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鎌倉駅(かまくらえき)は、神奈川県鎌倉市小町一丁目および御成町にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)・江ノ島電鉄(江ノ電)のである。

乗り入れ路線

JR東日本の各線(後述)と、江ノ島電鉄線の合計3路線が乗り入れる接続駅となっており、駅ナンバリングが付与されている。

  • JR東日本:各線(後述)
  • 江ノ島電鉄:EN 江ノ島電鉄線 - 駅番号「EN15

JR東日本の駅は横須賀線の中間駅であり、東京駅経由の総武快速線直通系統と新宿駅経由で東北本線宇都宮線)に直通する湘南新宿ラインの列車が停車する。土曜・休日には臨時列車も停車する。2014年3月15日のダイヤ改正から、一部の「成田エクスプレス」が繁忙期の休日日中を中心に横須賀駅まで延長され、当駅にも停車する。

  • JO 横須賀線:東海道本線(品鶴線経由)を経て、大船駅より線路名称上の横須賀線を走る。上り列車は多くの列車が東京駅を経由し、総武快速線へ直通する。 - 駅番号「JO 07
  • JS 湘南新宿ライン:東海道本線(品鶴線経由)を経て、西大井駅まで横須賀線と同一の線路を使用し、新宿駅経由で東北本線(宇都宮線)へ直通する。 - 駅番号「JS 07

江ノ島電鉄の駅は江ノ島電鉄線の終着駅である(始発駅との誤解も多いが、始発はEN01藤沢駅である)。

歴史

駅構造

JR東日本

島式ホーム1面2線を有する地上駅。上下線共に留置線を1本ずつ持つ。盛土の上にホームを設けてあるので、改札口と江ノ電のりばは横須賀線ホームより低い位置にあり、改札口東西通路上の線路にはガーター橋が使われている。かつて下り線に貨物側線もあったが、1970年代に撤去されている(跡地は東急ストア側のトラックターミナル。現駐車場)。

観光地であるため、土曜・休日には多数の臨時列車が当駅まで運転される。ただし、留置線はあるものの、当駅での折り返しができないため、下りは折り返し可能な逗子駅あるいは横須賀駅。留置線内に留まる上りは大船駅まで回送させるパターンが多い。夕方も留置場所から当駅まで回送させ、乗客を乗せて出発する。

階段部はエレベーターエスカレーター[注釈 1]が設置されている主階段(旧A階段)と、北鎌倉寄りにこれらが設置されていない旧い階段(旧B階段)[注釈 2]の二箇所がある。また、上屋は新旧が入り交じった構造で、柱の一部が明治・大正期の古レール製である。ホームの縁には警戒色であろう蛍光色の赤線が2017年から塗られている。Suicaグリーン券専用の自動券売機はホーム上に2台設置されている。

構内には東西改札それぞれにトイレおよび車椅子用のエレベーターが設置されている。エスカレーターは東口のみにあり、昇り専用となっている。

駅舎の東口には飲食店を中心とした商店が以前からあったが、改装が行われ、2007年10月31日に「エキスト鎌倉」としてリニューアルオープン[2]。1階のコンビニエンスストア[注釈 3]と鎌倉市の観光案内所以外はすべて飲食関連の商店で構成されている。さらに「エキスト鎌倉」は開業から10年を経ずに2016年9月30日に閉店し、大規模な改装が施され、「CIAL鎌倉(シァル鎌倉)」として2017年3月22日にリニューアルオープンしている[5][6]

駅を開設した当時の土地の権利の関係で、改札内には加藤売店と大船軒以外の売店が存在しなかった(大船軒の駅そば屋は2017年11月8日に閉店後、2018年3月20日に「いろり庵きらく鎌倉店」[注釈 4]として再オープンした。なお、1980年代にはホーム逗子寄りの忘れ物預かり所前に、立ち飲みのコーヒー店舗が存在した。

この他、東口にみどりの窓口(営業時間 7:00 - 20:00)がある。

のりば

番線 路線 方向 行先
1 JO 横須賀線 下り 逗子横須賀久里浜方面
2 JO 横須賀・総武線(快速) 上り 横浜東京千葉方面
JS 湘南新宿ライン 北行 渋谷新宿大宮方面

