院前・新居浜駅ともに上記便よりも早く到着する。。
- 新居浜駅 - 住友病院前 - 西条駅前 - 小松総合支所前 - 東予港
- 今治方面
- 今治営業所 - 今治桟橋 - 今治駅前 - 桜井 - 河原津 - 壬生川駅 - 東予港
- 同区間のせとうちバスの各停留所に停車する。
- 今治営業所 - 今治桟橋 - 今治駅前 - 桜井 - 河原津 - 壬生川駅 - 東予港
車両は路線用の中型車(中乗り・前降り)のほか、特急バス用車両も使用される。また、繁忙期にはオレンジフェリーが独自でワゴン車を出し、今治桟橋 - 東予港で直通運行するなどの対応がとられる。路線バス併用という特徴上、バスもしくはフェリーが遅延した場合も、接続するフェリー・バスは定刻に出発する。
定期路線バス併用の接続バス以外に、壬生川駅ゆき直行便も瀬戸内運輸が運行している。こちらもフェリー客は運賃無料で、着岸時と船内滞留時間終了時刻である7時の2回運行される。この路線は、船内発行の整理券なしで利用できる。なお東予港から新居浜市内主要停留所経由の新居浜東港ゆきバスがかつて運行されていたが、現在は運行されていない。
かつて運行していたバス路線
- しまなみライナー(新尾道駅 - 今治桟橋)
- 瀬戸内しまなみリーディング・中国バス・本四バス開発と共同運行していた。廃止後は因島大橋での乗り換えを呼びかけている。また、今治・尾道間の乗り継ぎ乗車券も販売されている。
- 七田 - 佐野 - 阿波池田駅 七田 - 佐野は代替バス路線無しで、佐野 - 阿波池田駅は三好市営バスが代替路線
- 新宮 - 天日 四国交通からの移管区間だった。四国中央市福祉バスが代替路線(四国交通も参照)
- 川之江営業所 - 三島駅前 - 富郷 - 別子橋 - 別子山支所(新居浜市役所別子山支所前)
- 川之江営業所 - 川之江駅 - 余木 - 鳥越(余木崎線)
- 新居浜東港 → 新居浜駅 → 住友病院前 フェリー連絡バスだが運賃有料だった。オレンジフェリー大阪航路が新居浜東港を経由しなくなったため廃止。
- 今治陸地部観光周遊バス「高虎号」
- 2006年4月より運行を開始した。今治城を築城した藤堂高虎が名前の由来である。日曜日のみ1日5便を運行している(12月から2月は運行休止)。車椅子のほか、自転車の搭載が可能である。乗車券は1日乗り放題で大人1人500円、当日中に限り今治市内の指定された路線・区間の一般路線バスに片道1回乗車可能である。ルートは以下の循環系統である。以前は、土日祝日運行していたが2010年4月より日曜のみとなった他、経由地が変更(野間馬ハイランド・来島海峡展望館への経由中止)となった。2013年度に「しまなみ海道彩りバスツアー」が開始することなり運行終了。
- 島嶼部観光周遊バス「鶴姫号」
- 2010年より運行を開始した。日曜日・祝日に1日1便を運行している(12月から3月は運行休止)。自転車の搭載が可能である。ハイデッカー車両で運行され、車体には来島海峡大橋や大山祇神社などの絵が描かれている。また、地域のボランティアによるガイドも行われている。2011年よりこれまでの日曜日に加え祝日も運行を開始した他、今治桟橋・今治国際ホテルへの経由が中止となった。2013年度に「しまなみ海道彩りバスツアー」が開始することなり運行終了。
- 今治駅→亀老山展望公園→潮流船乗り場(村上水軍博物館)→マリンオアシスはかた→鶏小島キャンプ場→道の駅今治市多々羅しまなみ公園→大山祇神社→道の駅今治市多々羅しまなみ公園→今治駅
運賃割引制度
回数券
- 一般路線用
- 組み合わせ回数券
- 1冊2000円で2200円分の金額券がつづられており、車内販売も行っている。高速バスでは利用できないが、瀬戸内海交通の大三島 - 今治線、せとうち周桑バスでも利用できる。有効期限はない。
- 金額式回数券
- 10枚分の値段で11枚つづり。有効期限はない。50円券から690円券まで発売。
- 区間式回数券
- 普通運賃710円以上の区間で、区間を指定して発売される。
- 710円以上1,000円以下の区間は、6枚分の運賃で5枚つづり。有効期限はない。
