名寄市

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名寄市(なよろし)は、北海道北部・名寄盆地にあるである。

道北地方の商業、産業の中心都市であり、旭川市など道央方面や、日本海方面、オホーツク海方面など他地域とのアクセスも良い。市外局番が市部としては珍しく、三笠市(01267)と同じく5桁(01654)である。

地理

北海道北部にある名寄盆地の中央、天塩川名寄川の合流点に市街地がある。農業の集散地として発展。 名寄市は天塩川と名寄川という二つの川に挟まれた位置にあり、東西よりも南北に幅のある形である。 北緯44 度、東経142 度。北海道でもかなり北の方に位置しており、旭川市から国道40号を北に進んだ場所にある。 上川管内では旭川に次ぐ中核地として栄えている。

隣接の自治体

気候

名寄市
雨温図説明
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気温(°C
総降水量(mm)
出典:気象庁 名寄市(名寄)平年値(年・月ごとの値)

冬場は冷え込みが厳しく、1月の平均気温は-9.7℃、2月の平均最低気温は-16.3度までになり全国の市の中では最も低い。名寄の冬の最大の特徴ともいえる日中の気温の上がりにくさは凄まじく、1月の最高気温は-4.7℃であり同じ北海道内陸部の寒冷地である陸別町(-2.8℃)、占冠村(-3.5℃)、幌加内町(-4.3℃)、和寒町(-4.4℃)や中頓別町(-3.8℃)などの地域の最高気温よりも低い。厳寒期には-30℃以下まで下がることもあり、1982年(昭和57年)2月2日には1976年(昭和51年)の観測開始以来最低となる-35.7℃を記録している。空気中の水蒸気が凍って出来るダイヤモンドダストや太陽光が反射して光の柱のように見えるサンピラー(太陽柱)現象が市の名物にもなっている。夏場は最高気温が30℃を超える日も多いが、朝晩は15℃前後となることが多く涼しい。(8月の最低気温の平均値は、15.2℃)

名寄(名寄市大橋、標高89m)の気候資料
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C (°F) 5.3(41.5) 9.3(48.7) 13.0(55.4) 26.4(79.5) 30.9(87.6) 35.4(95.7) 34.4(93.9) 35.6(96.1) 31.3(88.3) 23.8(74.8) 20.2(68.4) 10.3(50.5) 35.6(96.1)
平均最高気温 °C (°F) -4.7(23.5) -3.3(26.1) 1.4(34.5) 9.2(48.6) 17.2(63) 22.2(72) 25.5(77.9) 25.9(78.6) 21.1(70) 14.1(57.4) 5.1(41.2) -1.8(28.8) 11.0(51.8)
日平均気温 °C (°F) -9.4(15.1) -9.0(15.8) -3.6(25.5) 3.8(38.8) 10.4(50.7) 15.4(59.7) 19.2(66.6) 20.1(68.2) 14.8(58.6) 8.1(46.6) 1.2(34.2) -5.4(22.3) 5.5(41.9)
平均最低気温 °C (°F) -15.8(3.6) -16.2(2.8) -9.8(14.4) -1.7(28.9) 3.6(38.5) 9.2(48.6) 13.9(57) 15.2(59.4) 9.4(48.9) 2.9(37.2) -2.7(27.1) -10.3(13.5) -0.2(31.6)
最低気温記録 °C (°F) -34.5(-30.1) -35.7(-32.3) -30.2(-22.4) -16.5(2.3) -5.9(21.4) -1.0(30.2) 3.4(38.1) 4.3(39.7) 0.3(32.5) -6.0(21.2) -18.1(-0.6) -29.4(-20.9) -35.7(-32.3)
日照時間 64.0 90.5 133.6 157.5 186.5 168.3 145.4 141.9 139.1 109.9 52.1 42.4 1,431.2
出典#1: 気象庁[1]
出典#2: 気象庁[2]

市名の由来

アイヌ語の「川・の所・の口」を表す「ナイオプトゥ[3](nay-or-putu)」に由来する[4]

現在の名寄川と天塩川の合流点を指していた名と考えられ、実際には「ナイプトゥ(nay-putu)」のように略されていたと考えられる。幕末の探検家松浦武四郎は「天之穂日誌」で「此処をナイフトと云うはナヨロフトの詰語なり」と記し、『天塩日誌』においても「左ナイブト 本名ナヨロフト」としている[5]

この「ナヨロ」「ナイフト」には当初「奈与呂」「奈余路」「奈伊太」などの漢字があてられたが、1888年明治30年)の上名寄村と下名寄村置村以降、行政的には「名寄」「名寄太」が使われている。なお「名寄」の字を用いた由来は不明である[5]

