名阪国道

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名阪国道(めいはんこくどう、MEIHAN EXPRESSWAY)は、一般国道25号バイパス道路で、三重県亀山市亀山インターチェンジ (IC) から、伊賀市などを経由し、奈良県天理市天理ICへ至る高速道路高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路)である[1]名阪英語: MEIHAN)と略される。法的根拠である国土開発幹線自動車道としての路線名は、近畿自動車道名古屋大阪線名古屋市 - 吹田市)である。

高速道路ナンバリング(高速道路等路線番号)では西名阪自動車道とともに「E25」が割り振られている[2]

概要

東名阪自動車道(東名阪)と西名阪自動車道(西名阪)の間に位置する日本の高規格幹線道路網を構成する道路の一つで、両端が東名阪・西名阪の両自動車道と直結した一般国道25号の自動車専用道路である。また、中京圏近畿圏とを結ぶ幹線道路として、京都を経由する名神高速道路新名神高速道路とならび、奈良県を経由する高速道路網の一部を構成しており、名古屋 - 大阪間の最短のルートとして知られる[1]。高規格幹線道路の区分では、高速自動車国道ではなく「高速自動車国道に並行する一般国道の自動車専用道路」(A' 路線)にカテゴリされる。亀山IC - 天理IC間の総延長は73.3キロメートル (km) で全区間4車線(片側2車線)。125 cc以下の二輪車は通行禁止となっている。有料高速道路である東名阪自動車道と西名阪自動車道よりも名阪国道の歴史は古く、1965年の開通以来、通行料金は無料である[1]

福住IC - 天理東ICΩカーブと呼ばれる急カーブ(最小曲率半径150メートル (m)、設計速度60 km/h)があり、最高速度は一部区間で70 km/h、他区間60 km/h(雨天等の悪天候時は50 km/h)に制限されている。また、通常の高速道路よりもIC間の距離が短くICの数が多い[3]

交通量が多く、トラックを中心とした交通事故が多発していることが知られており、2005年の全国の自動車専用道路10 kmあたり事故発生件数ではワースト1となっている[4]

名阪国道のキロポストは、三重県内が亀山ICからのキロ数であるのに対し、奈良県内は国道25号の起点からのキロ数表示となっている。このため両県の県境(五月橋ICの名古屋方)でキロ数表示が連続していない。

標識は、全線にわたって高速道路や自動車専用道路に準じた緑色に白字のものが設置されている[1]。使用されている書体は、三重県内が丸ゴシック体(ナール)であるのに対し、奈良県内は「道路公団標準文字(公団ゴシック)」[注釈 1]である。また、速度制限の表示も奈良県側では高速道路や自動車専用道路に準じた、可変式のもの設置されている。

路線データ

インターチェンジなど

名阪国道では、一般的な高速道路よりもインターチェンジ (IC) の数が多く、約73 km区間中に30カ所ある。2–3 km間隔ごとにICがあり、有料道路ではないことから料金所を設ける必要がなく、簡易的な作りをしている[3]

