国道169号

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国道169号(こくどう169ごう)は、奈良県奈良市から和歌山県新宮市に至る一般国道である。

概要

ファイル:Kumanogawatown Miyai Shinguctiy Wakayamapref Route 169 No,3.jpg
当道の標識
和歌山県新宮市熊野川町宮井で撮影
ファイル:Kumanogawa Miyai Shingucity Wakayamapref Route 169 No,2.jpg
単独区間の終点付近
和歌山県新宮市熊野川町宮井で撮影

概ね整備されている国道であるが、紀伊半島の険しい山間部を通過するため熊野市以南は未整備の狭隘路が残る。この区間は。

国道42号国道309号などと併せ、京阪神地区から熊野市新宮市以南への最短ルートとしても機能している。但し、吉野町から下北山村までの区間は冬季に凍結や積雪がある。最南端の和歌山県内は国道168号との重複区間である。

当道は奈良県の十津川村をわずかに通過しているが、同村内(国道311号重複区間を含む)の管理者は奈良県ではなく和歌山県(東牟婁振興局新宮建設部)となっている。

行楽目的の利用も多くなされる路線である。沿線には吉野山という日本有数の名所があることから、。また、新伯母峰トンネルのすぐ北では大台ケ原への唯一のアクセス道路となっている奈良県道40号大台ケ原公園川上線(大台ヶ原ドライブウェイ)と接続している。

路線データ

一般国道の路線を指定する政令[1][注釈 1]に基づく起終点および経過地は次のとおり。

歴史

道路法(昭和27年法律第180号)に基づく二級国道として初回指定された路線のひとつである。国道指定当初は新宮市から三重県南牟婁郡木本町[注釈 4]を経由して大和高田市に至る路線として指定され、当時の起点と終点は二級国道168号と共通していたほか、新宮市から南牟婁郡木本町までは二級国道170号(現在の国道42号の一部)と重複していた[4]。同町からは現在の国道309号の経路で北上していた。1975年(昭和50年)に、熊野市経由から国道168号と重複して和歌山県東牟婁郡熊野川町経由に変更し、旧道のうち熊野市飛鳥町小阪 - 同市五郷町桃崎は1970年に指定された国道309号の単独区間に、また奈良県吉野郡上北山村 - 同郡大淀町の区間も国道309号が同郡天川村経由に変更された[5]。その後、1993年(平成5年)には奈良市から橿原市にかけての区間を編入することで、現在の国道169号の区間となった[6]

年表

  • 1953年昭和28年)5月18日
    二級国道169号新宮木本大和高田線(新宮市 - 三重県南牟婁郡木本町[注釈 4] - 大和高田市)として指定施行[4]
  • 1965年(昭和40年)4月1日
    道路法改正により一級・二級区分が廃止されて一般国道169号として指定施行[7]
  • 1975年(昭和50年)4月1日
    新宮市から熊野市にかけての経路を変更[5]
  • 1993年平成5年)4月1日
    起終点を入れ替えて起点側を延伸し、一般国道169号(奈良市 - 新宮市)として指定施行[6]

2007年の大規模災害

2007年1月30日午前7時30分頃、奈良県吉野郡上北山村西原付近で大規模な土砂崩れが発生し、通行していた乗用車1台が巻き込まれ3名が死亡した。当該区間は斜面地盤がかなり脆くなっている事が判明したことから復旧工事には2箇月以上を要したが、同年4月20日の午後5時より通行止めを解除し、暫定的に片側交互通行となった。引きつづき恒久的な災害復旧工事が行われ、同年9月28日には対面交通による通行が可能となった。 だが、この災害が起きたことによって上北山道路が建設されることとなり、現在では和佐又トンネルによって災害箇所を迂回することが出来る。