歴史

年表

行政

歴代市長
氏名 就任日 退任日
初代 名取忠夫 1956年(昭和31年)4月1日 1958年(昭和33年)8月29日
2代 池田幸太郎 1958年(昭和33年)8月30日 1974年(昭和49年)8月29日
3代 石川義雄 1974年(昭和49年)8月30日 1986年(昭和61年)8月29日
4代 桜庭康喜 1986年(昭和61年)8月30日 1996年(平成8年)9月25日
5代 島多慶志 1996年(平成8年)11月3日 2010年(平成22年)4月22日
6代 加藤剛士 2010年(平成22年)4月23日 現職
治水など

名寄市の河川(名寄川)及び道道の管理除雪等は、北海道上川総合振興局において管理し美深出張所が所管していたが、2006年の旧風連町合併に伴い旧風連町地区のみ士別出張所がひきつづき所管することになった。

経済

産業

  • 上川地方北部(塩狩峠以北)の中心都市。基幹産業は農業で、餅米の生産量は日本一。中でも三重県の伊勢名物の和菓子「赤福餅」に使われる原材料のもち米は、名寄産を中心に使用している。アスパラガスカボチャの生産も盛ん。
  • ひまわり畑も有名で、北竜町に次ぐ壮大な規模。観光のスポットでもある。
  • かつては宗谷本線の名寄駅から名寄本線深名線が分岐し、国鉄城下町としても栄えていた。しかし、国鉄分割民営化に伴う大規模な人員異動や希望退職、両路線の廃止によって地域経済は大きな影響を受けた。このあおりを受け、2002年(平成14年)には過疎地域の指定を受けている。
  • サンピラーパークには2006年(平成18年)11月に公園管理棟を兼ねたカーリング場が設置された[7]
  • 冬はピヤシリスキー場がスキー・スノボー客を集める。隣接するジャンプ台では全国規模の大会も行われる。市は「雪質日本一」をアピールしている。
  • 防衛省陸上自衛隊名寄駐屯地が置かれ、陸自第二師団に属する名寄の連隊は精鋭部隊として有名。地域経済への貢献も大きい。
  • 名寄市は上川北部・宗谷南部地域の医療拠点。医療系の従事者・学生が多いのも名寄市の特徴(名寄市立総合病院は地域センター病院[8]、名寄市立大学は医療系の学科がメインの学校)。
  • 官公庁の出先機関、民間企業の営業所が比較的多い。
  • 商業は量販店の出店が続き、徳田地域を中心ににぎわいをみせている。

農協

  • 道北なよろ農業協同組合(JA道北なよろ)

金融機関

ファイル:Hokusei Shinkin Bank.jpg
北星信用金庫本店

立地企業

商業施設(地元企業)

  • 加藤パイオニアグループ(ホテル・レストラン経営)
  • 喜信堂(菓子)
  • 東陽軒(菓子)
  • 東洋肉店
  • ブラジル(喫茶)

かつてあった大型店

  • 長崎屋名寄店・三島長崎屋店(2001年(平成13年)1月閉店[11][12]
  • レインボーショップ山田・Y’s(ワイズ)
  • 三島名寄中央店(2005年(平成17年)2月に民事再生法の申請に伴って閉店[13]
  • ふじ
  • マツヤデンキ
  • ダイヤモンド靴店・ハローマック・東京靴流通センター

郵便(集配局)・宅配便

公共施設

警察・消防

  • 名寄警察署
  • 駅前交番
  • 西5条交番
  • 智恵文駐在所
  • 風連旭駐在所
  • 風連駐在所
  • 名寄消防署

病院

天文台

その他

姉妹都市・提携都市

人口

名寄市(に相当する地域)の人口の推移
総務省統計局 国勢調査より

消滅集落

2015年国勢調査によれば、以下の集落は調査時点で人口0人の消滅集落となっている[15]

  • 名寄市 - 風連町字池の上,智恵文智東

教育

住宅団地

  • 道営住宅ノースタウン名寄
  • 道営住宅サンピラー名寄
  • 道営住宅マーガレットヴィラ

交通

鉄道

名寄駅から分岐していた名寄本線1989年(平成元年)5月1日に[16]深名線1995年(平成7年)9月4日に廃止されている[17]。名寄本線は中名寄駅、深名線は天塩弥生駅西名寄駅が市内に位置していた。

主要道・道の駅

バス・タクシー

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

市の文化財

ファイル:Nayoro Church.jpg
名寄教会(2010年9月)
  • 日本基督教団名寄教会堂
  • 風連獅子舞 - 風連獅子舞保存会
  • 名寄公園のミズナラ林
  • グイマツ - 東風連小学校敷地内

