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モンゴロイド (英: Mongoloid) とは、人類学創始期の形態人類学における人種分類概念の一つである。日本では一般に黄色人種・蒙古人種とも訳される。18世紀にドイツ人の人類学者ブルーメンバッハによって分類された五大人種に基づく。便宜的・慣用的・政治的にさまざまな場面で用いられる。
Contents
概要
1775年にドイツ人の人類学者ブルーメンバッハによって分類された五大人種(コーカシア(白人種)、モンゴリカ(黄色人種)、エチオピカ(黒人種)、アメリカナ(赤色人種)、マライカ(茶色人種))に基づいて使用されるようになった用語である。
数世紀前の古い分類であり、最新の科学的な根拠に基づいていない分類である事に留意する必要がある。
モンゴロイドは、東アジア(北アジア及びチベット高原を含む)・東南アジアを中心に、中央アジア・南北アメリカ大陸・太平洋諸島及びアフリカ近辺のマダガスカル島に分布する。広義ではオーストラロイドを含め、狭義ではポリネシア人やアメリカ先住民を含めない用法もある。
黄色人種の名はヨーロッパ人と比較した際のモンゴロイドの肌の色に由来するが、実際のモンゴロイドの肌の色は、淡黄白色から褐色までかなりの幅がある。東アジア・北アジアでは黄白色、東南アジアでは黄褐色の傾向がある。東南アジア島嶼部や中南米、太平洋諸島など低緯度地域ではかなり濃い肌色のものもいるが、ネグロイドやオーストラロイドのような極端に黒い肌はみられない。
近年の人類集団を分類する学説では、各人種の原初の居住地を分類名称とすることが多くなっており、その場合、東アジア並びに東南アジアに居住するモンゴロイドを東ユーラシア人とし、アメリカ大陸で分化したモンゴロイドを南北アメリカ人とする。またオーストラロイドとされたサフール人を含めた旧来の広義のモンゴロイドを全て網羅する定義としては、「環太平洋人」とする説がある[1]。アジアに住む人々はアジア系民族と呼ぶのが一般的であるが、アジア人にはコーカソイドに属するインド・アーリア人や、オーストラロイドに属する南インドのドラヴィダ人も含む。
近年のDNA分析によれば、モンゴロイドはアフリカからアラビア半島を経由した出アフリカ集団のうち、イラン付近からアルタイ山脈周辺へ北ルートで移住した人々が、周囲の自然環境により他の「人種」との交流を絶たれ、その結果独自の遺伝的変異及び環境適応を経た結果誕生した「人種」であるとされる。その原初の居住地は、ヒマラヤ山脈及びアラカン山脈よりも東及び北側である。
従来説は次の通り。ただし、DNA分析の結果などから現在は否定されている。
- ユーラシア大陸東部に居住したモンゴロイドは、既に絶滅したとされる北京原人やジャワ原人の子孫であるという説。
- ユーラシア大陸西部では、現代人の直系の祖先であるクロマニヨン人と既に絶滅したネアンデルタール人とが共存した時代を有することから、現代の欧州人はネアンデルタール人の血を引いているとの説があり、それと同様にモンゴロイドも北京原人やジャワ原人と現生人類との混血であるとする説。
「モンゴロイド」の出現と分化
20万〜15万年前、アフリカ大陸において現生人類(ホモ・サピエンス)が出現(人類のアフリカ単独起源説)した。その後6-7万年前にはアフリカ大陸の対岸に位置するアラビア半島、イラン付近に進出し(出アフリカ)、ここを起点に北ルート、南ルート、西ルートの3方面に拡散した[2]。
南ルートをとった集団は、その後5万年前にサフル大陸(現在のオセアニア地域)に進出、オーストラロイドの前身となる。西ルートをとった集団は、3-4万年前にヨーロッパへ進出し、コーカソイドの前身となる。北ルートをとった集団は約5万年前にアルタイ山脈付近を経由して東アジア方面に進出し[2]、モンゴロイドの前身となった。
東アジア方面に進出した人々は、天然の要害であるヒマラヤ山脈・アラカン山脈が障害となり、中東・インド亜大陸の人々との交流を絶たれ、独自の遺伝的変異・環境適応を成し遂げることとなる。こうしてモンゴロイドが形成された[3]。
