近鉄バス
近鉄バス株式会社(きんてつバス)は、大阪府・京都府を営業地域としてバス事業を行う日本の会社である。近畿日本鉄道(現:近鉄グループホールディングス)から乗合バス事業等を、近鉄観光バスから貸切バス事業を継承。近鉄グループホールディングスの連結子会社である中間持株会社近鉄バスホールディングスの完全子会社。
Contents
概要
大阪府内の近畿日本鉄道(南大阪線・大阪線・奈良線)と西日本旅客鉄道の片町線(学研都市線)、阪急電鉄の京都線沿線を中心とした河内・摂津地域で一般路線バス事業を展開。他京都市伏見区・奈良県三郷町にも路線を持つ。また、大阪市・京都市を拠点として本州内・四国・九州各地へ長距離高速バスを展開する。
一般路線バスにおいては、自社専用の「近鉄バス回数カード」が利用可能である。
2015年4月1日より、PiTaPa・ICOCAなど10種類の交通系ICカードが、一般路線バス全線と八尾市内~京都間の高速バスで導入された[1]。
沿革
大阪電気軌道・近畿日本鉄道
- 1929年5月25日 : 近畿日本鉄道の前身、大阪電気軌道がバス事業を開始。
- 1960年 : 2階建てバス「ビスタコーチ」を上本町 - 石切神社前間で運行開始。
- 1965年7月1日 : 茨木バスの事業を譲受し、茨木市を中心とした地域にも進出。
- 1984年 : 上本町バスセンターを開設。
- 1985年 : 2階建て観光バス「ビスタカー」(日野グランビュー)を導入。
- 1986年 : 電子機械式オートマチック車(日野ブルーリボン・EE DRIVE)を導入。
- 1988年
- 1994年
- 1996年3月23日 : 高速バス、OCATへの乗り入れを開始。
- 1998年2月21日 : 奈良営業所廃止。阪奈生駒線などの奈良県内の路線が廃止される。
- 1999年4月1日 : 奈良県内の貸切バス事業廃止。奈良県内の貸切事業はグループの奈良観光バスへ移管。
近鉄バス
- 1999年
- 2000年9月30日 : 分社化後初となる高速バスとして、大阪・京都 - 甲府間「クリスタルライナー」を開設。以後高速路線をさらに拡充。
- 2001年
- 3月31日 : ユニバーサル・スタジオ・ジャパンへの乗り入れを開始。
- 10月 : 一般路線車の現行塗装への統一が完了(一部を除く)。
- 2002年3月21日 : 大阪 - 新宿間に激安高速バス「カジュアル・ツィンクル」を開設。
- 2003年7月10日 : 大阪 - 軽井沢間に高速バス「千曲川ライナー」を開設、同時に高速路線の大阪駅前(地下鉄東梅田)停留所への乗り入れを開始。
- 2004年3月20日 : 京都市交通局から洛西営業所のうち、洛西地区基準系統(西ブロック系統および29・33・特33・73)の路線運行を受託(残りは阪急バスが受託)。
- 2005年
- 2006年9月1日 : 近鉄観光バスを合併。
- 2007年10月1日 : けいはんなバスホールディングスの設立に伴い、同社の子会社に。
- 2011年
- 2014年7月10日 : オープントップバスによる定期観光バス「OSAKA SKY VISTA」を運行開始[8]。
- 2015年4月1日 : ICカードPiTaPaを一般路線バス全線と昼行高速バス「八尾・京都特急線」に導入(交通系ICカード全国相互利用サービスにも対応)。[9][10]
路線バス
近鉄バスでは、系統番号を「XX番」と称している。
主な接続鉄道駅および主な接続バス路線。一部コミュニティバスも含む(カッコ内 は、駅・駅前などの付かない場合の接続停留所名)。
なお、ここでは主な路線のみの記載とし、一部路線は省略とする。
- 近鉄大阪線
- 大阪上本町駅 - 赤十字病院、警察病院・桃谷駅、あべのハルカス 方面
- 布施駅 - 加美・平野駅、早瀬橋・放出駅 方面など
- 久宝寺口駅 - 八戸ノ里駅 方面
- 近鉄八尾駅 - 藤井寺駅、荒本駅・JR住道・萱島、高砂住宅 方面など
- 河内山本駅 - 花園駅、瓢箪山駅 方面など
