三重県警察
提供: miniwiki
三重県警察(みえけんけいさつ)は、三重県公安委員会の管理の下、三重県が設置した警察行政組織。三重県内を管轄区域とし、三重県警と略称する。給与支払者は三重県知事である。中部管区警察局管内。本部所在地は津市栄町一丁目100番地。
管内に伊勢神宮を抱えているため、政府関係者や皇族など要人警護の経験が豊富である[1]。この経緯が2016年の第42回先進国首脳会議の開催地が志摩市賢島に決定した要因の一つとなった[1]。
沿革
- 1948年(昭和23年) - 旧警察法施行に伴い、三重県警察部が廃止され、国家地方警察三重県本部と、津市警察などの自治体警察に分割される。
- 1954年(昭和29年)7月1日 - 新警察法施行に伴い、三重県警察に再編成される。
- 2017年(平成29年)3月 - 110番センターの通信指令システムを更新[2]。
本部組織
- 三重県警察学校(津市高茶屋四丁目36番9号)
データ
- 警察署数 - 18
- 幹部交番数 - 6
- 交番数 - 52
- 駐在所数 - 145
- 警備派出所数 - 6
- 職員数 - 3,399人
- パトカー - 220台
- 白バイ - 68台
- 船舶 - 4隻
- ヘリコプター - 2機
警察署
警察署数は18。警察車両のナンバー地名は鈴鹿市・亀山市が「鈴鹿」、それ以外の地域は「三重」となる。
※ | 地域 | 警察署名称 | 所在地 | 管轄区域 | 前身 |
---|---|---|---|---|---|
三重 | 北勢 | 桑名警察署 | 桑名市江場 | 桑名市、桑名郡木曽岬町 | |
いなべ警察署 | いなべ市員弁町宇野 | いなべ市、員弁郡東員町 | 員弁警察署 | ||
四日市北警察署 | 四日市市松原町 | 四日市市北部、三重郡朝日町・川越町 | 富田警察署 | ||
四日市南警察署 | 四日市市新正 | 四日市市中部・南部 | 四日市警察署 | ||
四日市西警察署 | 三重郡菰野町大強原 | 四日市市西部、三重郡菰野町 | 菰野警察署 | ||
鈴鹿 | 亀山警察署 | 亀山市野村 | 亀山市 | ||
鈴鹿警察署 | 鈴鹿市江島町 | 鈴鹿市 | 神戸警察署 | ||
三重 | 中勢 | 津警察署 | 津市丸之内 | 津市中部 | |
津南警察署 | 津市久居明神町 | 津市南部 | 久居警察署 | ||
松阪警察署 | 松阪市中央町 | 松阪市、多気郡明和町・多気町 | |||
大台警察署 | 多気郡大台町佐原 | 多気郡大台町 | 宮川警察署 | ||
南勢 | 度会郡大紀町 | ||||
伊勢警察署 | 伊勢市神田久志本町 | 伊勢市、度会郡玉城町・度会町・南伊勢町 | 宇治山田警察署 | ||
志摩 | 鳥羽警察署 | 鳥羽市松尾町 | 鳥羽市、志摩市 | ||
東紀州 | 尾鷲警察署 | 尾鷲市古戸町 | 尾鷲市、北牟婁郡紀北町 | ||
熊野警察署 | 熊野市井戸町 | 熊野市(旧南牟婁郡紀和町を除く) | 木本警察署 | ||
紀宝警察署 | 南牟婁郡紀宝町鵜殿 | 熊野市の一部(旧南牟婁郡紀和町)、南牟婁郡御浜町・紀宝町 | 鵜殿警察署 | ||
伊賀 | 伊賀警察署 | 伊賀市四十九町 | 伊賀市(旧名賀郡青山町を除く) | 上野警察署 | |
名張警察署 | 名張市蔵持町芝出 | 名張市、伊賀市の一部(旧名賀郡青山町) |
歴代本部長
代 | 氏名 | 在任期間 | 出身校 | 警察庁入庁 | 前職 | 後職 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 渡邊一太郎 | 1952.04.09 - 1955.07.01 |
日大 法文科 |
大阪警察管区警備部長 | 警察庁参事官 | |
2 | 小林利吉 | 1955.07.01 - 1957.01.19 |
警察大学校 | 1923年 三重県巡査 |
熊本県警察本部長 | 警察庁警務局付→辞職 |
3 | 渡邊實 | 1957.01.19 - 1958.12.05 |
東大 法学部 |
1939年 内務省入省 |
青森県警察本部長 | 中部管区警察局総務部長 |
4 | 永見昌司 | 1958.12.05 - 1960.07.13 |
東大 法学部 |
1940年 内務省入省 |
防衛庁防衛局第二課長 | 近畿管区警察局総務部長 |