(出典:JR東日本:駅構内図

発車メロディ

1 JO あざみ野
2 JO JS 木々の目覚め

テイチク製の曲を使用しているが、2013年7月1日から2015年6月30日までは童謡「鎌倉」を使用していた。なお、操作は車掌ではなく駅員によって行われている。

江ノ島電鉄

頭端式ホーム2面2線(ホーム番線だけならば、2面3線)を有する地上駅である。JRとは共同使用駅なので、ホーム番線表示を連番で設定しており、3 - 5番線を使用する(場内信号機による運転上の表示は3番線・4番線となっている)。5番線は早朝の列車のみが使用する()が、正月やゴールデンウィークなどの繁忙期には2線を使って、「段落とし」と称する交互発車を仕立てる。共同使用駅であるため、入場券も共通で他の江ノ電の駅での発売額とは異なり、JR鎌倉駅と同額となっている。共通運用なので、江ノ電の入場券でJR側にも入れ、JRの入場券で江ノ電の構内にも入れる。ただし、自動改札機では未対応なので、有人改札で係員の改札を受ける必要がある。江ノ電側発売の入場券は硬券である。

案内放送は自動化されており、発車ベルは車掌が操作する。

PASMO導入前から藤沢駅と共に自動改札機が設置されていた。

のりば

番線 路線 行先
3 EN 江ノ島電鉄線 長谷江ノ島藤沢方面(基本的にこのホーム)
4 (降車ホーム)
5 長谷・江ノ島・藤沢方面(通常は5:47発のみ使用)
  • 通常は3番線を乗車ホーム、4番線を降車ホームとして使用する。5番線は、通常は5:47発のみ使用。ただし、ゴールデンウィークなどの繁忙期は日中でも3番線と5番線を併用し運行する。

改札内

トイレは3番ホーム先端に設置されている(男性用トイレ横にオストメイト対応の多目的トイレあり)。また、改札(西口)からホームまでは段差がなく、バリアフリーに対応している。

江ノ電出札窓口横のショーウインドウには、展示物(ジオラマ、グッズや写真など)が飾ってある。

改札内に元駅長室を改装した「江ノ電グッズショップ」があったが、2013年3月に隣接する江ノ電ビル1階部分をエキナカ施設「ことのいち鎌倉」に改装移転した。元駅長室は撤去されたが、駅長室は連絡改札口付近の扉に表示されている。

3番線の車止め上には「親子カエル」が鎮座している。この親子カエルはゲーム『電車でGO!旅情編』でも鎌倉駅の車止め上のオブジェとして登場している。年に数度、カエルがサンタや節分の鬼になるなど、駅掛員により装飾が施されている。また、この車止めは2012年5月に、ドイツ・ラヴィー社のバッファーというものに置き換えられた。

両社間の連絡改札

ファイル:Enoden Kamakura Station Wicket 201509.JPG
鎌倉駅乗り換え改札口(JR側)

構内にJR東日本と江ノ島電鉄との乗り換え改札(中間改札)があるが、両社共に乗り継ぎ精算機は設置されておらず、両社にそれぞれ有効な乗車券か、PASMOやSuicaなどの交通系ICカードで利用する様になっている。

なお、江ノ電線のみを利用する場合でも、JR鎌倉駅東口改札からの入出場が可能となっている。この乗り換え改札にはJR所有の自動改札機が設置されているが、特別仕様のため、江ノ電側から東口に通り抜ける場合のみ、乗車情報を乗車券に認証記録させるために赤い点滅ボタンを押す必要がある。この型式の自動改札機はJR東日本では、当駅と松戸駅(JRと新京成電鉄新京成線との間の上本郷寄りの改札通路のみ)だけの非常に珍しい存在ではあるが、逆に煩わしい操作をしなくてはならない。また、東口のJR各自動券売機では江ノ電の乗車券も発売されているが、JR東日本の地紋が印刷された券面に江ノ電様式の乗車券が印字されている。また中間改札という性格上、ICカードのオートチャージには対応していない。

