紀の川市
紀の川市(きのかわし)は、和歌山県の北部に位置する市である。
Contents
地理
紀の川市は和歌山県の北部(紀北)に位置し、西側は岩出市と和歌山市、東側は伊都郡かつらぎ町、南側は海南市および海草郡紀美野町に接している。北側はすぐ大阪府で、岸和田市、貝塚市、泉佐野市、泉南市に接している。ただ、貝塚市については現在のところ、同市と紀の川市を直接結ぶ道路は整備されていない。
紀の川市は北に和泉山脈、南に紀伊山地を控え、この間を東西に市名の由来でもある一級河川紀の川が貫流している。南部からは貴志川が紀の川に合流しており、平野部はこれらの河川に沿って発達している。
なお、紀の川市の総面積は228.54km2で、和歌山県全域の約5%を占める。
沿革
- 2005年(平成17年)11月7日 - 那賀郡打田町、粉河町、那賀町、桃山町、貴志川町の合併により誕生。「紀の川市」という市名は公募[1] によって決められた。
- 2006年(平成18年)11月1日 - 市民憲章 が制定される。
- 2008年(平成20年)
行政
市長
- 中村愼司(初代、2005年12月11日就任、4期目、旧貴志川町長)
副市長
市章
紀の川市の「紀」の文字をデフォルメし、自然の豊かさに包まれた快適な都市をデザインしたもので、市を象徴する「紀の川」の流れや、澄んだ空をイメージしたブルーを基調に、中心から交流の輪が広がる様子を描いている。全国から募集し、神戸市在住の女性の作品が採用された。
経済
産業
主な産業
第一次産業が盛んであるが、工業製品も数多く生産されている。紀の川市の発足前から業務を営む地元の中小企業が多い。老朽化・手狭になった都心・郊外から移転してきた大手企業の事業所・工場もある。
農業が盛んであり、特に果樹栽培で知られ、市場出荷のほか、阪神圏に近いために観光農園や直売所販売も多い。合併前の各自治体が特産物育成に注力していた背景もあり、モモ(旧桃山町、旧粉河町など)、イチゴ(旧貴志川町、旧打田町)、ハッサク(旧粉河町)、イチジク(旧打田町)、キウイフルーツ(旧那賀町、旧粉河町)においては県内一の生産量を誇り、他にウンシュウミカン、ウメ、カキなどの生産が盛ん。とりわけ、モモ、イチゴ、ハッサク、イチジク、キウイ、カキ(紀の川柿)の6種は県外への出荷も多いためPR用にマスコットキャラも作っている。また、タマネギ、ナスなどの野菜や花卉栽培も盛んで、葉ボタンの生産は日本一となっている。
就業人口の構成について
紀の川市における就業人口の構成を見ると、第一次産業従事者は21.0%で、和歌山県全体の平均の10.6%の2倍近い割合で、農業が盛んである。特に旧粉河町と旧桃山町では第一次産業従事者割合が高くなっている。一方、旧貴志川町はこれらと対照的に第一次産業従事者が県の平均を下回り、第二次産業の割合が高くなっている。ちなみに最近では、市内でサービス業やIT関連事業を営む事業者も増えている。
紀の川市で事業を営む主な企業
- パナソニック株式会社 エナジー社 和歌山工場
- 総合車両製作所和歌山事業所
- 和歌山バス那賀
- 紀北印刷 (紀の川市西大井133)
- ハグルマ
- 初光酒造(紀の川市貴志川町丸栖87)
- 梅丹本舗 - 2016年9月に本社工場を移転。
金融機関
- 紀陽銀行 粉河支店(粉河)、桃山出張所(桃山町元)、貴志川支店(貴志川町神戸)、名手支店(名手市場)、打田支店(上野)
- 南都銀行 粉河支店(粉河)
- きのくに信用金庫 桃山支店(桃山町元)、打田支店(西大井)、貴志川支店(貴志川町前田)
日本郵政グループ
- 名手郵便局(名手市場) ★
無集配郵便局
- 打田郵便局(打田)
- 打田南中郵便局(南中)
- 丸栖(まるす)郵便局(貴志川町丸栖)
- 貴志川長山郵便局(貴志川町長山)
- 粉河北石町(きたいしまち)郵便局(粉河)
- 川原郵便局(野上)
- 粉河鞆渕(ともぶち)郵便局(中鞆渕)
- 粉河荒見郵便局(荒見)
- 紀伊長田駅前郵便局(嶋)
- 桃山黒川郵便局(桃山町黒川)