5 | 山口廣司 | 1960.07.13 - 1962.05.08 |
東大 法学部 |
陸上幕僚監部第二部別室長兼内閣調査室 | 大阪府警察本部警備部長 | |
6 | 柏原及也 | 1962.05.08 - 1965.02.10 |
東大 法学部 |
1942年 内務省入省 |
警察庁長官官房装備課長 | 国鉄本社公安本部長 |
7 | 木村善隆 | 1965.02.10 - 1967.07.07 |
東大 法学部 |
1945年 内務省入省 |
警察庁刑事局鑑識課長 | 茨城県警察本部長 |
8 | 川井正吉 | 1967.07.07 - 1969.04.01 |
東大 法学部 |
警察庁長官官房装備課長 | 大阪府警察本部警務部長 | |
9 | 佐藤信 | 1969.04.01 - 1972.07.14 |
日大 法律科 |
近畿管区警察局公安部長 | 中国管区警察局総務部長 | |
10 | 半田博 | 1972.07.14 - 1974.05.17 |
明大 法学科 |
1952年 国警 |
防衛庁防衛局調査課長 | 警察庁警備局参事官 |
11 | 松井三郎 | 1974.05.17 - 1975.08.04 |
京大 農学部 |
1952年 | 警察庁警務局給与厚生課長 | 警察庁警務局付 |
12 | 佐々淳行 | 1975.08.04 - 1977.02.18 |
東大 法学部 |
1954年 国警 |
警察庁警備局警備課長 | 警察庁刑事局参事官 |
13 | 小池勲 | 1977.02.18 - 1978.08.04 |
東北大 法学部 |
1953年 国警 |
中部管区警察局公安部長 | 中国管区警察局総務部長 |
14 | 若田末人 | 1978.08.04 - 1980.08.18 |
中大 法学部 |
1955年 | 警察庁警備局警備課長 | 近畿管区警察局公安部長 |
15 | 山田忠孝 | 1980.08.18 - 1982.05.28 |
阪大 法学部 |
1957年 | 警察大学校警備教養部長 | 総理府内閣調査室主幹 |
16 | 石瀬博 | 1982.05.28 - 1983.08.22 |
東北大 大学院 |
1959年 | 警察庁刑事局保安部少年課長 | 大阪府警察本部総務部長 |
17 | 森廣英一 | 1983.08.22 - 1985.02.18 |
東大 経済学部 |
1959年 | 警察庁刑事局捜査第二課長 | 警察庁長官官房総務課長 |
18 | 増田裕 | 1985.02.18 - 1986.08.18 |
中大 法学部 |
1961年 | 島根県警察本部長 | 辞職 |
19 | 鏡山昭典 | 1986.08.18 - 1988.03.26 |
大阪陸軍 幼年学校 |
1948年 国警 |
警察庁警備局公安第三課長 | 辞職 |
20 | 田邉八州雄 | 1988.03.26 - 1989.08.18 |
立大 法学部 |
1965年 | 警察庁交通局交通指導課長 | 中国管区警察局総務部長 |
21 | 北村邦雄 | 1989.08.18 - 1991.07.29 |
京大 法学部 |
1965年 | 中国管区警察局総務部長 | 警察庁警務局付→ 1991.09.13関東管区警察局保安部長 |
22 | 瀬川勝久 | 1991.07.29 - 1993.01.18 |
北大 法学部 |
1971年 | 防衛庁陸上幕僚監部調査部調査第二課調査別室長 | 警察庁刑事局保安部生活保安課長 |
23 | 丹下正彦 | 1993.01.18 - 1994.04.04 |
名工大 電子工学科 |
1966年 | 警察庁通信局無線通信課長 | 警察庁通信局長 |
24 | 柳澤昊 | 1994.04.04 - 1995.09.08 |
一橋大 法学部 |
1973年 | 警察庁警備局公安第二課長 | 内閣調査官 |
25 | 河尻融 | 1995.09.08 - 1997.07.08 |
慶大 経済学部 |
1973年 防衛庁入庁 |
防衛庁厚生課長→ 1995.08.14警察庁出向 |
防衛庁秘書課長 |
26 | 石川正 | 1997.07.08 - 1999.08.26 |
東北大 法学部 |
1974年 | 警察庁長官官房装備課長 | 警察庁交通局交通企画課長 |
27 | 近藤善弘 | 1999.08.26 - 2001.09.07 |
東大 法学部 |
1978年 | 警察庁刑事局暴力団対策二課長 | 神奈川県警察本部警務部長 |
28 | 野上豊 | 2001.09.07 - 2003.08.05 |
東大 法学部 |
1979年 自治省入省 |
総務省自治行政局選挙部政治資金課政党助成室長→ 2001.08.??警察庁出向 |
総務省地域創造事務局長 |
29 | 飯島久司 | 2003.08.05 - 2005.03.31 |
慶大 法学部 |
1978年 | 皇宮警察本部警務部長 | 警察大学校教務部長 |
30 | 木岡保雅 | 2005.03.31 - 2006.07.28 |
東大 法学部 |
1982年 | 京都府警察警務部長 | 文部科学省初等中等教育局児童生徒課長 |
31 | 大庭靖彦 | 2006.07.28 - 2008.04.01 |
東大 法学部 |
1982年 | 警察大学校生活安全教養部長 | 警察大学校警備教養部長 |
32 | 入谷誠 | 2008.04.01 - 2010.01.18 |
東大 法学部 |
1983年 | 警察庁生活安全局地域課長 | 警察庁交通局交通企画課長 |
33 | 河合潔 | 2010.01.18 - 2011.08.31 |
東大 法学部 |
1984年 | 内閣官房副長官補付内閣参事官 | 警視庁生活安全部長 |
34 | 斉藤実 | 2011.08.31 - 2013.1.25 |
東大 法学部 |
1985年 | 警察庁警備局警備課長 | 警察庁長官官房総務課長 |
35 | 高須一弘 | 2013.1.25 - 2014.6.30 |
東大 法学部 |
1987年 | 警察庁刑事局組織犯罪対策部犯罪収益移転防止管理官 | 大阪府警察本部警務部長 |
36 | 大賀眞一 | 2014.6.30 - 2015.7.16 |
京大 法学部 |
1988年 | 大阪府警察本部刑事部長 | 警察庁長官官房付→ 警察庁刑事局組織犯罪対策部組織犯罪対策企画課長 |
37 | 森元良幸 | 2015.7.16 - |
東大 法学部 |
1991年 | 警視庁警務部参事官・人事第1課長事務取扱 |
最近の主な事件
- 2007年(平成19年)2月 県警本部捜査1課巡査部長が書店で万引き。県警はこの警察官を事件発覚後逮捕せず、公表しなかった理由について「逃亡証拠隠滅の恐れがなく被害額も少なかった」と説明。
- 2013年 (平成25年) 2月2日 四日市南署刑事2課係長の警部補がパチンコ店で女性店員のスカート内を盗撮して逮捕された[3]。
- 2014年(平成26年)10月31日 県警機動捜査隊の30歳の男性巡査部長が、捜査活動中にコンビニエンスストアに立ち寄った際、トイレ内に拳銃と実弾を置き忘れたとして、減給100分の10の処分となった[4]。
- 2015年(平成27年)2月 県警の男性巡査長(いずれも20歳代)2人が、警察職員の官舎の共益費約51万円を着服していたことが判明。県警は2人を2月27日付で減給処分としたが、「業務上の不祥事でなく、減給処分だった」ことを理由として、4月7日に新聞報道されるまで事実を公表していなかった[5]。
参考文献
- 『三重県警察史 第四巻』1994年10月1日発行、編集:三重県警察史編さん委員会、発行:三重県警察本部
関連項目
- 国家地方警察三重県本部
- 旧警察法時代に存在した自治体警察
- 佐々淳行(初代安全保障室長、現・安全保障評論家、かつて、三重県警察本部本部長を務めた)
- 交通安全協会
出典
- ↑ 1.0 1.1 “伊勢志摩サミット:警備優位性が決め手…当初から最有力”. 毎日新聞. 2015年6月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2015閲覧.
- ↑ 三重県議会広聴広報会議 編「みえ県議会だより NO.158」三重県議会、2017年10月1日
- ↑ 53歳警部補、スカート内盗撮を図り逮捕 - 読売新聞(2013年2月3日)
- ↑ 拳銃と実弾、コンビニトイレに置き忘れ 三重県警の巡査部長減給処分 産経新聞 2014年10月31日
- ↑ 官舎の共益費51万円着服、三重県警が巡査長2人を処分 「減給処分のため」公表せず 産経新聞 2015年4月7日