三島市
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三島市(みしまし)は、静岡県東部の、伊豆半島の中北端に位置する市。
Contents
概要
- 三嶋大社の鳥居前町であり、三嶋大社や楽寿園を中心に市街地を形成する。市内各地で湧水が見られる点から、国土交通省選定の水の郷百選にも選ばれている。
- 律令時代には伊豆国の国府が置かれ、伊豆府中とも呼ばれた。江戸時代には東海道三島宿の宿場町となり、箱根峠越えの前後の休息地として賑わった。
- 明治時代には、鉄路に対する意識の薄さから鉄道駅が置かれずに衰退した時期があったが、1934年(昭和9年)に現在の三島駅が開業した。1969年(昭和44年)に東海道新幹線の三島駅が開業した後は、東京駅・神奈川県方面への通勤・通学者が増加した。(→三島駅#歴史)。
地理
- 気候
- 当市は太平洋側気候に含まれている。一般的な太平洋側の気候は、夏は温暖多雨で、冬は雨が少なく乾燥しやすい。当市は駿河湾から北東にやや内陸部に入ったところにあるので、海に面した近隣の地域と比較して、日較差が大きい。夏は気温が高く、冬は冷え込むなどの内陸性盆地気候の傾向がある。ただし三島の年間平均気温は15.6℃で、最低気温の平均が零下になることはほとんどない。
- 地形・地質
- 考古学の研究では約2900年前に富士山の東の斜面が崩壊して、御殿場付近へ堆積した岩屑なだれの堆積物は、洪水のたびに土石流となって、愛鷹山と箱根山との間の谷に運ばれ、三島溶岩流を覆って南へゆるやかに傾斜した台地の三島扇状地を作ったとされる。そのため、当市の台地は南へゆるやかに傾斜した扇状地となっている。一方で、当市南部は田方平野で多い沖積層で形成されており、当市南部及び国道1号を挟む南北地域は液状化現象の危険性があると指摘されている[1]。
都市情報
- 三島の由来
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- 三嶋大明神(三嶋大社)がこの地に遷座したときから三島の地名が生まれた説。
- 三嶋大明神(三嶋大社)が3つの洲(安志我良、珠流河、賀茂)の神であるとして、後に洲が嶋に改められ、三島の地名が生まれた説。
- 菰池や小浜池などを水源とした清流に挟まれた土地が3つの島のように見えたため三島の地名がうまれた説。
- 市章
- 市章は八角形の三嶋大社の紋章と富士山を組合わせ、また中央の三線は漢数字の「三」と水の流れを組合わせて図案化した物。
- 三島市民憲章[2]
- わたくしたちは、箱根のふもと朝に夕に富士を仰ぐ恵まれた自然のなかに育った三島市民です
- わたくしたちは、三島市民であることに誇りと責任をもち、お互いのしあわせを願い、この憲章を定めます。
- わたくしたち三島市民は、
- 自然を愛し きれいなまちをつくりましょう。
- 良い風習を育て 住みよいまちをつくりましょう。
- 文化をたいせつにし 豊かなまちをつくりましょう。
- からだをきたえ 仕事にはげみ 明るいまちをつくりましょう。
- 平和を望み 友愛のあふれるまちをつくりましょう。
人口
三島市(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
行政
歴代市長
- 花島周一(1941年7月27日 - 1945年7月26日)
- 渡辺知雄(1945年7月27日 - 1946年11月29日)
- 原国太郎(1947年4月6日 - 1948年12月10日)
- 朝日原作(1949年2月7日 - 1953年2月6日)
- 松田吉治(1953年2月7日 - 1961年2月6日)
- 長谷川泰三(1961年2月7日 - 1977年2月6日)
- 奥田吉郎(1977年2月7日 - 1993年2月6日)
- 石井茂(1993年2月7日 - 1998年11月17日)
- 小池政臣(1998年12月20日 - 2010年12月19日)
- 豊岡武士(2010年12月20日 - 現職)
市庁舎
市役所所在地は三島市北田町4番47号にあるが、一部窓口業務等がおいてある別館が2か所、支所が2か所ある。
- 北田町本館 - 三島市北田町4番47号
- 中央町別館(水道部、市教育委員会) - 三島市中央町5番5号
