常陽銀行
株式会社常陽銀行(じょうようぎんこう、英称:The Joyo Bank, Ltd.)は、茨城県水戸市に本店を置く地方銀行。
2016年10月1日付で めぶきフィナンシャルグループとの株式交換による完全子会社化により、傘下の足利銀行と経営統合した。[1]。
Contents
概要
茨城県の指定金融機関を受託している地方銀行である。行名の由来は、茨城県を構成する旧2国(常陸・下総)のうち旧国の全域が茨城県となっている旧常陸国の「常」の文字に、明るいという意味をこめて「陽」を付けた事による。また、常陽は常陸の異称でもある。名づけ親は初代頭取の亀山甚である[2]。各支店には、同行のシンボルマークと、所在地の市町村章あるいは日本国旗が掲げられている。旧東京川崎財閥系列であり、その経緯から三菱東京UFJ銀行とは親密な関係にある。2008年(平成20年)、100%出資証券子会社(常陽証券株式会社)を設立した[3]。
2016年10月1日に足利銀行の金融持株会社である足利ホールディングスと経営統合を実施[4]。コンコルディア・フィナンシャルグループ、ふくおかフィナンシャルグループに次ぐ地銀界第3位の銀行グループとなった[5][6]。経営統合後の金融持株会社の社名は「めぶきフィナンシャルグループ」となった[7]。
営業政策
店舗展開
本店を置く茨城県には猿島郡五霞町、稲敷郡河内町(河内町役場に店舗外ATMが存在)を除くすべての市町村に支店が置かれており[† 1]、つくば市の研究学園都市支店や東京都中央区の東京営業部は本店を凌ぐ規模の建物を構えている。また、隣接する千葉県、埼玉県、栃木県、福島県のほか東京都、大阪府、宮城県にも支店を置くほか、海外駐在員事務所も擁している。
外貨現金
外貨現金の購入は、フリーダイヤルによる予約のみとなっている。 またトラベラーズチェックの購入は、本店営業部・土浦支店・日立支店・下館支店・ひたちなか支店・研究学園都市支店の窓口のみだけとなっている[8]。
沿革
旧五十銀行系
旧常磐銀行系
- 1878年(明治11年)
- 1897年(明治30年)10月 - 第百四国立銀行が国立銀行営業満期前特別処分法により私立銀行として営業継続、水戸百四銀行と改組・改称[9]。
- 1898年(明治31年)
- 1907年(明治40年)7月3日 - 常磐銀行と改称[9]。
- 1914年(大正3年)11月3日 - 水戸百四銀行を合併引継完了[9]。
両行合併後
- 1935年(昭和10年)
- 1939年(昭和14年)10月1日 - 三ツ輪銀行より営業譲受[9]。
- 1942年(昭和17年)3月1日 - 石岡銀行・猿田公益銀行より営業譲受[9]。
- 1945年(昭和20年)4月28日 - 茨城貯蓄銀行より営業譲受[9]。
- 1965年(昭和40年)6月 - 現本店ビル竣工。
- 1968年(昭和43年)4月 - 東京証券取引所市場第二部上場[3]。
- 1969年(昭和44年) - 東京証券取引所市場第一部に指定。
- 1973年(昭和48年)11月 - 全店オンラインシステム完成。
- 1978年(昭和53年)6月 - 第二次オンラインシステム稼働。
- 1982年(昭和57年)8月 - 常陽クレジットを設立[3]。
- 1994年(平成6年)1月 - 第三次オンラインシステム稼働。
- 1996年(平成8年)
- 5月 - 上海駐在員事務所開設。
- 10月- 茨城中央信用組合と合併[3]。
- 2005年(平成17年)10月 - 銀行本体によるクレジットカード業務開始[3]。
- 2007年(平成19年)1月 - 地銀共同化システム稼動。
- 2008年(平成20年)11月 - 100%出資の証券子会社である常陽証券(現・めぶき証券)を設立。
- 2012年(平成24年)9月 - シンガポール駐在員事務所開設。
- 2014年(平成26年)10月 - ニューヨーク駐在員事務所開設。
- 2015年(平成27年)11月 - 足利ホールディングスとの経営統合を発表[10]。
- 2016年(平成28年)
- 4月25日 足利ホールディングスと株式交換による経営統合について最終合意。統合後の社名を「めぶきフィナンシャルグループ」とすることも発表[1]。
- 10月1日 株式交換により足利ホールディングスの完全子会社となる。同時に足利ホールディングスが商号変更により「めぶきフィナンシャルグループ」となる。
- 2017年(平成29年)
関係会社
- 常陽コンピューターサービス株式会社
- 常陽信用保証株式会社
- 株式会社常陽クレジット
- 常陽ビジネスサービス株式会社
- 株式会社常陽産業研究所
- 常陽施設管理株式会社
- 常陽キャッシュサービス株式会社
関連財団
情報処理システム
