東急不動産
東急不動産株式会社(とうきゅうふどうさん、TOKYU LAND CORPORATION)は、日本の総合不動産会社。東急グループの1社。総合不動産では、業界4位。東急グループの本拠地でもある渋谷のほか、都内に約100棟のオフィスビルを所有している。
Contents
概要
- 来歴
電鉄系不動産会社としては、突出した規模を持ち、前身の田園都市株式会社を引き継ぎ、都心五区での住宅・オフィス・商業施設開発を中心に、都心からリゾート地まで「住宅」「オフィス」「商業施設」「資産活用」「リゾート」「海外」と幅広い事業展開をおこなっている。なお、東急グループにおいてデベロッパー機能を持つ東京急行電鉄は東急沿線での開発が中心であり、都心開発が中心の東急不動産とは棲み分けがなされている。 2008年より3年間で総額5,000億円を投じ、都心部において積極的なオフィスビル・商業施設開発を行うとしており、これ程の規模の事業投資は同社としては初。不動産価格の高騰が落ち着き、投資に有利な環境となった事で積極的に展開していくとしている。2013年、持株会社体制に移行し、東急不動産ホールディングスを設立。同社の完全子会社となった。
- 近年の主要な計画
2006年9月27日に、東武百貨店から神宮前のティーズ原宿の土地を建て替え費用も含め約600億円で、同年12月5日にはタカシマヤタイムズスクエアの土地と建物の6割を1210億円で、2007年9月19日には東芝不動産から数寄屋橋の銀座東芝ビル(後の銀座TSビル)の土地と建物を1610億円で取得。その後、同ビルが築70年以上経過し老朽化が進んでいたことから、2012年9月に解体工事に着手。跡地に地上11階、地下5階の商業施設で、インバウンド消費を狙った東急プラザ銀座を2016年3月に開業している。この施設は同社最大級となる商業施設で、大型免税店など120店が入居している[1]。 また2007年12月には、東急電鉄との二子玉川再開発(二子玉川東地区第一種市街地再開発事業)が着工された。当該再開発における計画面積は11.2ha(第1期は8.1ha)で、組合施行としては全国最大規模。第1期計画として多摩川沿いの駅ビルを軸としたI街区、超高層の商業棟とホテルを軸としたII街区、超高層マンション(最高151m)を軸としたIII街区が計画され、2010年までにII街区を除き完成し、2015年に二子玉川ライズを含めて完成した。また関西でも大型複合商業施設キューズモールを開業し、2017年冬には大阪市心斎橋で新商業施設を立ち上げる計画など、不動産開発を強化している[2]。2016年現在、大規模再開発事業として、渋谷駅地区で東急電鉄などと駅街区開発計画を進めている[3]。
沿革
- 1918年 田園都市株式会社設立。
- 1953年12月 東京急行電鉄株式会社より不動産部門を分離独立、東急不動産株式会社を設立。
- 1956年4月 東京証券取引所市場第二部に株式上場。
- 1959年12月 建設業を東急建設株式会社に譲渡。
- 1961年6月 広告業を東急エージェンシーへ譲渡。
- 1961年10月 東京証券取引所市場第一部に指定替え。
- 1963年8月 額面変更のため旧日本相互タクシー株式会社(東急不動産株式会社に商号変更)に吸収合併。
- 1970年4月 東急コミュニティー設立。
- 1970年10月 大阪証券取引所市場第一部に上場。
- 1972年3月 エリアサービス(現・東急リバブル)設立。
- 1976年8月 東急ハンズ設立。
- 1982年9月 東急ホーム(現・東急ホームズ)設立。
- 1986年7月 会員制スポーツクラブ「東急スポーツオアシス」開業。
- 1988年6月 会員制リゾートホテル「東急ハーヴェストクラブ」開業。
- 1998年2月 長期滞在型の宿泊施設「東急ステイ」開業。
- 2003年 東京証券取引所に「東急リアル・エステート投資法人」を上場。
- 2007年11月 大阪証券取引所上場廃止。
- 2012年6月 東京証券取引所に「アクティビア・プロパティーズ投資法人」を上場。
- 2013年2月 東京証券取引所に「コンフォリア・レジデンシャル投資法人」を上場。
- 2013年9月 東京証券取引所上場廃止。