- 高安山駅 - 信貴山 方面
- 大阪教育大前駅 - 柏原キャンパス 方面など
- 近鉄奈良線
- 布施駅 - 加美・平野駅、早瀬橋・放出駅 方面など
- 河内小阪駅 - 徳庵駅、荒本駅・鴻池新田駅 方面など
- 八戸ノ里駅 - 徳庵駅、荒本駅・鴻池新田駅、金物団地・久宝寺口駅、市立総合病院 方面
- 若江岩田駅(若江岩田/岩田町五丁目) - 近鉄八尾駅、荒本駅・JR住道・萱島 方面
- 河内花園駅 - 山本駅 吉田駅 方面
- 瓢箪山駅 - 四条畷、JR住道、山本駅、大阪経済法科大学 方面
- 石切駅 - 新石切駅 方面
- 近鉄南大阪線
- 大阪阿部野橋駅(あべの橋/天王寺都ホテル) - 大阪上本町駅 方面
- 河内天美駅 - 大堀 方面
- 河内松原駅 - さつき野、岡、余部、平尾 方面など
- 恵我ノ荘駅 - 河内松原駅、平尾 方面
- 藤井寺駅 - 古市駅、羽曳ヶ丘、四天王寺大学、桃山台、八尾南駅・近鉄八尾駅 方面
- 古市駅 - 藤井寺駅、羽曳ヶ丘、四天王寺大学、桃山台 方面など
- 近鉄長野線
- 喜志駅 - さつき野 方面など
- 富田林駅 - 金剛東団地、平尾・北野田駅 方面など
- 近鉄けいはんな線
- 荒本駅 - JR住道・萱島、近鉄八尾駅、八戸ノ里駅・小阪駅、鴻池新田駅 方面
- 吉田駅 - 花園駅 方面
- 新石切駅 - 瓢箪山駅、JR住道、四条畷 方面
- 近鉄京都線
- 竹田駅 - 向島駅 方面
- 向島駅 - 向島ニュータウン循環、竹田駅東口 方面
- 京阪本線
- 萱島駅(萱島) - JR住道・荒本駅・近鉄八尾駅 方面
- 阪急京都本線
- 摂津市駅(阪急摂津市) - JR千里丘、正雀、別府、鳥飼車庫、摂津市役所 方面
- 茨木市駅 - JR茨木、阪大本部、美穂ヶ丘、春日丘公園、花園東和苑、南摂津駅、水尾 方面など
- JR西日本 JR京都線 [東海道本線]
- JR総持寺駅 - 阪急茨木市駅、花園東和苑方面
- 茨木駅 - 阪急茨木市駅、阪大本部、美穂ヶ丘、春日丘公園、茨木弁天、花園東和苑、南摂津駅、水尾 方面
- 千里丘駅 - 摂津市内循環 方面など
- JR西日本 学研都市線[片町線]
- 放出駅 - 布施駅前 方面
- 徳庵駅 - 八戸ノ里駅・小阪駅 方面
- 鴻池新田駅 - 荒本駅・小阪駅 方面
- 住道駅(住道駅前、JR住道、住道駅南、住道駅中央) - 萱島、荒本駅・近鉄八尾駅、新石切駅・瓢箪山駅、生駒登山口、三箇公園、南新田 方面など
- 四条畷駅(四条畷) - 新石切駅・瓢箪山駅、清滝団地・四条畷電通大 方面など
- JR西日本 おおさか東線
- 久宝寺駅 - アリオ八尾 方面
- JR長瀬駅(寿町停留所、北へ約300m) - 平野駅前、布施駅前 方面
- JR西日本 大和路線 [関西本線]
- 天王寺駅(あべの橋/天王寺都ホテル) - 近鉄上本町駅 方面
- 平野駅 - 布施駅 方面
- 八尾駅 - 近鉄八尾駅、アリオ八尾、八尾南駅・藤井寺駅、JR久宝寺駅 方面
- JR西日本 大阪環状線
- 桃谷駅 - 警察病院・上本町駅 方面
- 大阪市営地下鉄
- 谷町九丁目駅(近鉄上本町駅) - 赤十字病院、警察病院・桃谷駅、あべのハルカス 方面
- 八尾南駅 - JR八尾駅・近鉄八尾駅、藤井寺駅 方面
- 大阪モノレール
- 阪大病院前駅(阪大医学部病院前) - JR茨木駅・阪急茨木市駅 方面など
- 万博記念公園駅 - JR茨木駅 方面
- 南摂津駅 - 阪急茨木市駅・JR茨木駅 方面
- 南海高野線
- 北野田駅 - 平尾・富田林駅、さつき野、多治井 方面 ※多治井方面行きは南海バス共同運行
コミュニティバス
- 摂津市内循環バス
- 摂津市。
- 大東市コミュニティバス
- 大東市。
- 東大阪市立総合病院シャトルバス
- 東大阪市。(大阪府下で初めてのコミュニティバス)
- 松原市 「ぐるりん号」
- 松原市。自家用車両の委託運行の為、緑ナンバーではなく白ナンバーが交付される。誰でも無料で利用ができる上、利用者に制限は無い。
