バスキン・ロビンス
バスキン・ロビンス (Baskin-Robbins Inc.) は、アメリカ創業の世界最大級のアイスクリーム・パーラー・チェーン。日本ではサーティワンアイスクリームの名前として知られ、世界40か国に7300以上の店舗を展開している。
サーティワンとは英語の「31」で、「31種類のアイスクリームがあるため、1か月毎日違うアイスが楽しめます」という意味が込められている。ただし、実際には32種類もしくは28種類のアイスクリームが置かれている店舗が多く、これは冷蔵庫が四角いので偶数(しかもケース1区画が4つ入りのため、4×8)の方が経済的であるという理由であり、テレビ番組『トリビアの泉 〜素晴らしきムダ知識〜』でも紹介された。実際には1000以上の種類があるが、世界のどのバスキン・ロビンスの店でも大抵は32種類から選べる。
上記の「サーティワン」の言葉と味見が無料でできるピンクのスプーン「テイストスプーン」のサービスは、1953年のバスキン・ロビンス発足当時からのもので、アイコン的なものとなっている。
2010年には、客層が革新的な味を求めているという理由でフレンチバニラといった古典的な5種類の味を廃止することを発表した。しかしながら、根強いファンや客層がFacebookなどを通じて猛烈に反対している。
アメリカ軍基地の敷地内で営業する店舗では、日本では通常販売されない種類があるほか、ソフトクリームを販売している店舗などもある。
発売しているフレーバーのうち、ロッキーロードは商標登録されている。
歴史
創業者はバート・バスキンとアーヴィン・ロビンスのふたり。バスキンはロビンスの姉の夫だった。2人ともアイスクリームが好きで、店を持つことを夢見ていた。ロビンスの父はワシントン州タコマでアイスクリームショップを経営しており、ロビンスは店を手伝うのが好きだった。第二次世界大戦中、ロビンスは1942年から1945年にかけて陸軍に入隊、バスキンは海軍に志願しそこでアイスクリームを作っては同僚に配った。戦後2人はロビンスの父親の薦めで別々に店を開くことにした。まず1945年に、ロビンスがカリフォルニア州グレンデールに「Snowbird(スノウバード)」を開業。そして翌年には、退役したバスキンが同州パサデナに「Burton's(バートンズ)」を開業した。
その後、バスキンとロビンスの両者はカリフォルニア南部で勢力を伸ばし1953年に合体して「Baskin-Robbins(バスキン・ロビンス)」となった。1960年代中盤には全米400店舗を達成、1967年にバスキンとロビンスはバスキン・ロビンスをユナイテッド・フルーツに推定1200万ドルで売却し、1970年代からは順次海外出店が始まった。現在はすべての店舗がフランチャイズである。
創業者(バスキンは1967年、ロビンスは2008年に死去)の手を離れ、様々な親会社の下を転々としたが1973年にイギリスの食品会社J.ライオンズ(合併を繰り返してのちアライド・ドメック)が買収した。2005年に、アライド・ドメックをフランスの酒業メーカーペルノ・リカールが買収した際、バスキン・ロビンスとダンキンドーナツを傘下に持つ持株会社「ダンキン・ブランズ・グループ」の売却が発表された。ダンキン・ブランズ・グループは、2006年から投資ファンドのベインキャピタル、カーライル・グループおよびトーマス・H・リー・パートナーズによる共同所有となっている。
展開している国や地域
日本での展開
日本では、バスキン・ロビンスと不二家の合弁会社のB-R サーティワン アイスクリーム株式会社(英: B-R 31 ICE CREAM CO.,LTD.)がチェーン店を展開している。高速道路のサービスエリアにあるような小規模な店舗では31種類以下の品揃えであることもある。また、一部の店舗ではクレープを取り扱っている。
元々、登記上の商号の「B-R」の部分は「ビー・アール」 であったが、2007年に表記を現在のものに改めた。
