キリンホールディングス
キリンホールディングス株式会社(Kirin Holdings Company, Limited)は、飲料事業会社のキリン株式会社を中核とする、キリングループの持株会社(ホールディングカンパニー)である。三菱グループの一員であり、三菱金曜会[1]・三菱広報委員会[2]の会員企業である[3][4]。
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概要
1870年ノルウェー系アメリカ人ウィリアム・コープランド(William Copeland)が横浜居留地・山手123番(2016年現在の横浜市中区 (横浜市)諏訪町・北方小学校付近、2018年現在キリン園公園として記念碑が建つ)に設立した、日本で初めて大衆向けにビールを醸造・販売した企業「スプリング・バレー・ブルワリー(コープランドビール)」を起源としている。そのため、日本のビール産業の草分け的存在として認知されている。
その後、日本初のビアガーデンの開業、経営破綻(工場の一時閉鎖)、トーマス・ブレーク・グラバーや岩崎弥之助らによる企業再建(「ジャパン・ブルワリー(二代目)」を設立)などの変遷を経て、1907年に三菱財閥傘下の日本国籍会社「麒麟麦酒」として新発足し、第二次世界大戦後は、国内ビールのシェアの首位を獲得。アサヒビールのスーパードライの台頭までは、継続的に首位を守った。2016年現在は、アサヒビールに首位を譲っているが、創業以来の独特の苦みとコクをウリにしたビールの固定ファンの存在と、新商品の投入合戦で、熾烈なシェア争奪戦を繰り広げている。ただし、最近ビールや低アルコール飲料の新商品を大量投入しており、ビール系飲料のラインナップ数とビール系飲料以外も含めた酒類の販売高は業界一となっている。
近年は、酒類事業とバイオ事業を基軸にした総合企業を標榜し、永昌源との業務・資本提携、武田薬品から調味料事業を買収する(現MCフードスペシャリティーズ)などの多角化を行い、2007年7月1日、それまでの事業持株会社から、純粋持株会社へ移行し、キリンホールディングスと社名変更した。
それと前後して、会社分割を行い、事業子会社として、国内酒類事業会社の麒麟麦酒(旧・キリンホールディングス)、医薬品事業会社のキリンファーマ(現・協和発酵キリン)、経理・人事など間接業務を取りまとめる会社のキリンビジネスエキスパートなどを設立。また、2006年10月1日に飲料事業を担当するキリンビバレッジを完全子会社化し、同年12月にメルシャンを友好的な株式公開買い付け(TOB)によって子会社化し、2007年4月1日からは、メルシャンとの営業の共同展開を開始。また、RTD(低アルコール飲料)・焼酎などの研究開発機能をキリン醸造研究所に集約。2007年7月1日からは、RTD、焼酎、梅酒、洋酒(一部商品を除く)、合成清酒の販売を麒麟麦酒へ移管し、逆に麒麟麦酒のワイン販売事業をメルシャンへ移管。物流部門ではメルシャンから移管を受けたRTDは麒麟麦酒の物流網(キリン物流、2016年現在はキリン株式会社傘下のキリングループロジスティクス)に統合し、ワイン、梅酒、洋酒、中国酒、合成清酒はメルシャン物流網に統合した。なお、メルシャンからキリンへ移管された商品のブランド名は、順次メルシャンからキリンへ変更されている。
なお、2007年6月30日までの「キリンホールディングス株式会社」は、持株会社の準備会社(企画部門)として設立された会社であり、2007年7月1日に麒麟麦酒株式会社(旧)が担っている国内での酒類の製造・販売事業を引き受け、事業会社として「麒麟麦酒株式会社(新)」と社名変更している。逆に、麒麟麦酒株式会社は「キリンホールディングス株式会社(新)」と社名変更し、純粋持株会社へ移行している。
2009年7月13日、複数のマスメディアにより、サントリーホールディングスとの経営統合に向け交渉している事が報道された。[5][6][7]狙いは日本が市場として縮小する中で、海外に商機を拡大するのが目的とされている。しかし統合比率などで両社の隔たりが大きすぎたことから、2010年2月8日に交渉中止を発表した[8]。
