和寒町
和寒町(わっさむちょう)は、北海道の上川地方北部、上川郡 (天塩国)にある町。スキーのクロスカントリーが盛んで数多くの国内トップ選手を輩出してきた。
Contents
地理
名寄盆地の南端にあたり、丘陵地が多い。南の比布町との境には塩狩峠がある。
気候
冬の冷え込みは厳しく、最低気温は-30℃前後になることもある。特に真冬では日中の気温でも-15度程度にしかならないことがあり、1985年1月24日の気温は-21.2℃までしか上がらなかった。これは旭川で明治時代の1909年1月12日に記録された-22.5℃に次いで全国2番目の低さである[1]。和寒町全体が盆地になっており、一旦冷気が入り込むと冷気湖となって気温の上昇を防ぎ、周囲の山々によって上空からの暖気が入りにくくなることから日中の気温が低くなりやすいとされている。
特に福原地区は日本有数に寒い場所として知られており、1978年(昭和53年)2月17日には、-41.2℃を記録している(北海道開発局の旭川開発建設部による観測)他、近年では2008年1月19日に-39.4℃を記録している[2]。
テレビで「今冬一番の寒さ」のニュースでしばしば「和寒町」の地名が登場する。
隣接している自治体
町名の由来
アイヌ語で、「オヒョウニレの木の・傍ら」を意味する「ワッサム(wat-sam)[3]」に由来する[4]。
旧図には剣淵川東の支流(現在の六線川)付近に「ワッサム」の記載がある[4]。「輪寒」「和参」と書かれた時代もあった。
歴史
- 1899年(明治32年)、鉄道(現在の宗谷本線)が和寒まで開通。
- 1915年(大正4年)、剣淵村(現在の剣淵町)から分立し和寒村が誕生。
- 1952年(昭和27年)、町制施行、和寒町
- 1999年(平成11年)塩狩峠記念館の開館。
経済
産業
米の北限より北に位置するため、戦前は村内一円に除虫菊が植えられ、山奥まで小学校が建てられた。戦後、除虫菊の産地が中国に移ると、山地の畑地は廃れ、また、寒冷地用の米が植えられるようになり、平地では菊畑は田園に変わった。
現代では作付面積日本一を誇るカボチャの他、雪の下で保存し冬期に出荷する「越冬キャベツ」の生産で知られている[5]。また、上川管内では愛別町と並ぶキノコの産地でもある。
農協
- 北ひびき農業協同組合(JA北ひびき)和寒基幹支所
郵便局
- 和寒郵便局(集配局)
- 中和簡易郵便局
宅配便
公共機関
警察
- 士別警察署和寒駐在所
地域
人口
和寒町(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
教育
- 高等学校
- 株式会社立高等学校
- 小中学校
- 町立小中学校
- 和寒小学校
- 和寒中学校
- 町立小中学校
交通
空港
鉄道
バス
- 道北バス
- 和寒町営バス
道路
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
文化財
- 神楽面 - 和寒神社
- 稚児舞 - 和寒神社
- ペオッペ駅逓所跡
- 分村記念の松
- ミズナラ
観光
- 三笠山自然公園
- モトクロスサーキットや、キャンプ場・パークゴルフ場・こどもの国(ミニ遊園地)などの施設があるレジャースポット。
- ふれあいの森
- 和寒町のイベント会場。2棟ある東屋内ではバーベキュー等が楽しめる。キャラクターショーなどが出来る常設ステージがある。
- 南丘森林公園
- キャンプ場がある。カヌーが楽しめる貯水池あり。
- 東山スキー場
- 第1リフト(ペア)、第2リフト(シングル)がある。第1リフト側にはナイター照明あり。スノーボード滑走可。
- 塩狩峠記念館
- 全日本玉入れ選手権
- 和寒町郷土資料館
出身有名人
- 池田英俊 (仏教学者)
- 板垣武四(元札幌市長)
- 藤井辰夫(元ホクレン理事)
- 小川勝也(参議院議員)
- 松本六太郎(元衆議院議員)
- 渡辺長武(元レスリング選手、1964年東京オリンピック金メダリスト)
- 加藤大平(ノルディック複合選手、バンクーバーオリンピック日本代表)
- 清水康平(スキークロスカントリーユニバーシアード日本代表)
- 渋谷美代子(詩人)
- TATSUAKI(ヒューマンビートボクサー)
その他
塩狩山山頂(標高506メートル)にはNTTマイクロウェーブやテレビ中継局、携帯電話基地局など各種電波塔が建っていて北部地域への伝送・電波中継施設(主にNHK稚内報道室など各局のニュース素材送りなど)の重要拠点の1つでもある。「電波の森 塩狩山」ともよんでいる。テレビ中継局の建物は2つあり、1つはNHK旭川放送局の単独。もう1つは民放各局が共同でそれぞれ設置されている(テレビ中継局は塩狩山のほか、同町内西和地区にも設置されている)。詳細は和寒中継局を参照。
脚注
- ↑ 富士山を入れると3番目。
- ↑ “福原小学校 旅人宿 ゆきのおと” . 2015年12月31日閲覧.
- ↑ 「アッサム(at-sam)」と表記されることもある。
- ↑ 4.0 4.1 “アイヌ語地名リスト ル~ワ P141-145”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). . 2017閲覧.
- ↑ “和寒町 産業振興課 » 和寒町の農業について”. 和寒町産業振興課. . 2014閲覧.
外部リンク
- 和寒町 公式サイト (日本語)
- 和寒町の情報ポータルサイト わっさむ.net (日本語)