  • IC番号欄の背景色がである部分については道路が供用済みの区間を示している。また、施設名欄の背景色がである部分は施設が供用されていない、または完成していないことを示す。未開通区間の名称は仮称。
  • BS(バス停留所)のうち、○は運用中、◆は休止中の施設。無印はBSなし。名阪国道に属しないBSは除く。なお、御代ICのバス停は△としている。IC近隣に設置された施設でIC設備からも離れており、当路線に属すBSではないが実際の運用上の扱いは一緒である。
  • 英略字は以下の項目を示す。
    IC:インターチェンジ、JCT:ジャンクション、SA:サービスエリア、BS:バスストップ、TN:トンネル、BR:、RS:道の駅
IC
番号
施設名 接続路線名 亀山
から
(km)
BS 備考 所在地
E23 東名阪自動車道 名古屋方面
1 亀山IC 国道1号東海道国道25号 0.0 三重県 亀山市
国道1号関バイパス
国道1号亀山バイパス
(0.5) 大阪方面からの出口、大阪方面への入口のみ
34 関JCT(伊勢関IC) E23 伊勢自動車道 伊勢方面 1.7 伊勢方面のみ接続
2 関IC 県道10号津関線 2.8
3 久我IC 6.1
- 関トンネル 下り線1110m・上り線1140m
4 向井IC 8.5
5 板屋IC 国道25号 10.5
6 南在家IC 県道668号関大山田線 11.6
- 加太トンネル 下り線495m・上り線500m
伊賀市
7 伊賀IC 国道25号
県道50号伊賀信楽線
16.7
- 伊賀SA 16.9 天理方面は
別名「道の駅いが」
8 上柘植IC 名神名阪連絡道路(事業中)
県道4号草津伊賀線
18.6
9 下柘植IC 県道146号伊賀大山田線 21.1
10 御代IC 県道2号伊賀青山線 22.4
11 壬生野IC 県道49号甲南阿山伊賀線 23.1
12 伊賀一之宮IC/BS 県道138号信楽上野線
県道676号寺田佐那具停車場線
26.8
13 中瀬IC 国道163号 29.2
14 友生IC/BS 県道56号上野大山田線 31.3
15 上野東IC 国道422号 32.8
16 上野IC 国道368号 34.0
17 大内IC/BS 35.4
- 伊賀上野PA
七本木BS
PAは下り線(天理方面)のみ
18 白樫IC/BS 県道686号上野島ヶ原線 38.3
19 治田IC/BS 県道687号治田山出線 40.4
20 五月橋IC/SA 国道25号 42.3 SAは2012年3月31日をもって廃止[5] 奈良県 山添村
- 五月橋BS
21 山添IC/BS 県道80号奈良名張線 45.0
22 神野口IC/BS 国道25号
県道214号月瀬三ケ谷線
49.5
- 切幡BS
23 小倉IC 国道25号
県道127号北野吐山線
53.6 同IC手前に「標高510m」の標識有り 奈良市
- 小倉BS
24 針IC
道の駅針T・R・S
針インターBS
国道369号 56.4
- 針BS
25 一本松IC/BS 国道25号 58.7
26 福住IC 国道25号
県道192号福住横田線
61.4 天理市
- 福住BS
- 高峰SA 下り線(天理方面)のみ 奈良市
27 五ヶ谷IC/BS 67.6
28 天理東IC
岩屋BS
県道51号天理環状線
県道192号福住横田線
71.2 天理市
29 天理IC 国道169号 73.3
E25 西名阪自動車道 香芝大阪方面

歴史

1962年(昭和37年)3月の計画当初から、名阪国道は「無料一般道路」として整備される予定であった。このため、同年5月1日に、当時の一級国道25号の四日市市 - 大和郡山市間の指定が政令公布された。

ファイル:Ichiro Kono cropped.jpg
河野一郎。1962年 - 1964年の建設大臣時代は、東京オリンピックに向けた道路などの整備に辣腕をふるった。

しかし、その政令が施行された1963年(昭和38年)4月の工事着手後から間もない同年5月、建設大臣であった河野一郎が三重県を訪れた際に、沿線住民に対して亀山 - 天理間に無料の自動車専用道路を1000日間で建設することを公約として発表した[1]。同年9月に出された「第2次道路整備5か年計画」の基本構想により、名阪国道が国土開発幹線自動車道の「近畿自動車道名古屋大阪線の一部」として組み込まれたことにより、自動車専用道路としての機能を果たすために、高速自動車国道の規格をとるよう構造の修正が行われた[1]

それまでの経緯から、高速道路に準じる「準高速道路(道路構造令第1種第4級・設計速度60 km/h、高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路)」という扱いにし[3]、建築限界の取り方などについて、特例が適用された。このため、高速自動車国道と同様に有料道路へ変更することも検討されたが、「準高速道路」扱いであることや、無料の一般道路として整備することで、あらかじめ住民に説明していたことから、「約束を反故にするならば、土地の買収には応じられない」とする地元住民の猛反対に遭って、結局は開通時から無料で供用することとなった[6]

1963年(昭和38年)4月の工事着手から、河野の公約である「1000日間で完成させる」という目標が立てられていたことから「千日道路」と呼ばれた[7]。計画されたルートは、もともと道路らしい道路がなかった地域であったことから沿線住民はこの計画を喜んで受け入れて協力的であったため、用地買収はスムーズに進んだといわれる[1]。実際、ルートの決定から、用地買収、トンネルの建設なども含めて1000日以内に完成し、1965年(昭和40年)12月16日に暫定2車線で開通している。

名阪国道の開通から3年あまり経った1969年(昭和44年)3月21日に、西名阪道路(現・西名阪自動車道)が開通し、翌年の1970年(昭和45年)4月17日に、東名阪道路(現・東名阪自動車道)が開通したことにより、西名阪・名阪・東名阪の3つを合わせた国土開発幹線自動車道の近畿自動車道名古屋大阪線の形が完成した。1977年(昭和52年)3月には、名阪国道全線の4車線化が完成して、現在の形になった。