2013年1月1日に、国内での飲料事業を統括するための新会社として、キリン株式会社が設立(キリングループオフィス株式会社の事業内容と社名を変更)され、主要子会社である麒麟麦酒株式会社、キリンビバレッジ株式会社、メルシャン株式会社の全株式を同社に移管した。
歴史
※2007年7月1日以前の麒麟麦酒グループの歴史は麒麟麦酒にて説明している。また、2007年7月1日以降の各事業子会社の詳細は、各事業会社の項目にて説明している。
- 2007年
- 2008年4月1日 - 協和醱酵工業が株式交換によりキリンファーマを完全子会社化、協和醱酵工業を連結子会社とする。
- 2009年
- 2011年11月4日 - ブラジルのビール大手スキンカリオール(後のブラジルキリン → ハイネケンブラジル)を完全子会社化すると発表。
- 2013年
- 2015年
- 12月期の決算で、ブラジル子会社で1100億円の減損が発生し、上場来初の赤字(473億円)決算となった。[10]
- 2017年 - ミャンマーのビール大手、マンダレー・ブルワリーの買収を発表。同時にブラジルキリンの全株式をオランダのハイネケングループに売却。
企業活動
サッカー日本代表の公式スポンサーである。過去には日本オリンピック委員会のオフィシャルパートナーでもあった。
主要事業子会社
国内綜合飲料事業
- キリン株式会社 - 国内綜合飲料事業における統括会社(中間持株会社)。元々は持株会社制に移行したときに間接部門を麒麟麦酒株式会社から承継して事業を開始した(旧)キリンビジネスエキスパート株式会社を前身としており、2011年1月からは組織再編により商号をキリングループオフィス株式会社に商号変更していた。2013年1月に当社が保有していた麒麟麦酒株式会社・キリンビバレッジ株式会社・メルシャン株式会社の全株式、および3社の企画広報・研究開発部門を譲り受け、事業目的を変更したうえで現社名に商号変更された。
- 麒麟(中国)投資有限公司 - 中国における酒類事業の統括や新たな投資先の探索などの事業開発、長江デルタ地域におけるキリンブランドの販売を行う。
- キリンビジネスエキスパート株式会社- 2011年1月に(旧)キリンビジネスエキスパート株式会社から標準定型サービスと専門サービス機能を譲り受けて事業を開始した機能分担会社。
- キリンビジネスシステム株式会社 - グループ内における情報システムに関連した事業を行う機能分担会社。
海外綜合飲料事業
- ライオン(オーストラリア)
- Kirin Holdings Singapore Pte. Ltd.(シンガポール)
- Interfood Shareholding Company(ベトナム)
- Siam Kirin Beverage Co.,Ltd.(タイ)
- Vietnam Kirin Beverage Co., Ltd.(ベトナム)
- 華潤麒麟飲料(大中華)有限公司(中国)
- Coca-Cola Bottling Company of Northern New England, Inc.(アメリカ)
- 東山農産加工有限会社(ブラジル)
- San Miguel Brewery, Inc.(フィリピン)
医薬・バイオケミカル事業
- 協和発酵キリン株式会社
- KIRIN-AMGEN, INC. (米・アムジェン社との合弁)
その他事業
- 小岩井乳業株式会社 - 乳製品・食料品の製造販売
- キリンエコー株式会社 - 飼料販売・保険代理・不動産賃貸
- 株式会社 横浜赤レンガ - 赤レンガ倉庫における商業施設の運営
公益法人
かつてのグループ会社
国際酒類事業
- サン・ミゲル(フィリピン) - サン・ミゲルビール設立に伴い、全株式を売却した上でサン・ミゲルビールに直接出資している。
一般食品事業
- ナガノトマト - 飲料製造部門を「信州ビバレッジ」として分割後、MBOにより独立。
アグリバイオ事業
- ジャパンアグリバイオ - 旧・キリンアグリバイオ。花卉事業を手がけ、カーネーションは世界トップシェア。オランダの投資会社に売却。
- ジャパンポテト - ジャパンアグリバイオ子会社。
脚注・出典
関連項目
外部リンク
- テンプレート:三菱グループ