勝田駅
勝田駅(かつたえき)は、茨城県ひたちなか市勝田中央にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)・日本貨物鉄道(JR貨物)・ひたちなか海浜鉄道の駅である。
ひたちなか市の代表駅で、旧・勝田市の中心部に位置する。
Contents
乗り入れ路線
JR東日本・JR貨物の常磐線(旅客営業を行うJR東日本が第一種鉄道事業者、貨物営業を行うJR貨物が第二種鉄道事業者)と、ひたちなか海浜鉄道の湊線が乗り入れ、接続駅となっている。湊線は当駅が起点である。
JRの駅にはこのほか、昼間時間帯を除き友部駅を終点とする水戸線の一部の列車が、友部駅 - 当駅間で乗り入れている。このうち朝の時間帯はさらに高萩方面へも直通する列車もある。特急「ひたち」「ときわ」(土浦駅発着を除く)の全列車が停車する。また、「ときわ」の半数は当駅始発・終着である。また、品川駅および上野駅を発着する常磐線普通列車も朝の上り列車と夜間の下り列車の一部が日立駅(下り1本のみ)や高萩駅発着となるのを除いて、当駅始発・終着である。
年表
- 1909年(明治42年)12月16日 - 運転業務取り扱い開始。
- 1910年(明治43年)3月18日 - 鉄道院常磐線の勝田駅として開業。旅客・貨物の取扱を開始。
- 1913年(大正2年)12月25日 - 湊鉄道(茨城交通の前身)湊線が開業。乗換駅となる。
- 1942年(昭和17年)9月5日 - 日立製作所水戸工場専用線、原料の搬入並びに製品の搬出のため開通[1][2]。社員輸送列車運輸開始。
- 1944年(昭和19年)8月1日 - 交通統合により茨城交通発足。湊鉄道の駅は茨城交通の駅となる。
- 1949年(昭和24年)6月1日 - 日本国有鉄道が発足。
- 1984年(昭和59年)2月1日 - 貨物の取扱を廃止。
- 1987年(昭和62年)
- 1993年(平成5年)9月20日 - 日立製作所社員輸送列車廃止[3]。
- 2002年(平成14年)7月21日 - 橋上駅舎化[4]。
- 2008年(平成20年)4月1日 - 茨城交通が湊線をひたちなか海浜鉄道に移管。茨城交通の駅はひたちなか海浜鉄道の駅となる。
- 2011年(平成23年)
- 3月11日 - 東北地方太平洋沖地震により駅舎の天井が崩落し[5]、駅は閉鎖された。
- 3月31日 - JRの駅が営業再開[6]。
- 7月3日 - ひたちなか海浜鉄道の駅が営業再開。
- 2014年(平成26年)10月5日 - この日限定で、ひたちなか海浜鉄道の駅がアニメ『デュエル・マスターズ』の主人公「切札勝太」にちなみ「勝太駅」に改称[7]。
駅構造
島式ホーム2面4線を有する地上駅で、橋上駅舎を持つ。共同使用駅であるが、1番線ホーム除きJR東日本が駅業務全般を担当している。JR東日本の直営駅で、管理駅として佐和駅、東海駅を管理している。ひたちなか海浜鉄道湊線が発着する1番線ホームは、JR常磐線の2番線ホームの日暮里方の一部を切り欠いて設けられている。
1番線ホーム上にはひたちなか海浜鉄道が業務を行う中間改札口が設けられ、2番線ホームとの間に柵が設置されている。ここにJR線出場用・入場用の簡易Suica改札機も設置されている(画像参照)。JR線とひたちなか海浜鉄道線の乗換は中間改札口で精算とひたちなか海浜鉄道線の乗車券発売を行う。橋上駅舎の自動券売機は1台のみがひたちなか海浜鉄道線の普通乗車券に対応しており、JR線で利用できるICカードを用いての引き換えも可能である。勝田駅から乗車しひたちなか海浜鉄道線の一日乗車券や企画乗車券の購入を希望する場合は、JR線有人窓口で申し出た上で中間改札口へ向かうことになる[8]。
ホーム上の店舗は2番線のみで、立ち食いそば店が日立寄りに1店舗ある。日暮里方のキオスクは一般的なものだが、いわき方はコンビニエンスストアのような形態で、改札外の駅出入口側(エスカレータ下)と改札内の2番線ホームの両側から利用できる(通り抜け不可)。また、コンコース(改札外)にはコンビニエンスストア「NEWDAYS」がある。
構内にはみどりの窓口(営業時間05:00 - 21:00)・Suica対応自動改札機が設置されている。指定席券売機は改札外のほか、改札内にも特急券及びえきねっと受取用に2番線ホーム日立寄りの階段前に設置されている。エスカレーター・エレベーターがそれぞれ東口・西口・コンコースに設置されている。
のりば
番線 | 方向 | 路線 | 行先 |
---|---|---|---|
1 | ■ひたちなか海浜鉄道湊線 | - | 那珂湊・阿字ヶ浦方面 |
