ワンダーコーポレーション
株式会社ワンダーコーポレーションは、関東地方を中心に日本で展開している、書籍やゲームソフト・CD・DVD等の販売及び買い取りを行う専門店の経営を主な業務とする企業である。
Contents
概要
1981年10月にカスミグループの家電部門として事業開始し、1988年3月に株式会社カスミ家電として分社化。
1990年代後半からは店舗の屋号を「カスミ家電」から「ワンダーステーション(Wonder STATION)」に変更する。さらにパソコン専門の「C-YOU」を「デジックスワンダー(DIGIX WONDER)」に改められた。この時にはソフトに特化した「ワンダーグー(WonderGOO)」が新たに設けられている。
2000年にはJASDAQ上場を見添えて、現社名の株式会社ワンダーコーポレーションに変更した。
しかし家電量販店との競合には勝てず、わずか2年後の2002年に同業他社のケーズホールディングスと資本提携を結び、「ワンダーステーション」と「デジックスワンダー」を譲渡することになる(2015年8月に資本提携を解消[1])。また、カスミグループの書店部門だった株式会社ブックランドカスミを傘下におさめ、順次経営統合を進めた上2006年3月をもって吸収合併(簡易合併)、現在に至る。
「TSUTAYA」を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)とは業務提携関係にあり、提携後には合弁会社である株式会社TSUTAYAワンダーグーを設立。「ワンダーグー」の店内に「TSUTAYA」が併設されるケースも多くなった。2012年4月にはTSUTAYAの有力フランチャイジーの一社であるサンレジャー(2014年6月にケイ・コーポレーションを吸収合併しVidawayに商号変更)を子会社化したほか、同年5月には元TSUTAYA社長の日下孝明を社長に迎えるなど、CCCとの関係は濃くなりつつある。
2013年2月には、大手CD・DVD・レコード・書籍販売会社の新星堂を連結子会社とし、2016年2月23日付でインターネットによる音楽配信の普及によって経営の苦戦が強いられている同社を吸収合併した[2][3]。合併後も新星堂のブランド名は維持される。
2018年3月29日には株式公開買付け及び第三者割当増資により、RIZAPグループが議決権所有割合ベースで75.05%の株式を取得し、同社の子会社となった。これまで約43%の株式を保有していたカスミは保有全株式を売却している[4]。
この他、かつてはハードオフコーポレーションともフランチャイズ契約を結んでいた(詳しくは後述)。
店舗ブランド
WonderGOO(ワンダーグー)
CD・DVD・書籍などのソフト関連を中心に、各種ホビー商品(コスパの商品も含む)等までの幅広い商品の販売・買取を扱う「エンターテイメント専門店」。略称は「ワングー」。
前述した通り、屋号の変更後に新設されたブランドで、現在の主力業態となっている。1990年代後半からは、カスミグループだった「ブックランドカスミ」も順次このブランドへと称号を変更した[注 1]。
CCCとの業務提携により、多くの店舗にはTSUTAYAによるレンタルコーナーも併設されている(提携前までは、WonderGOOが独自に展開していた)。
商品の支払い時には、現金だけでなく電子マネーのEdyも使用できる[注 2]。また、独自のポイントカードを発行しており、商品の購入・売却に応じたポイントが付与される[5]。かつての「ワンダーステーション」や「デジックスワンダー」で発行されたカードも、引き続き利用できる(ワンダーレックスにおいても同様)。
インターネット上にもオンラインショップ「e WonderGOO」を開設しており、実店舗で販売しているものと同様の特典が付いた商品の販売や買取を行なっており、ポイントカードも使用できる。
WonderREX(ワンダーレックス)
中古品の販売・買取に特化した店舗(エコリユース部門)。取り扱う品目は、ブランドグッズから家電機器まで多岐に渡り、豊富な品揃えを売りにしている[6]。
この業態を強化するため、2000年4月にワンダーコーポレーションはハードオフコーポレーションのフランチャイズチェーンに加盟した。お膝元である茨城県南部から「ハードオフ」や「オフハウス」の商号で店舗を展開し始め、茨城県北部や千葉県にも拡大していった。
しかし、2009年春に「運営方針に関して食い違いが生じた」として、ハードオフ社とのフランチャイズの解消を発表した[7]。同年10月には、自社で手掛けていた「ハードオフ」と「オフハウス」を一斉に閉店。その代替として誕生したのが、「WonderREX」(ワンダーレックス)である[注 3]。こういった経緯があるため、店舗の大半は茨城県や千葉県内にあり、その他は群馬県と三重県の各1店舗のみに限られる[8]。
ポイントカードはWonderGOOと共通。買取を申し出る際は身分証明を兼ねるため、ポイントカードを必ず呈示しなければならない。また、ポイントの還元率は一律1%である。
新星堂
その他
コスメティック商品に注力した「CoLeColle(コレコレ)」という専門店も展開している。姉妹ブランドで小規模型の「petit*Colle(プチコレ)」もあり、主に各地のWonderGOO内に併設されている。店舗数は後者の方が多い。
各種フランチャイズチェーンのフランチャイジーとしても店舗を展開している。2018年にはいきなり!ステーキの当社1号店をオープンした[9]。
過去の事業
「WonderCAFE(ワンダーカフェ)」という名称のインターネットカフェを、埼玉県三郷市と千葉県茂原市に1店舗ずつ展開(前者はWonderGOOの店内に入居)していたが、いずれも2013年2月に閉店。
他にも、携帯電話(現在のスマホ)専門店の「BeWonder(ビーワンダー)」や写真現像・プリント(現在のデジカメ写真)を行う「Sharara(シャララ)」も展開されていた。
営業形態
本社が茨城県にあることから、同県を初めとする関東地方に多くの店舗がある。また、西日本では未進出の県も多く、近畿地方では2013年1月6日の伊丹店(兵庫県伊丹市)の閉店を最後に撤退したほか、岡山県、香川県、福岡県以外には出店していない。山形県、甲信越地方、北陸地方にも未出店。
関東地方では、瑞江店・鶴川駅前店・下瀬谷店・三ツ境店を除き、全店舗が直営店である。その他の地方では、大半がフランチャイズ形式により運営されている。以下にその事例を挙げた。
- 北海道・青森県・岩手県 - デンコードーエンタテインメントがフランチャイズ展開している。
- 静岡県 - 地場系の河村電気がフランチャイズ展開し、同店舗内に併設されている。
- 愛知県 - 名古屋大須店はジーストアを展開するタブリエ・マーケティング[10]が、碧南店は佐藤ホーエー家電[11]が運営している。
- 鹿児島県 - 同業他社のエディオンのエリアフランチャイズも担当しているカコイエレクトロにより展開されており、主に同店舗内に併設されていたが、2016年5月限りで県内の全店舗を閉鎖。
- 近畿地方には現在店舗が存在しないが、かつては関西ケーズデンキによるフランチャイズ展開で兵庫県・大阪府・京都府に数店舗出店していた(ただし最後の店舗であった伊丹店は直営店)。さらに兵庫県内にあった1店舗(伊川谷店)はナカヌキヤ(かつての中川ムセン)が運営していた。
脚注
注釈
出典
- ↑ “資本・業務提携解消に伴う株式の売出し及び主要株主の異動に関するお知らせ” (プレスリリース), 株式会社ワンダーコーポレーション, (2015年8月6日) . 2016閲覧.
- ↑ “ワンダーコーポ、子会社の新星堂を吸収合併 コスト削減狙う”. 日本経済新聞. (2015年12月3日) . 2015閲覧.
- ↑ “株式会社ワンダーコーポレーションと株式会社新星堂の合併契約締結に関するお知らせ” (プレスリリース), 株式会社ワンダーコーポレーション 株式会社新星堂, (2015年12月3日) . 2015閲覧.
- ↑ “RIZAP グループ株式会社による当社株式に対する公開買付けの結果、第三者割当による新株式発行、親会社、主要株主である筆頭株主及びその他の関係会社の異動に関するお知らせ” (プレスリリース), 株式会社ワンダーコーポレーション, (2018年3月23日) . 2018閲覧.
- ↑ “ポイントカードのご案内”. WonderGOO. . 2013閲覧.
- ↑ “取扱商品”. WonderREX. . 2013閲覧.
- ↑ 流通ニュース(2009年4月14日付)より。また、ワンダーコーポレーションHP内・ニューリリースでも発表されている(バックナンバーで閲覧可)。
- ↑ “店舗案内”. WonderREX. . 2013閲覧.
- ↑ いきなり!ステーキ ひたち野うしく店6月1日(金) グランドオープンのお知らせワンダーコーポレーションニュースリリース 5月30日
- ↑ “WonderGOO名古屋大須店 店舗情報”. . 2016閲覧.
- ↑ “地域貢献活動報告書”. 株式会社佐藤ホーエー家電・碧南市 (2010年2月1日). . 2016閲覧.
関連項目
- コスパ
- 音泉 - インターネットラジオポータルサイト。WonderGOOにおいて、各番組のラジオCDを販売している。
外部リンク