松浦市
松浦市(まつうらし)は、長崎県北部、北松浦半島に位置する市。離島部も市域に含む。松浦党発祥の地として知られる。
Contents
地理
長崎県北松浦半島の北東部に位置し、北は玄界灘から伊万里湾に面し、東は佐賀県伊万里市に接している。市域南側の内陸部は溶岩台地の丘陵地で、平地は少ない。川は坂瀬川・竜尾川・志佐川・調川川・今福川などが流れ、河口には「ぎぎが浜」に代表される鳴き砂がある。
有人離島では、伊万里湾の沖合いに浮かぶ福島・鷹島・黒島・飛島・青島の各島を行政区域とする。この中で、平成の大合併前まで単独で町制を施行していた2島(黒島は旧鷹島町に含まれる)のうち、福島は1967年(昭和42年)に隣の佐賀県伊万里市との間に福島大橋が架橋され、鷹島も2009年(平成21年)4月18日に唐津市との間に鷹島肥前大橋が架橋された。このように2島では経済的、地理的には松浦市本土だけでなく佐賀県とのつながりも強い。(旧福島町では2003年に住民団体が伊万里市との法定合併協議会設置を求める請求書を提出している)
隣接する自治体
地域
人口
松浦市(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
地名
松浦市の地名を参照。
歴史
律令制下では肥前国松浦郡の区域とされた。平安時代後期の延久元年(1069年)、源氏(嵯峨源氏)の流れを汲む源久が松浦郡宇野御厨の検校となり、現在の市域にあたる梶谷に住み松浦久と名乗り、太夫判官と称して松浦郡・彼杵郡の一部及び壱岐郡を治めた。この松浦久のもとで松浦党と呼ばれる武士団が結成された。松浦党は水軍として有名で、元寇でも活躍している。
江戸時代には藩庁は置かれなかった。その後は当地を含む北松浦半島一帯(離島部を含む)で石炭の存在が発見され、明治時代から戦後にかけて石炭産業(北松炭田)で栄え、最盛期にあたる1955年の国勢調査では人口44,057人を数えた。しかし1960年代以降のエネルギー革命で炭鉱はすべて閉山し、それ以降は戦前から続く漁業のほか火力発電所の建設で産業基盤の維持を図っているが、依然として人口減少が続いている。
行政区域の変遷
- 1889年4月1日 町村制施行により、 北松浦郡のうち現在の市域にあたる以下の村が発足。()は合併を行った村。それ以外は単独村制。
- 1922年11月1日 志佐村が町制を施行し、志佐町となる。
- 1929年4月1日 今福村が町制を施行し、今福町(いまぶくまち)となる。
- 1941年1月1日 御厨村と星鹿村が新設合併、同時に町制を施行し、新御厨町となる。
- 1949年1月1日 調川村が町制を施行し、調川町となる。
- 1951年1月21日 福島村が町制を施行し、福島町となる。
- 1954年4月1日 志佐町と上志佐村が新設合併により改めて志佐町となる。
- 1955年3月31日 北松浦郡志佐町・新御厨町・調川町が新設合併、同時に市制を施行し、松浦市(旧)となる。
- 1955年4月15日 今福町が松浦市に編入される。今福町の読みは「いまふくちょう」。
- 1975年1月1日 鷹島村が町制を施行し、鷹島町となる。
- 2006年1月1日 松浦市・福島町・鷹島町が新設合併により松浦市(現行)となる。
行政
市の行政機関
- 市長:友田吉泰(2018年2月5日就任、1期目)
- 松浦市消防本部
- 国民健康保険直営松浦市立中央診療所(旧松浦市民病院)
県の行政機関
立法
市政
- 市議会
- 議長 - 木原勇一(任期:2010年2月5日~2014年2月4日)
- 副議長 - 吉冨武志(任期:2010年2月5日~2014年2月4日)
松浦市市議会の議席定数は、19議席である。
県政
松浦市から選出される長崎県議会議員の定数は1議席である。現在は高橋勝幸が務める。
国政
当落 | 得票数 | 候補者 | 党派 | 議員歴 |
---|---|---|---|---|
当 | 97,912 | 宮島大典 | 民主党 | 元 |
比当 | 93,428 | 北村誠吾 | 自由民主党 | 前 |
3,354 | 山田孝一 | 幸福実現党 | 新 |
- 参議院
松浦市は、参議院 九州沖縄ブロック・長崎県選挙区(全県区)に属し定数は2議席である。
司法
産業
- 水産業
金融
- ※かつては佐賀銀行も今福支店を置いていたが、2015年(平成27年)2月に伊万里支店に統合され、出張所としてATMが設置されているのみである。
- 長崎県民信用組合(1店舗)- 松浦支店
- ながさき西海農業協同組合(JAバンク)(6店)- 今福支店、上志佐支店、鷹島支店、福島支店、松浦支店、御厨支店
- 漁業協同組合(JFマリンバンク)- 新松浦漁協
- 郵便局(ゆうちょ銀行)(15局)
姉妹都市・友好都市
国内
国外
- 市内の九州電力・電源開発の火力発電所ではオーストラリア等の海外炭を燃料としており、産炭地であるマッカイ市と姉妹都市となった
教育
高等学校
- 廃止された高等学校に関しては長崎県高等学校の廃校一覧#松浦市を参照。
中学校
公立のみ7校
- 廃止された中学校に関しては長崎県中学校の廃校一覧#松浦市を参照。
小学校
公立のみ9校(2016年(平成28年)4月時点)
- 松浦市立御厨小学校
- 松浦市立星鹿小学校
- 松浦市立青島小学校(中学校と併設)
- 松浦市立志佐小学校
- 松浦市立上志佐小学校
- 松浦市立調川小学校
- 松浦市立今福小学校
- 松浦市立福島養源小学校(2016年4月松浦市立福島小学校と松浦市立養源小学校を統合の上開校)
- 松浦市立鷹島小学校
- 廃止された小学校に関しては長崎県小学校の廃校一覧#松浦市を参照。
松浦市では、「松濤奨学基金条例」に基づく奨学金制度があり高等学校・専修学校・大学進学者を対象としている。なお、奨学金は返還義務がともなう。
交通
鉄道
バス路線
- 松浦市乗合バス
- 西肥自動車が路線を廃止した地区を運行する廃止代替バス。松浦観光バスが運行する。
- 昭和自動車(昭和バス)
- 東松浦半島一帯を営業エリアとするバス事業者で、鷹島肥前大橋の開通にあわせ、唐津市(旧肥前町)中心部の入野と鷹島を結ぶ路線を運行開始している。
- 鷹島乗合タクシー
- 鷹島で運行していた松浦市営バス(旧鷹島町営バス)の休止に伴い、同島内で運行開始している。鷹島タクシーが運行する。
- YOKARO
- 新高速乗合バス。松浦市と唐津市中心部・福岡市を結ぶ。
道路
高速道路
一般国道
県道
- 長崎県道103号喜内瀬鍋串辻線
- 長崎県道109号鷹島肥前線
- 長崎県道144号松浦江迎線
- 長崎県道146号上志佐今福停車場線
- 長崎県道158号鷹島線
- 長崎県道228号御厨江迎線
- 長崎県道256号星鹿港線
道の駅
船舶
市内航路
市外航路
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
観光名所など
- 不老山総合公園
- 四季の森石倉
- 龍王の滝
- 松浦水軍の郷 海のふるさと館
- 夕日の見える棚田(福島)
- 蛙鼻公園フルーツフラワーパーク(福島)
- いろは島(福島)
- モンゴル村(鷹島)
- 松浦市立鷹島歴史民俗資料館
催事
- 精霊流し、花火大会 : 8月
- 松浦水軍まつり:10月
松浦市出身の有名人
- 森肇 政治家 衆議院議員
- 辻利平 洋画家
- 友広郁洋 前松浦市長(~2018年2月4日)
- 岡部耕大 劇作家
- 松尾剛(NHK放送センター アナウンサー おはよう日本、サタデースポーツ等)
- 川谷絵音(ミュージシャン、indigo la End、ゲスの極み乙女。のメンバー)
- 平田勝男 元阪神タイガース 現阪神コーチ
- 丸山祥二 バレーボール選手
- 鬼塚翔太 陸上選手
- 友田吉泰 現松浦市長(2018年2月5日~)
その他
- 郵便番号
- 佐世保支店松浦集配センター:859-45xx
- 佐世保支店御厨集配センター:859-47xx
- 佐世保支店鷹島集配センター:859-43xx
- 伊万里支店福島集配センター:848-04xx
- ヤマト運輸
- 佐賀主管支店・佐賀鎮西センター:鷹島町の集配担当店
- 佐賀主管支店・伊万里東センター:福島町の集配担当店
脚注
- ↑ 具志堅直 (2016年12月2日). “九十九島とらふぐ、地元でPR 佐世保・鹿町で出荷式”. 朝日新聞 (朝日新聞社): p. 朝刊 長崎版
- ↑ 日本財団図書館(電子図書館)過疎地域活性化のための交流施策のあり方に関する調査研究:事例40 長崎県・福島町~三福島町友好交流事業~
外部リンク