モンゴロイドはその後、1万4000〜1万2000年前にベーリング地峡(のちのベーリング海峡)を渡りアメリカ大陸に進出。また3000〜2000年前には太平洋の島々にも移住した。
古モンゴロイド
寒冷適応を経る前の形質を残すモンゴロイドを、形質人類学では古モンゴロイドと区分した。
古モンゴロイドは、低めの身長、両眼視できる視野が広い等の特徴を持つと考えられた。他の、彫の深い顔、二重瞼、体毛が多いこと、湿った耳垢、波状の頭髪、等の特徴は新モンゴロイド以外の多くの「人種」と共通する。
新モンゴロイド
東ユーラシア北部の寒冷地域で独自の寒冷適応を遂げた集団が、かつての形質人類学で新モンゴロイドとされた人々である。
日本列島に到達した新モンゴロイドが渡来系弥生人で、日本列島全体においては、渡来系弥生人と縄文系弥生人の遺伝子が混ざりその後の日本人が形成されたとする説がある。遺伝子分析の結果、縄文人の遺伝子は日本人の中でもアイヌに強く受け継がれており、本土日本人にはアイヌと比べてその影響が少ないものの、日本列島人(アイヌ人、琉球人、本土人)は皆縄文人の血を受け継いでいるため、現在の東アジア大陸部の主要な集団とは異なる遺伝的構成であるという結果が出ている[6]。
新モンゴロイドは、寒冷地域に適合した体質として、比較的体格が大きく、凹凸の少ない顔立ち、蒙古襞(もうこひだ、目頭の襞)、体毛が少ないこと(特に男性のひげの少なさ)などの特徴を持っている。さらに、耳垢が湿ったあめ状ではなく乾燥した粉状となり、耳垢の特徴と同じ遺伝子によるわきがの原因となるアポクリン汗腺が少なく、頭髪が直毛であること、頭形は前後に短く横に広い短頭が一般的で脳容積が大きいといった特徴がある。
モンゴロイド系とされた人々
南北アメリカ大陸では、「モンゴロイド」の定着以前に人類は全く存在していなかったとの説が有力である。
モンゴロイドの一部は、フィリピン群島を経て東南アジアから太平洋に漕ぎ出し、イースター島やニュージーランドにまで到達している(今日のポリネシア人、ミクロネシア人)。さらに一部のモンゴロイドは、古代に稲作文化を携えてアフリカのマダガスカル東部地域にも居住地域を拡大したとされる。途中のインド洋島嶼部の多くは無人島で、且つアフリカ東部や中近東の陸地伝いには彼らによる移動の痕跡がみられないため、反対方向に向かったラピタ人やポリネシア人と同じく、相当高度な航海技術によって海上ルートを進んだと思われる。
ユーラシア大陸のモンゴロイドは、当初はヒマラヤ山脈以東の太平洋沿岸及びその周辺を居住地域としていた。特に、モンゴル高原を中心とする中央アジアの乾燥帯に居住した遊牧民達は生まれながらの騎兵であり、古代から中世の世界においては強大な軍事力を誇った。彼らはこの軍事力を武器に、古代はコーカソイドの居住地域であった中央アジア西域に進出、その後、一時的にヨーロッパ北東部及び中東・南アジア(インド亜大陸)にも進出した。特にモンゴル帝国はユーラシア大陸の東西に及ぶ巨大な勢力圏を築くに至った。
モンゴロイドの区分
ユーラシア大陸東部のモンゴロイドは、寒冷適応の程度の軽重によって大きく古モンゴロイド・新モンゴロイドに区分されたが、遺伝的に見ると他の集団間の差異に比べて大きな隔たりは存在しない。モンゴル地域・中国東北部・朝鮮半島には新モンゴロイドが比重として圧倒的に多いのに対し、大陸南部や島嶼部へ行く程旧モンゴロイドの比重が高まっているとされる。
現在の人類学では形質研究よりも遺伝子研究が重視されている。遺伝子的には南方系モンゴロイドと北方系モンゴロイドと区分する場合もある。
遺伝的な近縁関係から人類集団を分類する近年の学説では、先述の通り、アジアに居住を続けてのちに一部が太平洋諸島・マダガスカル島に移住した東ユーラシア人と、南北アメリカ大陸で分化した南北アメリカ人に、旧来の狭義の「モンゴロイド」が二分されるとする。
区分
- 北方系古モンゴロイド
- 南方系古モンゴロイド
- 新モンゴロイド
- 北部モンゴロイド:北アジア(シベリア、北東アジア)、中央アジア(カザフステップ)、モンゴル、朝鮮半島など。