2・3 | ■JR常磐線 ( 上野東京ライン含む) |
上り | 水戸・土浦・上野・東京・品川方面 □特急「ひたち」・「ときわ」 |
■JR水戸線 | 上り | 下館・小山方面 | |
4 | ■JR常磐線 | 下り | 日立・高萩・いわき方面 □特急「ひたち」・「ときわ」 |
- ホームには各ホーム1台ずつ計2台Suica専用のグリーン券自動券売機が設置されている。
- 2番線ホームには日立寄りに喫煙ルーム・待合所が、3・4番線ホームには待合室がそれぞれ設置されている。
- 構造上は、2番線からも湊線への入線が可能な配線となっている。1990年度までは毎年夏に上野方面から阿字ヶ浦への直通臨時列車が運行されていた。
- Katsuta Station Hitachinaka Seaside Railway platform entrance 20170603 (2).jpg
中間改札(2017年6月3日)
- Katsuta Station Hitachinaka Seaside Railway platform 20170603.jpg
ひたちなか海浜鉄道湊線ホーム(2017年6月3日)
貨物取扱
現在は、臨時車扱貨物のみを取り扱っており、貨物列車の発着はない。これは一旦廃止された貨物取扱を国鉄分割民営化直前に将来の貨物取扱再開に備え「開閉期間・取扱範囲は別に定める」として再開させたもので、実績としては勝田車両センターへの甲種輸送以外に湊線の車両輸送の搬出入で使われた。
民営化前の1980年代まで旅客駅舎南側に貨物ホームがあったほか日立製作所水戸事業所へ続く専用鉄道(4.4km)も存在した。この専用線は公式には1942年9月5日運輸開始[1][2]とされ1993年9月20日まで従業員専用列車(「構内電車」などとも呼ばれていた)が運行されていたが途中の踏切が渋滞の原因になっていたためバスに転換されて廃止となった。なお一般公開の際には従業員以外も乗車できた。
駅西口の構内の外れにホームがあり、通勤時[10]にはバッテリーロコに牽引された客車(最後は東急6000系電車 (初代)6104・6003)が運行されていた[3]。初期には蒸気機関車や木造客車が使用されていた。
従業員専用列車ホームは取り壊され、現在は跡地に日立グループのビジネスホテル ライフイン勝田駅西となっているが、専用線の線路が僅かに残されている。
利用状況
- JR東日本 - 2017年度の1日平均乗車人員は13,383人である。
- ひたちなか海浜鉄道 - 2016年度の1日平均乗車人員は1,188人である[11]。
近年の1日平均乗車人員の推移は以下の通り。
乗車人員推移 | ||||
---|---|---|---|---|
年度 | JR東日本 | 茨城交通 | 海浜鉄道[* 1] | 備考 |
2000 | 12,723 | 521 | ||
2001 | 12,496 | 549 | ||
2002 | 12,220 | 532 | ||
2003 | 12,084 | 494 | ||
2004 | 11,859 | 457 | ||
2005 | 11,876 | 447 | ||
2006 | 11,989 | 445 | ||
2007 | 12,050 | 505 | ||
2008 | 12,164 | 930 | 湊線移管 | |
2009 | 11,977 | 955 | ||
2010 | 11,817 | 974 | ||
2011 | 11,803 | 834 | 東日本大震災 | |
2012 | 12,173 | 973 | ||
2013 | 12,512 | 1,040 | ||
2014 | 12,656 | 1,163 | ||
2015 | 12,936 | 1,219 | ||
2016 | 13,181 | 1,188 | ||
2017 | 13,383 | [12] |
- ↑ 2008年度からJRからの連絡(乗り換え)人員を含んでいる。
ひたちなか海浜鉄道
- 茨城交通時代の勝田駅の利用状況の変遷を下表に示す。
- 輸送実績(乗車人員)の単位は人であり、年度での総計値を示す。年度間の比較に適したデータである。
- 乗降人員調査結果は任意の1日における値(単位:人)である。調査日の天候・行事等の要因によって変動が大きい。
- 表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。
年度 | 当駅分輸送実績(乗車人員):人/年度 | 乗降人員調査結果:人/日 | 特記事項 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