- 富田林市 「富田林市レインボーバス」
- 富田林市。
- 藤井寺市公共施設循環バス
- 藤井寺市。自家用車両の委託運行。公共施設等利用目的に限り利用可。
高速バス
JRバスと並んで、東京 - 大阪間の「格安夜行便」の運行に積極的だが、大阪 - 徳山間「のんた号」(廃止)で途中の仮眠時間を確保しつつ、運行時間を延ばして全区間1人乗務といった最小限の乗務員運行を積み重ねた実績があり、それを東京 - 大阪間の便で活用している。夜行バスでも好調だが、近年は 大阪 - 小浜間や 梅田 - 伊賀上野間などといった鉄道では不便な区間での昼行の高速バスも手がけている。その一方で近年はツアーバスとの競合などもあり、関東方面の便を中心に集約を伴う路線統合が行われている。
夜行便は基本的には3列シートでの運転であるが、東京方面の格安便(「フライングスニーカー大阪号」 、「カジュアル・ツィンクル号」)は4列シートでの運転となる。かつて近鉄バスでは積極的にダブルデッカーを採用していたが、共同運行の相手によってはダブルデッカーで運転されないこともあった。なお、2018年までにダブルデッカーを退役させた。
詳細は下記路線記事もしくは担当営業所記事(八尾、布施、稲田、京都)を参照。
- 〔 〕内は共同運行会社。
夜行バス
東北方面
- 大阪・京都 - 山形 「アルカディア号」 〔山交バス〕
- 大阪・京都 - 仙台 「フォレスト号」 〔宮城交通、但し当面の間、近鉄バス(当社)の単独運行〕
- 大阪・京都 - 郡山・福島 「ギャラクシー号」 〔福島交通〕
- 大阪・京都 - 日立・高萩・いわき・浪江 「シーガル号」 〔新常磐交通〕※震災によりいわき~浪江間は運行休止中
関東・信越方面
- 大阪・京都 - 久喜・栃木・宇都宮 「とちの木号」 〔関東自動車〕
- 大阪・京都 - つくば・土浦・水戸 「よかっぺ号」 〔関東鉄道〕
- 大阪・京都 - 横浜・東京駅・上野・浅草 「フライングライナー号」 〔東北急行バス〕
- 大阪 - 東京駅 「フライングスニーカー大阪号」 〔東北急行バス〕
- 大阪・茨木 - 八王子・バスタ新宿 「ツィンクル号」 〔西東京バス〕
- 大阪・茨木 - バスタ新宿 「カジュアル・ツィンクル号」
- ※ 2008年4月24日発までは多摩バス(西東京バス子会社)との共同運行であった。
- 大阪・京都 - 東静岡・富士宮・富士吉田 「フジヤマライナー」 〔富士急山梨バス〕
- 大阪・京都 - 沼津・御殿場・新松田・小田原 「金太郎号」 〔富士急湘南バス〕
- 大阪・京都 - 韮崎・甲府 「クリスタルライナー」 〔山梨交通〕(昼・夜運行)
- 大阪・京都 - 上田・小諸・軽井沢 「千曲川ライナー」 〔千曲バス〕
中国方面
四国方面
- 京都・大阪・神戸 - 中村・宿毛 「しまんとブルーライナー」 〔高知西南交通〕
九州方面
- 京都・大阪 - 長崎 「オランダ号」 〔長崎自動車〕
- 京都・大阪・神戸 - 熊本 「サンライズ号」〔九州産交バス〕
- 京都・大阪 - 熊本 「あそ☆くま号」 (※上記「サンライズ号」の格安便) 〔九州産交バス〕
- 京都・大阪・神戸 - 別府・大分 「SORIN号」 〔大分バス、大分交通、亀の井バス〕
- 京都・大阪・神戸 - 延岡・宮崎 「ひなたライナー号」(近鉄バス単独運行) ※2017年2月1日開業
昼行バス
近畿内
中部方面
北陸方面
中国方面
アウトレットモール直行バス
大阪と京都から兵庫と滋賀のアウトレットモールへ2路線を運行している。
- 大阪 - 神戸三田プレミアム・アウトレット 「特急 神戸三田プレミアム・アウトレット号」
- ※ 2010年より主催旅行として運行開始、2011年7月16日より路線化
- 京都駅八条口 - 三井アウトレットパーク滋賀竜王
- 大阪 - 三井アウトレットパーク滋賀竜王
- ※2012年11月3日運行開始
自社で運行しない路線
以下の路線は京都・大阪側での予約・発券・運行支援のみを行う。