- 中部モンゴロイド:一部が古モンゴロイドとの混血で、漢民族(華北)、チベット民族など。
- 南部モンゴロイド:中部モンゴロイドとインドシナ人種との混血人種で、漢民族(華南、台湾人)、ベトナム人(キン族)、モン人(Hmong)、ミャンマー人(ビルマ族)、カレン族、ラオス人(ラーオ族)、タイ族(シャン族)など。
- 旧アジア人種:シベリア東部など。旧アジア諸族の総称。ユカギール人、チュクチ人、ギリヤーク人(ニヴフ)など。
- エスキモー人種(イヌイット、アレウト):旧アジア人種とほぼ同様である。シベリア東端部、北アメリカ北端部(グリーンランド含む)など。
- アメリンド:アメリカ先住民(ケット人含む)
遺伝子
Y染色体
モンゴロイドは出アフリカ後にイラン付近からアルタイ山脈付近に至り東アジアに拡散した、「北ルート」をとった集団である。モンゴロイド人種を特徴づけるY染色体ハプログループとしてC2、D、N、O、Qが挙げられる[7]。
- ハプログループC2は主にモンゴル系民族やツングース系民族、一部のテュルク系民族において高頻度であり、エスキモーやアサバスカ族などの北米先住民にも中頻度、中国北部や朝鮮半島でも中~低頻度で日本列島でも低頻度見られる。その他、モンゴル帝国の拡大とともに中央アジアなどでも確認される。
- ハプログループDは日本列島やチベット、アンダマン諸島で見られる。現在においては日本や山岳チベット、その他一部島嶼でしか見られず非常に稀なハプログループとなっている。
- D1a系統はチベット人に約50%と高頻度に見られ、その他ヤオ族でも確認されている。
- D1b系統は3.8万年程前に日本列島で誕生した日本固有の系統である。縄文人はほとんどがD1b系統であったと考えられ、弥生人が到来するまでの日本列島では非常に高頻度であったと考えられる。現代においてはアイヌ人で75%(4人中3人)または87.5%(16人中14人)、琉球民族で約40%(1999年発表の新家利一等の研究によれば64/187 = 34.2%、2006年発表のMichael F. Hammer等の研究によれば25/45 = 55.6%、2007年発表の野中育・水口清等の研究によれば35/87 = 40.2%)、日本人全体で約35%となっている。
- なお、チベット人に見られるD1a系統と日本固有のD1b系統はお互いに最も近縁な兄弟群ではあるものの、4万年程前に分岐しており、他のハプログループと比べるとサブグループ間でも親グループ間並に時間的距離が離れている。
- ハプログループNはサモエード系、ヤクート人と言ったシベリア北部やフィンランド、エストニアなどの北欧、バルト三国で高頻度に見られ、ウラル語族の担い手であると考えられる。ユーラシア大陸北部に広く分布している。東アジア周辺で発祥したと言われており、中国遼河文明時代の人骨からも高頻度に見つかっているため、かつては中国大陸北部などで支配的であったと考えられるが、現代の東アジアにおいては北部(満洲、モンゴル)でも概ね10%前後の頻度となっており、中国全国や朝鮮半島では5%程度で、日本ではそれを下回る低頻度となっている。
- ハプログループOは東アジアから東南アジアにかけて最多を占めるグループである。親系統別に見ると、コーカソイド系のハプログループRと並んで現代人類において最も帰属人口の多い系統である。その人口の多さから、多岐に渡るサブグループを生み出している。日本においてもO1b2が30%以上、O2がおおよそ20%見られ、親系統別で見るとやはりO系統が最多である。
- ハプログループQは南北アメリカ大陸先住民はほとんどがQ系統であり、かつてのアメリカ大陸においては非常に高頻度に見られた。一方ユーラシア大陸においてはエニセイ系ケット人で90%以上、パシュトゥーン人に16%、東アジア地域で5%未満と道中に足跡を残してはいるが、ユーラシア大陸では総じて低頻度である。
下戸遺伝子
人種ごとのヌクレオチドの相違の数の見積もり、および人種間のNet Nucleotideの相違。人類遺伝学の宝来聡(国立遺伝学研究所)による[8]。 | ||||
---|---|---|---|---|