2003年、百十四銀行、十六銀行、南都銀行および三菱東京UFJ銀行(BTMU)、日本IBMと共に勘定系システムや情報系システムの共同化の検討、開発を開始した。これに基づき、2007年1月4日、常陽銀はBTMUのシステムを基に参加行の共通、個別ニーズを反映させた「地銀共同版システム」に移行している。同システムは地銀以外のシステムを基盤とした共同システムでは日本初のものとして稼働している[13][14][† 2]。
自動機サービス
地域金融機関との提携
2008年(平成18年)8月4日からは、常陽銀行と武蔵野銀行・千葉銀行・東京都民銀行・横浜銀行の計4行と提携し、ATM出金手数料無料提携とATMによるカード振込手数料優遇提携を開始した。更に同年11月10日からは、東邦銀行との相互間によるATM出金手数料無料提携も開始している。
コンビニATM
コンビニエンスストアに設置されたATMは、現在、セブン銀行とイーネットでの利用が可能である[15]。
CM・広告
イメージキャラクター
Jリーグ開幕当初より鹿島アントラーズのオフィシャルスポンサーであり、選手をイメージキャラクターとして起用している。また、水戸市をホームタウンとするJ2の水戸ホーリーホックのスポンサーも務めている[† 3]。
- イメージキャラクターを務めた鹿島アントラーズ選手一覧
- 古川昌明(1997年)
- 相馬直樹(1998年 - 2000年)
- 中田浩二(2001年 - 2004年)
- 小笠原満男(2005年 - 2006年)
- 内田篤人(2007年 - 2010年)
- 野沢拓也(2011年)
- 増田誓志(2012年)
- 曽ヶ端準、本山雅志、昌子源(2013年)
- 柴崎岳、 遠藤康 (2014年 - )
常陽銀行ゲート
鹿島アントラーズのホームスタジアムである茨城県立カシマサッカースタジアムの第1ゲートの命名権を買い取り、2007年9月より「常陽銀行ゲート」としていたが、広告契約内容の変更に伴い、2013シーズン限りでこの呼称は廃止となった。
(2014シーズンからは「第1ゲート」に変更。)
脚注
注釈
出典
- ↑ 1.0 1.1 “株式会社常陽銀行と株式会社足利ホールディングスの株式交換による経営統合に関する最終合意について” (PDF) (プレスリリース), 常陽銀行、足利ホールディングス, (2016年4月25日) . 2016閲覧.
- ↑ 『常陽銀行80年史 : この10年のあゆみ』P 7
- ↑ 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 “会社概要・沿革”. 常陽銀行. . 2012閲覧.
- ↑ “2016年10月経営統合 足銀と常陽銀基本合意 成長分野に人員重点配分”. 下野新聞. (2015年11月3日) . 2016-3-31閲覧.
- ↑ 常陽銀行と足利HDが経営統合で基本合意 地銀3位グループに(2015年11月2日 ロイター)
- ↑ “常陽・足利銀、合理化の徹底カギ 16年10月の統合発表”. 日本経済新聞. (2015年11月3日) . 2016-3-31閲覧.
- ↑ 常陽銀・足利HD統合で「めぶきFG」 社名で最終合意 日本経済新聞 2016年4月25日
- ↑ よくある質問 常陽銀行(2012年8月13日閲覧)
- ↑ 9.00 9.01 9.02 9.03 9.04 9.05 9.06 9.07 9.08 9.09 9.10 9.11 9.12 9.13 9.14 9.15 9.16 9.17 9.18 引用エラー: 無効な
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タグです。 「joyo-bank-20-1955
」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません - ↑ “株式会社常陽銀行と株式会社足利ホールディングスの株式交換による経営統合に関する基本合意について” (PDF) (プレスリリース), 常陽銀行、足利ホールディングス, (2015年11月2日) . 2016閲覧.
- ↑ “子会社の現物配当による孫会社の異動に関するお知らせ” (PDF) (プレスリリース), めぶきフィナンシャルグループ, (2017年3月21日) . 2018閲覧.
- ↑ “子会社の現物配当による孫会社の異動に関するお知らせ” (PDF) (プレスリリース), めぶきフィナンシャルグループ, (2017年9月19日) . 2018閲覧.
- ↑ 『常陽銀行80年史 : この10年のあゆみ』P 34
- ↑ “【事例フラッシュ】常陽銀行,三菱東京UFJ銀行のシステムを基に基幹システムを刷新”. 日経SYSTEMS. (2007年1月23日) . 2013-11-8閲覧.
- ↑ “常陽銀行とのATM利用提携について”. セブン銀行. (2003年1月16日) . 2013-11-8閲覧.
参考文献
- 経営企画部広報室編 『常陽銀行80年史 : この10年のあゆみ』 常陽銀行、2016年。
- 常陽銀行編 『常陽銀行二十年史』 常陽銀行、1955年。