夕張市

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夕張市(ゆうばりし)は、北海道中部空知地方のである。夕張メロンの産地として知られる。北海道の中央部に位置し、かつては石狩炭田の中心都市として栄えたが、1990年平成2年)までに全ての炭鉱が閉山した。その後、ヤミ起債が発覚し深刻な財政難となり、2007年平成19年)3月6日をもって財政再建団体(現在の財政再生団体)に指定された。

地名の由来はアイヌ語の「ユーパロ(鉱泉の湧き出る所)」から。北方探検家・松浦武四郎の「郡名建議書」には、アイヌ語の「イユウ・パロ(温泉(鉱泉)の・口)」と示されている[新聞 1]

地理

空知地方南東部の山あいに位置する。夕張山地空知山地に跨る石狩炭田の南部に位置し、かつて市域に多くの炭鉱があった。市域東側には山林が広がり、その山林や集落部から流れる川は南部で合流し、夕張川として南部を渓谷を作りながら流れている。

人口は市域の西側、紅葉山地区から夕張地区まで、谷間を縫うように走る石勝線夕張支線に沿って集中している。しかし、それでも2015年を過ぎた頃には石勝線夕張支線の輸送密度が100 (人/km/日)を割り込む状態に転落した[1]。なお、市役所は過去に夕張炭鉱があった谷合いの集落の最北部に設置されている。

町名

大きく7地域に分けられる。このうち鹿島は山岳地帯を除く大部分が2014年夕張シューパロダム湛水開始により水没しており、住民がいる地域は6である。

  • 本庁地域
    • 富岡
    • 福住
    • 住初
    • 高松
    • 社光
    • 本町1丁目
    • 本町2丁目
    • 本町3丁目
    • 本町4丁目
    • 本町5丁目
    • 本町6丁目
    • 昭和
    • 旭町
    • 末広1丁目
    • 末広2丁目
    • 鹿の谷1丁目
    • 鹿の谷2丁目
    • 鹿の谷3丁目
    • 鹿の谷東丘町
    • 鹿の谷山手町
    • 富野
  • 若菜地域
    • 常盤
    • 日吉
    • 若菜
    • 平和
    • 千代田
  • 清水沢地域
    • 清水沢1丁目
    • 清水沢2丁目
    • 清水沢3丁目
    • 南清水沢1丁目
    • 南清水沢2丁目
    • 南清水沢3丁目
    • 南清水沢4丁目
    • 清水沢清栄町
    • 清水沢宮前町
    • 清水沢清陵町
    • 清水沢清湖町
  • 南部(南大夕張)地域
    • 南部住の江町
    • 南部岳見町
    • 南部幌南町
    • 南部遠幌町
    • 南部夕南町
    • 南部若美町
    • 南部大宮町
    • 南部新光町
    • 南部東町
    • 南部菊水町
    • 南部青葉町
  • 鹿島(大夕張)地域
    • 鹿島明石町
    • 鹿島千年町
    • 鹿島錦町
    • 鹿島宝町
    • 鹿島富士見町
    • 鹿島緑町
    • 鹿島栄町
    • 鹿島代々木町
    • 鹿島白金
  • 沼ノ沢地域
    • 沼ノ沢
    • 真谷地(上の沢・1区・2区(興真台)・3区・市街・4区・5区(清真台)・6区(真栄町))
  • 紅葉山地域
    • 紅葉山
    • 登川
    • 滝ノ上

町名の変遷

明治以来、炭鉱開発や農地開拓の都度各地に地名地番が付けられ、その数は70以上に及んでいたという。夕張町制施行後の1919年、21を設定し地番を整理。更に1942年(昭和17年)、市制施行を前に地名地番を再編して28字となる。この28字が現在の町名に至っている。