- 麻生津(おうづ)郵便局(北涌)
- 下井阪簡易郵便局(下井阪)
- 貴志川井ノ口簡易郵便局(貴志川町井ノ口)
- 調月(つかつき)簡易郵便局(桃山町調月)
- 細野簡易郵便局(桃山町中畑)
簡易郵便局を除く各郵便局にゆうちょ銀行のATMが設置され、★印の郵便局ではホリデーサービスを実施(2012年9月現在)。
※紀の川市の郵便番号は以下のとおり。
- 「640-04xx」=旧貴志川町域。貴志川郵便局の管轄。
- 「640-13xx」=旧桃山町域(桃山町峯、桃山町中畑、桃山町垣内(かいと))。国吉郵便局(海草郡紀美野町田(た))の管轄。
- 「649-61xx」=旧桃山町域(前述以外の地域)、旧打田町域(高野、竹房(451番地以上))。桃山郵便局の管轄。
- 「649-64xx」=旧打田町域(前述以外の地域)。池田郵便局の管轄。
- 「649-65xx」=旧粉河町域。粉河郵便局の管轄。
- 「649-66xx」=旧那賀町域。名手郵便局の管轄。
地域
人口
平成22年国勢調査(速報値)より前回調査からの人口増減をみると、2.97%減の65,845人であり、増減率は県内30市町村中5位。
紀の川市(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
行政サービス
市役所・分庁舎
各分庁舎には市役所の各部署が分散し、基本的な窓口業務を行う支所が設置されている。
- 本庁舎 - 紀の川市西大井338
- 粉河分庁舎 - 紀の川市粉河412
- 那賀分庁舎 - 紀の川市名手市場146-4
- 桃山分庁舎 - 紀の川市桃山町元381
- 貴志川分庁舎 - 紀の川市貴志川町神戸327-1
図書館
- 2005年の紀の川市誕生後、旧5町の施設運営は財政難や老朽化になったきっかけで、5館から2館に再編した[2]。打田図書館は河北図書館、貴志川図書館は貴志川支所後に移転して河南図書館に改名した。粉河図書館は2015年6月に、那賀図書館は2015年7月に、桃山図書館は2015年8月に閉館した。
- 統合後、市民や小中学校を知るために図書館の愛称を応募したところ、当時7歳が考案した「おりひめ」(河南図書館)と「ひこぼし」(河北図書館)が決定した[3][4]。
教育
小学校
- 紀の川市立安楽川小学校
- 紀の川市立池田小学校
- 紀の川市立麻生津小学校
- 紀の川市立上名手小学校
- 紀の川市立川原小学校
- 紀の川市立粉河小学校
- 紀の川市立田中小学校
- 紀の川市立田中小学校赤尾分校【休校】
- 紀の川市立田中小学校高野分校
- 紀の川市立調月小学校
- 紀の川市立鞆渕小学校
- 紀の川市立名手小学校
- 紀の川市立長田小学校
- 紀の川市立中貴志小学校
- 紀の川市立西貴志小学校
- 紀の川市立東貴志小学校
- 紀の川市立丸栖小学校
- 紀の川市立桃山小学校
- 紀の川市立竜門小学校
中学校
- 紀の川市立荒川中学校
- 紀の川市立打田中学校
- 紀の川市立打田中学校仙渓分校
- 紀の川市立貴志川中学校
- 紀の川市立粉河中学校
- 紀の川市立鞆渕中学校
- 紀の川市立那賀中学校
高等学校
大学
交通
市外への通勤・通学先としては、和歌山市が最も多い。
鉄道路線
路線バス
コミュニティバス
道路
高速道路
一般国道
県道
- 和歌山県道3号かつらぎ桃山線
- 和歌山県道4号高野口野上線
- 和歌山県道7号粉河加太線
- 和歌山県道10号岩出野上線
- 和歌山県道13号和歌山橋本線
- 和歌山県道14号和歌山打田線
- 大阪府道・和歌山県道62号泉佐野打田線
- 和歌山県道119号中三谷下井阪線
- 和歌山県道120号上鞆淵那賀線
- 和歌山県道121号西川原名手市場線
- 和歌山県道122号西川原粉河線
- 和歌山県道123号荒見粉河線
- 和歌山県道124号粉河寺線
- 和歌山県道126号粉河那賀線
- 和歌山県道127号中尾名手市場線
- 和歌山県道128号桃山下井阪線
- 和歌山県道129号垣内貴志川線
