泉南市
泉南市(せんなんし)は、大阪府泉南地域に位置する市である。沖合の関西国際空港の一部も市域とし、空港に関する産業活性化が図られている。
キャッチフレーズは「豊かな環境・支えあい、人を大切にする泉南市 〜みんなで夢を紡ぐ 生活創造都市〜」。
Contents
地理
- 大阪府の南西部に位置する。市域の北西は大阪湾に面し、南東は和泉山脈を境に和歌山県紀の川市・岩出市と接している。北東はいずれも大阪府内で田尻町・泉佐野市と、南西は阪南市にそれぞれ隣接している。なお、関西国際空港の南部約3分の1は泉南市域となっており、同空港は、市の経済を支えている。
- 大きく山地、丘陵部、および平野部に分けられる。市の南縁を区切る和泉山脈から連なる山地部には低い山が多く、泉南市内で最も標高の高いボンデン山でも標高は468.7mである。
- 気候は瀬戸内式気候に属し、気温は年平均15℃程度で、年降水量も1,000 - 1,200mmと比較的温暖な環境なので農業にも適している。植生はほとんどが二次林で、コナラ林、アカマツ林、竹林などで占められている。
歴史
市域は日根郡に含まれ、古代の呼唹(おの)郷にあたる。市西部の男里にある男神社(おのじんじゃ)の元宮(浜宮)の旧蹟は、日本神話の神武東征において、五瀬命が雄叫びをした雄水門(おのみなと)の比定地のひとつである。
江戸時代には岸和田藩領、同預かり地、京都守護職役知、淀藩領、社領が入り組む畿内型であった。 社領は1868年から大阪府、他は1871年7月の廃藩置県により岸和田県などとなり、11月から堺県、そして1881年から大阪府の行政下となった。
年表
- 1884年(明治17年)、日根郡中村が岡中村に改称。
- 日根郡内に中村が二つあったため。もう一つの中村は鳥取中村に改称(現・阪南市鳥取中)。
- 1889年(明治22年)4月1日、町村制施行により、日根郡樽井村・鳴滝村・新家村・西信達村・北信達村・東信達村・雄信達村が発足。
- 樽井村 - 樽井村単独
- 鳴滝村 - 鳴滝村単独
- 新家村 - 新家村・兎田村・別所村が合併
- 西信達村 - 岡田村・北野村・中小路村が合併
- 北信達村 - 大苗代村・市場村・牧野村・岡中村が合併
- 東信達村 - 六尾村・金熊寺村・葛畑村・童子畑村・楠畑村が合併
- 雄信達村 - 男里村・馬場村・幡代村が合併
- 1896年(明治29年)4月1日、泉南郡が成立。
- 1928年(昭和3年)1月1日、北信達村が信達村に改称。
- 1940年(昭和15年)4月1日、樽井村が町制施行。泉南郡樽井町となる。
- 1941年(昭和16年)2月11日、信達村と東信達村が合併して町制施行。泉南郡信達町となる。
- 1956年(昭和31年)9月30日、樽井町・信達町・鳴滝村・新家村・西信達村・雄信達村が合併。泉南郡泉南町が誕生。
- 1970年(昭和45年)7月1日、泉南町が市制施行(四條畷市と同日)。大阪府下32番目の市、泉南市となる。
市町村合併
- 泉州南合併協議会(泉佐野市、泉南市、阪南市、田尻町、岬町で構成)で合併が検討されていたが、住民投票の結果、泉南市・阪南市・田尻町側で反対票が賛成票を上回ったため、協議会自体は2004年9月30日に廃止、解散。
地域
人口
平成22年国勢調査より前回調査からの人口増減をみると、0.43%減の64,403人であり、増減率は府下43市町村中23位、72行政区域中42位。
泉南市(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
現行行政町名
泉南市では、一部の区域で住居表示に関する法律に基づく住居表示が実施されている。
町名 | 町名の読み | 町の区域新設年月日 | 住居表示実施年月日 | 住居表示実施前の町名等 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
新家 | しんげ | 1956年9月30日 | 未実施 | ||
兎田 | うさいだ | 1956年9月30日 | 未実施 | ||