路線状況

道路改良

桜井バイパス
桜井(さくらい)バイパスは、奈良県桜井市箸中から同市上ノ庄に至るバイパス道路である[8]。全長は2,083m、車線数は2車線である。
同国道はことから、市街地を迂回しことを目的として県により事業化[8]され、2003年3月に全線の供用を開始した。
高取バイパス
高取(たかとり)バイパスは、奈良県高市郡高取町兵庫から同町清水谷に至るバイパス道路である。全長は3.4km、第3種第2級、2車線、60km/hで設計されている[9]。1998年度に事業化された。一部の区間が2011年度に供用開始を予定しており[10]、2013年度の全線開通を目指している[11]
伯母谷道路
伯母谷(おばたに)道路は、奈良県川上村伯母谷に建設されたバイパス道路。2003年(平成15年)1月に完成供用[12]
上北山道路
上北山(かみきたやま)道路は、奈良県吉野郡上北山村大字西原に建設されたバイパス道路。全長は1.1km。うち0.9kmは和佐又トンネルが占める。2012年(平成24年)3月に完成供用[13]
竹原拡幅
竹原(たけはら)拡幅は、和歌山県東牟婁郡北山村七色から同村竹原に至る区間の道路改良事業。全長は1.2km、2車線で設計されている[14]
奥瀞道路
奥瀞(おくとろ)道路は、和歌山県東牟婁郡北山村小松から同県新宮市熊野川町玉置口に至る道路。
北山村から新宮市熊野川町にかけての国道169号における交通不能区間を解消[15][16]し、北山川の瀞峡に沿って通る狭隘・線形不良区間かつ災害多発区間における諸問題(災害発生による経済損失の解消および該当区間・地域東西軸の経済発展)の抜本的解決を図るため、バイパス道路および現道改良区間として、国土交通省の直轄事業区間として建設・改良工事が進められている。
線形不良区間および異常気象時通行規制区間についてはトンネルおよび橋梁で該当区間を迂回し、現道活用が可能な区間については現道の拡幅改良を行い、併せて法面対策を行うとしている。
I期区間[16]
  • 区間:和歌山県東牟婁郡北山村小松〜和歌山県新宮市熊野川町玉置口
 (途中で奈良県吉野郡十津川村神下を経由)
  • 路線長:約6.3km
  • 2008年7月に供用済
供用前は徒歩でしか通行できない、車では通行不能だった区間が含まれる。1996年7月30日に通行不能だった区間の供用を開始。国道169号線最長の瀞峡トンネル(延長2049m)がI期最期の開通区間となった。
II期区間[17]
  • 区間:和歌山県新宮市熊野川町玉置口〜和歌山県新宮市熊野川町九重
 (途中で奈良県吉野郡十津川村竹筒を経由)
  • 路線長:約5.2km
  • 2015年9月13日供用開始[18]
宮井バイパス
宮井(みやい)バイパスは、和歌山県新宮市熊野川町九重から同市熊野川町四滝に至るバイパス道路である。全長は2.1km、車線数は2車線(幅員11.0m)である[19]
当バイパス区間のうち、同年6月15日、四瀧トンネルを含む区間が貫通[20][注釈 5]し、2008年7月12日に同トンネル (1.2km) を含む1.3kmの供用を開始[21]した。さらに2009年3月、残りの0.1kmも供用開始[21]されたことにより全線が開通した。
その他
  • 国道169号と国道168号の分岐点付近で熊野川を渡る宮井大橋は、2009年度より架け替え事業が開始、新しい橋は2015年8月30日に開通した[22]

通称

  • 東熊野街道

重複区間

  • 国道25号 : 天理市・川原城町交差点 - 同・勾田町交差点
  • 国道165号国道166号 : 奈良県桜井市・谷交差点 - 橿原市・兵部町交差点
  • 国道24号 : 橿原市・橿原郵便局前交差点 - 同・兵部町交差点
  • 国道370号 : 奈良県大淀町・土田交差点 - 吉野町・宮滝大橋北詰交差点
  • 国道309号 : 奈良県上北山村西原天ヶ瀬 - 熊野市五郷町桃崎
  • 国道311号 : 奈良県十津川村竹筒(たけとう) - 新宮市熊野川町宮井
  • 国道168号 : 新宮市熊野川町宮井 - 終点