この乗り換え改札は、駅構内での混雑・危険回避のため、正月・ゴールデンウィーク・花火大会などの繁忙期には閉鎖される。その際、東口では江ノ電の乗車券が販売されなくなり、完全に構内を分離する形となる。

江ノ電初代駅舎時代は連絡改札はなく、一旦、改札を出て国鉄側の改札を通る必要があった(頭端式ホームすぐ前が改札になっており、今の連絡通路やエキナカ施設がある場所は江ノ電不動産の店舗であった)。

駅弁

下記のメニューが大船軒によって販売されている。主な駅弁は下記の通り[7]

  • あじさいちらしずし
  • 鯛めし
  • 鰺の押寿し
  • 神奈川牛肉弁当
  • 鯵と小鯛の押寿し
  • つまんで良し、食べて良し 酒肴弁当
  • 伝承 鰺の押寿し

利用状況

年度別1日平均乗降人員

近年の1日平均乗降人員の推移は下記の通り(JRを除く)。

年度別1日平均乗降人員[乗降データ 1][乗降データ 2]
年度 江ノ島電鉄
1日平均
乗降人員
増加率
2002年(平成14年) 16,694
2003年(平成15年) 16,755 0.4%
2004年(平成16年) 17,126 2.2%
2005年(平成17年) 17,548 2.5%
2006年(平成18年) 17,776 1.3%
2007年(平成19年) 19,884 11.9%
2008年(平成20年) 16,639 −16.3%
2009年(平成21年) 19,745 18.7%
2010年(平成22年) 19,190 −2.8%
2011年(平成23年) 19,377 1.0%
2012年(平成24年) 21,455 10.7%
2013年(平成25年) 21,962 2.4%
2014年(平成26年) 23,139 5.4%
2015年(平成27年) 23,987 3.7%
2016年(平成28年) 24,612 2.6%

年度別1日平均乗車人員

近年の1日平均乗車人員の推移は下記の通り。

年度別1日平均乗車人員[乗降データ 1]
年度 JR東日本 江ノ島電鉄 出典
1995年(平成07年) 39,052 10,075 [乗降データ 3]
1998年(平成10年) 37,850 8,989 [神奈川県統計 1]
1999年(平成11年) 37,509 8,992 [神奈川県統計 2]
2000年(平成12年) [JR 1]37,243 9,071 [神奈川県統計 2]
2001年(平成13年) [JR 2]38,064 9,361 [神奈川県統計 3]
2002年(平成14年) [JR 3]37,127 9,458 [神奈川県統計 4]
2003年(平成15年) [JR 4]37,575 9,479 [神奈川県統計 5]
2004年(平成16年) [JR 5]37,472 9,785 [神奈川県統計 6]
2005年(平成17年) [JR 6]37,839 10,041 [神奈川県統計 7]
2006年(平成18年) [JR 7]38,737 9,847 [神奈川県統計 8]
2007年(平成19年) [JR 8]39,719 13,080 [神奈川県統計 9]
2008年(平成20年) [JR 9]40,374 13,917 [神奈川県統計 10]
2009年(平成21年) [JR 10]40,314 11,755 [神奈川県統計 11]
2010年(平成22年) [JR 11]39,916 11,707 [神奈川県統計 12]
2011年(平成23年) [JR 12]40,041 10,872 [神奈川県統計 13]
2012年(平成24年) [JR 13]42,038 10,715 [神奈川県統計 14]
2013年(平成25年) [JR 14]42,841 10,977 [神奈川県統計 15]
2014年(平成26年) [JR 15]43,126 11,562 [神奈川県統計 16]
2015年(平成27年) [JR 16]44,376 11,976 [神奈川県統計 17]
2016年(平成28年) [JR 17]44,843 12,275 [神奈川県統計 18]
2017年(平成29年) [JR 18]44,866

