北本市
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北本市(きたもとし)は、埼玉県の東部中央にある人口約6万6千人の市である。江戸幕府による宿駅整備以前の1602年(慶長7年)までは中山道の宿場、鴻巣宿があったことが地名の由来である。
Contents
地理
隣接自治体との関係
- 鴻巣市
- 北部および東部で接している。鴻巣市が本市東部を覆うような形で接している。高崎線や国道17号、旧中山道(埼玉県道164号鴻巣桶川さいたま線)などで結ばれており、また、北本駅が鴻巣市境に近接している為、住宅地や市街地が一部市境にまたがって存在するほか、鴻巣市に所在する鴻巣警察署の管轄内であり、電話番号の単位料金区域でも同じ熊谷MAに属し市内扱いであるなど、北本市にとって最も密接な市である。鴻巣市の南西部および南東部(常光地区)の住民は北本駅を利用、北本市北部(深井地区など)の住民は鴻巣駅を利用することがある。また、鴻巣市のコミュニティバス「フラワー号」の馬室コース・常光コースが北本駅まで乗り入れており、北本市内にもバス停が設置されている。なお、現在の鴻巣の街の基となった鴻巣宿は現在の北本市域から移設されたものである。
- 桶川市
- 南部で接している。高崎線や国道17号、旧中山道(埼玉県道164号鴻巣桶川さいたま線)などで結ばれている。本市南部(二ツ家地区など)の住民は桶川駅を利用することがある。
- 比企郡吉見町
- 西部で接している。北本駅まで吉見町巡回バスが乗り入れている。市町境の荒川に荒井橋および高尾橋(冠水橋)が架橋されている。
- 比企郡川島町
- 南西部で接している。荒川で隔てられており、本市と川島町を直接結ぶ道路が存在しない為、移動には吉見町または桶川市を経由する必要がある。
歴史
沿革
- 1869年(明治2年)1月28日 (旧暦) - 武蔵知県事・宮原忠治の管轄区域をもって大宮県が発足(県庁は日本橋馬喰町)。
- 1869年(明治2年)9月29日 (旧暦) - 県庁が浦和に移転し、大宮県から浦和県に改称。
- 1871年(明治4年)11月14日 (旧暦) - 浦和県・忍県・岩槻県の3県が合併して埼玉県が誕生。
- 1879年(明治12年) - 足立郡の区域をもって行政区画としての北足立郡が発足。郡役所は浦和宿に設置。
- 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制施行。東間村・北本宿村・深井村・山中村・古市場村・北中丸村・常光別所村・花ノ木村が合併し、中丸村になる。下石戸上村・下石戸下村・石戸宿村・荒井村・高尾村が合併し、石戸村になる。
- 1943年(昭和18年)2月11日 - 中丸村と石戸村が合併、北足立郡北本宿村になる[1][2]。
- 1959年(昭和34年)11月3日 - 町制施行に伴い、名称変更。北本宿村から北本町になる。
- 1965年(昭和40年)8月1日 - 町章[3]が制定される。
- 1971年(昭和46年)11月3日 - 市制施行。
市名の由来と経緯
- 中山道の宿場・鴻巣宿が1602年(慶長7年)に市宿新田(現在の鴻巣市)に移転し[4][5]、以後本(元)鴻巣村と呼ばれるようになった。それが転じて本(元)宿村となる。明治時代に入り、同一郡内に本(元)宿村がもう一つ存在(現・さいたま市桜区南元宿)したため、北本宿村に改められた[6]。1889年(明治22年)に周辺村との合併により中丸村となり、旧北本宿村は中丸村大字北本宿となった[7]。
- その後、1928年(昭和3年)に高崎線の本宿信号場が駅に昇格した際に、所在地が大字北本宿であることから北本宿駅となり、1943年(昭和18年)に中丸村と石戸村が合併した際に、両村の最寄り駅である北本宿駅の名を採り、北本宿村が成立した。
- 1959年(昭和34年)の町制施行と同時に自治体名を改称し、北本宿の宿を抜いて北本とした。旧中山道本宿交差点にある北本宿の碑や一部の地名辞典などで江戸時代の宿場町と記されるなど、北本という宿場があったかのような誤解が生じる要因となっている。
- 1971年(昭和46年)の市制施行に先駆け、町内を発祥の地とし、信仰の拠点を置く解脱会関係者を中心として解脱市として市制施行する提案がなされたが実現せず、北本のまま市制施行し現在に至る。
北本町成立までの経過
北本宿村が町制施行と改称を経て北本町となるまでの経過については、資料により記載内容が異なる。
- 北本宿村の廃止日を11月3日とするもの
- 11月3日に北本宿村が町制施行して北本宿町となり、即日改称して北本町となったという記述である。これは埼玉県の告示や官報、現北本市の例規などに記載されている。
- 北本宿村の廃止日を10月31日とするもの
- まず10月31日に北本宿村が改称し北本村となり、その後11月3日に町制施行して北本町となったという記述である[2]。これは複数の地名辞典などに記載されている。