- 大社町別館(総合防災センター、地域安全課等) - 三島市大社町1番10号
- 中郷(なかざと)文化プラザ(中郷市民サービスコーナーして支所機能がある) - 三島市梅名353番地の1
- 北上(きたうえ)文化プラザ(北上市民サービスコーナーして支所機能がある) - 三島市萩312番地
静岡県や国の機関
- 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構国立遺伝学研究所
- 日本年金機構三島年金事務所
- 静岡県総合健康センター
- 静岡県柿田川水道事務所
- 静岡県教育委員会三島分館
姉妹都市・友好都市
- 姉妹都市
- アメリカ合衆国 カリフォルニア州 パサディナ市 - 1957年(昭和32年)7月24日提携
- ニュージーランド タラナキ州 ニュープリマス市 - 1991年(平成3年)4月29日提携
- 友好都市
- 中国 浙江省 麗水市 - 1997年(平成9年)5月12日提携
歴史
- 古代から中世まで
- 天正から江戸時代まで
- 明治から第二次世界大戦まで
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- 1868年:韮山県に属する。
- 1871年:韮山県が分割され、小田原県に属する。小田原県が足柄県となる。
- 1876年4月18日:足柄県が分割され、以降は静岡県に属する。
- 1886年:君沢・田方郡衙が韮山から三島に移転。
- 1889年4月1日:町制施行で君沢郡三島町となる。
- 1892年:小松宮が別邸楽寿園を建築。
- 1896年:君沢郡が田方郡に編入される。
- 1898年:豆相鉄道(現在の伊豆箱根鉄道)が開業。当時の三島駅は現在の下土狩駅。
- 1906年:駿豆電気鉄道(三島広小路・沼津間路面電車、1963年廃止)が開業。
- 1918年4月:中郷村の精錬工場による鉱毒公害で反対運動(北沢亜鉛鉱滓問題[3])
- 1919年:野戦重砲兵第二連隊が、翌年には野戦重砲兵第三連隊が置かれる。
- 1923年:関東大震災で被害。
- 1929年:三島測候所開設。
- 1934年:北伊豆地震で、広小路以東が被害。
- 1934年:丹那トンネルが開通し、東海道本線三島駅が開業。
- 1935年:北上村を三島町に編入。
- 1941年:市制施行。三島町と錦田村が合併し、三島市が発足する。
- 1942年:三島に初めての空襲。
- 第二次大戦後から平成まで
- 平成以降
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- 1990年:秋雨前線による集中豪雨で、大場川が氾濫。
- 1994年:三島駅開業60周年、新幹線三島駅開業25周年。
- 1995年:国から「水の郷」に指定される。
- 1996年:市制55周年。
- 1997年:FMみしま・かんなみ(ボイス・キュー)放送開始。
- 1998年:地球温暖化防止都市宣言。
- 1998年:静岡県東部・伊豆水害で、大場川が氾濫。
- 2000年:環境マネジメントシステムの国際標準規格であるISO 140001を三島市が取得。
- 2001年:市制60周年、市の鳥を「カワセミ」に指定する。
- 2009年:東駿河湾環状道路沼津岡宮IC - 三島塚原ICが開通。
- 2014年:東駿河湾環状道路三島塚原IC - 函南塚本ICが開通。
災害史
- 1685年12月10日:丑年の大火。貞享2年12月10日、三島の宿場町が全焼し、三嶋大社も全焼。
- 1854年11月4日:安政の大地震。安政元年11月4日 - 11月5日、三島は地震で壊滅し、火災も発生。三嶋大社が全損。
- 1923年9月1日:関東大震災。三島で死傷者14名で、全半損148棟。余震回数は1208回を11月30日まで記録。
- 1930年11月26日:北伊豆地震。三島広小路以東側が壊滅し、死傷者319名で全半損3021棟。有無感地震回数は2595回を11月28日まで記録。
- 1958年9月26日:狩野川台風。伊豆半島に750mmの雨が降り、各地で土砂崩れ、堤防決壊や津波による大洪水が発生。死傷者1名。床上浸水161棟。
- 1974年7月7日:七夕豪雨。三島市内で毎時50mm〜70mmの豪雨が約7時間降り、大場川の氾濫(床上浸水294棟)やインフラが寸断。