駅周辺

東口

ファイル:Kamakura Komachi Street.jpg
小町通り(鶴岡八幡宮裏参道)入口

西口

ファイル:鎌倉駅旧駅舎時計台.jpg
西口広場にある鎌倉駅旧駅舎の時計塔。現在の駅舎に改築される際に市民の要望によって保存された(2004年11月9日)。
  • 住民は「裏口」および「裏駅」と呼んでいる。西口は大正期の二代目駅舎改築時に開設。現代の西口駅舎はJR、江ノ電ともに二代目(それぞれ1930年、1981年に落成)。
  • 駅前広場は三角形になっており、地元では「時計台公園」と呼ばれる。ここには二代目駅舎の時計塔が保存してある。この公園の脇から前述の東口への地下道がある。
  • 駅前にはタクシー用のロータリーがある。バス路線に関しては、鎌倉駅着のものはあるが鎌倉駅発はなく、市役所前から発車する。
  • 鎌倉市役所
  • みずほ銀行 鎌倉支店
  • 鎌倉市中央図書館
  • 鎌倉市立御成小学校 - 旧鎌倉御用邸。校門は御用邸当時のままである。
  • 鎌倉税務署
  • 銭洗弁財天宇賀福神社

バス路線

東口

西口

前述のように、西口発着路線は鎌倉駅西口着・市役所前発という形態をとっている。

  • 鎌倉市役所前 (西口・湘南京急バス、江ノ電バス藤沢が共同運行)西口から徒歩3分
    • 京急 - 梶原・山の上ロータリー・鎌倉中央公園方面(鎌倉営業所)
    • 江ノ電 - 梶原・桔梗山方面(湘南営業所)

※共同運行だが、それぞれ行先が異なるので注意。

隣の駅

JR logo (east).svg 東日本旅客鉄道
JO 横須賀線
北鎌倉駅 (JO 08) - 鎌倉駅 (JO 07) - 逗子駅 (JO 06)
JS 湘南新宿ライン
北鎌倉駅 (JS 08) - 鎌倉駅 (JS 07) - 逗子駅 (JS 06)
30px 江ノ島電鉄
EN 江ノ島電鉄線
和田塚駅 (EN14) - 鎌倉駅 (EN15)

脚注

注釈

  1. 主階段のエスカレーターは北鎌倉寄り階段に上下の二本。逗子寄り階段には設置されていない。逗子寄り階段がオリジナルで、北鎌倉寄り階段は後に増設された物。
  2. 1970-80年代の一時期、使用を中止されていたが、元々は廃止された手小荷物運搬専用地下通路の転用。
  3. エキスト時代は構内側専用だったが、シァル鎌倉になってからはコンビニは構内からアクセス不能になった。
  4. 日本レストランエンタプライズ(NRE)、大船軒の親会社。
  5. 空港発午前2便と空港行午後2便の2往復のみ。ただし、1月1日〜3日は大船駅〜鎌倉駅間運休。 出典:京浜急行バス2015年12月号時刻表vol.35の30・31ページ

出典

  1. 交建設計・駅研グループ、1996、『駅のはなし 明治から平成まで』改訂初版、 成山堂書店 ISBN 4-425-76032-8
  2. 2.0 2.1 JR鎌倉駅東口商業施設、リニューアルで「エキスト鎌倉」に(湘南経済新聞 2007年9月25日)
  3. JR鎌倉駅の発車メロディー フルート演奏による童謡「鎌倉」 MSN産経ニュース 2013年7月1日
  4. 鎌倉駅がより便利で快適な駅に変わります! (PDF)JR東日本横浜支社 2016年9月29日)
  5. 5.0 5.1 3月22日オープンの「CIAL鎌倉」を一足早く大公開!(はまれぽ.com 2017年3月22日)
  6. シァル鎌倉(駅ビルポータルサイト「駅パラ」内)
  7. 『JR時刻表』2017年3月号、交通新聞社2017年、 537頁。
JR・私鉄の1日平均利用客数
JR東日本の2000年度以降の乗車人員
JR・私鉄の地下鉄の統計データ
神奈川県県勢要覧

関連項目

外部リンク