江戸幕府
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江戸幕府(えどばくふ)
徳川幕府ともいう。慶長8 (1603) 年2月徳川家康が征夷大将軍に就任して江戸に開いた中央集権的武家政権。慶応3 (1867) 年 10月徳川慶喜による大政奉還まで 15代 265年間存続。 700万石に及ぶ天領 (直轄地) と多数の家臣を背景にその統治体制 (幕藩体制) は強力であった。政治組織は3代将軍家光時代から整理され,中央は老中 (ときに大老がその上におかれた) ,若年寄,大目付,目付,三奉行 (寺社,勘定,江戸町) などが中心に,地方は郡代,奉行,代官などによって支配,統治された。大名などの統制策として参勤交代,土木事業が行われ,また『武家諸法度』『禁中並公家諸法度』『諸士法度』『寺院法度』『諸社禰宜法度』などによって,武家をはじめ,公家,寺社などを統轄した。農民政策では,検地や五人組制度がとられ,貢租徴収がきびしく行われ,また田畑永代売買の禁による小農維持,『慶安の御触書』による衣食住にいたるまでの諸統制が行われた。幕府の財政基盤は天領をはじめ,貨幣の鋳造発行権や御用金,鎖国による外国貿易の独占,鉱山の支配などにおかれたが,次第に貨幣経済の発展とともに種々の矛盾を生み,享保,寛政,天保の改革などによる財政建直しも功を奏さず,百姓一揆の頻発,さらに開国問題を契機にした尊王攘夷運動の展開のなかに崩壊の道をたどった。
脚注