- 1,010円以上の区間は4枚つづりで普通運賃の2割引。有効期限なし。途中下車前途無効。
- 新居浜 - 松山特急線の区間式回数券は、伊予鉄バス運行便でも共通利用できる。伊予鉄バスも発売しており、共通使用が可能だが、伊予鉄バス発行分は有効期限が発行日から3ヶ月となっている。[25]
- 往復乗車券
- 普通運賃710円以上の区間で、区間を指定して発売される。1000円までの区間は1割引き。1010円以上の区間は1.5割引。
- 高速路線バス専用回数券
- 広島線、福山線、神戸・大阪線は4枚つづりで共同運行会社と共通利用可能。
- 東京線は2枚つづりと4枚つづりがあり、共同運行会社と共通利用可能。6か月有効。
- 広島線、福山線には往復割引乗車券があるが、神戸・大阪線と東京線にはない。
障害者割引
- 身体障害者、知的障害者、精神障害者とも手帳提示で割引あり(精神は高速バスを除く)。組み合わせ回数券は利用可能。
車両
路線車
- 三菱ふそう車・日野車
- 一部の路線・便を除き運行車両を中型車に統一。1998年には愛媛県内のトップを切ってワンステップバス導入を実施した。西条市中心部から石鎚山へのアクセス路線には、観光タイプと同じ足回りを持つエアサス車および9mの観光タイプ車両の三菱ふそうエアロエースショートタイプを充当し他の一般路線との差別化を図っている。また、自社発注の中型車両は、セミハイバックシートが標準装備となっている。一部路線でリフト付きマイクロバスによる運行もある。車両は、三菱ふそうエアロミディと日野レインボー、そしてワンステップバスは三菱ふそうエアロミディと日野レインボーII(J-BUS)を導入している。ノンステップバスの導入はなかったが2017年には東京線の夜行高速バスの共同運行を始めた縁で、今治営業所と新居浜営業所に東急バスから三菱ふそうエアロミディのノンステップバスが中古導入された。また、阪神バスの移籍車(日野レインボー)も在籍している。ハイバックシートでなく、メモリブザーも阪神バス時代のものを使用している。
- 大型車は全車移籍車で、かつては宇野自動車からの移籍車が在籍していたが、2000年代で除籍した。2017年現在は阪神バスからの移籍車日野ブルーリボンシティが今治営業所、周桑営業所、新居浜営業所に3台在籍している。
- 特急便(大三島線・新居浜松山特急線・今治松山線)には、エアロバス(トイレなし)を中心に運用される。オレンジフェリー連絡バスなど他路線の運用に入ることもある。今治営業所では元阪神バスの西日本車体工業製車体のバスも運用されている。
- ワンステップ車両の比率は高いが、車椅子に乗ったまま乗車できる車両は車椅子マークのある車両に限られる。これ以外の車両は、ワンステップバスであっても、準ワンロマ仕様で車椅子搭載スペースやスロープの設備がない。
- 古くは特急路線で日産ディーゼル(現在のUDトラックス)車の運用も見られたが、1990年代までに廃車されている。
高速車
- 三菱ふそう車・日野車
特急車
- 三菱ふそう車
- エアロバス/エアロエース(トイレなし)ほぼ高速車塗装車に統一されているが、貸切の旧デザイン塗装車も走っている。
貸切車
- 三菱ふそう車
大型車両は三菱ふそう・エアロクイーン(スーパーハイデッカー)またはエアロバス/エアロエース(ハイデッカー) で統一されている。新デザインの塗装を施したエアロクイーンには「SETOUCHI QUEEN」の愛称がつけられ車体側面に記されている。またエアロエースには「SETOUCHI BUS」と車体側面に記されている。中型車両は三菱ふそうエアロエースショートタイプ、小型車両はマイクロバスの三菱ローザがある。
その他
- JR伊予西条駅前に位置する停留所名は、旧国名を省略して「西条駅前」と呼称されている[26]。
- 行先表示装置は、路線バス・高速バスいずれも幕式と近年導入された車両を中心にLED式のものが共存する。側面行先表示器の設置がなくサボを使う車両もある。
- 放送装置は、8トラックと合成音声式が混在しているが、順次合成音声式に置き換えられている。