- 和歌山県道130号桃山丸栖線
- 和歌山県道131号新田広芝岩出停車場線
- 和歌山県道132号船戸停車場線
- 和歌山県道134号小豆島岩出線
紀の川市道
道の駅
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
祭事
- 春季(3〜5月)
- 夏季(6〜8月)
- 秋季(9〜11月)
- 冬季(12〜2月)
神社・仏閣
- 海神社
- 春日神社
- 三船神社 - 国の重要文化財3棟
- 粉河寺 - 西国三十三所、庭園は国の名勝、国の重要文化財4棟
- 興山寺 - 本堂は国の登録有形文化財
- 十禅律院
- 光明寺
- 名手八幡神社
- 貴志川八幡宮
- 長田観音
- 鞆淵八幡神社 - 沃懸地螺鈿金銅装神輿は国宝、室町時代建立の大日堂と本殿は国の重要文化財
自然景勝地・公園・レジャー施設等
歴史遺産・文化財・博物館等
- 青洲の里 - 春林軒、フラワーヒルミュージアム、華岡青洲顕彰記念公園
- 旧名手宿本陣 - 華岡青洲の妻加恵の実家、国の重要文化財3棟、国の史跡
- 猿岡山城跡 - 粉河寺を牽制するために藤堂高虎が猿岡山(現・秋葉山公園)に築城した
- 古和田城跡 - 現在の紀の川市古和田の光園寺にあった城。築城者は南北朝時代で楠木正成の外戚にあたる和田親遠。その後和田高家の時代に和泉国の「岸」という地に移り新しく城を築いた。地名と高家の苗字の和田が合わさり、同地が岸和田と呼ばれるようになり、元の地を「古い和田の城の地」古和田と呼ばれるよになった。
- 紀伊国分寺 - 国の史跡
- 桃りゃんせ夢工房
- ほん木もん
- 西行法師像
- 西光万吉寓居跡 - 不戦和栄の碑
- 美福門院供養墓地
- 古墳
アウトドア・スポーツ関係
- ハイランドパーク粉河
- 百合山遊歩道ハイキングコース
- 細野渓流キャンプ場
- 和泉葛城山
- 龍門山ハイキングコース
- 寺山&龍門山スカイスポーツ - パラグライダーのテイクオフ基地
- 紀の川市桃源郷運動公園陸上競技場
特産品の施設
出身有名人
歴史上の人物
- 西行 - 平安時代末期の武士・歌人・僧侶
- 明算 - 平安時代の僧侶、中院流の開祖
- 華岡青洲 - 江戸時代に世界で初めて全身麻酔による手術に成功した医師
- 松山棟庵 - 幕末・明治時代の医師。東京医学会(後の日本医師会)を設立した
政治家
美術・芸術家
芸能人
漫画家
スポーツ選手
- 薪谷翠 - 柔道家、2005年世界柔道選手権大会無差別級金メダル
- 千代雷山 - 大相撲力士
- 羽畑公貴 - サッカー選手
- 久保裕一 - サッカー選手
- 伊勢川真澄 - 元プロ野球選手
- 岩田徹 - 元プロ野球選手
- 西川遥輝 - プロ野球選手(北海道日本ハムファイターズ)、2014,17年パリーグ盗塁王、2016,17年パリーグベストナイン、2017年パリーグゴールドグラブ賞
- 益田直也 - プロ野球選手(千葉ロッテマリーンズ)、2012年パリーグ新人王、2013年パリーグ最多セーブ投手
- 平井諒 - プロ野球選手(東京ヤクルトスワローズ)
- 坂口真規 - プロ野球選手(読売ジャイアンツ)
- 山崎晃大朗 - プロ野球選手(東京ヤクルトスワローズ)
- 小坂将商 - 高校野球指導者(智辯学園高校・硬式野球部監督)
アナウンサー
出身有名動物
ゆかりのある人物
- 藤原秀郷 - かつて旧打田町一帯を荘園として治めていた。西行は秀郷の嫡流であり、9世孫。
- 藤堂高虎 -天正13年(1585年)紀伊国粉河に5,000石を与えられ、猿岡山城(現・秋葉山公園)を築く。その後2万石まで加増され、天正20年(1592年)まで7年間粉河を領する。粉河寺の再興や粉河祭の復活に努め、大きな功績を治めた。
- 杉良太郎 - 紀の川市桃山町で桃園を借りて、杉良太郎果樹園を営む。[5]
- 藤原紀香 - 母親が旧那賀郡出身ということもあり、2015年より紀の川市のフルーツ大使を務める。[6]
脚注
関連項目
外部リンク