イチジク

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イチジク(無花果、映日果)

クワ科イチジク属落葉高木、またはその果実のことである。原産地はアラビア南部[1]不老長寿の果物とも呼ばれる。

湿った場所を好み,高さ 5mにもなる。幹は灰褐色でよく分枝し,葉は大型で掌状に裂け,厚く粗毛がある。茎,葉ともに傷つけると白い乳液が出る。花は独特で,いわゆる隠頭 (イチジク) 花序をなし,これは壺形に肥大した花序の軸の内側に多数の雌性の小花を密集したものである。花はこの壺の中で開き,単為結実すると花序全体が肥大して,いわゆるイチジクの実となる。このように開花状態が外部から認められないため,無花果の名がある。通常は初夏に,葉腋に小さな花序が生じて葉陰で生育し夏の終りから秋に熟するが,そのあと秋から生じる実 (秋実) もある。しかし低温にあうと未熟のまま落果する。イチジクの栽培の歴史はきわめて古く,旧約聖書にもみられる。中国でも唐の時代にはすでに栽培され,日本には江戸時代に伝来した。生食するほかジャムや干しいちじくとする。



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  1. 馬場篤 1996, p. 21.