朝霞市
朝霞市(あさかし)は、埼玉県南部、武蔵野台地の中北端にある人口約13万9千人の市。人口は三郷市に次ぐ県内17位。
Contents
地理
地形は大きく荒川低地と武蔵野台地に分けられる。その高低差は約40mである。
市北東部のさいたま市との市境(上内間木)を荒川が、それよりも多少西側を新河岸川が南東に向かって流れる。中央部の黒目川の流れは初めは北向き、やがて弧を描くように東に向きを変える。南東部の広沢の池(市立図書館に程近い)から発する越戸川が、東部の和光市との市境付近を北に向かって流れている。上内間木の一部は荒川左岸に突き出ており、さいたま市と陸続きになっている。その突出部で鴨川が荒川に合流し、合流部のすぐ下流側に武蔵野線の荒川橋梁が架かっている。
隣接自治体・行政区
- 東京都
- 埼玉県
- さいたま市(桜区・南区) - 北東に隣接。当市とは荒川を挟み、当市から直通できる道路はなく(上内間木の一部(荒川左岸)からは桜区、南区共に直通できる)、埼玉県道79号朝霞蕨線等で志木市に入ってから同線の秋ヶ瀬橋を渡って桜区に入るか、国道254号(川越街道、和光富士見バイパス)、埼玉県道109号新座和光線(旧川越街道)等で和光市に入ってから東京外環自動車道又は国道298号の幸魂大橋を渡って戸田市に入り、更に進む等して南区に入る必要がある。鉄道では、JR武蔵野線で桜区に直通できる。
- 戸田市 - 当市とは荒川を挟んで東に隣接する。道路では、当市からは一旦和光市に入り幸魂大橋を渡る必要があり、上内間木の一部(荒川左岸)からは一旦さいたま市南区堤外に入る必要がある。また、鉄道では武蔵野線で武蔵浦和駅まで行って埼京線に乗り換える必要がある(戸田市内に北戸田駅、戸田駅、戸田公園駅が所在。但し、一部地域は市外の駅が最寄り駅となっており、中には埼京線以外の路線の駅が最寄り駅となっている地域もある)。
- 志木市 - 北西に隣接する。
- 新座市 - 西に隣接する。
- 和光市 - 南東に隣接する。
人口
朝霞市(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
東京のベッドタウンとして人口は増加傾向である。
地名の由来
当市中心部はかつて、膝折宿という川越街道の宿場町であった。地名の由来は、ある武士の馬がこの付近で足を骨折したためといわれている[1]。
1932年(昭和7年)、東京府荏原郡駒沢町(現在の東京都世田谷区・駒沢オリンピック公園[2])にあった東京ゴルフ倶楽部が当地に移転[3]して来た。また同時期に町制が施行された。その際、倶楽部の名誉総裁で、当時の皇族であった朝香宮鳩彦王(あさかのみや やすひこおう)にちなんで、町制施行と同時に倶楽部の許可のもとに[4]「朝霞町」と改名された。この時、朝香という宮号をそのまま使用するのは畏れ多いということで、一字変えて朝霞となった[1]。
朝霞は瑞祥地名で、改名理由は「膝折」という名前自体に縁起が悪いという印象があったため[1]。東武東上線の朝霞駅も元は膝折という名前だったが1932年の町制施行時に改称。
歴史
- 膝折宿という名称は、1478年(文明10年)に太田道灌が膝折宿に着陣した所として、「太田道灌書状写」松平文庫所蔵文書に記述がある。
- 膝折宿が川越街道の第4の宿場とされ、栄える。
- 江戸時代頃から、伸銅工業が盛んになる。
- 1871年(明治4年)11月14日 (旧暦) - 浦和県・忍県・岩槻県の3県が合併して埼玉県が誕生。
- 1889年4月1日 - 町村制施行に伴い、膝折村・溝沼村・岡村・台村・根岸村が合併し、新座郡膝折村が成立する。
- 1896年3月29日 - 新座郡が廃止され、北足立郡に編入される。
- 1932年5月1日 - 北足立郡膝折村が改称・町制施行により、朝霞町となる。
- 1955年4月1日 - 北足立郡内間木村と合併し、新たに朝霞町となる。
- 1967年3月15日 - 市制施行により、朝霞市となる(東上線沿線では、川越市、東松山市に次いで3番目の市制施行)。
- 1984年4月1日 - 防災行政無線運用開始。
合併構想