人口
2004年に総人口が70,719人となってピークを迎えた。それ以降は年々減少傾向にある。2017年現在6万6千人の市となっている。
北本市(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
行政
市長
歴代市長
- 斎藤隆
- 大護俊英
- 新井馨
- 加藤高
- 石津賢治
市議会
2015年5月19日現在
- 議員定数:20
- 議長:三宮幸雄(みらい)
- 副議長:滝瀬光一(平成会)
- 任期:2015年5月1日 - 2019年4月30日
- 会派
広域行政
- 埼玉中部環境保全組合 : 鴻巣市(吹上地区を除く)、吉見町とともにごみ処理を行っている。なお、将来的には鴻巣市及び北本市は後述の「鴻巣行田北本環境資源組合」、吉見町は別に設立した「埼玉中部資源循環組合」(東松山市、桶川市及び比企郡6町1村で構成)でそれぞれ建設する新ごみ処理施設へ移行する。移行後にこの組合は解散する見通し。
- 鴻巣行田北本環境資源組合 : 鴻巣市(全域)及び行田市とともに新ごみ処理施設を建設(鴻巣市郷地・安養寺地区を予定)するための準備を行っている。
- 北本地区衛生組合 : 鴻巣市、久喜市(旧南埼玉郡菖蒲町の区域)、吉見町とともにでし尿処理を行っている。
- 埼玉県央広域事務組合 : 鴻巣市、桶川市とともに消防、火薬類取締法・液化石油ガス法・高圧ガス保安法に基づく事務(埼玉県央広域消防本部)、火葬場・葬祭場(県央みずほ斎場)運営を行っている。
- 協議会
- 埼玉県央地域まちづくり協議会:鴻巣市、上尾市、桶川市、北本市、伊奈町で構成している。
消防
- 埼玉県央広域消防本部(本部は鴻巣市)
- 北本消防署
- 北本東分署
- 北本消防署
- 北本市消防団
警察
- 鴻巣警察署(鴻巣市)
- 北本交番 (本宿2丁目8番地)
- 北本駅前交番 (中央2丁目172番地)
- 二ツ家交番 (二ツ家1丁目380番地2)
経済
企業
- 新日本ガス
- 三菱マテリアル
- 非鉄材料技術研究所(所属するMMCスーパーアロイ(株)のホームページ)
- トヤマ楽器製造(工場)
- SUBARU(埼玉製作所)
- 株式会社コベルコマテリアル銅管
- 北本製作所(2004年9月より、三菱マテリアルから移管される。2005年9月操業停止)
- 関東グリコ(北本ファクトリー)
- 平和アルミ製作所
農業
姉妹都市・提携都市
国内
地域
郵便
郵便番号は市内全域が上三桁は364。
- 北本郵便局(市内全域の集配を担当)
健康
- 平均年齢:40.3歳(男 = 39.6歳、女41.0歳)
施設
- 県の施設
- 北本県土整備事務所 - 上尾市、桶川市、北本市、鴻巣市、北足立郡伊奈町の4市1町の県道・県が管理する国道・県営公園の建設および管理、河川の改修および管理、建築確認(鴻巣市、桶川市、北本市、北足立郡伊奈町)、開発許可(北足立郡伊奈町)を行う。
- 埼玉県自然学習センター
- 市の施設
- 体育センター
- 野外活動センター
- 健康増進センター
- 知的障害者通所授産施設あすなろ学園
- 心身障害児通園訓練施設こども療育センター
- 総合福祉センター
- 市民交流プラザ
- 中央公民館
- 中央図書館
- 南部学習センター(南部公民館)
- 中央地域学習センター(東部公民館)
- 西部学習センター(西部公民館)
- 東間深井学習センター(北部公民館)
- 中丸学習センター(中丸公民館)
- 公団地域学習センター(学習センター)
- 東地域学習センター(勤労福祉センター)
- 本町西高尾学習センター(コミュニティセンター)
公園
教育
- 幼稚園
-
- 森の詩幼稚園
- 石戸幼稚園
- 北本中央幼稚園
- 北本東幼稚園
- 北本みなみ幼稚園
- 北本幼稚園
- せきね幼稚園
- ふじ幼稚園
- みなみ第二幼稚園
- 保育所
-
- 北本市立栄保育所
- 北本市立中央保育所
- 北本市立東保育所
- 北本市立深井保育所
- 共同保育所
- 中丸保育園
- 鈴や保育室
- 高尾保育園
- 小学校
-
- 北本市立石戸小学校
- 北本市立北小学校
- 北本市立栄小学校
- 北本市立中丸小学校
- 北本市立中丸東小学校
- 北本市立西小学校
- 北本市立東小学校
- 北本市立南小学校
- 中学校
-
- 北本市立北本中学校
- 北本市立西中学校
- 北本市立東中学校
- 北本市立宮内中学校
- 専修学校
- 高等学校
電話番号
市外局番は市内全域「048」。市内局番が「5XX」の地域との通話は市内通話料金で利用可能(熊谷MA)。収容局は鴻巣局、鴻巣北本局。「5xx」から始まる市内局番は本市のほか、鴻巣市、行田市、羽生市、熊谷市、深谷市、大里郡寄居町で使用されている。
交通
鉄道路線