別所 | べっしょ | 1956年9月30日 | 未実施 | ||
信達大苗代 | しんだちおのしろ | 1956年9月30日 | 未実施 | ||
信達市場 | しんだちいちば | 1956年9月30日 | 未実施 | ||
信達牧野 | しんだちまきの | 1956年9月30日 | 未実施 | ||
信達岡中 | しんだちおかなか | 1956年9月30日 | 未実施 | ||
信達六尾 | しんだちむつお | 1956年9月30日 | 未実施 | ||
信達金熊寺 | しんだちきんゆうじ | 1956年9月30日 | 未実施 | ||
信達童子畑 | しんだちわらずはた | 1956年9月30日 | 未実施 | ||
信達楠畑 | しんだちくすばた | 1956年9月30日 | 未実施 | ||
信達葛畑 | しんだちつづらばた | 1956年9月30日 | 未実施 | ||
男里 | おのさと | 1956年9月30日 | 未実施 | ||
男里一丁目 | 1996年1月22日 | 未実施 | |||
男里二丁目 | 1996年1月22日 | 未実施 | |||
男里三丁目 | 1996年1月22日 | 1996年1月22日 | 男里の一部 | ||
男里四丁目 | 1996年1月22日 | 1996年1月22日 | 男里の一部 | ||
男里五丁目 | 1996年1月22日 | 1996年1月22日 | 男里の一部 | ||
男里六丁目 | 1996年1月22日 | 1996年1月22日 | 男里の一部 | ||
男里七丁目 | 1996年1月22日 | 1996年1月22日 | 男里、樽井の各一部 | ||
幡代 | はたしろ | 1956年9月30日 | 未実施 | ||
幡代一丁目 | 1996年1月22日 | 1996年1月22日 | 幡代、男里、馬場、信達岡中の各一部 | ||
幡代二丁目 | 1996年1月22日 | 1996年1月22日 | 幡代、信達岡中の各一部 | ||
幡代三丁目 | 1996年1月22日 | 未実施 | |||
馬場 | ばば | 1956年9月30日 | 未実施 | ||
馬場一丁目 | 1996年1月22日 | 1996年1月22日 | 馬場、樽井、信達牧野の各一部 | ||
馬場二丁目 | 1996年1月22日 | 1996年1月22日 | 馬場、男里、幡代、樽井、信達牧野の各一部 | ||
馬場三丁目 | 1996年1月22日 | 未実施 | |||
樽井 | たるい | 1956年9月30日 | 未実施 | ||
樽井一丁目 | 1993年11月22日 | 1993年11月22日 | 樽井、信達市場、信達牧野の各一部 | ||
樽井二丁目 | 1993年11月22日 | 1993年11月22日 | 樽井、信達市場、信達牧野、馬場の各一部 | ||
樽井三丁目 | 1993年11月22日 | 1993年11月22日 | 樽井、信達市場、馬場、男里の各一部 | ||
樽井四丁目 | 1993年11月22日 | 1993年11月22日 | 樽井、男里の各一部 | ||
樽井五丁目 | 1993年11月22日 | 1993年11月22日 | 樽井の一部 | ||
樽井六丁目 | 1993年11月22日 | 1993年11月22日 | 樽井の一部 | ||
樽井七丁目 | 1993年11月22日 | 1993年11月22日 | 樽井の一部 | ||
樽井八丁目 | 1993年11月22日 | 1993年11月22日 | 樽井、鳴滝、岡田、中小路の各一部 | ||
樽井九丁目 | 1993年11月22日 | 1993年11月22日 | 樽井、鳴滝、信達市場、信達牧野の各一部 | ||
鳴滝 | なるたき | 1956年9月30日 | 未実施 | ||
鳴滝一丁目 | 1992年11月24日 | 1992年11月24日 | 鳴滝の一部 | ||
鳴滝二丁目 | 1992年11月24日 | 1992年11月24日 | 鳴滝の一部 | ||
鳴滝三丁目 | 1992年11月24日 | 1992年11月24日 | 鳴滝の一部 | ||
岡田 | おかだ | 1956年9月30日 | 未実施 | ||
岡田一丁目 | 1991年11月25日 | 未実施 | |||
岡田二丁目 | 1991年11月25日 | 未実施 | |||
岡田三丁目 | 1991年11月25日 | 1991年11月25日 | 岡田、北野、中小路の各一部 | ||
岡田四丁目 | 1991年11月25日 | 未実施 | |||
岡田五丁目 | 1991年11月25日 | 1991年11月25日 | 岡田の一部 | ||
岡田六丁目 | 1991年11月25日 | 1991年11月25日 | 岡田の一部 | ||
岡田七丁目 | 1991年11月25日 | 未実施 | |||
北野 | きたの | 1956年9月30日 | 未実施 | ||
北野一丁目 | 1991年11月25日 | 1991年11月25日 | 岡田、北野、中小路の各一部 | ||
北野二丁目 | 1991年11月25日 | 1991年11月25日 | 岡田、北野、中小路、信達大苗代の各一部 | ||
中小路 | なこうじ | 1956年9月30日 | 未実施 | ||
中小路一丁目 | 1991年11月25日 | 1991年11月25日 | 岡田、北野、中小路、信達大苗代の各一部 | ||
中小路二丁目 | 1991年11月25日 | 未実施 | |||
中小路三丁目 | 1991年11月25日 | 1991年11月25日 | 岡田、北野、中小路、信達大苗代、鳴滝の各一部 | ||
りんくう南浜 | りんくうみなみはま | 年月日 | 未実施 | ||
泉州空港南 | せんしゅうくうこうみなみ | 年月日 | 未実施 |
行政
市長
市議会
定数は18人。欠員1人。2016年6月20日時点での会派構成は以下の通り。
会派名 | 議席数 | 所属党派 |
---|---|---|
公明党 | 4 | 公明党 |
日本共産党 | 4 | 日本共産党 |
自由民主党泉南クラブ | 2 | 自由民主党 |
心政クラブ | 2 | |
拓進クラブ | 2 | |
無所属 | 3 |
衆議院
議員名 | 党派名 | 当選回数 |
---|---|---|
丸山穂高 | 日本維新の会 | 3 |
経済
産業
1994年(平成6年)の関西国際空港の開港以降、泉南市は、活気あふれる産業のまちになりつつある。
関西国際空港
空港の泉南市域部分は国際航空貨物エリア、機内食エリア等にあたるが、 全域が保安区域のため一般人は入る事はできない。
航空貨物関連
以上貨物グランドハンドリング
以上専用上屋を持つフォワーダー等
その他、第1、第2、第3の各国際代理店ビル内に沢山の航空貨物関連企業がある。
機内食関連
給油・環境関連
- 関西国際空港給油航空燃料
- 関西国際空港施設エンジニアクリーンセンター、浄化センター
漁業
- 岡田漁港‐毎週日曜日に青空市場(朝市)が開催される
- 樽井漁港
郵便
無集配郵便局
- 泉南新家郵便局
- 泉南砂川郵便局
- 信達大苗代郵便局
- 泉南一丘郵便局
- 泉南樽井郵便局
- 泉南信達牧野郵便局
- 西信達郵便局
- 泉南新家南簡易郵便局
- 泉南信達東簡易郵便局
- 鳴滝簡易郵便局
泉南市で事業を営む主な企業
- 関西エアポート株式会社 - 泉南市泉州空港南
商業
- イオンモールりんくう泉南
- イオングループのショッピングモール
姉妹都市・提携都市
公共施設
市の施設
図書館や文化施設など(主なもの)
- 古代史博物館・泉南市埋蔵文化財センター - 泉南市信達大苗代374-4
- 泉南市立公民館
- 泉南市立図書館 - 泉南市馬場1-2-1
- 泉南市立文化ホール - 泉南市馬場1-2-1
- 泉南市立市民体育館 - 泉南市樽井2-26-1
- 泉南市立りんくう体育館 - 泉南市りんくう南浜2
- 泉南市立泉南市民球場 - 泉南市りんくう南浜2
- 泉南市立なみはやグラウンド - 泉南市りんくう南浜2
- 泉南市立双子川テニスコート - 泉南市信達大苗代160
- りんくう南浜2号緑地テニスコート - 泉南市りんくう南浜2-211
- 泉南市立俵池公園グラウンド - 泉南市信達牧野1710-1
- 泉南市立青少年センター - 泉南市樽井8-13-18
防災
健康・福祉施設
- 泉南市総合福祉センター - 泉南市樽井1-8-47
- 泉南市立保健センター - 泉南市信達市場1584-1
- 泉南市の施設等一覧
その他施設
- 泉南市農業公園(花咲きファーム) - 泉南市泉南市幡代2001
府・国の施設
教育
高等学校
中学校
小学校
- 泉南市立樽井小学校
- 泉南市立信達小学校
- 泉南市立西信達小学校
- 泉南市立雄信小学校
- 泉南市立砂川小学校
- 泉南市立一丘小学校
- 泉南市立新家小学校
- 泉南市立新家東小学校
- 泉南市立鳴滝小学校[1]
- 泉南市立東小学校
特別支援学校
交通
空港
- 関西国際空港(ただし泉南市に属する区域は国際貨物ターミナルなどで一般人は入れない)
鉄道路線
※JTB時刻表には当駅が中心駅として記載
バス路線
- 南海ウイングバス南部
- 和歌山バス那賀(岩出樽井線)
- 和歌山バス(りんくうタウン線)
- 泉南市コミュニティバス(さわやかバス)
道路
高速道路
一般国道
大阪府道
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
文化財・名所旧跡など
- 砂川奇勝
- 海会寺跡(国の史跡)
- 古代史博物館
- 泉南市埋蔵文化財センター
- 長慶寺 - 和泉西国三十三箇所
- 林昌寺 - 和泉西国三十三箇所、重森三玲作「法林の庭」
- 一岡神社
- 往生院 - 和泉西国三十三箇所
- 樫井古戦場跡(大坂夏の陣)
- 厩戸王子跡
- 信達宿本陣跡
- 金熊寺梅林
- 市場稲荷神社
- 里外神社
- 茅渟神社
- 山田家住宅(国の登録有形文化財)
- マーブルビーチ (日本の夕陽百選に選出)
- りんくう南浜海水浴場(通称、樽井サザンビーチ。日本の夕陽百選に選出)
秋祭り - やぐら曳行
毎年10月の第1土曜に市役所の前でパレードが実施されている。本祭は第2土曜・日曜日に行われ泉南市内では各地区にて一斉に「やぐら」を曳行し祭礼を盛り上げる。泉南市には信達地区(大苗代、市場、牧野、岡中、金熊寺、童子、計6台)、樽井地区(獅子、宮元、濱中、戎福中、計4台)、西信達地区(北野、陸宮本、岡田西組、岡田中組、岡田北組、計5台)、雄信達地区(男里南組、男里北組、馬場、幡代、計4台)、鳴滝地区(鳴滝 計1台、先代も現存)の5地区あり、合計20台のやぐらを曳行している。泉南市内のやぐらは、ケヤキ造りで大型のものから桧造りで小型のものまで大きさは様々で、その造りによってやぐらの曳き方も地区によって様々である。
出身有名人
- 駒澤李佳 - アテネ五輪・北京オリンピック女子ホッケー日本代表選手
- KLUTCH - ヒップホップユニット・ET-KINGメンバー
- DJ BOOBY - ET-KINGメンバー
- 中村隆之 - テレビ和歌山アナウンサー
- 森谷威夫 - KBS京都アナウンサー
- 田原晃司 - 埼玉西武ライオンズ所属元プロ野球選手
- 輝優優 - 女子プロレスラー
- 石塚知生 - 作曲家
- 上山容弘 - トランポリン選手北京オリンピック日本代表選手
- 中島省吾 - アンソロジー作家
- 杉野公彦 - 株式会社ラウンドワン代表取締役社長
- ZAZY - お笑い芸人
- 堀口武視 - 政治家
脚注
関連項目
- 泉州地域
- 関西国際空港
- 大阪みどりの百選
- 大阪府の自然景勝地
- なにわ野菜 - 大阪府の伝統野菜。
- 泉南 - 大阪府など行政機関が府域を区分する際には、泉南市の他、岸和田市・貝塚市・泉南郡熊取町・泉佐野市・泉南郡田尻町・阪南市・泉南郡岬町の計5市3町を泉南地域としているのが、泉南市が単に「泉南」と呼ばれることもある。
外部リンク