関連会社
関連子会社として9社を擁する。
- 瀬戸内海交通
- せとうち周桑バス
- 石鎚登山ロープウェイ
- せとうち整備今治
- せとうち整備新居浜
- せとうち観光社
- せとうち総業
- 瀬戸内タクシー(株)(今治市)
- 瀬戸内タクシー(有)(松山市) - 瀬戸内タクシー株式会社とは「瀬戸内タクシー」という社名や車両保有数(26台)まで同じであるが、全くの別会社。
かつて存在した主な会社
- かつて今治市に、髙島屋(大阪)が瀬戸内運輸と共同で「せとうち髙島屋」(のちに今治髙島屋と改称)を開店したが、売上低迷により閉店。閉店後、「髙島屋前」バス停は「今治バスセンター」に改称された。なお、跡地は駐車場となっている。
脚注
- ↑ 1.0 1.1 瀬戸内運輸株式会社 2011年度(第136期)有価証券報告書。
- ↑ このうち瀬戸内海交通が37両(路線車31両・貸切車6両)、せとうち周桑バスが13両(路線車7両・貸切車6両)を保有している。
- ↑ 愛媛県地史誌Ⅰ(総論) - えひめの記憶(2012年5月20日閲覧)
- ↑ 瀬戸内運輸 - 生涯学習情報提供システム、2016年9月24日閲覧。
- ↑ 瀬戸内運輸(1993年)『瀬戸内運輸50年の歩み』、315頁
- ↑ BJエディターズ(1996年)『バスジャパンガイドブック⑩ 瀬戸内運輸』、30頁
- ↑ 瀬戸内運輸(1993年)『瀬戸内運輸50年の歩み』、322頁
- ↑ BJエディターズ(1996年)『バスジャパンガイドブック⑩ 瀬戸内運輸』、32頁
- ↑ 瀬戸内運輸(1993年)『瀬戸内運輸50年の歩み』、327頁
- ↑ 瀬戸内運輸(1993年)『瀬戸内運輸50年の歩み』、209頁
- ↑ 菊間町(2004年)『菊間町誌(続編)』、417ページ。
- ↑ 瀬戸内運輸株式会社 2017年度(第142期中)半期報告書
- ↑ 高速乗合バス松山福岡線「道後エクスプレスふくおか号」 今治市内停留所新設と弊社共同運行参入について(pdf) - 瀬戸内運輸株式会社
- ↑ せとうち観光社は第2・4土曜日と日曜・祝日が定休日だが、営業所ではせとうち観光社の定休日も発券を行っており補完関係にある。
- ↑ 新居浜特急線用エアロバスが中間入庫するものの、夜間は多喜浜営業所に入庫している。
- ↑ ゼンリン住宅地図 STARMAP愛媛県新居浜市
- ↑ 新居浜松山特急線で、17時台に始発地を出発するバスは、ともに共同運行相手先の営業所に入庫し仮眠後、翌日の8時台出発便となる。具体的には、JR松山駅17:20発新居浜駅前行(伊予鉄バス運行便)は、新居浜駅到着後多喜浜営業所に入庫、翌日新居浜駅前8:20発のJR松山駅行として折り返す。
- ↑ 西条市小松総合支所
- ↑ 今治〜東京(渋谷・二子玉川)線を、4月15日から運行開始します - せとうちバス 2016年3月14日
- ↑ 渋谷マークシティ・二子玉川ライズ・楽天クリムゾンハウス - 三島・川之江IC・新居浜営業所・西条登道・壬生川駅前・今治(国際ホテル・今治桟橋) - 東急バス 2016年4月15日
- ↑ 伊予鉄バス川内線他と、せとうちバス各線の一般路線の停留所を併用するが、停車しない停留所がある。なお、特急料金は不要。
- ↑ 特急新居浜 - 松山線、新居浜 - 今治線、マイントピア別子 - 周桑営業所線およびパイレーツ号、いしづちライナー号は、住友病院前 - 西条済生会病院前間は産業道路を経由する。
- ↑ 四国オレンジフェリー船内の掲示。
- ↑ オレンジフェリーホームページ|アクセスより。
- ↑ せとうちバス公式ホームページ「新居浜松山特急線」時刻表ページより。なお、定期券は、発行会社のバスのみ利用できる。
- ↑ 西条駅は、広島県に存在する。
参考文献
- バスジャパンハンドブックシリーズ10『瀬戸内運輸』(1996年)、BJエディターズ
- 瀬戸内運輸 有価証券報告書(第135期)
- 三 瀬戸内運輸 - 生涯学習情報提供システム<愛媛の記憶>、2013年7月30日閲覧。