1975年(昭和50年)10月22日には、途中の関JCT(現・伊勢関IC)から伊勢自動車道が分岐し、関JCT - 亀山IC間の名阪国道を介して東名阪道と接続する形となっていた。しかし、無料区間を挟むため、両自動車道に設置されていた本線料金所が「渋滞の原因」となったこともあり、2005年(平成17年)3月13日に「亀山直結線」が開通し、名阪国道を通らずに両自動車道が直結された。

警察庁および国土交通省により、全国的に交通状況に応じた「より合理的な速度規制」についての取り組みが実施されており、防護柵の強化や視距改良などの安全対策により、道路構造上70 km/h走行の条件を満たした、奈良県内の神野口ICから福住ICまでの区間において、2012年(平成24年)10月4日より、70 km/h規制に見直された。また、三重県内の伊賀ICから上野東ICまでの延長約16 kmも、2014年(平成26年)1月末に70 km/h規制に見直された[8][9]。さらに、上野東ICから県境付近(五月橋IC)までの延長約9 kmも2014年(平成26年)度中に、70 km/h規制に見直された[9][注釈 2]

速度規制が緩和されたことに伴い、路線バスの奈良交通榛原営業所所属いすゞ・エルガミオに、最高速度を60 km/hに制限するリミッターを設置し、従来通りの立席乗車を認める措置が執られているほか、一方で三重交通伊賀営業所が運行する上野天理線においては、座席数が多くエンジン出力の高い車種への置き換えを進め、立席乗車を禁止する措置が行われている。

有料道路とすることの問題点

前述のように、1964年には工事費の負担の問題から、有料道路に変更して建設することも検討されたが、有料にした場合は次のような問題点があったため、当初の予定通り無料の一般道路として建設された。

  • 準高速道路扱いで特例を適用した構造規格であったが、有料にする場合は、登坂車線、インターチェンジや休憩施設の加減速車線長など、構造規格の再検討が必要となること[3]
  • 料金徴収や出入制限のため、三重県内のIC数を17か所から3か所程度に制限する必要があり、沿線地区の直接利用も不可能になる。さらに料金所を設置するために1か所当たりの建設費用(通常のICで5000万円程度)が10倍 - 20倍(同時期に開通した名神高速道路の例で5億円 - 11億円)かかること。
  • トンネル区間を除いた大部分の区間で側道を計画しているが、当初はこれを施工せずに、第2期施工の際に側道を考慮する予定であった。しかし、有料となると側道を同時施工する必要があり、そうなると、第1期施工の切土を第2期施工の盛土として使用することができなくなり、工費及び工期に大きな影響を与えること。
  • 一般道路として整備すると住民に説明して地元協議を行っていたが、有料となると用地買収が困難になるだけでなく、公共道路として低く設定された用地単価も引き上げる必要があること。実際、有料化問題が公になった以降、用地交渉は停止した。
  • 建設省(現在の国土交通省)の施工から日本道路公団(現在のNEXCO中日本西日本)の施工に変わると、事務引継や工事事務所職員の扱いなどに問題点が生じること。
  • 以上の問題点を解決するには工期を延長する必要があり、1000日間で完成させるという目標が達成できなくなること。
  • 当初の計画では、三重県内42 kmの暫定2車線供用までの事業費が110億円であったが、有料道路にすると暫定2車線でも160億円程度になると考えられ、これは全巾完成の事業費175億円に匹敵して、事業費を大幅に増額する必要があること。
  • 当時、国道25号(現道)の道路改良率はわずか10 %であり、名阪国道が有料となれば、一級国道(当時の等級)として存続する現道を改良しなければならず、相当程度の事業費が必要となること[3]

路線状況

車線・最高速度

区間 車線
上下線=上り線+下り線
最高速度 備考
亀山IC - 南在家IC 4=2+2 60 km/h
南在家IC - 伊賀SA ※1
伊賀SA - 五月橋IC 70 km/h
五月橋IC - 神野口IC 60 km/h ※2
神野口IC - 小倉IC 70 km/h ※2
小倉IC - 福住IC
福住IC - 天理東IC 60 km/h ※1・※3
天理東IC - 天理IC
  • ※1:一部区間の上り線に登坂車線
  • ※2:一部区間の下り線に登坂車線
  • ※3:開通から20年程度、福住IC - 天理東ICの一部下り線(Ωカーブ付近)は、かつて50 km/hに設定されていた。