以下の路線は京都側での予約・発券業務のみを行う。
以下の路線は京都側での予約・発券・運行支援のみを行う。
空港リムジンバス
- 関西空港便
- 心斎橋・近鉄上本町 〔関西空港交通〕
- あべのハルカス〔関西空港交通〕
- ユニバーサル・シティウォーク大阪・ユニバーサル・スタジオ・ジャパン・天保山・ハイアットリージェンシー大阪・ポートタウン東(・南港フェリーターミナル)〔関西空港交通、阪神バス〕
- JR茨木東口・阪急茨木東口〔関西空港交通、大阪空港交通〕
- 布施駅・長田駅〔関西空港交通・大阪バス〕
- 伊丹空港便
- ユニバーサル・スタジオ・ジャパン 〔大阪空港交通、阪神バス〕
休止・廃止路線
- 大阪 - 高千穂・延岡 (ひえつき号) 〔宮崎交通〕
- 大阪 - 別府・大分・佐伯 (エメラルド号) 〔大分バス〕
- 大阪・京都 - 川口・浦和・大宮 (サテライト号) 〔国際興業バス〕
- 大阪 - 宮崎 (旧路線、あおしま号) 〔宮崎交通〕
- 大阪 - 横浜 (ブルーライト号) 〔相鉄バス〕
- 大阪・神戸・舞子 - 中村・宿毛 (しまんとブルーライナー昼行便)
- 大阪梅田・なんば - 神辺・井原・笠岡・鴨方( カブトガニ号 )〔井笠鉄道〕
- なんばOCAT - 関西国際空港
- 上本町 - USJ (USJ直通バス)
- 天保山・南港 - 関西国際空港 (USJ - 関西国際空港に統合)
- 大阪・茨木 - 八王子 (トレンディ号、ツィンクル号に統合)
- 京都・大阪・神戸 - 安芸・なはり 「国虎号」 〔高知東部交通〕
- 阪奈生駒線(梅田 - 住道間)・若江線・住道線
- 枚岡線
- 大蓮線(のちに大阪バスが類似の経路で復活)
- 志紀線
- 茨田大宮線
- 柏原線
- 名阪国道線
- 堅上線
- 大堀線
- 堺線
- 吹田八尾線
- 中央環状線 (布施・エキスポランド系統)
- 京都線
- 桃山線
- 深夜急行バス・なんば → 富田林線
- 築港枚岡線
- 四条畷市くすのき号
- 八尾市愛あいバス
- 茨木・京都 - 東京駅(「フライングスニーカー京都・茨木号」) 〔2008年6月から東北急行バスの単独運行、2011年12月31日をもって廃止〕
- 「みはらふれあい号」 ※南海バスと共同運行。2013年6月末廃止。
- 大阪・京都 - 川越・坂戸・熊谷 「ウィングライナー」
- 京都・大阪・神戸 - 宮崎 「おひさま号」 (単独運行)
- 大阪 ・神戸- 鹿児島 「トロピカル号」 (単独運行)
定期観光バス
2014年7月より大阪市内でオープントップバスによる定期観光バス「OSAKA SKY VISTA」を運行している。車両は高速バスとして活躍していた三菱ふそう・エアロキングを改造したもの。
開業当初は大阪上本町駅の近鉄高速バスセンターを起点に、現在の南:なんばルート4便が運行されていたが、2015年7月に北:うめだルートが新設された。2016年2月からは大阪駅JR高速バスターミナル発着に変更されて梅田ルートとなんばルートを通年運行するほか、御堂筋イルミネーションの時期には夜間に御堂筋を経由するルートも運行される。
営業所
- 布施営業所
- 布施観光営業所 (旧近鉄観光バス布施営業所)
- 大阪府東大阪市長栄寺19番17号
- 稲田営業所
- 大阪府東大阪市稲田三島町1番12号
- 枚岡営業所
- 大阪府東大阪市東山町4番2号
- 八尾営業所
- 大阪府八尾市志紀町西三丁目12番地
- 松原営業所
- 大阪府松原市上田六丁目3番4号
- 鳥飼営業所
- 大阪府摂津市東別府二丁目2番35号
- 京都営業所
- 洛西営業所 (京都市交通局洛西営業所)
- 京都府京都市西京区大枝東新林町二丁目2番地
- 京都市営バスの受託運行を担当。詳細は京都市営バス洛西営業所の項を参照のこと。
- 京都府京都市西京区大枝東新林町二丁目2番地
- 廃止営業所
車両