名勝・天然記念物

  • ピリカノカ(アイヌ語: ピㇼカノカ)
  • 九度山(クトゥンヌプリ)
  • 名寄鈴石 - 名寄市北国博物館
  • 名寄高師小僧 - 名寄市北国博物館

観光スポット

銘菓・グルメ

祭事

  • てっし・名寄まつり(8月上旬)
  • 智恵文ひまわり畑(8月)
  • なよろ雪質日本一フェスティバル・国際雪像彫刻大会(2月中旬)
  • 風連冬まつり
  • 日進スノーフェスティバル
  • 白樺まつり
  • 風連ふるさとまつり
  • 風連神社祭

スポーツイベント

マスコミ

著名な出身者

名寄市が舞台となった作品

脚注

  1. 平年値(年・月ごとの値)”. 気象庁. . 2013閲覧.
  2. 観測史上1~10位の値(年間を通じての値)”. 気象庁. . 2013閲覧.
  3. 連音化し「ナヨロプトゥ」とも表記される。
  4. アイヌ語地名リスト トヨト~ノブシ P91-100”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). . 2017閲覧.
  5. 5.0 5.1 5.2 2 「なよろ」の地名由来(「新名寄市史」を読む)”. 新名寄市史. 名寄市. . 2018閲覧.
  6. 6.0 6.1 6.2 6.3 島多慶志(2011年11月7日). “私の回想記 10 半世紀を経て再び市町合併”. 名寄新聞 (名寄新聞社)
  7. 7.0 7.1 島多慶志(2011年10月7日). “私の回想記 1 指導とお世話になった方々(1)”. 名寄新聞 (名寄新聞社)
  8. 8.0 8.1 島多慶志(2011年11月11日). “私の回想記 11 地方センター病院の指定”. 名寄新聞 (名寄新聞社)
  9. “「名寄」「士別」合併 北星信金 9日誕生 職員、店舗数は当面維”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2007年10月5日)
  10. “幼稚園児の作品を展示 北見信金名寄支店・開店40周年を記念して”. 名寄新聞 (名寄新聞社). (2013年11月20日)
  11. “長崎屋、来年1月末までに14店を閉鎖”. 日本食糧新聞 (日本食糧新聞社). (2000年8月11日)
  12. “長崎屋 道内4店閉鎖 札幌・篠路、留萌、名寄、伊達 全国81店舗体制に 来年1月末”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2000年7月31日)
  13. “民事再生法申請の三島 閉店セールにぎわう 和寒、名寄中央の2店”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2005年2月6日)
  14. “宇宙の神秘 一歩身近に 「きたすばる」開館祝い式典 名寄”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2010年4月17日)
  15. [|総務省統計局統計調査部国勢統計課] (2017-01-27) (CSV). 平成27年国勢調査小地域集計01北海道《年齢(5歳階級),男女別人口,総年齢及び平均年齢(外国人-特掲)-町丁・字等》 (Report). 総務省. http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL08020103.do?_csvDownload_&fileId=000007841019&releaseCount=1 . 2017閲覧.. ※条町区分地の一部に0人の地域がある場合でも他の同一区分地で人口がある場合は除いた。
  16. “天北・名寄線廃止”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1989年5月1日)
  17. “深名線 もう乗れない… 54年間の歴史に幕”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1995年9月4日)
  18. “名寄の情報 ここから 道の駅「もち米の里」開業”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2008年4月21日)
  19. 都市間バスのみ乗り入れ
  20. 都市間バスのみ乗り入れ
  21. 島多慶志(2011年10月31日).“私の回想記 8 振興公社とピヤシリ開発”. 名寄新聞 (名寄新聞社)
  22. 名寄と北都の両紙ともページ数は少ないものの、テレビ番組欄(地上波・とNHK BS1、NHK BSプレミアム、WOWOWプライム)を掲載している。ただし、テレビ北海道 (TVh) のプログラムは2012年の試験放送開始までは非掲載だった(理由:この地域にTVhの中継局が長らく設置されておらず電波を直接受信できなかったこと、あるいは旭川送信所から受信できる世帯が同じ上川北部の和寒町剣淵町などと違い、極めて少なかったが、2012年10月に和寒中継局、2012年12月に名寄中継局、士別市の上士別・温根別両中継局がそれぞれ開局したため、試験放送開始に合わせてTVhのプログラムも掲載された。)。かつては旭川地区で地上デジタル放送を開始する2007年(平成19年)秋頃までは民放の地上波テレビの欄のところに音声多重放送字幕放送のマークが付いていなかった。

関連項目

外部リンク

行政
観光