2001年4月に朝霞市・志木市・和光市・新座市の4市で法定合併協議会を設置し、新市役所を朝霞市に置くこと、2005年3月までに合併することなどを決定していたが、4市の住民投票で和光市が反対多数(他3市は賛成多数)となり協議会は解散した。再度2003年に和光市を除く3市で任意協議会を発足させたが、合併特例法期限内の日程に間に合わないことから協議会は解散した。4市の合併では人口約45万人で中核市を目指すとしていたが、さらに広域合併構想として、同じ地域圏(南西部地域)の富士見市、ふじみ野市、三芳町や、市域の一部が元埼玉県である東京都清瀬市を合併して約80万人の政令指定都市を目指す構想もある。なお合併を見越して1998年に4市の消防本部が統合され埼玉県南西部消防本部が誕生している。
行政
歴代市長
- 渡辺源蔵(1967年(昭和42年)3月15日 - 1989年(平成元年)3月16日) 6期22年
- 岡野義一(1989年(平成元年)3月17日 - 1993年(平成5年)3月16日) 1期4年
- 塩味達次郎(1993年(平成5年)3月17日 - 2005年(平成17年)3月16日) 3期12年
- 富岡勝則(2005年(平成17年)3月17日 - 現職)4期目、任期は2021年3月16日まで
財政
当市の収入は安定し、2009年度(2009年4月 - 2010年3月)の地方交付税不交付団体だった[5]。
2010年度も、地方交付税不交付団体を維持した[6]。多くの県内市町村が不景気により保護費が増大したり、財政力指数が悪化・交付団体への転落を余儀なくされる中、朝霞市の場合、豊富な地方法人税や陸上自衛隊駐屯地があることが、不交付団体を維持出来た要因とされる。
しかし2011年度[7] 、2012年度[8]は、交付団体となった。
行政機関等
市の機関
- 朝霞市役所
- 朝霞駅前出張所
- 朝霞台出張所
- 内間木支所
- 水道庁舎・泉水浄水場
- ゆめぱれす(市民会館)
警察
消防
- 埼玉県南西部消防本部朝霞消防署
- 浜崎分署
- 朝霞市消防団
国の機関
県の機関
- Saitama Prefecture Asaka local building.JPG
南西部地域振興センター・朝霞県税事務所が所在する埼玉県朝霞地方庁舎
- Saitama Prefecture Asaka health center 1.jpg
朝霞保健所庁舎
- Asaka Land Development Office.JPG
朝霞県土整備事務所庁舎
その他の機関
広域行政
- 朝霞地区一部事務組合 -志木市、和光市及び新座市の4市が設立している一部事務組合。
- 埼玉県都市競艇組合 -加須市、本庄市、東松山市、狭山市、春日部市、羽生市、鴻巣市、深谷市、上尾市、草加市、入間市、飯能市、さいたま市、越谷市とともに戸田競艇の開催などの事務を行っている。
その他
- パブリックコメント制度(意見公募手続):朝霞市では、市の基本的な計画等の策定をする際に、市民に対して広く意見を募集するためのパブリックコメント制度がある。
立法
市議会
経済
朝霞駅周辺と川越街道沿いに商業施設があるほか、多くの工場や倉庫・研究所などがある。2015年に閉鎖した積水化学工業東京工場跡地にはイトーヨーカドーを核としたショッピングモール(アリオ)を建設する計画がある。
- 当市に事業所を置く主な企業
- 本田技術研究所二輪開発センター(本田技研工業の研究開発部門。WGPに参戦中のホンダ・レーシング (HRC) もここに拠点を置く)
- 本田技術研究所汎用開発センター(本田技研工業の研究開発部門)
- テイ・エス テック(ホンダグループ。シート、内装の製造)
- エムテック(M-TEC。レース用エンジンの製造、旧無限)
- 富士フイルム(ライフサイエンス研究所など4機関を設置)
- 武蔵野(セブン-イレブンの弁当製造、全国に展開)
- クサカベ(絵具メーカー)
- 宮澤フルート製造
地域
町名・大字
病院
教育
- 小学校
- 中学校
- 高等学校
- 各種学校
- 大学
郵政
郵便番号は、市内全域が「351-00xx」である。
- 朝霞郵便局(風景印あり) - ゆうちょ銀行朝霞店を併設。
- 朝霞宮戸郵便局(風景印あり)
- 朝霞溝沼郵便局(風景印あり)
- 朝霞根岸郵便局(風景印あり)
- 朝霞三原郵便局(風景印あり)
- 膝折郵便局(風景印あり)
- 朝霞本町郵便局(風景印あり)
交通
鉄道
バス
タクシー
タクシーの営業区域は県南西部交通圏で、川越市・所沢市・東松山市・飯能市・和光市などと同じエリアとなっている。
道路
- 主要地方道
- 埼玉県道36号保谷志木線
- 埼玉県道79号朝霞蕨線
- 一般県道
- その他主要道路
米軍跡地
市内には第二次世界大戦の敗戦まで二つの日本陸軍関連施設があった。現在の市役所の南にあった陸軍被服廠と、川越街道の南側を占めていた陸軍予科士官学校(上記「東京ゴルフ倶楽部」跡)である。これらはそれぞれ敗戦後にアメリカ軍に接収され、1972年(昭和47年)まで米軍施設キャンプ・ドレイク(キャンプ・ノース及びキャンプ・サウス)として使用されていた。
現在では一部の用地が1960年(昭和35年)設置の陸上自衛隊朝霞駐屯地として使用され、キャンプ・ノース跡地には朝霞市立図書館、埼玉県立朝霞西高等学校、朝霞市立朝霞第一中学校、朝霞市営球場、朝霞中央公園陸上競技場、青葉台公園が建設された。樹林の茂る未利用地は今後緑地として整備されるため、暫定的に朝霞の森が開設されている。今後は現市役所南側に朝霞県税事務所が移転し、図書館と中央公民館の敷地一帯には朝霞市役所を含めた複合公共施設を建設する予定となっている。
出身人物
Wikipedia:削除の方針 ケース B-2参照
- 大橋広好(植物学者)
- 小沢典子(元山陽放送アナウンサー)
- 加藤大志(サッカー選手、横浜FC)
- 小林よしひさ(第11代たいそうのおにいさん)
- 鈴木崇広(元NHKアナウンサー)
- 関口由香里(元福島テレビアナウンサー)
- 高島祥平(中日ドラゴンズ投手)
- 高橋峻希(サッカー選手、ヴィッセル神戸)
- 高橋理子 (ファッションデザイナー)
- 田中みな実(元TBSアナウンサー、現:フリーアナウンサー)
- 田村啓美(元青森放送アナウンサー)
- 中里篤史(元読売ジャイアンツ投手)
- 中村晃(福岡ソフトバンクホークス外野手)
- 西村陽毅(サッカー選手、大宮アルディージャ)
- 古谷恵菜(女子プロ野球選手)
- 谷田悠介(サッカー選手、カターレ富山)
- 栃不動周二(元大相撲力士)
- 大栄翔勇人(大相撲力士)
- 夕陽(プロレスラー)
- 和田あい(元CBCアナウンサー)
ゆかりの人物
朝霞市の登場する作品
- 宙のまにまに
- やったろうじゃん
- 二等陸士物語
- モンスター娘のいる日常(主人公の住所が「朝霞市紋星町」という設定である)
- まっすぐ息をすって。~朝霞北高校放送部~
コミュニティFM局
行事
毎年7月末から8月初の週末までに「彩夏祭(さいかさい)」と呼ばれる市民まつりが実施されている。彩夏祭の一環として、関東地域のYOSAKOIの大会である「関八州よさこいフェスタ」が実施され、市内からも各小中学校や幼稚園などのよさこいチームが参加する。
脚注
- ↑ 1.0 1.1 1.2 博学こだわり倶楽部 『埼玉の謎学』 河出書房新社、2014-12-01。ISBN 978-4-309-49908-6。
- ↑ “東京ゴルフ倶楽部の歩み”. 東京ゴルフ倶楽部. . 2016年4月13日閲覧.
- ↑ 陸軍に用地を買収され、1941年(昭和16年)に狭山市へ再移転する。
- ↑ “朝霞市の名の由来”. 朝霞市 (2012年9月6日). . 2016年4月13日閲覧.
- ↑ 産経ニュース2009年7月28日
- ↑ 平成22年度不交付団体の状況(総務省ホームページ PDFファイル)
- ↑ 平成23年度不交付団体の状況(総務省ホームページ PDFファイル)
- ↑ 平成24年度不交付団体の状況(総務省ホームページ PDFファイル)
- ↑ JR武蔵野線新駅(仮称_東朝霞駅)設置について-埼玉県議会平成12年12月一般質問(埼玉県HP),2016-03-20閲覧。
関連項目
外部リンク