- 2013年10月 東急コミュニティー・東急リバブルと共同株式移転を行い、東急不動産ホールディングスを設立。その完全子会社となる。
主な実績
ビル
- 東急不動産赤坂ビル(旧・赤坂東急ビル)
- 日本橋丸善東急ビル
- 浜松町スクエア
- 東急プラザ銀座(旧・銀座東芝ビル)
- 世田谷ビジネススクエア (SBS) - 東京急行電鉄と共同開発
- 汐留ビルディング(共同運営)
- 聖路加タワー
- 北の丸スクエア - 三菱地所、ドイツ銀行グループと共同(東京都)
住宅
- 住宅ブランドはファミリー層を対象とした「ブランズ」、シングル・DINKS層を対象としたマンション「クオリア」、海辺の暮らしを提案するマンション「シーサイドコート」、ハイグレードマンション「プレステージ」の4ブランドを展開していたが、2010年に「ブランズ」へ統一された[4]。
- マンション
- アトラスブランズタワー三河島(東京都荒川区)
- THE TOKYO TOWERS(ザ・トーキョー・タワーズ)(東京都中央区)
- 赤坂タワーレジデンスTop of the Hill(東京都港区)2008年
- キャピタルマークタワー - 安田不動産・三菱地所などと共同開発分譲(東京都港区)。
- ルネッサンスタワー上野池之端(東京都台東区)
- クロスエアタワー(東京都渋谷区)
- ブランズタワー文京小日向
- CENTER FIELD 浦和美園(埼玉県さいたま市みそのウイングシティ)
- サウスゲートタワー川口(埼玉県川口市)
- シティデュオタワー川口(埼玉県川口市)
- ブランズ川口元郷(埼玉県川口市)
- パークホームズ志木ステーションファース(ららぽーと志木跡地、三井不動産レジデンシャルと共同開発分譲)(埼玉県志木市)
- フォーラスタワー所沢(埼玉県所沢市)
- ブランズタワー南千住
- ブランズシティ守谷 - 東京急行電鉄、中央商事と共同開発(茨城県)
- エクラスタワー武蔵小杉
- ブランズタワー札幌
- ブランズ西大津レイクテラス(びわ湖パラダイス跡地)(滋賀県)
- ブランズタワー大阪備後町
- ブランズタワー御堂筋本町
- ブランズシティあべの王子町
- 大規模戸建分譲地
- 多摩田園都市開発
- あすみが丘ニュータウン開発 - ワンハンドレッドヒルズ他、1986年から。土地区画整理事業による民間宅地開発では最大規模(千葉市緑区)
- 東急しらさぎ台(徳島県徳島市)
- 王寺ニュータウン・王寺スカイヒルズ-東急不動産共同体(東急不動産、阪神電気鉄道、新星和不動産他)(奈良県王寺町)1982年
- その他は供給実績を参照
リゾート
「東急ハーヴェストクラブ」は、「別荘を持つ歓びとホテルで過ごす快適さ」のコンセプトのもと、1988年に開業した蓼科を皮切りに、軽井沢や箱根、有馬など全国24カ所の主要リゾートエリアに展開し、首都圏、近畿圏の消費者をターゲットにした会員制リゾートサービスを提供している。
2008年4月には、従来よりもハイグレードな仕様の「東急ハーヴェストクラブVIALA箱根翡翠」を、2010年3月には「東急ハーヴェストクラブ有馬六彩・VIALA annex 有馬六彩」をそれぞれオープンしている。
東急ハーヴェストクラブを中心に「ニセコマウンテンリゾート グラン・ヒラフ」「ハンターマウンテン塩原」をはじめとしたスキー場、計20施設におよぶゴルフ場などを展開。専門会社として受託販売会社の東急リゾートや運営会社の東急リゾートサービスを設立している。
- マウントジーンズスキーリゾート那須 - 栃木県那須塩原市
- ハンターマウンテン塩原 - 栃木県那須塩原市にある東急不動産系のスキー場
- タングラムスキーサーカス - 上水内郡信濃町大字古海にあるスキー場他複合リゾート施設(斑尾高原タングラム斑尾東急リゾート)
- ニセコマウンテンリゾート グラン・ヒラフ(一部)
商業
- 「東急ハンズ」を子会社として設立し、都市型ホームセンターを展開。
- 「東急プラザ」シリーズ - 都市型ショッピングセンター。
- 「キューズモール」シリーズ - モール型ショッピングセンター。旧「マーケットパーク」シリーズ。2013年10月9日より「地域名+キューズモール」にSC名を統一、今後開発する同様の施設でもこの名称を用いる予定[5]。