コーカソイド (口数=20) |
モンゴロイド (口数=71) |
ネグロイド (口数=10) | ||
コーカソイド | 0.0094 | 0.0012 | 0.0028 | |
モンゴロイド | 0.0128 | 0.0137 | 0.0015 | |
ネグロイド | 0.0194 | 0.0203 | 0.0238 | |
主要な人種間の遺伝の間隔と有効な発散の時間。根井正利ペンシルベニア大学教授による。 | ||||
比較 | タンパク質 (62位置 ) |
血液型 (23位置 ) |
合計 (85位置 ) |
有効な発散の時間(年) |
コーカソイド/モンゴロイド | 0.011 | 0.043 | 0.019 | 41000 ± 15000 |
コーカソイド/ネグロイド | 0.030 | 0.038 | 0.032 | 113000 ± 34000 |
ネグロイド/モンゴロイド | 0.031 | 0.096 | 0.047 | 116000 ± 34000 |
近年のDNA分析では、モンゴロイドとその他人種との混血度を検証する手段として、二つ有るアセトアルデヒド脱水素酵素 (ALDH) のうちALDH2の突然変異(下戸遺伝子)をマーカー遺伝子とする方法が知られる。下戸遺伝子とは、ALDH2の487番目(N末端のシグナルペプチド17残基を考慮した場合は504番目に当たる[12])のアミノ酸を決めるコドンがGAALysからAAAGluに変化したものである(Aはアデニン、Gはグアニン)。この遺伝子は2万年程前に突然変異によって生じたとされ、特に新モンゴロイドに特有であり、この遺伝子を持つということは、「新モンゴロイド」であるか、かつて混血がおこったことの証明となる。[2]。篠田謙一によれば、その後のデータの蓄積からALDH2変異型遺伝子の発生は中国南部付近で、中国南部と北部で好まれる酒の違いにも反映されている。全く酒が飲めない下戸 (Type AA) の人々—すなわち「下戸遺伝子」を二つ持つのは、「モンゴロイド」に類される人々のうちの5%以下である。下戸遺伝子(正しくはALDH2の遺伝子)の持ち主はAAとAGであり、遺伝子頻度についてハーディー・ワインベルクの法則が成立する場合、AAが5%ならAGは2 (10-√5) √5≒35%、AAとAGで約40%になる。AGはAAより強いがGGより弱く、下戸ではないが酒豪でもなく、「モンゴロイド」以外と比較すれば酒に弱い。
筑波大学の原田勝二による研究は、日本において九州と東北で下戸遺伝子が少ないという結果を出している[13]。
「酒に弱いタイプ」 (Type AG) は「モンゴロイド」のうちの約45%であるので、上記ハーディー・ワインベルクの法則は成立しない。詳細はハーディー・ワインベルクの法則参照。「モンゴロイド」以外コーカソイド(白人)等の人々は、ほとんどが「酒に強いタイプ」 (Type GG) であり、モンゴロイドとの混血の子孫が想定される地域住民で、そうでないタイプが見つかることもある[14]。
肥満関連遺伝子
内臓脂肪を貯め込む倹約遺伝子を他人種より2~4倍高頻度に有しており、肥満症から糖尿病になりやすいとされる[15]。
分布
東ユーラシア
北方系新モンゴロイド(北アジア・東アジア)
中央アジア系新モンゴロイド(中央アジア・東アジア)
- アルタイ系
- モンゴル派(一部がコーカソイドと混血している)
- モンゴル族(モンゴル国・内モンゴル自治区)
- トゥ族(モンゴル高原から青海省・甘粛省に移住。吐谷渾の末裔)
- ダウール族(モンゴル族と異なる文化をもつ。内モンゴル自治区のフルンボイル市及び黒龍江省等)
- ブリヤート人(ブリヤート共和国・ウスチオルダ・ブリヤート自治管区・アガ・ブリヤート自治管区)
- オイラト族(西モンゴル高原に居住。テュルク系ともいわれる)
- カルムイク人(カルムイク共和国。チベット仏教を信仰)
- ハザーラ人(アフガニスタンの少数民族。モンゴル帝国の末裔、バーミヤン遺跡付近に居住)
- モゴール人(アフガニスタンの少数民族。おなじくモンゴル帝国の末裔。ヘラート州周辺に居住)