全区間で片側2車線の本線を持つが、備考の区間には付加車線(登坂車線)がある[注釈 3]

交通量

24時間交通量(台) 道路交通センサス

区間 平成17(2005)年度 平成22(2010)年度 平成27(2015)年度
亀山IC - 関JCT 50,250 41,074 36,636
関JCT - 関IC 55,749 52,530 49,093
関IC - 南在家IC 58,698 52,530 49,093
南在家IC - 伊賀IC 58,698 52,530 49,093
伊賀IC - 上柘植IC 58,698 52,530 49,093
上柘植IC - 下柘植IC 58,698 52,530 49,093
下柘植IC - 御代IC 63,712 51,245 52,586
御代IC - 壬生野IC 63,712 51,245 52,586
壬生野IC - 伊賀一之宮IC 71,744 64,387 57,327
伊賀一之宮IC - 中瀬IC 68,539 64,387 57,327
中瀬IC - 友生IC 68,539 64,387 57,327
友生IC - 上野東IC 72,002 64,387 57,327
上野東IC - 上野IC 72,002 64,387 57,327
上野IC - 白樫IC 61,433 53,503 49,416
白樫IC - 治田IC 61,433 53,503 49,416
治田IC - 五月橋IC 57,099 45,492 42,568
五月橋IC - 山添IC 57,099 45,492 42,568
山添IC - 神野口IC 57,099 45,492 42,568
神野口IC - 小倉IC 58,179 46,085 45,765
小倉IC - 針IC 58,179 46,085 45,765
針IC - 一本松IC 61,373 54,585 51,894
一本松IC -福住IC 61,373 54,585 51,894
福住IC - 五ヶ谷IC 61,373 54,585 51,894
五ヶ谷IC - 天理東IC 61,373 54,585 51,894
天理東IC - 天理IC 61,373 54,585 51,894
天理IC - 西名阪天理IC 61,373 54,585 51,894

(出典:「平成22年度道路交通センサス」・「平成27年度全国道路・街路交通情勢調査」(国土交通省ホームページ)より一部データを抜粋して作成)

全線を通した平均交通量は一日当たり5万3599台。区間別の交通量は中間地点の伊賀市が最も多く、全体的にそこを中心とした山となっており、起点及び終点に向かって減少していく。2008年の新名神や2010年の第二京阪道路などの開通もあって名古屋 - 大阪間を名阪国道で移動する車が減少したため、2005年調査時と比較すると交通量は軒並み減少しており、特に伊賀市内及び山添村内では1万台以上と大幅に減少している。昼間における混雑度はわずかに「1」を超える区間がある程度で、通常時に混雑することは全線を通してほとんど無い。

調査時の2010年時点における最高速度は全区間60 km/hであるが、昼間12時間の平均旅行速度で最高速度が守られている場所は皆無であり、全線を通して非常に流れが速いことがみてとれる。特に上り線の奈良・三重県境付近では平均の流れが最高速度の30 km/hオーバーとなる90.0 km/hに達しており、規制と実態との乖離(かいり)が著しい。

サービスエリア・パーキングエリア・道の駅

  • 名阪国道のサービスエリア (SA)・パーキングエリア (PA)・道の駅には伊賀SA下り線を除きガソリンスタンドがない。しかし、有料道路ではないためいったん国道から下りて一部のIC周辺に設置されているガソリンスタンドを利用することが比較的容易である。また、大内IC・伊賀IC・関IC付近と伊賀上野PAには民間経営のドライブインが設置されている。

主なトンネルと橋

ファイル:Kabuto tunnel.jpg
加太トンネル(上り線入口)
区間 構造物名 長さ 備考
久我IC - 向井IC 越川大橋
関トンネル 下り線(天理方面)1,110 m
上り線(亀山方面)1,140 m
南在家IC - 伊賀IC 加太トンネル 下り線495 m・上り線500 m
伊賀一之宮IC - 中瀬IC 服部川橋
友生IC - 上野東IC 久米川橋
上野IC - 大内IC 木津川橋
治田IC - 五月橋IC 新五月橋
福住IC - 五ヶ谷IC 高峰橋
薬師橋
中畑橋
五ヶ谷IC - 天理東IC 米谷橋

トンネルの数

区間 上り線 下り線
亀山IC - 久我IC 0 0
久我IC - 向井IC 1 1
向井IC - 南在家IC 0 0
南在家IC - 伊賀IC 1 1
伊賀IC - 天理IC 0 0
合計 2 2