- 1990年9月15日:秋雨前線による集中豪雨。三島市内に総雨量161mmの局所的な豪雨が主に生じ、大場川が氾濫(床上浸水102棟)した。
- 1998年8月30日:静岡県東部・伊豆水害。大場川上流で総雨量261mmの局所的な豪雨が主に生じ、大場川が氾濫(床上浸水8棟)し、インフラが寸断。
- 2009年8月11日:駿河湾地震で震度4を観測。
- 2011年3月15日:静岡県東部地震により、震度4を観測。
経済
当市は首都圏に近いこと、化学繊維、製紙工業に不可欠な良質な水が大量にあること、田方平地での農機具、農薬の需要が高いこと、裾野、御殿場に自動車の生産拠点があることなどから、それらに関連する産業が多い。また、近年は長泉の県立静岡がんセンター研究所を中核に、健康関連産業を集積しようとの構想もある。
- 市内に立地する企業、工場
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- 東レ三島工場 - 1958年に操業。ポリエステル系合成繊維を生産[4]。
- 東レ総合研修センター - 関連会社や海外研修生を集めて人材育成。
- 東芝テック三島事業所 - 1963年に操業[5]。多機能複合機を製造。
- オムロン三島事業所 - シーケンス制御に使うPLC(シーケンサー)を製造。
- 電業社機械製作所 - 1940年操業。各種ポンプ、送排風機などを製造。
- 横浜ゴム三島工場 - 1946年操業。各種自動車向けタイヤを製造。
- 万城食品本社 - 粉わさびを製造。
- 伊豆箱根鉄道本社 - 1893年設立。田方地域の公共交通の中核を担う。
- 森永製菓三島工場 - 1918年操業[6]。ココア、ウイダーinゼリーを製造。
農林業
当市は箱根山麓に位置しているため、平野が少なく、稲作よりも畑作が盛んであり、静岡県での根菜類の主要産地でもある。特に、畑作が集中する箱根山西麓は、火山灰土壌であり、水はけが良好で、土質も柔らかく、作土が深く雨が降っても固まらない性質を有している。そのため、根菜類の栽培に非常に適した土地である。また、南向きの傾斜畑は、農作業には厳しいものの、平地よりも太陽光を受けやすいメリットがある。
なお当市では大根干しが冬の風物詩だったが、近年、干し大根の需要が低下した影響であまり見られない。また、連作障害や根菜類の需要低下を受けて、葉菜類の栽培も増えて来ている。また当市は全国的に見て、小規模農家が多い。
学校
大学・短期大学
- 総合研究大学院大学生命科学研究科遺伝学専攻(国立遺伝学研究所と併設)
- 日本大学国際関係学部(短期大学部と併設)
- 順天堂大学保健看護学部
高校
中学校
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小学校
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交通
鉄道
中心駅:三島駅
道路
- 東名高速道路
- 最寄りのインターチェンジは沼津市にある、沼津IC。
- 新東名高速道路
- 最寄りのインターチェンジは駿東郡長泉町にある、長泉沼津IC。
- 伊豆縦貫自動車道(東駿河湾環状道路)
- 三島萩IC、三島加茂IC、三島塚原IC、三島玉沢IC、大場・函南IC
- 静岡県道21号三島裾野線
- 静岡県道22号三島富士線
- 静岡県道51号三島停車場線
- 静岡県道138号御園伊豆仁田停車場線
- 静岡県道140号三島静浦港線
- 静岡県道141号清水函南停車場線
- 静岡県道142号三ツ谷谷田線
- 静岡県道143号三島田町停車場線
- 静岡県道145号沼津三島線
バス
バスターミナル:三島駅南口
- 伊豆箱根バス
- 富士急シティバス
- 沼津登山東海バス
- 西伊豆東海バス
- 富士急山梨バス
- 富士急行
- 三島市コミュニティバス
- 100円バス「せせらぎ号」
- 100円バス「なかざと号」
- 自主運行バス「きたうえ号」
- 自主運行バス「ふれあい号」
- 自主運行バス「玉沢線」
空港
市内に空港は無いが、以下の2つが主に使用される。
観光
年間祭事
三島市の年間祭事一覧
- 名所旧跡
- 文化
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- 農兵節(民謡)
- 三島暦