  • 1919年(大正8年) - (21字成立[2])丁未、社光、高松、福住、富岡、住初、旭町、錦ケ岡、東山、本町、鹿ノ谷、新夕張、若菜辺、大夕張、二股、清水沢、沼ノ沢、真谷地、楓、登川、滝ノ上
  • 1942年(昭和17年)(一部地名再編、28字[3]
    • 錦ケ岡 → 錦(改称)
    • 社光、東山 → 社光(統合)
    • 高松 → 高松、小松
    • 本町 → 本町1~6丁目、昭和
    • 鹿ノ谷の一部 → 鹿の谷1~3丁目、本町1~6丁目、末広1~2丁目
    • 新夕張 → 末広1~2丁目
    • 若菜辺 → 若菜、常盤、日吉、平和、千代田
    • 大夕張 → 鹿島、南部
    • 二股 → 富野
    • 楓 → 楓、紅葉山
  • 1969年(昭和44年)(一部地名再編)
    • 鹿島 → 鹿島明石町、鹿島千年町、鹿島錦町、鹿島宝町、鹿島富士見町、鹿島緑町、鹿島栄町、鹿島弥生町、鹿島代々木町、鹿島春日町、鹿島北栄町、鹿島常盤町、鹿島白金
    • 南部 → 南部岳見町、南部幌南町、南部遠幌町、南部夕南町、南部若美町、南部大宮町、南部新光町、南部東町、南部菊水町、南部青葉町、南部北夕町
    • 清水沢の一部 → 清水沢清栄町、清水沢宮前町、清水沢清陵町、清水沢住の江町、清水沢清湖町、南清水沢1~4丁目、清水沢1~3丁目
  • 1973年(昭和48年) - 鹿ノ谷の一部 → 鹿の谷山手町、鹿の谷東丘町
  • 1983年(昭和58年) - 清水沢住の江町 → 南部住の江町(改称)
  • 2017年(平成29年)現在、丁未・小松・錦・鹿島弥生町・鹿島春日町・鹿島常盤町・鹿島北栄町・南部北夕町は住居表示廃止。鹿島地区は夕張岳登山口方面と山岳地帯を除く大部分が水没。富岡・福住・高松・南部菊水町は人口0人。住初(2世帯3人)・清水沢清湖町(1世帯3人)・南部青葉町(6世帯13人)・登川(14世帯18人)の人口は極小数となっている。真谷地は市街と6区(真栄町)に住民がおり、他(1区~5区・上の沢)は人口0人。

歴史

明治初期から炭鉱の町として栄え、空知地方でも特に多くの石炭を産出した。1874年(明治7年)にお雇い外国人北海道開拓使(当時)のベンジャミン・スミス・ライマン地質学士がこの地を踏査し、夕張川流域に石炭鉱脈の存在が考えられると発表。1888年(明治21年)に北海道庁の技師で元ライマン調査隊隊員の坂市太郎(ばん いちたろう)が再調査により大露頭(鉱脈)を発見、入植者の募集と試掘に始まり多数の炭鉱が拓かれ、国内有数の産炭地として盛況を誇った。

1960年昭和35年)には北炭夕張鉱業所平和鉱業所)・三菱(大夕張鉱業所)の三大鉱業所を中心に北炭機械工業(鉱山・産業機械製造)、北炭化成工業所(コークス・化成品製造)などの関連産業も発達し、116,908人の人口を抱える都市となった。

しかし、昭和30年代後半以降エネルギー革命が進行、海外炭との競争、相次ぐ事故、国の石炭政策の後退に直面。鉱業者側も手をこまねいていたわけではなく、鉄鋼コークス用などの原料炭(高品位炭)など価格の高い炭種の供給に活路を見出すべく、大きな期待と成算を持って三菱南大夕張炭鉱、北炭夕張新炭鉱が開発されたが、その後の鉄鋼不況により需要は伸びず、1973年(昭和48年)に大夕張鉱業所が閉鎖された。それ以降閉山が相次ぎ、さらに1981年(昭和56年)には市内屈指の規模を持ち基幹事業所だった北海道炭礦汽船(北炭)夕張新鉱で北炭夕張新炭鉱ガス突出事故が発生、後に夕張新炭鉱を運営してきた北炭夕張炭鉱株式会社は倒産するなど、石炭産業の衰退に拍車がかかった。石油ショックの克服を大義名分とした官・民の多岐にわたる国内資源振興策も決定打とはならず、その後の安価・良質な海外資源へのなだれ現象、そして政府の合理化政策の前に各炭鉱の経営はジリ貧となっていき、企業は国内の炭鉱から次々撤退。国内第一の規模・炭質を誇った夕張もその例外ではなかった。1990年平成2年)に最後まで残っていた三菱石炭鉱業南大夕張炭鉱が閉山した。

夕張は元々炭鉱の開発により山あいに開かれた都市であり、平坦地が少なく大規模な農業には向かない地域だった上、石炭産業以外の産業基盤が皆無同然であったため、雇用の受け皿がなく働き手の若者が都市へ流出し、人口が激減。街には高齢者が残る結果となり、急速に少子高齢化が進んだ。

最盛期からの夕張市の人口減少率は、全国の自治体でもトップクラスである。2016年9月30日現在の住民基本台帳では歌志内市に次いで、全国で2番目に人口が少ない市[注釈 1]であり、人口密度は全国の市で最も低い。これに加え1991年(平成3年)より北海道開発局によって夕張川に夕張シューパロダムの建設が計画され、これに伴い大夕張地区の住民188戸が移転した。2006年(平成18年)よりダムは本体工事を開始し2015年(平成27年)3月に竣工した。ダム完成による莫大な固定資産税収入や水源地域対策特別措置法による周辺地域整備のための国庫補助などで新たな観光拠点育成としての期待がある一方、世界的に稀有な橋梁形式である三弦橋の水没や公共事業依存への懸念が出ている。