通勤定期 | 通学定期 | 定期外 | 合計 | 調査日 | 調査結果 | ||
2000 | 190,251 | ||||||
2001 | 200,436 | ||||||
2002 | 194,242 | ||||||
2003 | 180,875 | ||||||
2004 | 166,623 | ||||||
2005 | 162,942 | ||||||
2006 | 162,444 | ||||||
2007 |
駅弁
主な駅弁は下記の通り[13]。
- 豚べん
- 牛べん
- 磯べん
- 豚さん弁当
- 焼き鯖すし
- 常陸之國美味紀行
- 黄門弁当
JRの輸送上の特徴
勝田車両センターの最寄駅であることから、約半分の普通列車(上野駅・品川駅および水戸線下館駅・小山駅発着)と特急「ときわ」の多数が当駅始発・終着である。特に上野駅発着の普通列車の大部分は当駅が始発・終着となる。なお、勝田車両センターに出入りする列車には、水戸駅発着の回送列車も存在する。
- E531系付属編成で運転する列車には、当駅で5両の増解結を行うものがある。
- 普通列車には、下りに先に到着した高萩行きが後着の当駅止まり列車の接続待ちをする設定が1本あるが、それ以外の始発・終着列車間の接続駅としての役割は隣の水戸駅が担っている(いわき・日立方面から当駅止まりの列車や当駅始発で日立・いわき方面に行く列車の設定はない)。このため、当駅と水戸駅の間は間隔が不等ながらも本数が比較的多い。また、上り列車には、当駅を先に発車した上野・小山方面行き列車が水戸駅で後着の列車の接続待ちをする場合がある。
- 一部の上り普通列車は当駅で特急ときわの接続待ち合わせを行っている。
駅周辺
当駅は工業都市勝田の中心地にある。駅西側は日立グループの工場が広がり、東側は商店街や公的機関がある。東西ともに住宅も多い。
西口
- 東日本旅客鉄道水戸支社勝田車両センター
- 東日本旅客鉄道水戸支社勝田運輸区
- 日立製作所水戸事業所
- 日立製作所機械研究所
- 日立パワーソリューションズ勝田事業所
- 勝田堀口郵便局
東口
東進する目抜き通りは国営ひたち海浜公園までほぼ直線的に伸びる。
- ひたちなか市役所
- ひたちなか市文化会館
- ひたちなか市立中央図書館
- ひたちなか市松戸体育館
- 常陽銀行ひたちなか支店
- 筑波銀行ひたちなか支店
- 東日本銀行ひたちなか支店
- ひたちなか郵便局
- かんぽ生命茨城支店
- ひたちなか総合病院
- MEGAドン.キホーテ
- サザコーヒー本店
バス路線
主に、茨城交通がファッションクルーズニューポートひたちなか(「ジョイフル本田西」バス停下車)・国営ひたち海浜公園・那珂湊駅方面への路線バスおよび東京駅・羽田空港・成田空港・上三川インターチェンジ・宇都宮駅・東武宇都宮駅・二本松バスストップ・仙台駅前への高速バスを運行。また、ひたちなか市がコミュニティバス「スマイルあおぞらバス」を運行している。
また、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」開催時や、国営ひたち海浜公園の観光シーズン(スイセン、チューリップ、ネモフィラ開花時期、コキア紅葉時期)には国営ひたち海浜公園への臨時バスが多数運行される。
東口
乗場 | 系統 | 主要経由地 | 行先 | 運行会社 |
---|---|---|---|---|
1番 | 勝田北コース | 六ツ野・ヨークタウンひたちなか・田彦小学校 | 勝田駅東口 | スマイルあおぞらバス |
田彦小学校・ヨークタウンひたちなか・六ツ野 | 勝田駅東口 | |||
勝倉集落センター | 金上ふれあいセンター | |||
勝田中央コース | 六ツ野・ヨークベニマル佐和店・海浜公園西口・向野団地南 | 勝田駅東口 | ||
向野団地南・海浜公園西口・ヨークベニマル佐和店・六ツ野 | 勝田駅東口 | |||
勝田南コース | 金上駅前・中根小学校・海浜公園西口・東中根集会所 | 勝田駅東口 | ||
東中根集会所・海浜公園西口・中根小学校・金上駅前 | 勝田駅東口 | |||
2番 | ひたちなか市役所・茨城高専・ジョイフル本田西・海浜公園西口 | 中央研修所 | 茨城交通 | |
ひたちなか市役所・茨城高専・ジョイフル本田西・海浜公園西口・中央研修所 | 海浜公園南口 | |||
足崎団地循環 | ひたちなか市役所・勝田高校前・日立化成 | 勝田駅 | ||
ひたちなか市役所・茨城高専 | 東中根団地 | |||
文化会館・勝田工高 | 東中根団地 | |||