- トンシャン族(モンゴル族のイスラム教徒)
- バオアン族(モンゴル族のイスラム教徒。モンゴル兵士の末裔といわれている)
- 東部ユグル族(粛南ユグル族自治県に居住。チベット仏教・シャーマニズム信仰。西部ユグル族はテュルク系)
- テュルク派(一部を除いてコーカソイドと混血している)
- サハ人(ヤクート人)(サハ共和国。シャーマニズム信仰)
- アルタイ人(アルタイ共和国。シャーマニズム信仰)
- ハカス人(ハカス共和国。シャーマニズム信仰)
- トゥヴァ人(トゥヴァ共和国。チベット仏教・シャーマニズム信仰)
- ドルガン人(タイミル自治管区。シャーマニズム信仰)
- ショル人(ケメロヴォ州。ロシア正教・シャーマニズム信仰)
- サラール族(中央アジアからきたオグス族の一派で漢族や回族やチベット族と融合)
- 西部ユグル族(粛南ユグル族自治県に居住。チベット仏教。東部ユグル族はモンゴル系)
- カザフ人(カザフスタン共和国)
- キルギス人(キルギス共和国)
- ウズベク人(ウズベキスタン共和国)
- トルクメン人(トルクメニスタン)
- バシキール人(バシコルトスタン共和国。テュルク化したマジャル人の末裔という[16])
- カラカルパク人(カラカルパク自治共和国)
- ノガイ族(ダゲスタン共和国北部のテレク川・クマ川間の地域など)
- カラチャイ人(ダゲスタン共和国など)
- チュヴァシ人(チュヴァシ共和国)
- ウイグル族(新疆ウイグル自治区)
- モンゴル派(一部がコーカソイドと混血している)
エスキモー・古アジア系新モンゴロイド(北東アジア、北米の北極圏)
新モンゴロイドと北方系古モンゴロイドの双方の特徴を持つ(日本列島)
北方系古モンゴロイド(日本列島)
新モンゴロイドと古モンゴロイドの双方の特徴を持つ(東アジア)
- シナ・チベット系
- シナ派
- チベット・ビルマ語派
- チベット派(一部がインド・アーリア系と混血している)
- ビルマ・ロロ グループ
- ペー族(雲南省・ミャンマー北部等。シナ派に含まれるという説もある)
- トゥチャ族(四川省・湖南省・湖北省・重慶市)
- トーロン族(雲南省)
- ヌー族(雲南省)
- カレン グループ
- カチン族(チンポー族)/(ミャンマーのカチン州)
- クキ・チン グループ
- ラカイン族(アラカン族)(ミャンマーのラカイン州)
- ジュマ(バングラデシュのチッタゴン丘陵地帯・モンゴロイド系少数民族の総称)
- ボド・ガロ グループ
- ミゾ族(インドのミゾラム州)
- ナガ族(インドのナガランド州及びマニプル州のナガ丘陵)。
- トリプラ族(インドのトリプラ州)
- タロン族(世界でもっとも小さい種族といわれる)
- タイ・カダイ系
- ミャオ・ヤオ系
南方系古モンゴロイド(東南アジア)(いくつかの民族はオーストラロイドと混血している)
- オーストロアジア系
- オーストロネシア系
- 台湾派
- マレー・ポリネシア派
- ボルネオ・フィリピン グループ
- マレー・ポリネシア グループ
太平洋
南北アメリカ大陸
北方系古モンゴロイドに分類される。 (詳細はインディアン・インディオを参照)
- ナ・デナ系(北米西北部、ニューメキシコ州)
- アルゴンキン系(五大湖を中心に、北米東部の大部分)
- マクロ・スー系(アパラチア山脈及び北米中西部)
- ペヌート系(カリフォルニア州、メキシコ東部、グアテマラ、ベリーズ。南米大陸のいくつかの言語を含む説がある)
- アズテック・タノア系(ネバダ州、ユタ州、メキシコ西部)
- ホカ系(カリフォルニア半島、メキシコ湾に面した一部地域)
- オト・マンゲ系(メキシコ中部)
- マクロ・チブチャ系(ホンジュラス~パナマ地峡にかけて。南米大陸の一部の言語を含む)
- アンデス・赤道系(アンデス山脈、アマゾン川流域など)
- ゲ・パノ・カリブ系(ギアナ地方、ブラジル南部、パラグアイ、アルゼンチン東部など)
- トゥピ族(グアラニー族)