不二家と消費者のイメージ的につながっていないため、不二家の期限切れ原材料使用問題による影響は比較的小さかった。
店舗等の看板では旧来は「31 Baskin-Robbins サーティワン アイスクリーム」と言うものだったが、最近では「baskin BR robbins サーティワン アイスクリーム」というものが増えてきている。このロゴの英字部分は青だが、「BR」のBの縦棒以外の部分とRの縦棒の部分は赤くなっており、その部分で「31」と読ませるようになっている(バスキン・ロビンスのロゴも参照)。
日本では「サーティワン」との呼称がほぼ一般的であるが、本国のアメリカでは「バスキン・ロビンス」と呼ばれているためアメリカ人に「サーティワン」といってもほとんど通じず、逆に日本では「バスキン・ロビンス」は通じにくい。[1]
沿革
- 1973年(昭和48年)12月19日 - 不二家が子会社として、ビー・アールジャパン株式会社を設立。
- 1974年(昭和49年)1月 - 第三者割当増資により、アメリカのバスキン・ロビンス社の出資を受けて、合弁会社となる。
- 1974年(昭和49年)4月 - 東京目黒に直営第1号店及びトレーニングセンターを開設。
- 1974年(昭和49年)4月 - 東京都港区ナショナル麻布スーパーマーケット内にフランチャイズ1号店(現:麻布店)開店。現存する店舗としては最も古い。
- 1985年(昭和60年)7月 - ビー・アール サーティワン アイスクリーム株式会社に商号変更。
- 1987年(昭和62年)12月10日 - 日本証券業協会東京地区協会に登録し、株式を店頭公開。
- 1996年(平成8年)6月 - クレープを商品として正式に導入。
- 2003年(平成15年)12月 - 店舗数500店を達成。
- 2004年(平成16年)12月 - 株式の店頭公開を取り消し、ジャスダック(JASDAQ)に上場。
- 2005年(平成17年)11月 - 台北市に台湾1号店を地元企業とのフランチャイズ契約で開店。
- 2006年(平成18年)12月 - 本社及び富士小山工場で環境ISO 14001認証取得。
- 2007年(平成19年)3月 - 商号を B-R サーティワン アイスクリーム株式会社に変更される。
- 2010年(平成22年)4月 - 証券取引所の合併により、大証JASDAQ(スタンダード)に上場。
- 2010年(平成22年)7月 - 店舗数1000店を達成する。
- 2012年(平成24年)4月 - 店舗数1100店を達成した。
ギャラリー
- Baskin-Robbins-1.jpg
麻布 バスキン・ロビス
- サーティワンアイスクリーム東京ドームシティラクーア店.jpg
東京ドームシティラクーア店
- Baskin-Robbins logo.JPG
バスキン・ロビンス旧ロゴ
スポンサー番組
現在
過去
- 不可思議探偵団(日本テレビ)
- ミリオンダイス(日本テレビ)
- なるほど!ハイスクール(日本テレビ)
- 天才!志村どうぶつ園(日本テレビ)
- もしものシミュレーションバラエティー お試しかっ!(テレビ朝日)
- ナニコレ珍百景(テレビ朝日)
- いきなり!黄金伝説(テレビ朝日)
- みんなのアメカン(日本テレビ)
- 奥の深道〜同類くんの旅〜(フジテレビ)
イメージキャラクター
注釈
関連項目
- アイスクリーム
- クレープ
- 不二家 - 日本法人の筆頭株主
- ダンキンドーナツ - 米国本社の兄弟会社
- ハーゲンダッツ
- ホブソンズ - 高級アイスクリーム店
- コールド・ストーン・クリーマリー
- ブルーシールアイスクリーム
- ディッパーダン
- 資生堂パーラー
- マーベラスクリーム
外部リンク
- 「サーティワンアイスクリーム」公式ウェブサイト(日本市場向け) (日本語)
- 「サーティワンアイスクリーム」公式ウェブサイト(中国市場向け) (簡体字)
- バスキン・ロビンス公式ウェブサイト(アメリカ市場向け) (英語)
- バスキン・ロビンズ 公式ウェブサイト(韓国市場向け)(朝鮮語)