道路管理者

道路情報ラジオ

  • 関(亀山IC - 関IC)
  • 伊賀(加太トンネル - 下柘植IC)
  • 五月(治田IC - 山添IC)
  • 針(小倉IC - 一本松IC)
  • 天理(天理東IC - 天理IC)

北勢国道事務所管内の関・伊賀・五月局は冒頭に「こちらは国土交通省です。名阪国道を走行中の方にこの時間の道路情報をお知らせします。」と放送される。

所管警察

他の自動車専用道路との違い

構造上の問題

当道路は、過渡期に建設された道路であるため、構造上の規格を満たしていない箇所がいくつかある。ICの数が多く、またIC間の距離が短い箇所が多い上、加減速車線はかなり短く、高速自動車国道や自動車専用道路としての規格を満たしていない箇所が多い。また、SAも存在するもののほとんどが一旦国道から降り、再流入するという形式をとっているが、(SAも含めて)流入・流出の際加減速余裕が全くないためドライバーに緊迫した判断を迫る入口が、大阪・名古屋方面共に複数存在する。一例として、上り線にあった高峰SAは、加減速車線がほとんど無いうえ、勾配があるカーブの途中にあることもあって、特に合流時には相当の注意を必要とするなど、本線への流入、流出時に危険が伴うことがあった。なお、国土交通省では、接触や追突事故の多いICについて加減速車線の延伸工事を引き続き行うとしている[4]

有料か無料かを問わず自動車専用道路に指定されている高速道路である[13]が、ICに料金所が無いため、まれに原付や自転車、歩行者が誤って進入する場合がある[注釈 4]。一方、最低速度の規制がないため小型特殊自動車は通行可能である(最高速度15 km/h以下、農耕作業用は35 km/h未満)。

交通量における諸問題

設計速度60 km/hのΩカーブが存在することもあり最高速度は一部の区間を除いて一般国道自動車専用道路法定最高速度である60 km/hに制限されているが、道路幅自体は高速自動車国道並みに整備されていることと、両端に接続する東名阪道西名阪道(いずれも高速自動車国道)の最高速度が80 km/hであることもあって、ほとんどの走行車両が80–100 km/h前後の速度で運転している[3]。そのため、最高速度で走行している車や、急勾配区間で低速となる大型車への追突事故が多発している[3]。また、一度事故が発生すると後続の渋滞の中で追突事故が多発することがあり、そのせいもあってか名阪国道は、2005年の全国の自動車専用道路10 kmあたり事故発生件数ではワースト1となっている[4]

名古屋 - 大阪間を走行する場合、名神新名神などを利用するより通行料金が安い[注釈 5]ほか、難波天王寺など大阪市南部以南(中央大通以南)の地域へ到達する場合の所要時間も名神経由と同程度[注釈 6]であるため、交通量は車種や時間帯を問わず多い。西名阪道への接続点に近い福住IC - 天理東ICには急坂・急カーブ区間(Ωカーブ)があり、走行速度は必然的に低下する。

名阪国道を走行する路線バス[注釈 7]もあり、これらは比較的低速で運行している。

地理

通過する自治体

※通過地点は同市の市街地からは遠い。なお、当道路と奈良市街の行き来は天理ICから国道169号などの利用が一般的である。

脚注

注釈

  1. 旧・日本道路公団が開発した書体。「公団文字」「公団ゴシック」とも。
  2. 県境までの見直しについては出典となる三重県警察の公表文が存在しないので、代わりに証拠写真を上げる。ファイル:名阪国道70km.hに見直し、県境付近(上り線)証拠写真.JPGファイル:名阪国道70km.hに見直し、県境付近(下り線)証拠写真.JPG
  3. 開通から20年程度は設置されていなかった。
  4. ただし、進入禁止の標識はある。
  5. 名神経由の例:一宮 -(米原経由)- 吹田 4,100円、新名神経由の例:名古屋西 -(甲賀土山経由)- 吹田 3,850円、名阪国道経由の例:名古屋西 - 長原(松原) 2,350円 (いずれも普通車、割引なしの場合)
  6. 規制速度で計算した場合。
  7. 奈良交通天理駅 - 国道山添および、三重交通の路線バス。後者は、2005年から一部区間で、旧道を走行するようになった。

出典

参考文献

  • 浅井建爾 『日本の道路がわかる辞典』 日本実業出版社、2015-10-10、初版。ISBN 978-4-534-05318-3。

関連項目

外部リンク