ナワトル語はアステカ帝国の、マヤ語はマヤ文明の、ケチュア語はインカ帝国の公用語の流れをくむ言語であると考えられている。 ゲ・パノ・カリブ語族に属するブラジルのトゥピ語は現在でも多くの話者が存在しており、ブラジルの文化的ルーツの一つとして考えられている。 パラグアイなどの隣接するスペイン語地域では、グアラニー語と呼ばれており、これらは方言の違いであると考えられている。
他人種との混血
- 中央アジア、西シベリア、ヨーロッパ北東部ではモンゴロイドとコーカソイドが混血している。テュルク系民族、ウラル系民族など。
- ポリネシア人、ミクロネシア人は、台湾を発ったモンゴロイドのオーストロネシア集団と、オーストラロイドのニューギニア先住民が混血した集団からなっていることが遺伝子から示された[17]。
- インド東部のオーストロアジア系ムンダ人は東南アジアからインドに東進し、オーストラロイドのインド先住民と混血した。
- アメリカ先住民のいくつかの部族は、コロンブスの新大陸発見以降コーカソイドと混血している。
脚注
- ↑ 斎藤、2002年
- ↑ 2.0 2.1 『DNA・考古・言語の学際研究が示す新・日本列島史』(勉誠出版 2009年)
- ↑ 三井誠『人類進化の700万年』
- ↑ Howells, William W. (1997). Getting here: the story of human evolution. ISBN 0-929590-16-3
- ↑ Huxley, T.T. (1901). Man's place in nature and other anthropological essays. D. Appleton and Company.
- ↑ http://www.soken.ac.jp/news_all/2719.html
- ↑ 崎谷満『DNA・考古・言語の学際研究が示す新・日本列島史』(勉誠出版 2009年)
- ↑ Satoshi Horai and Kenji Hayasaka. (1990). Intraspecific Nucleotide Sequence Differences in the Major Noncoding Region of Human Mitochondrial DNA. Am. J. Hum. Genet. 46:828-842
- ↑ Nei, M. (1985). Human Evolution at the Molecular Level. Population Genetics and Molecular Evolution. Japan Sci. Soc. Press, Tokyo. pp. 44-64.
- ↑ 斎藤成也 九州国立博物館 “アーカイブされたコピー”. 2013年9月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2013年12月15日閲覧.
- ↑ Science vol319(22 FEBRUARY 2008)」
- ↑ Y.Li et. al. (2006)
- ↑ 原田勝二インタビュー
- ↑ 『科学朝日』 モンゴロイドの道 朝日選書 (523) より。北方モンゴロイド特有の酒が飲めない下戸遺伝子 日本人: 44%、ハンガリー人: 2%、フィン人: 0% 下戸遺伝子とは、アセトアルデヒド脱水素酵素 (ALDH) の487番目のアミノ酸を決める塩基配列がグアニンからアデニンに変化したもので、モンゴロイド特有の遺伝子であり、コーカソイド(白人)・ネグロイド(黒人)・オーストラロイド(オーストラリア原住民等)には存在しない。よってこの遺伝子を持つということは、黄色人種であるか、黄色人種との混血であることの証明となる [1]。
- ↑ 日本人は肥満に弱い民族!? BMI25以上の肥満症 監修 吉田俊秀(京都市立病院糖尿病代謝内科部長、京都府立医科大学臨床教授 ダイヤモンド社のサイト。2012年11月16日閲覧。
- ↑ 護雅夫・岡田英弘『民族の世界史4 中央ユーラシアの世界』(山川出版社、1990年 ISBN 4634440407)p266.
- ↑ 崎谷満(2009)『DNA・考古・言語の学際研究が示す 新・日本列島史』勉誠出版