道路施設

トンネル

  • 芦原トンネル・新芦原トンネル (770m、706m)
  • 五社トンネル (1,360m)
  • 新伯母峰トンネル (1,964m)
  • 和佐又トンネル (924m)
  • 東野トンネル (1,389m)
  • 瀞峡トンネル (2,049m)
  • 四瀧トンネル (1,212m) : 2007年6月15日に貫通[20]。なお、仮称は宮井トンネルであった。

道の駅

地理

通過する自治体

交差する道路

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脚注

注釈

  1. 一般国道の路線を指定する政令の最終改正日である2004年3月19日の政令(平成16年3月19日政令第50号)に基づく表記。
  2. 2005年10月1日に新宮市と東牟婁郡熊野川町が合併して新宮市発足。
  3. 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 3.6 2015年4月1日現在
  4. 4.0 4.1 1954年11月3日に1町7村が合併して熊野市発足。現在の熊野市街地。
  5. 事業中の仮称は「宮井トンネル」であった。

出典

  1. 一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号)”. 法令データ提供システム. 総務省行政管理局. . 2012閲覧.
  2. 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 2.6 表26 一般国道の路線別、都道府県別道路現況 (PDF)”. 道路統計年報2016. 国土交通省道路局. p. 9. . 2017閲覧.
  3. 一般国道の指定区間を指定する政令(昭和33年6月2日政令第164号)”. 法令データ提供システム. 総務省行政管理局. . 2012閲覧.
  4. 4.0 4.1 ウィキソースには、二級国道の路線を指定する政令(昭和28年5月18日政令第96号)の原文があります。
  5. 5.0 5.1 一般国道の路線を指定する政令の一部を改正する政令(昭和49年11月12日政令第364号)”. 法庫. . 2012閲覧.
  6. 6.0 6.1 一般国道の路線を指定する政令の一部を改正する政令(平成4年4月3日政令第104号)”. 法庫. . 2012閲覧.
  7. 一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号)
  8. 8.0 8.1 1.交通ネットワークの整備 /『奈良県総合計画 後期実施計画 本編』第3編第1章 (PDF)”. 奈良県. p. 64. . 2011閲覧.
  9. 1. 一般国道169号 高取バイパス 事業概要 (PDF)”. 奈良県. . 2011閲覧.
  10. 国道169号 高取バイパス”. 奈良県. . 2011閲覧.
  11. 一般国道169号 高取バイパス 再評価結果 (PDF)”. 国土交通省. . 2011閲覧.
  12. 交通ネットワーク整備 / 奈良県新総合計画 10年のあゆみ”. 奈良県知事公室政策調整課. . 2012閲覧.
  13. 国道169号「上北山道路」が3月31日(土)に開通”. 国土交通省. . 2012閲覧.
  14. 一般国道169号 竹原拡幅”. 和歌山県. . 2011閲覧.
  15. 奥瀞道路・奥瀞道路(II期) - 国土交通省近畿地方整備局
  16. 16.0 16.1 奥瀞道路(I期区間について)”. 国土交通省近畿地方整備局 (2005年9月). . 2014閲覧.
  17. 奥瀞道路 - 国土交通省近畿地方整備局(II期区間について再評価。2011年3月時点)
  18. [1]
  19. 一般国道169号 宮井バイパス”. 和歌山県. . 2011閲覧.
  20. 20.0 20.1 宮井トンネル(仮称)貫通 平成20年度末に完成予定 新宮市熊野川町四滝〜九重”. 南紀州新聞 (2007年6月16日). . 2011閲覧.
  21. 21.0 21.1 12 一般国道169号 宮井バイパス(平成20年度供用予定箇所)”. 和歌山県. . 2011閲覧.
  22. 国道169号【宮井橋】の開通について”. 和歌山県. . 2015閲覧.

関連項目

外部リンク