3番 | 市毛・水戸駅・泉町1丁目・大工町 | 茨大前営業所 | ||
春日町・堀口・市毛十文字・枝川・水府橋 | 水戸駅 | |||
金上駅前・三反田 | 那珂湊駅 | |||
4番 | 共栄町・東大島・外野 | 勝田営業所 | ||
勝田・東海号 東水戸東海ルート |
八潮PA(八潮駅)・都営浅草駅・上野駅 ※2013年12月15日より、休日も都営浅草駅、上野駅に停車 |
東京駅日本橋口 |
西口
乗場 | 系統 | 主要経由地 | 行先 | 運行会社 |
---|---|---|---|---|
西口 | 勝田工場・津田 | 水戸駅 | 茨城交通 | |
ローズライナー | ※途中降車不可 | 成田空港 | 茨城交通 千葉交通 日立電鉄交通サービス | |
羽田空港リムジンバス | ※途中降車不可 | 羽田空港 | 茨城交通 京浜急行バス 日立電鉄交通サービス | |
北関東ライナー | 上三川インターチェンジ・宇都宮大学前・JR宇都宮駅西口 | 東武宇都宮駅西口 | 茨城交通 関東自動車 | |
仙台線 | 二本松バスストップ | 仙台駅前 | 茨城交通 | |
名古屋線 | 東名豊田 | 名古屋駅 | 茨城交通 | |
勝田西コース | 枝川・津田・市毛公民館 | 勝田駅西口 | スマイルあおぞらバス | |
市毛公民館・津田・枝川 | 勝田駅西口 | |||
表町南 | 日製ひたちなか総合病院 |
ギャラリー
- Katsuta Station passageway 20170603.jpg
自由通路(2017年6月3日)
- Katsuta Station ticket barriers 20170603.jpg
改札口(2017年6月3日)
- Ibakou3710 1.jpg
1番線に停車中の湊線気動車列車
(2005年8月2日、茨城交通当時) - JREast KatsutaStation 199303.jpg
改築前の駅舎(1993年3月)
隣の駅
- ひたちなか海浜鉄道
- ■湊線
- 勝田駅 - 日工前駅
脚注
- ↑ 1.0 1.1 『地方鉄道及軌道一覧』昭和18年4月1日現在、鉄道省監督局、鉄道同志会(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)、1941 - 1944年。
- ↑ 2.0 2.1 それ以前の可能性あり。また従業員専用列車の運行開始時期は不明。
- ↑ 3.0 3.1 堤一郎「使命を終えた日立製作所水戸工場の通勤専用列車」、『鉄道ピクトリアル』第584号、電気車研究会、1993年12月。
- ↑ 「鉄道記録帳」、『RAIL FAN』第49巻第10号、鉄道友の会、2002年10月号、 22頁。
- ↑ JR東日本水戸支社管内被害状況 (PDFプレスリリース), JR東日本, (2011年3月19日)
- ↑ JR水戸駅が20日ぶりに再開. 毎日新聞、2011年3月31日
- ↑ “勝太駅発!熱血デュエマ列車!! (PDF)”. ひたちなか海浜鉄道. . 2017閲覧.
- ↑ 2014年に開業した高田の鉄橋駅への片道乗車券も、2015年1月現在自動券売機では対応しておらず中間改札口での購入となる。
- ↑ 日本国有鉄道旅客局(1984)『鉄道・航路旅客運賃・料金算出表 昭和59年4月20日現行』。
- ↑ 勝田駅発7時台3本19時台1本、工場発17時台、18時台、19時台各1本。
- ↑ 平成29年版「統計ひたちなか」による。
- ↑ “各駅の乗車人員(2017年度)”. 東日本旅客鉄道株式会社. . 2018閲覧.
- ↑ 『JR時刻表』2017年3月号、交通新聞社、2017年、 612頁。
関連項目
外部リンク
- テンプレート:外部リンク/JR東日本駅
- 勝田駅 - ひたちなか海浜鉄道
- ■■ 常磐線(品川 - 上野 - 水戸 - いわき) <上野東京ライン>
- (品川 - 新橋 - 東京 - 上野 - )日暮里 - 三河島 - 南千住 - 北千住 - 松戸 - 柏 - 我孫子 - 天王台 - 取手 - 藤代 - 佐貫 - 牛久 - ひたち野うしく(*
万博中央) - 荒川沖 - 土浦 - 神立 - 高浜 - 石岡 - 羽鳥 - 岩間 - (小山方面<<) 友部 - 内原 - 赤塚 - (臨)偕楽園 - 水戸 - 勝田 - 佐和 - 東海 - 大甕 - 常陸多賀 - 日立 - 小木津 - 十王 - 高萩 - 南中郷 - 磯原 - 大津港 - 勿来 - 植田 - 泉 - 湯本 - 内郷 - (*いわき貨物信号場) - いわき(>>仙台方面)
*打消線は廃駅