- みのおキューズモール - 大阪府箕面市にて開発した複合商業施設。旧名「箕面マーケットパーク・ヴィソラ」。
- あべのキューズモール - 大阪市阿倍野区に2011年開業。旧名「あべのマーケットパーク Q's MALL」。
- あまがさきキューズモール - 兵庫県尼崎市。2012年に東急不動産がキリンホールディングスから取得した。旧名「COCOEあまがさき緑遊新都心」。
- もりのみやキューズモールBASE - 大阪市中央区に2015年開業。
- 二子玉川園(東京都)
- 多摩川園(戦後の一時期経営を手掛けた、東京都)
- 武蔵小杉再開発の事業主体(東京都)
- 天王寺・阿倍野地区開発(大阪府)
- あべのキューズタウン(大阪府・共同運営)
- タカシマヤタイムズスクエア 土地建物取得(東京都)
- 「プラース[6]」シリーズ - 都心のトレンドエリアに展開する情報発信型商業施設。未利用地を一定期間暫定的に活用する目的で開発。
- グラッセリア青山
- ラヴェリア代官山(旧称・代官山プラース)
- ラ・プラース南青山(2010年3月営業終了[7])
- 「COREDO 日本橋」- 東急百貨店日本橋店あとに開発したオフィス兼商業施設。
- 「GENTO YOKOHAMA」- 横浜みなとみらい地区にライブハウス「横浜BLITZ」やシネマコンプレックス「109シネマズ」などを備えた複合型商業施設を展開。
- 「デ・ラ・ファンタジア」- 2005年に愛知県名古屋市中村区で開催された「愛・地球博」の複合娯楽施設および同時にオープンした複合商業施設。
- マーケットスクエアささしま(旧:ラ・バーモささしま)
- 東京ドイツ村 - 袖ケ浦市の区画整理事業の一環として、東急不動産等が開発を行った施設(千葉県)
- コレド日本橋(日本橋一丁目ビルディング)- 三井不動産と
- タカシマヤタイムズスクエア(一部権利取得)
- トツカーナ
- サクラス戸塚 - 2011年3月、東急プラザとペデストリアンデッキにより直結した。
- 二子玉川ライズ
- デックス東京ビーチ - 住商アーバン開発が運営していたが、現在は東急不動産が運営を行なっている。
その他
- 五百羅漢寺#文化財 - 昭和45年(1970年)東急からもと所有者に返還
- イースト・コミュニケーションズ - ケーブルテレビ局。1987年(昭和62年)に東急不動産が分譲住宅のインフラの為に開業したもの
グループ会社
兄弟会社
関連会社
- 東急不動産SCマネジメント - 商業施設運営
- 東急ホームズ - 輸入住宅販売、住宅リフォーム
- 2008年4月1日付で東急ホームと東急アメニックスが合併
- 東急リロケーション - 賃貸管理
- 東急ステイサービス - 都市型ホテルチェーンの運営
- 東急リゾート - 別荘、土地、マンション、会員制ホテル、ゴルフ会員権等、商品の売買仲介業と受託販売業
- 東急リゾートサービス - リゾートホテル・ゴルフ・スキー・別荘の運営受託、コンサルティング
- 東急ハンズ - 都市型ホームセンターの運営
- 東急スポーツオアシス - フィットネスクラブ「東急スポーツオアシス」
- 東急住生活研究所 - 流通コンサルティング、マーケティング調査
- 東急不動産キャピタル・マネジメント - 不動産運用ファンド
脚注
- ↑ http://norman.jp/redevelopment/?p=97
- ↑ http://www.nikkei.com/article/DGXLZO03291640W6A600C1LDA000/
- ↑ http://www.tokyu.co.jp/company/business/urban_development/visit/
- ↑ “東急不動産の住宅ブランドを「BRANZ(ブランズ)」に統一”. 東急不動産 (2010年8月4日). . 2012閲覧.
- ↑ “商業施設ブランドの強化を目指した取組み モール型ショッピングセンター3施設を「キューズモール」ブランドに統一”. 東急不動産 (2013年7月1日). . 2013閲覧.
- ↑ 東急プラースシリーズ(2010年2月25日時点のアーカイブ)
- ↑ “「ラ・プラース南青山」営業終了へ-10年の借用期間満了で”. シブヤ経済新聞 (2010年2月26日). . 2013閲覧.