※市北部(深井地区など)では鴻巣駅、市南部(二ツ家地区など)では桶川駅を利用することがある。北本駅と桶川駅の間の二ツ家地区(圏央道予定区間の交点付近)に新駅を設置する計画(請願駅)があったが、財政負担が大きいことから計画の是非を市民に問う住民投票が2013年12月15日に実施され[8]、その結果反対票が賛成票を大幅に上回ったため北本市は計画を撤回し、JR東日本への要望書提出は行わないことになった[9][10][11]。
バス
- 路線バス
- コミュニティバス
- 北本市ではコミュニティバスの運行は行っていないが、隣接自治体のコミュニティバスの一部路線が北本市内を経由している。
- 鴻巣市コミュニティバス「フラワー号」
- 馬室コース(鴻巣駅西口 - 馬室 - 松原 - 北本駅西口)
- 北本駅西口まで乗り入れており、北本市内の西高尾地区にもバス停が設置されている。
- 常光コース(鴻巣駅東口 - 常光 - 北本駅東口)
- 北本駅東口まで乗り入れており、北本市内の宮内地区・北本地区にもバス停が設置されている。
- 馬室コース(鴻巣駅西口 - 馬室 - 松原 - 北本駅西口)
- 吉見町「吉見町巡回バス」
- 町内循環・東南コース(道の駅いちごの里よしみ - 荒川荘方面先回り)
- 第1便のみ北本駅西口まで乗り入れており、市内の高尾さくら公園と総合福祉センターにもバス停が設置されている。
- 町外アクセス・北本駅線(道の駅いちごの里よしみ - 北本駅西口)
- 北本駅西口まで乗り入れており、市内の高尾さくら公園と総合福祉センターにもバス停が設置されている。
- 町内循環・東南コース(道の駅いちごの里よしみ - 荒川荘方面先回り)
- 桶川市市内循環バス「べにばなGO」
- 東西循環コース
- 北本市南部を経由しており、北本市内の下石戸上地区にもバス停が設置されている。
- 東西循環コース
- 鴻巣市コミュニティバス「フラワー号」
道路
- 高速道路
- 圏央道が市内南部を通過しているが、市内にはインターチェンジは設置されていない。隣接する桶川市内に桶川北本ICと桶川加納ICが設置されている。
- そのほか、首都高速埼玉大宮線与野出入口、関越道東松山IC、東北道久喜IC・加須ICなどの利用も上げられる。
- 一般国道
- 県道
- 主な市道
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
出身著名人
- 新井甫 - 海軍大佐、真珠湾攻撃時の空母『飛龍』の軍医長
- 石井堅治 - 農業事業者
- 石井博 - 言語学者・英文学者・詩人
- 伊藤敦基 - CBCテレビアナウンサー
- 大島敦 - 衆議院議員(国民民主党所属)
- 岡野聖憲 - 解脱会会祖
- 遠山啓 - 数学者・晩年在住
- 小川亜希子 - フリーアナウンサー・キャスター
- 小林清貞 - 独法学者
- 塚越礼奈 - 鹿児島放送アナウンサー
- パーマ大佐 - お笑い芸人
- 福井和美 - 四国放送アナウンサー
- 水落穂南 - 重量挙げ選手
その他
- とまちゃん - 北本市のゆるキャラ
- 真っ赤な誘惑北本トマトカレー - 名産のトマトを使ったご当地グルメ。
脚注
- ↑ 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』319頁。
- ↑ 2.0 2.1 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』1422頁。
- ↑ 図典 日本の市町村章 p72
- ↑ 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』855頁。
- ↑ 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』1013-1015頁。
- ↑ “北本の地名の起こり”. 埼玉県北本市. . 2017閲覧.
- ↑ 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』632頁。
- ↑ 広報きたもと12月号特別号「新駅建設の賛否を問う住民投票が行われます」を発行しました - 北本市2013年11月29日
- ↑ 住民投票データ 平成25年12月15日執行・北本市における新駅建設の賛否を問う住民投票結果 - 北本市2013年12月15日
- ↑ 北本市における新駅建設の賛否を問う住民投票の開票結果を受けて[12月16日] - 北本市2013年12月16日
- ↑ 「無駄遣い」圧倒的多数 埼玉・北本市住民投票 市費で新駅「ダメ」 - 東京新聞2013年12月16日朝刊
- ↑ 埼玉新聞 2017年8月4日朝刊13面
参考文献
- 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』 角川書店、1965年。ISBN 4040011104。
外部リンク
- 行政
- 観光
典拠レコード: