新富士駅 (静岡県)
新富士駅(しんふじえき)は、静岡県富士市川成島にある、東海旅客鉄道(JR東海)東海道新幹線の駅。富士山の南正面に位置しており、駅から富士山の全景を見ることが出来る。
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概要
1988年、地元の請願により設置された請願駅である。総事業費は132億8,652万円であり[1]、富士市が半額程度捻出し、他は県補助金や周辺自治体の負担金により賄われた。中には宗教団体による大型寄附などもあったという[1]。
財源内訳[1] | 金額 |
---|---|
富士市負担金 | 64億4,835万円 |
静岡県補助金 | 30億3,567万円 |
企業・団体・個人寄付金 | 29億575万円 |
関係市町村負担金[3] | 7億2,100万円 |
国庫補助金 | 1億7,575万円 |
開業当初から各駅停車の「こだま」のみが停車する。
新幹線単独駅で、東海道新幹線の駅では唯一、鉄道路線と接続していない(JR在来線と接続していない東海道新幹線の駅は他に岐阜羽島駅があるが、こちらは隣接する新羽島駅で名古屋鉄道羽島線と接続)。近隣の在来線の駅は東海道本線・身延線の富士駅で、北へ約2km離れている。同駅へは当駅のバス停から富士駅南口バス停へ向かう路線バスがある(所要時間約7分、日中1時間に2 - 3本)。
開業当時は、同駅から当駅の付近まで伸びている大昭和製紙(当時、現・日本製紙)への専用線や旭化成貨物引き込み線跡地を利用して身延線を当駅まで延伸する計画もあったようだが、実現には至っていない。また、富士市では専用線とDMVを使う形で当駅と富士駅間および岳南電車岳南線と当駅間との接続を検討し[4]、2007年1月には富士市制40周年を記念してデモンストレーション走行が行われたが[5]、2014年9月10日、開発元のJR北海道が安全対策と北海道新幹線に経営資源を集中させる事を理由に、DMV導入断念を発表[6]。富士市は2015年12月7日までに、導入を一時断念する方針を固めた[7]。
新富士駅の事務管コードは、▲520151となっている[8]。
歴史
- 1970年(昭和45年)8月3日 - 富士市町内会連合会常任理事会で「新幹線富士停車」の問題が提起される。
- 1971年(昭和46年)
- 1981年(昭和56年)5月26日 - 官民からなる「東海道新幹線富士駅設置促進期成同盟会」設立。
- 1982年(昭和57年)
- 1983年(昭和58年)
- 1984年(昭和59年)
- 1985年(昭和60年)8月4日 - 起工式を行う。9月1日に工事開始。
- 1986年(昭和61年)12月26日 - 駅前広場造成工事着工。
- 1987年(昭和62年)
- 1988年(昭和63年)3月13日 - JR東海により開業[11]。当初の管轄は静岡支社。
- 1993年(平成5年)8月23日 - 掛川市内を走行していた「のぞみ」24号の車内で殺人事件が発生。当列車は当駅に犯人の身柄確保のため緊急停車した。(のぞみ24号殺人事件)
- 1998年(平成10年)12月12日 - 自動改札機を導入。
- 2008年(平成20年)4月1日 - 管轄が新幹線鉄道事業本部へ変更。
- 2017年 (平成29年) 2月23日-北口を富士山口に改称
駅構造
相対式ホーム2面2線を持つ高架駅となっているが、実際には、まず中央に通過線(本線)2線を配し、その両側にプラットホームと接する副本線2線を配する構造となっている。
当駅前後は富士山の眺望が良い区間となっており、それが遮られないようホームの壁面を全てガラス張りにする工夫がされている。
東京寄りのホーム下を灌漑水路が流れている[12]。
高架下の駅舎内にはJR全線きっぷうりばや自動改札機、自動券売機などが設置されており、改札口は1か所のみとなっている。また、東海道新幹線の駅では唯一、キヨスクが設置されていない。但し、地元駅弁製造業者による構内売店は設置されている[13]。
駅長・駅員配置駅(直営駅)である。2008年4月1日から、所属エリアを静岡支社から新幹線鉄道事業本部へ変更した。
のりば
番線 | 路線 | 方向 | 行先 |
---|---|---|---|
1 | 東海道新幹線 | 上り | 新横浜・東京方面 |
2 | 下り | 名古屋・新大阪方面 |
利用状況
「静岡県統計年鑑」によると、1日の平均乗車人員は以下の通りである。
年 | 一日平均乗車人員 | 出典 |
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1989年 | ||
1990年 | ||
1991年 | ||
1992年 | ||
1993年 | ||
1994年 | ||
1995年 | ||
1996年 | ||
1997年 | ||
1998年 | ||
1999年 | ||
2000年 | ||
2001年 | ||
2002年 | ||
2003年 | ||
2004年 | ||
2005年 | ||
2006年 | ||
2007年 | ||
2008年 | ||
2009年 | ||
2010年 | ||
2011年 | ||
2012年 | ||
2013年 | ||
2014年 | ||
2015年 | ||
2016年 |
当初当駅は大石寺への参拝客を需要に見込み、官民からなる「東海道新幹線富士駅設置促進期成同盟会」(1981年5月発足[14])は繰り返し大石寺および創価学会に協力要請を行なっていた。例えば1983年3月には大石寺に協力を要請し[15] 、続いて同年5月には創価学会に協力を要請している事実などがある[15]。そして無事開業に漕ぎ着けたが、その大石寺を総本山とする日蓮正宗が1991年に創価学会を破門したことにより、団体客層の利用が減少し(宗門側の法華講連合会は引き続き団体利用を継続)、当駅の利用者数は1990年と比して1991年で大幅に減少している。
駅周辺
ホームからは富士山が望める。
バス路線
一般路線バス等
一般路線バスは富士山駅行のみ富士急山梨バスが、それ以外は富士急静岡バスがそれぞれ運行している。また、コミュニティバスは石川タクシー富士が運行している。
- 乗り場
1番乗り場
- 富士駅南口行き
- 田子浦地区コミュニティバス「しおかぜ」(富士駅方面)
- モーニングシャトル(富士駅行き)
- ゆりかご(富士駅行き)
- まちなか循環バス「ぐるっとふじ」右回り
2番乗り場
- 富士桜自然墓地公園行き
- 湖山リハビリテーション病院行き
3番乗り場
- 吉原中央駅行き
- ゆりかご(イオンタウン富士南行き)
- まちなか循環バス「ぐるっとふじ」左回り
4番乗り場
- 富士南地区コミュニティバス「みなバス」(富士南地区経由富士駅行き)
- 田子浦地区コミュニティバス「しおかぜ」(田子浦地区方面)
5番乗り場
- 大石寺行き
6番乗り場
高速バス
かぐや姫エクスプレスはJRバス関東、新富士・沼津・御殿場 - 成田空港線は京成バス、金太郎号は近鉄バスが、それぞれ富士急静岡バスとともに運行している。
- 乗り場
6番乗り場
- 鷹岡車庫・富士 - 東京線(かぐや姫エクスプレス)
- 新富士・沼津・御殿場 - 成田空港線
- 小田原・新松田・沼津 - 大阪・京都線(金太郎号)
記念誌
- 『新幹線新富士駅設置までの歩み』 富士市役所総務部企画課 1989
- 新幹線5駅 開業10周年記念誌『夢をはこぶ 夢をつくる』 新幹線5駅市長会・編集発行 1998
その他
- 当駅前後の線形が非常に良いため、下り列車が東海道新幹線の現行最高速度285km/hで通過できる最初の駅でもある。「のぞみ」が通過するスピードが同線全駅の中で最も速い。
- 富士駅と当駅との間で選択乗車の制度を利用することが可能となっている。(選択乗車の取り扱い)
- 当駅は2007年9月28日 - 30日に開催された「2007 FIA F1世界選手権フジテレビジョン 日本グランプリレース」の電車+シャトルバス方式の指定駅であった。対象となる路線は東海道新幹線で、開催期間中は無料シャトルバスを当駅 - 富士スピードウェイ間で運行した。
- 1993年8月に「のぞみ」号のグリーン車内で殺人事件が発生し、犯人の身柄を確保するために当該ののぞみ号が緊急停車した。
隣の駅
脚注
- ↑ 1.0 1.1 1.2 ピーエーシー編 『新富士駅設置までの歩み』 富士市役所総務部企画課、1989-03。
- ↑ 南部町誌編纂委員会 編 『南部町誌』下巻、南部町(南巨摩郡)、1999.12、改訂。全国書誌番号:20031780。
- ↑ 改訂「南部町誌」下巻[2]p.847によると内訳は富士宮市が5億8,300万円、山梨の県および1市15町村が2億円、富士郡および庵原郡に属する4町が8,600万、西伊豆の5町村が500万とある。但しこの金額は昭和59年の計画時点であり、事業費145億円とあることから実際はこれより少ない金額を負担している。
- ↑ 富士市 都市整備部 都市計画課 (2008年4月). “富士市DMV導入基本計画 (PDF)”. 富士市. . 2016閲覧.
- ↑ “富士市制 40 周年記念 DMV デモンストレーション走行 (PDF)”. 富士市. . 2016閲覧.
- ↑ “線路・道路両用車の導入を断念 JR北海道”. 朝日新聞(朝日新聞デジタル) (朝日新聞社). (2014年9月11日). オリジナルの2014年9月10日時点によるアーカイブ。 . 2016年5月3日閲覧.
- ↑ “DMV「一時断念」 富士市、公共バス整備へ”. 静岡新聞NEWS (静岡新聞社). (2015年12月8日) . 2016閲覧.
- ↑ 日本国有鉄道旅客局(1984)『鉄道・航路旅客運賃・料金算出表 昭和59年4月20日現行』。
- ↑ 『交通年鑑 昭和63年版』 交通協力会、1988年3月。
- ↑ 今村都南雄 『民営化の效果と現実NTTとJR』 中央法規出版、1997年8月。ISBN 978-4805840863
- ↑ 引用エラー: 無効な
<ref>
タグです。 「shizuoka-yearbook-1989
」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません - ↑ 富士市内には富士山伏流水を活かした農業用水路が多数流れており、市街地では雨水処理にも用いられ、新富士駅の雨水もここへ放流されている
- ↑ “会社概要、富陽軒の歴史”. (株)富陽軒. 2015年8月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2015閲覧.
- ↑ “【広報ふじ昭和59年】ようこそ!WELCOMEこだま” (PDF). 広報ふじ (富士市): 2-3. (1984-11-05) . 2016閲覧..
- ↑ 15.0 15.1 富士市史「富士市20年史」編集委員会 編 『富士市20年史』 富士市、1986-11、1279-1280。全国書誌番号:87020781。
関連項目
- 日本の鉄道駅一覧
- 新富士駅 (北海道) - 当駅よりも先に開業している
外部リンク