現在は気温の寒暖差を生かしたメロン栽培(夕張メロン)、花畑牧場ゆうばり国際ファンタスティック映画祭など観光の町として町おこしを進めているが、厳しい状況にある。これに加えて、2015年からは市中心部に人口を集約して行政サービスの簡素化を図る「夕張市まちづくりマスタープラン」が進められており、人口減少社会のモデルとして注目が集まっている。

年表

財政再建問題

財政難に陥った経緯

かつて夕張は炭鉱の街として栄えたが、「石炭から石油へ」のエネルギー政策転換により、次々と炭鉱が閉山されていった。1990年(平成2年)には最後の三菱南大夕張炭鉱が閉山し、夕張から炭鉱がなくなった。これにより炭鉱会社が鉱員向けに設置したインフラを市が買収することになった。1982年(昭和57年)、北炭が所有していた夕張炭鉱病院を市立病院に移管。その際市は40億円を負担している。さらに北炭は、夕張新炭鉱での事故を理由に、鉱産税61億円を未払いのまま撤退(倒産で払えなくなったとも)。また、北炭・三菱は炭鉱住宅5000戸(市営住宅に転換・改良住宅に建て替え)や上下水道設備などを夕張市に買収してもらい、その額は151億円に達した。結果「炭鉱閉山処理対策費」は総額583億円に達した。

ファイル:夕張ロボット大科学館.jpg
旧夕張ロボット大科学館:観光開発に一貫性がなかったこともありすぐに陳腐化、閉館に追いやられた。閉館後、転用先が無かったロボット大科学館は2008年に取り壊された。

また、こうした施設の建設に際して地元業者優先の随意契約が多く行われ、建設費も適正な価格に比べて相当高くついたケースも見られたほか、事業が観光客誘致よりも雇用確保に傾いたため、各施設が余剰人員を多く抱えていたことも観光関連施設の収支を悪化させる要因となった[8]

1982年12月20日の北海道新聞では「(市は)財政再建団体への転落必至」と報じられ、自治省は財政緊縮を強く指導したが、市は従わず前年度比17%増の積極予算を組んだ[9]

市は、中田鉄治市長時代に石炭産業の撤退と市勢の悪化に対し、「炭鉱から観光へ」とテーマパークスキー場の開設、映画祭などのイベントの開催、企業誘致により地域経済の再生、若年層を中心とする人口流出の抑止、雇用創生などを図ったものの、ことごとく振るわず、観光・レクリエーション投資における放漫経営が累積赤字として重くのしかかった結果、市の財政を圧迫していった。

産炭地域振興臨時措置法2001年(平成13年)に失効したことなどで、財政状況がさらに悪化した。

2002年3月、市はマウントレースイスキー場を26億円で買収することを決め、市債を発行し資金調達しようとしたものの、北海道庁は負担が重すぎるとして許可しなかった。そこで市は土地開発公社に買収させ、市が肩代わり返済する「ヤミ起債的行為」に手を染めた[10]

一時借入金などの活用により表面上は財政黒字となる手法をとったため、負債が膨れ上がっていった。一時借入金残高は12金融機関から292億円、企業会計を含む地方債残高が187億円、公営企業第三セクターへの債務損失補償が120億円とされ、夕張市の標準財政規模(44億円)を大きく上回っており、一般的に10年とされる再建期間での再建はほぼ不可能な状態であった。

2006年(平成18年)6月20日に後藤健二前市長が定例市議会の冒頭で、総務省に対して財政再建団体の申請を行う考えを表明した。

2006年(平成18年)8月1日に夕張市の財政状況の調査に関する「経過報告」を北海道が公表した。

道は、再建期間短縮等の観点から、赤字額の360億円を年0.5%の低利で融資(市場金利との差額は道が負担)、国も地方交付税交付金などによる支援を打ち出した。これらの動きにより、再建期間は18年間の見込みとなった。財政再建団体指定は、1992年(平成4年)の福岡県赤池町(現福智町)以来、北海道では1972年(昭和47年)の福島町以来、では1977年(昭和52年)の三重県上野市(現伊賀市)以来となる。

なお、当時の後藤市長は、北海道新聞(2007年(平成19年)4月17日)の取材に対して、2006年(平成18年)6月10日に同紙に巨額負債を報じられる以前の2月に総務省特別交付税の陳情に行った際に財政再建団体指定を覚悟したと語っている。

2006年度決算における実質公債費比率は38.1%だった。これは全国でも長野県王滝村の42.2%に次ぐ数字であり、財政再建団体を適用しなかったとしても、2008年度決算から適用される地方自治体財政健全化法財政再生団体に該当することになっていたと想定される。

「ヤミ起債」問題について

産炭地域振興臨時措置法の失効により、同法に沿って行われていた地方交付税の手厚い分配がなくなり、地方債への依存度が高まった。そもそも地方債発行には都道府県知事の許可が必要で、2006年(平成18年)4月からは、財政難の自治体を除き、国と地方自治体が事前協議したうえ、地方自治体の判断により発行する制度に移行、夕張市など6市町(他に歌志内市赤平市三笠市上砂川町芦別市)は限度額に近い金額を起債して極端な財政危機に陥った。そこで、「空知産炭地域総合発展基金」など各種基金や、銀行信用金庫など金融機関からの借り入れという形をとって急場をしのいだと言われている。こうした流れは本来、一時的に税収が不足したときや、会計制度上財政が逼迫しやすい会計年度末に少額・短期間採られることが多い常套的手段ではあるが、6市町は税収不足の補填や融資自体の返済のために借り換えに借り換えを重ね、債務は累積し、いわゆる自転車操業状態に陥った。4月1日から5月31日は決算の出納整理期間だが、その期間を悪用して旧年度の会計に新年度の会計から貸して見かけ上黒字に見せかけるなどの違法な決算操作が行われていた。さらに、北海道拓殖銀行の破綻と道内不況が追い討ちをかけた。

財政再建計画

市の第三セクターである株式会社石炭の歴史村観光(負債額74億8800万円)、夕張観光開発株式会社(負債額54億6000万円)、夕張木炭製造株式会社(負債額16億円)の3社は破産処理された[11]

映画祭」は中止、職員給与削減は2006年(平成18年)9月から実施することとなり、市長は50%(月収862,000円→431,000円)、助役は40%、教育長は25%、一般職員も15%カットとなり、4億200万円の削減となる。2007年(平成19年)4月からは、さらに削減し、市長75%(月収259,000円、年収374万円)、助役70%(月収249,000円)、教育長66%(月収239,000円)、常勤監査委員も229,000円など、徹底した削減がなされ、市長の給与は全国最低となる。市議会議員の人数も18人から9人に半減、議員報酬も311,000円から180,000円に削減される。

更には新規職員採用凍結や早期退職勧告により職員数も削減を予定している。早期退職希望者が130人を超え、定年と自己都合を合わせ、全職員の約半数の152人が2006年度末で退職した。これは当初の削減計画の人数にほぼ合致している一方、急な退職で市政の滞り等が心配されているが、市は、この早期退職により、人員削減計画の前倒しとするとしている。なお、早期退職者は、役職者が約7割を占め、部長次長職は全員辞める。2007年度末の退職者の内訳は部長職12人全員、次長職11人全員、課長職は32人中29人、主幹職は12人中9人、係長・主査職は76人中45人、一般職が166人中46人となっている。

また、市が保有する観光施設31施設の内29施設を運営委託、売却、廃止する方針も明らかになったが、道内観光大手の加森観光を中心に委託・売却先がほぼ決定した。

市民負担も大きくなり、市民税が個人均等割3,000円から3,500円に、固定資産税が1.4%から1.45%に、軽自動車税が現行税率の1.5倍に増額、入湯税150円も新設される。また、ごみ処理は一律有料化、施設使用料も5割増、下水道使用料が10 m3あたり1,470円から2,440円に値上げ、保育料は3年間据え置くが、その後7年間で段階的に国の基準にまで引き上げる。敬老パスは廃止予定だったが、個人負担額を200円から300円に引き上げて存続されることとなった。この影響もあって転出者が相次ぎ、2006年・2007年の2年間で人口が1割近く減少した。

公共施設に関しては、多くの施設が廃止されることになっていたが、世論の反発などもあり見直され、全廃予定だった7ヶ所の公衆トイレのうち清水沢と沼ノ沢を存続、南部コミュニティセンターは、使用料引き上げ、町内会などによる管理運営を条件に存続、スイミングセンターは夏季限定で営業する予定であったが、2008年(平成20年)3月に雪の重みにより屋根の一部が崩落し使用不能となり、修復も検討されたが取り壊された。図書館は、蔵書を保健福祉センターに移設し(貸し出しは継続)、廃止された。

財政再建計画はその時の状況に合わせて改定されているが、現在再生振替特例債の借り入れを行い、2027年3月に再生振替特例債償還終了を予定している。平成26年度までで約52億円分を返済済みである。

財政

平成22年度決算による財政状況

  • 住基人口 10,839人
  • 標準財政規模 51億4,284万9千円
  • 財政力指数 0.21(類似団体平均0.43) - 非常に悪い
  • 経常収支比率 77.2%(類似団体平均86.8%) - 類似団体平均を下回り、財政の弾力性が高まっている。
  • 実質収支比率 10.1%(類似団体平均5.0%)
  • 実質単年度収支 5億4,126万1千円 - 標準財政規模の10.5%の黒字額
  • 地方債現在高 439億2,563万2千円(人口1人当たり405万2,554円)
  • 普通会計歳入合計 111億9,819万9千円
    • 地方税 9億5,730万3千円(構成比 8.5%)
    • 地方交付税 53億1,765万7千円(構成比 47.5%) - 歳入の50%近くを交付税に依存
    • 地方債 12億5,146万6千円(構成比 11.2%)
  • 普通会計歳出合計 106億7,174万9千円
    • 人件費 8億3,763万4千円(構成比 7.8%)
      • うち職員給 5億5,474万4千円(構成比 5.2%)
    • 扶助費 13億2,285万1千円(構成比 12.4%)
    • 公債費 21億2,800万3千円(構成比 19.9%)

基金の状況

  • 1財政調整基金 4億4,857万3千円
  • 2減債基金 4億7,327万8千円
  • 3その他特定目的基金 2億3,513万8千円
    合計 11億5,698万9千円(人口1人当たり10万6,743円)

定員管理の適正度(平成22年度)

  • 人口1,000人当たり職員数 11.72人(類似団体平均9.53人) - 人口に比べて職員数がやや多い : 類似団体平均の1.2倍
  • 一般職員86人 (うち技能系労務職0人)、教育公務員1人、消防職員40人、臨時職員0人 一般職員等合計 127人
  • ラスパイレス指数 75.9 (道内市町村平均96.6) - 財政健全化のため職員人件費削減にも取り組んでいる(全国で4番目に低い。北海道で2番目に低い)
  • 参考
    • 一般職員等(127人)1人当たり給料月額 25万7,100円 (職員手当を含まない)
    • 職員給(給料+手当)÷一般職員等(127人)=436万8千円 - 給料月額の17.0か月分

健全化判断比率・資金不足比率(平成23年度決算〜確報値)

健全化判断比率

※ 平成20年度(1年間)、 実質赤字比率(ピーク時703.60%)で財政再生団体となった。

※ 平成20年度(1年間)、 連結実質赤字比率(ピーク時705.67%)で財政再生団体となった。

※ 平成20年度(1年間)、公共下水道事業会計の 資金不足比率(ピーク時156.5%)で経営健全化団体となった。

行政

  • 市長:鈴木直道(2期目)
  • 市議会:定数9
    • 2019年4月実施予定の市議選より定数8に削減され、市議会としては歌志内市と並び全国最小定数となることが決まっている[12]

経済

かつては石炭の採掘が主要産業だった。現在はメロン栽培(夕張メロン)を中心とした農業と、精密機械や食品加工業、石炭の歴史や映画などをテーマにした観光産業からなるが、観光産業は市に巨額の負担を強いており、その上市財政の悪化が表面化。人口減少や著しい高齢化(2014年の時点で、65歳以上比率が市としては全国最高の46%)も相まって企業の進出が進まず、先行きは極めて厳しい。 また農業では夕張メロンの名こそ全国的に知られているものの、元々炭鉱都市として成立・発展してきた経緯や、地理的な条件もあり農村部が少なく、全人口に占める農業就業者数の割合も近隣の栗山町や由仁町に比べてかなり低い。農家はかつて炭鉱の坑口がなかった沼ノ沢・富野・滝ノ上・紅葉山に多く、ある程度の定住傾向が見られるものの、高齢化も進行しており、市全体の人口激減に比例して農業就業者も大きく減少している。

産業

金融機関

空知商工信用組合および空知信用金庫は夕張市を営業エリアに含めているものの、支店は未進出。

立地企業

農協

  • 夕張市農業協同組合(JA夕張市)

郵便局

  • 夕張郵便局(集配局):市内中心部・鹿ノ谷・若菜・富野地区
  • 清水沢郵便局(集配局):清水沢・南部地区
  • 紅葉山郵便局(集配局):紅葉山・沼ノ沢・登川地区
  • 鹿ノ谷郵便局
  • 夕張南清水沢郵便局
  • 沼ノ沢郵便局
  • 若菜郵便局
  • 夕張清陵郵便局
  • 登川郵便局
  • 遠幌郵便局
  • 夕張本町郵便局

宅配便

ふるさと納税制度

ふるさと納税制度を採用しており、使途を指定する寄付と使途を限定しない寄付の方法がある[13]

公共機関

警察

栗山警察署夕張郡栗山町)が管轄する

消防

夕張市消防本部

姉妹都市・提携都市

姉妹都市

人口

夕張市(に相当する地域)の人口の推移
総務省統計局 国勢調査より

2015年国勢調査によると、夕張市の2010年から2015年にかけての人口増加率は19.01%減であり、減少率は全国で6位(東日本大震災で被災地となった自治体を除く)、市の中では最悪である。炭鉱閉鎖後に主要な産業が育っていないことや財政破綻、著しい高齢化による自然減少などがあり、北海道の空き家率ランキングで1位にランクされる[15]

2013年6月に人口が1万人を割り込んだ。(1万人割れの市は、歌志内市三笠市に次いで3例目となる)

2015年の国勢調査速報による人口は8,845人であった[16]

2017年5月末、65歳以上人口の比率が50%を越え、日本の市としては初の限界自治体となった。[17]

消滅集落

2015年国勢調査によれば、以下の集落は調査時点で人口0人の消滅集落となっている[18]

  • 夕張市 - 丁未,清水沢,楓,紅葉山,鹿島,鹿島明石町,鹿島千年町,鹿島錦町,鹿島宝町,鹿島富士見町,鹿島緑町,鹿島栄町,鹿島常盤町,鹿島代々木町,鹿島北栄町,鹿島白金,南部菊水町,高松,富岡,福住

教育

大学の施設

小学校

  • 夕張市立ゆうばり小学校

中学校

高等学校

学校は全て公立。市の再建計画に基づき、2008年(平成20年)4月に小・中学校各1校(幌南小学校・幌南中学校)が閉校となった。2010年(平成22年)4月に中学校2校(千代田中学校・緑陽中学校)が閉校された清水沢中学校の跡地に、新たに夕張市立夕張中学校を新設し1校になった。

2011年(平成23年)4月に、残った小学校6校(清水沢、滝ノ上、のぞみ、緑、夕張、若菜中央の各小学校)を1校に統廃合し、清水沢小学校の校舎を整備して「ゆうばり小学校」となる。夕張市教育委員会では統廃合後の児童の人間関係を良好にスタートさせるため、日高町にある国立日高青少年自然の家の支援を得て、2010年12月に低・中・高の学年団ごと清水沢小学校に児童を集め、市内全児童に対し人間関係づくりトレーニングの指導を行った。

閉校となった学校

道立高等学校
  • 夕張北高等学校
  • 北海道夕張鹿島高等学校→北海道夕張東高等学校
  • 北海道夕張南高等学校(現在の北海道夕張高等学校
  • 北海道夕張工業高等学校→夕張緑ケ丘実業高等学校
  • 北海道夕張真谷地高等学校
  • 北海道夕張登川高等学校
中学校
  • 北陵中学校
  • 東山中学校
  • 第一中学校→夕張中学校
  • 幌南中学校
  • 鹿島中学校
  • 沼の沢中学校・真谷地中学校→向陽中学校→緑陽中学校
  • 登川中学校
  • 清水沢中学校
  • 千代田中学校
  • 緑陽中学校
小学校
  • 丁未小学校
  • 福住小学校
  • 第一小学校
  • 鹿の谷小学校
  • 若菜小学校
  • 若菜東小学校
  • 第二小学校→旭小学校(第二小学校はピーク時に児童数約2,800人、55学級を数えた道内一のマンモス校であった)
  • 富野小学校
  • 鹿島小学校
  • 鹿島東小学校
    • 奥鹿島分校
  • 幌南小学校
  • 南部小学校
  • 遠幌小学校
  • 清陵小学校
  • 真谷地小学校
  • 真谷地西小学校
  • 沼の沢小学校
  • 紅葉山小学校
  • 楓小学校
  • 登川小学校(三井鉱山が設置した私立小学校として開校)
  • 清水沢小学校
  • 滝ノ上小学校
  • のぞみ小学校
  • 緑小学校
  • 夕張小学校
  • 若菜中央小学校

医療・福祉

  • 夕張医療センター(旧・夕張市立総合病院)
  • 養護老人ホーム夕張みどりの園(旧・夕張市養護老人ホーム)
    • 市内で唯一の老人ホーム。2008年(平成20年)10月1日に市から社会福祉法人いちはつの会に移管された。夕張市の高齢者の割合は他の市町村に比べて高く、老人ホームの廃止には疑問の声が上がっていた。なお市内には、これとは別に特別養護老人ホームが存在する。

住宅団地

夕張市はかつて炭鉱で栄えた為、当時の炭鉱労働者の社宅が多数市営住宅に引き継がれている。

その為、市街には多くの市営住宅が存在する。

本町地区

  • 夕張市公営住宅 社光団地(旧道営)
  • 夕張市改良住宅 本町団地
  • 夕張市改良住宅 栄団地 (本町1丁目)
  • 夕張市公営住宅 末広団地 (旧道営)
  • 夕張市改良住宅 末広恵団地
  • 夕張市改良住宅 末広翔団地
  • 夕張市改良住宅 鹿の谷曙団地
  • 道営住宅 鹿の谷望団地

平和・若菜地区

  • 夕張市公営住宅 千代田団地
  • 夕張市公営住宅 平和団地
  • 夕張市賃貸住宅 平和団地
  • 夕張市公営住宅 平和夢団地
  • 夕張市改良住宅 平和やわらぎ団地
  • 夕張市公営住宅 常盤誉団地
  • 夕張市賃貸住宅 若菜団地(若菜1番地)
  • 夕張市公営住宅 若菜団地(若菜3番地)

清水沢地区

  • 夕張市公営・道営住宅 南清水沢歩団地(1丁目)
  • 道営住宅 南清水沢実団地(3丁目)
  • 夕張市公営住宅 南清水沢3丁目団地
  • 夕張市公営住宅 南清水沢萌団地(4丁目)
  • 夕張市公営・賃貸住宅 南清水沢4丁目団地
  • 夕張市賃貸住宅 清水沢宮前憩団地
  • 道営住宅 宮前光団地
  • 夕張市改良住宅 清水沢宮前泉団地(平成27年~完成)
  • 夕張市賃貸住宅 清水沢宮前団地
  • 夕張市賃貸住宅 清水沢清栄団地
  • 夕張市公営・賃貸住宅 清水沢清陵1区団地
  • 夕張市公営・賃貸住宅 清水沢清陵2区団地
  • 夕張市公営・賃貸住宅 清水沢清陵3区団地

南部地区

  • 夕張市改良住宅 南部夕南団地
  • 夕張市改良住宅 南部岳見団地

沼ノ沢地区

  • 夕張市公営住宅 沼の沢団地
  • 夕張市賃貸住宅 沼の沢団地(沼ノ沢524番地)
  • 夕張市改良住宅 真谷地団地

紅葉山地区

  • 夕張市公営住宅 63紅葉団地(紅葉山231番地)
  • 夕張市公営住宅 初が台団地(紅葉山501番地)
  • 夕張市公営住宅 紅葉山団地(紅葉山243番地)
  • 道営住宅 紅葉山橋見団地
  • 夕張市改良住宅 楓・登川団地

交通

鉄道

  • 中心となる駅:夕張駅

楓信号場は2004年(平成16年)に、十三里信号場は2016年(平成28年)に、それぞれ旅客駅から転換され、信号場となった。

廃線となった路線が多数ある(夕張鉄道線三菱大夕張鉄道線など)。

バス

タクシー

  • 夕張第一交通 夕張市若菜2番地
  • 丸北ハイヤー 夕張市清水沢3丁目30番地

道路

高速道路

一般国道

主要地方道

一般道道

道の駅

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

文化財

登録有形文化財

  • 旧北炭夕張炭鉱専用鉄道高松跨線橋
  • 旧北炭夕張炭鉱天龍坑人車斜坑坑口
  • 旧北炭夕張炭鉱天龍坑資材斜坑坑口
  • 旧北炭夕張炭鉱模擬坑道
  • 旧北炭夕張炭鉱高松ズリ捨線拱線
  • 旧北炭夕張炭鉱高松ズリ捨線スキップ隧道
  • 旧北炭夕張炭鉱高松ズリ捨線ベルト隧道西坑門
  • 夕張鹿鳴館(旧北炭鹿ノ谷倶楽部)(休館中)

天然記念物

  • 夕張岳の高山植物群落および蛇紋岩メランジュ帯

その他

近代化産業遺産群(経済産業省)

名所

観光施設等はすべて市からの指定管理者加森観光などが指定された)に運営を委任した。夕張市石炭博物館は、2015年(平成27年)に加森観光から返上され、夕張市教育委員会が直営で運営している。

相撲

  • 盛んに行われていた相撲では、1988年(昭和63年)中体連で幌南中学校が全国大会に出場。
  • 同時期に高校総体においても、夕張南高校が全国大会に出場。

レジャー

温泉

  • レースイの湯(ホテルマウントレースイ内。末広2丁目)
  • 天然温泉「夫婦善哉」(ゆうばりホテルシューパロ宿泊者専用。本町2丁目)
  • 夕張温泉「ユーパロの湯」(旧名「ユーパロの湯」。日吉14[新聞 1])(名前の変化「ユーパロの湯」→「夕鹿の湯」(民間運営)→「ユーパロの湯」)

芸術

夕張市美術館

1979年(昭和54年)に夕張市役所別館内に郷土美術館として開館。北海道内の市町村立美術館としては網走市立美術館に次いで2番目に開館した。市民ギャラリーなどを備えた独立した施設を求める声が多くなったことから、1988年、旭町4-3の元ボウリング場の建物(1970年に建設。鉄骨・鉄筋コンクリート造り地上1階、地下1階)を市が買収の上改修し、同建物に移転した。彫刻家佐藤忠良、版画家斎藤清、炭鉱画家畠山哲雄山本作兵衛の作品や書・写真など約800点を収蔵。夕張・撫順市友好記念館併設。11月から4月まで冬期休館。

市の財政破綻により、2007年4月から加森観光子会社の夕張リゾートが指定管理者となり運営。

2012年2月22日夜から23日未明にかけての間に積雪の重みで建物が倒壊。屋根・壁が大きく崩れたが、地下収蔵庫は無事で、収蔵品には被害がなかった。以後休館となり、2012年4月、建物は解体され、更地となった。市には代替の施設を用意する余裕がなく、2012年7月31日、常設展示施設としての美術館については廃止する方針が示された。2013年8月、指定管理者の加森観光・夕張リゾートから損害額約8500万円の弁済を2013年度中に受けることが決まったことを受け、同年9月、市議会本会議にて美術館設置条例の廃止可決。美術館・友好記念館とも廃館となった。2013年3月、市民ギャラリーについては清水沢地区公民館を代替施設に充てることになったが、収蔵美術品等を展示する施設は確保できず、すべて他の公共施設に移され、元館員・学芸員らの手により保管されている。2014年7月から9月、ニセコ町有島記念館において特別展「夕張市美術館コレクション展-炭都・夕張の美術遺産」が開催され、再び所蔵品が公開された。夕張市内では学校などの公共施設で数点の所蔵品が公開されているものの、美術館に代わる展示施設がなく、新施設の建設も極めて困難なため、市内での美術館活動再開については未定。

著名な出身者

政治・経済・社会

学術・文芸

芸能

スポーツ

ゆかりの人物

マスコミ

関連項目

脚注

注釈

  1. 歌志内市、三笠市、夕張市共に、「北海道空知管内の自治体である」、「過去に炭鉱で栄えその後衰退した」という共通点がある。

出典

  1. JR北海道の資料(p.10)
  2. 角川日本地名大辞典・北海道』
  3. 角川日本地名大辞典・北海道』
  4. 誰か昭和を思わざる 大正ラプソディー (大正元年)
  5. 誰か昭和を思わざる 大正ラプソディー (大正2年1〜6月)
  6. 図典 日本の市町村章 p22
  7. 夕張市の徽章
  8. 自治体崩壊と財政危機要因
  9. “盛衰の軌跡〈3〉“2億円”寄贈話 たが外れ錬金術の沼へ”. 北海道新聞. (2006年8月30日). http://www5.hokkaido-np.co.jp/yubari/seisui/03.php3 
  10. “盛衰の軌跡〈4〉レースイ買収 壮大な夢 後始末で深手”. 北海道新聞. (2006年9月2日). http://www5.hokkaido-np.co.jp/yubari/seisui/04.php3 
  11. 第3セクターの倒産動向調査 (Report). 帝国データバンク. (2007-7-11). http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p070703.html. 
  12. 夕張市議会 議員定数1減へ 全国最少の8に北海道新聞 2017.1.31
  13. ふるさと納税制度”. . 2014閲覧.
  14. 夕張警察庁舎. 栗山警察署
  15. 北海道の空き家率ランキング
  16. 人口速報集計(要計表による人口集計)結果平成28年2月26日公表
  17. 北海道夕張市、高齢化率50%超 全国の市で最高
  18. [|総務省統計局統計調査部国勢統計課] (2017-01-27) (CSV). 平成27年国勢調査小地域集計01北海道《年齢(5歳階級),男女別人口,総年齢及び平均年齢(外国人-特掲)-町丁・字等》 (Report). 総務省. http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL08020103.do?_csvDownload_&fileId=000007841019&releaseCount=1 . 2017閲覧.. ※条町区分地の一部に0人の地域がある場合でも他の同一区分地で人口がある場合は除いた。

新聞記事

  1. 1.0 1.1 小野寺淳子(旅行ジャーナリスト) (2016年10月24日). “【夕張市】ゆうばり温泉 ユーパロの湯” (日本語). 北海道新聞. どうしんウェブ/電子版(小野寺淳子の心の湯) (北海道新聞社). オリジナル2016年10月28日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20161028094211/http://dd.hokkaido-np.co.jp/lifestyle/travel/kokoronoyu/2-0088783.html . 2016閲覧. 

関連文献

外部リンク