- 吊り橋
- ショッピングモール
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- 日清プラザ
- せせらぎ事業施設
名物
- 鰻(うなぎ) - 三島は鰻の産地ではないが、多数の飲食店で鰻を扱う「うなぎのまち」である。幕末までは鰻を神の使いと考え、食用にしなかった。
- みしまコロッケ - 近年、特産品の三島馬鈴薯(メークイン)を使った新しい名物を作ろうという動きがあり、まちおこしの一環として商工会を中心としたグループによって作られる。材料が100%三島馬鈴薯であれば形や具材は各店の創意工夫に任せられており、現在、静岡県内外に150店ほどが認定店となっている。
- みしまコロッケパン - 三島市内の製パン会社グルッペ・石渡食品が上記のみしまコロッケを用いたコロッケパンを開発。第3回(2012年)日本全国ご当地パン祭りで1位となり人気商品となっている[8]。
コミュニティFM
- エフエムみしま・かんなみ(ボイス・キュー)(FM77.7MHz)
三島市を舞台とした作品
出身有名人
- 青木真一 (作曲家)
- 綾鬼喜一郎(元力士)
- ジョー・アルコール(ロックミュージシャン)
- 宇野朗[9](医学者)
- 大岡信(詩人、文化勲章受章者、三島市名誉市民[10])
- 大滝奈穂(フリーアナウンサー)
- 笠原亮(競艇選手)
- 加藤歩(名古屋テレビ放送アナウンサー)
- 亀山千広(フジテレビ代表取締役社長)
- 韓英恵(女優)
- 神崎京介(作家)
- 木村恵吾(映画監督、脚本家)
- 久保寺雄二(元プロ野球選手)
- 国分二郎(俳優)
- 小澤怜史(プロ野球選手)
- 磋牙司洋之(大相撲力士)
- 坂本由紀子(元参議院議員)
- 坂元龍斗(関西テレビアナウンサー)
- しろがねしょぉむ(声優)
- 鈴木一真(俳優)
- 田上穣治(憲法学者・一橋大学名誉教授)
- 田尻あやめ(ニコ☆プチ専属モデル)
- 高田直美(ミュージカル俳優)
- 高橋朋己(プロ野球選手)
- 高原直泰(SC相模原・元サッカー日本代表)
- 角ヶ谷典幸(会計学者・名古屋大学教授)
- 坪内瞳(女子プロ野球選手)
- DJ UTO(ミュージシャン)
- 栃飛龍幸也(大相撲力士)
- 轟二郎(コメディアン・タレント)
- 長山藍子(女優)
- 福尾野歩(ミュージシャン・旅芸人)
- 宮川美保(声優・ナレーター)
- 山口利夫(柔道家・プロレスラー)
- 渡辺和洋(フジテレビアナウンサー)
- 渡辺邦男(映画監督)
- 栃幸大英樹(大相撲力士)
脚注
- ↑ 三島市・液状化ハザードマップ[2014年8月31日閲覧]
- ↑ 三島市 (1970年10月11日). “三島市民憲章|三島市”. . 2018閲覧.
- ↑ 三島市北沢にあった精錬工場による鉱毒公害で、反対運動で2年しか操業しなかった。しかし、工場跡地付近の草木も生えず赤茶けた山肌が現在も露出している。また、精錬後の鉱滓を近年まで放置していた為、カドミウムによる土壌汚染への懸念がある。特に除去等の対策は進行していない。
- ↑ 東レは水を大量に使っているが、工場で使用している水のほとんどは静岡県の柿田川工業用水を利用している。利用した排水は浄化した上で、大場川や源兵衛川に流している。
- ↑ 1940年に東芝と分離して大仁に東京電気器具株式会社を創設し、三島には蛍光灯製造部門を移設。
- ↑ 三島に森永製菓の工場を作ったのは、酪農が盛んだった丹那盆地に近かったこと、森永製菓の初代社長森永太一郎が箱根に来た時に、この地域を気に入ったため。森永太一郎が、お菓子の原料である乳製品の工場を作りたいと考え、錦田村名倉新一郎村長の協力を得て、乳製品の工場を作ったのが始まりである。
- ↑ 三嶋大社(社誌) 2001年, p. 35-38.
- ↑ “なぜ三島でコロッケパン!? 松丸アナがご当地商品の人気の秘密を探る”. 日経トレンディネット (2015年10月6日). . 2017閲覧.
- ↑ 宇野朗は、私立三島病院(社会保険三島病院)の創設に尽力、東京大学名誉教授第一号。
- ↑ なお名誉市民授与の時、同時期に出身校(旧制静岡県立沼津中学を卒業)の関係で隣の沼津市も名誉市民を授与する事となり、異例の2都市での名誉市民授与者となった。
関連項目
外部リンク
典拠レコード: