白石市
白石市(しろいしし)は、宮城県南部、蔵王連峰のふもとに位置する市である。
Contents
概要
主に白石城の城下町として繁栄を築き上げ、それに伴う名所や旧跡が点在する。 宮城県に属しているものの県都である仙台市と福島市共におよそ45km圏内に位置する。その中間地としての土地柄、同県仙台エリアとの関係はもちろん福島県側とも経済や文化など様々な面で密接な関係にある。
地理
宮城県の南部に位置し、宮城県内の市としては最南端にあたる。市域の西南から北東に向けて白石川が流れる。
人口
白石市(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
歴史
古代より、関東から奥羽(東北地方)へと続く東街道(あずまかいどう)の入口に位置し、交通の要衝であった。鎌倉時代から室町時代まで、刈田郡を治める豪族、白石氏が支配していた。
室町時代後期(戦国時代)になると、陸奥国の戦国大名・伊達氏の支配下に置かれた。南下政策をとる伊達政宗と北上政策をとる常陸国の戦国大名佐竹義重は、現在の福島県で衝突した。佐竹義重は豊臣秀吉に服属し政宗に対抗した。しかし政宗は秀吉の停戦命令を無視し、佐竹義重の次男が当主を務める会津地方の蘆名氏を攻め滅ぼすなど、戦いを続けた。政宗は須賀川の二階堂氏をも攻め滅ぼし、東北地方の南半分を征服した。こうして政宗の奥羽征服戦争で伊達成実(だてしげざね)と共に特に功績が大きかった白石宗実は、政宗の領土仕置によって白石を離れ宮森城(福島県安達郡岩代町)へと移った[注釈 1]。
1590年(天正18年)、伊達政宗が豊臣秀吉に服属して秀吉の“日本統一”が成ると、秀吉は政宗への押さえとして会津に懐刀(ふところがたな)の蒲生氏郷を入れた。蒲生氏郷の死後その領地を上杉景勝が引き継ぎ、白石は上杉120万石の一部となった。豊臣秀吉の死後、伊達政宗は徳川家康の政権奪取に協力し、関ヶ原の戦いでは家康の東軍の重鎮として戦った。政宗は上杉景勝から白石城を奪い取り、白石に側近である片倉景綱(小十郎)を入れた。こうして白石は仙台藩の一部となった。
戦後、家康は一国一城令を発令し日本全国の城を破却させた。しかし白石城は例外的に城として認められ、白石は明治維新までの260余年間、片倉氏の城下町として栄えた。戊辰戦争の際、仙台藩が奥羽越列藩同盟の盟主になると、白石城に列藩同盟公議府が置かれた。しかし、戊辰戦争の敗北により同盟政府は崩壊した。片倉家主従は、亘理伊達家主従や岩出山伊達家主従、角田石川家主従らと共に北海道へ移住し、片倉家主従は幌別郡(現在の登別市)および白石村(現在の札幌市白石区)・月寒村(現在の札幌市豊平区)を開拓した。札幌市には現在も「白石」の地名が残る。
戊辰戦争の敗北により、白石をはじめとする仙台藩南部の5郡は一時南部氏の所領となる。その後「白石県」「角田県」となった後、「宮城県」となる。
1889年(明治22年)4月1日、町村制施行に伴い、白石本郷・郡山村と鷹巣村の一部(里前)が合併し、白石町が発足。
1954年(昭和29年)4月1日、白石町と大平村・斎川村・越河村・大鷹沢村・白川村・福岡村が合併し、白石市が発足。宮城県内で6番目、宮城県南部では最初の市制施行。
行政
歴代町長
代 | 氏名 | 就任 | 退任 | 備考 |
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1 | 斎藤吉弥 | 1889年(明治22年)4月21日 | 1890年(明治23年)3月10日 | |
2 | 鈴木味右ェ門 | 1890年(明治23年)3月11日 | 1891年(明治24年)2月1日 | |
3 | 斎藤吉弥 | 1891年(明治24年)2月2日 | 1892年(明治25年)5月13日 | 再任 |
4 | 今泉杏庵 | 1892年(明治25年)5月14日 | 1893年(明治26年)4月6日 | |
5 | 渡辺儀蔵 | 1893年(明治26年)4月7日 | 1895年(明治28年)7月9日 | |
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7 | ||||
8 | 斎藤吉弥 | 1895年(明治28年)7月10日 | 1901年(明治34年)5月6日 | 再々任 |
9 | ||||
10 | 水野健治 | 1901年(明治34年)5月7日 | 1901年(明治34年)10月16日 | |
11 | 村上伊佐治 | 1901年(明治34年)10月17日 | 1901年(明治34年)11月25日 | |
12 | 十二村辰五郎 | 1901年(明治34年)11月26日 | 1905年(明治38年)12月14日 | |
13 | 水野健治 | 1905年(明治38年)12月11日 | 1914年(大正3年)2月9日 | 再任 |
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15 | 鈴木惣四郎 | 1914年(大正3年)2月10日 | 1923年(大正12年)8月19日 | |
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18 | 菅野円蔵 | 1923年(大正12年)10月15日 | 1926年(大正15年)5月30日 | |
19 | 鈴木富太郎 | 1926年(大正15年)6月5日 | 1927年(昭和2年)2月24日 | |
20 | 鈴木俊一郎 | 1927年(昭和2年)3月11日 | 1936年(昭和11年)2月10日 | |
21 | ||||
22 | ||||
23 | 和泉辰治 | 1936年(昭和11年)4月9日 | 1937年(昭和12年)8月10日 | |
24 | 鈴木俊一郎 | 1937年(昭和12年)10月28日 | 1940年(昭和15年)10月12日 | 再任 |
25 | 朝倉松吉 | 1940年(昭和15年)11月7日 | 1946年(昭和21年)4月15日 | |
26 | 阿子島俊治 | 1946年(昭和21年)5月7日 | 1947年(昭和22年)1月5日 | |
27 | 麻生寛道 | 1947年(昭和22年)4月6日 | 1954年(昭和29年)3月31日 | |
28 |
歴代市長
代 | 氏名 | 就任 | 退任 | 備考 |
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1 | 麻生寛道 | 1954年(昭和29年)5月12日 | 1976年(昭和51年)9月27日 | 町長より留任 |
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7 | 鈴木孝一郎 | 1976年(昭和51年)11月14日 | 1980年(昭和55年)11月13日 | |
8 | 関谷宗一 | 1980年(昭和55年)11月14日 | 1984年(昭和59年)11月13日 | |
9 | 川井貞一 | 1984年(昭和59年)11月14日 | 2004年(平成16年)11月13日 | |
10 | ||||
11 | ||||
12 | ||||
13 | ||||
14 | 風間康静 | 2004年(平成16年)11月14日 | 2016年(平成28年)11月13日 | |
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16 | ||||
17 | 山田裕一 | 2016年(平成28年)11月14日 | 現職 |
姉妹都市・友好都市
姉妹都市
友好都市
経済
藩政期から戦後の高度成長期において、仙南圏の経済・商業の中核を担ってきた白石市ではあったが、近年その中核性は柴田郡大河原町・柴田町の国道4号バイパス沿いに展開するロードサイドショップを中心とする商圏に移行している。
白石市の中心市街地は仙南圏では唯一のアーケード商店街を保持しているが、市内の経済・商業の中核地域も国道4号白石バイパス沿いのロードサイドショップに移行しつつある。
法人
- 白石郵便局(集配局)
- 白石南郵便局
- 越河郵便局
- 小原郵便局
- 越河駅前郵便局
- 白石駅前郵便局
- 斎川郵便局
- 白石大平郵便局
- 大鷹沢郵便局
- 北白川郵便局
- 白石東簡易郵便局
- 白石北簡易郵便局
- 鎌先簡易郵便局
- 赤井畑簡易郵便局
産業
第一次産業
- 農業総産出額:490,000万円(2006年)[1]
- 農業:平野部では米の栽培が主であるが、蔵王山麓では冷涼な気候を生かした高原野菜の栽培や酪農、斎川地区や越河地区、小原地区などでは柿やリンゴ、ナシ、モモ、わずかだがブルーベリーといった果樹栽培が行われている。
第二次産業
- 製造品総出荷額:10,270,586万円(2009年)[2]
- 市内にある主な事業所
- NECプラットフォームズ白石事業所
- トーキン本社(旧白石事業所)
- ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング白石蔵王テクノロジーセンター(旧ソニー白石セミコンダクタ)
- セコム工業
- ニチレイフーズ白石工場
- トーカドエナジー白石工場
- 花菱縫製
- 旭プロダクション
第三次産業
東北本線白石駅周辺の中心市街地や国道4号白石バイパス沿線に商業地域が集積する。また鎌先温泉や小原温泉、蔵王山麓部では旅館・サービス業の集積も見られる。
教育
高等学校
中学校
- 白石市立白石中学校
- 白石市立南中学校
- 白石市立白川中学校
- 白石市立福岡中学校
- 白石市立福岡中学校病院分校
- 白石市立小原中学校
- 白石市立東中学校
小学校
- 白石市立白石第一小学校
- 白石市立白石第二小学校
- 白石市立越河小学校
- 白石市立大平小学校
- 白石市立大鷹沢小学校
- 白石市立白川小学校
- 白石市立福岡小学校
- 白石市立福岡小学校八宮分校(休校中)
- 白石市立福岡小学校長峰分校(休校中)
- 白石市立福岡小学校不忘分校(休校中)
- 白石市立福岡小学校病院分校
- 白石市立深谷小学校
- 白石市立深谷小学校三住分校(休校中)
- 白石市立小原小学校
特別支援学校
- 宮城県立角田支援学校白石校中学部
- 宮城県立角田支援学校白石校小学部
本来は、小学部と中学部は別立地だが、2016年(平成28年)度現在は、白石市立白石中学校内に小学部と中学部の両方が間借りしている状態となっている。
交通
鉄道
バス
道路
観光
名所
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レジャー
- 国立南蔵王青少年野営場
- 温泉:鎌先温泉、小原温泉、白石湯沢温泉、かつらの湯
- スキー場:みやぎ蔵王白石スキー場
- スパッシュランドしろいし
- スパッシュランドパーク
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祭事
名産
このうち白石温麺、白石和紙、白石葛の3品目を合わせて「白石三白(さんぱく)」と呼ぶ場合がある。
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その他
- 白石市文化体育活動センター(ホワイトキューブ、キューブ)
- 白石市情報センター(アテネ)
- 雨塚山 少量ながらアメシストが産出する山。
作品
白石市が舞台となっている作品
- みかん絵日記(漫画・アニメ:安孫子三和著。白泉社刊)
- 名門!多古西応援団(映画:1987年、東映、橋本以蔵監督)
- 100回泣くこと(映画:2013年、ショウゲート、廣木隆一監督)
- 碁太平記白石噺(人形浄瑠璃・歌舞伎、紀上太郎・烏亭焉馬・容楊黛・三津環合の合作)
白石市出身の有名人
政治
経済
教育
芸能
スポーツ
- 大砲万右エ門 - 力士・第18代横綱
- 木村庄之助 - 行司・初代
- 安部理 - 元プロ野球選手・東北楽天ゴールデンイーグルス二軍育成コーチ(打撃担当)
- 佐藤孝夫 - 元プロ野球選手・同コーチ・同監督(代行)・国鉄スワローズ(現東京ヤクルトスワローズ)他
- 関東孝雄(孝夫)- 元プロ野球選手・同二軍守備コーチ・中日ドラゴンズ
ゆかりの著名人
脚注
注釈
出典
参考文献
関連項目
外部リンク