伝統的に日野自動車製がメイン(観光バスは全車)であったが、近鉄本体から分社化したのちは、いすゞ自動車製も入れるようになり、枚岡営業所はいすゞ車中心の配置となった。また、夜行高速バスなど一部に三菱ふそう製も在籍する。ボディはいずれも純正としており、西日本車体工業製や富士重工業製は導入していない[15]。
近畿日本鉄道自動車局の時代には、2階建てバスやオートマチック車で他社より先行した技術を持つことも多かった。なお、地元自治体からの補助を受け、低公害バス(CNG、ハイブリッド)も保有する。
独自仕様としては、LED行先表示機車両における乗降扱い中には、後面の表示で行先と「乗降中」を交互表示するものが挙げられる(同様の表示は高槻市営バス、山陽バス、阪急バス、南海りんかんバスなどでも見られる)。
近鉄バスで役目を終えた車両は奈良交通・明光バス・防長交通・北日本観光自動車などのグループ会社へ移籍しているほか、一部はグループ外の事業者にも譲渡[16]されている。以前は概ね15年で車両代替を行っていたが、2003年以降、大阪府内が排出ガス規制強化地域に指定され、車両代替のサイクルが短縮したことから除籍車両の譲渡が増加しており、特に前述のグループ会社への譲渡が多い[17][18]。
また、高速バス路線開設時に共同運行先へ高速バス車両を譲渡するケースも少なからずある。
ダブルデッカーで運行している路線を除き、かつては基本的に夜行高速路線はスーパーハイデッカー、昼行高速路線はハイデッカーにおいて導入されていたが、2008年以降に導入された夜行高速路線における新車はハイデッカーとなっている。
車体塗色(カラーリング)
一般路線用車両は黄色と青で親会社の近畿日本鉄道のイニシャル「KN」を含む複雑な模様を表しているが、ラッピング車も多い。鳥飼営業所所属のCNGバスは黄色を主体とした特別塗装となっていた。また、2016年より導入された新型ブルーリボンハイブリッドバスは模様はそのままで色が白と水色になっている。
夜行高速用車両は白とグリーンを基調に「Kintetsu The Express Cruiser」のロゴが側面に入ったもの、貸切・観光用車両(経法大線用路線車を含む)は白をベースに赤紫とオレンジ、金色のラインが入ったものである。昼行高速用車両は夜行高速用と同一デザインだが、貸切用途から転用した車両は観光塗色のまま運行されている。空港リムジン用車両は関西空港交通と共通のデザインを採用していたが、近年投入された車両は観光塗色を採用し、2種類のカラーリングが混在している。コミュニティバスなどは各路線ごとにそれぞれ独自のデザインを採用している。
夜行高速用車のカラーリングは、開設当初は路線ごとに異なったデザインを採用していたが、後に前述のデザインに統一されている。
- P-RU638BB-GD-Kintetsu-2909.jpg
夜行高速バス初期の車両
(ツインクル号用カラー、国際興業バス戸田営業所で撮影) - Kintetsu Bus 8103 Airport Limousine KATE Color.jpg
空港リムジン
(関西空港交通色、関西国際空港で撮影) - KINTETSUBUS0652.jpg
近鉄バス
日野新型ハイブリッド車
(日野新型ハイブリッド車塗装、近鉄奈良線瓢箪山駅バス乗り場で撮影)
安全運転訓練車
運転士教育の充実による安全性向上などを目的に、2017年4月に導入。車両は一般路線車(元:八尾営業所所属の社番6261・日野LKG-KV234L3)から転用し、東急テクノシステムで改造を行った。布施営業所に所属し、各種教習に使用している[19]。
- Kintetsubusanzenuntenkunrensha.jpg
近鉄バス安全運転訓練車
(布施営業所、敷地外公道より撮影)
観光バス事業
観光バス事業は近鉄からの分社化当初、貸切バス部門の分社子会社の近鉄観光バスが経営していた。近鉄観光バスは東大阪市長栄寺に布施営業所と本社を、京都市に京都営業所(近鉄バス京都営業所内にあった)を設けていた。近鉄バスと近鉄観光バスは当時から実務面では同一会社として運営していた。また、近鉄自動車局時代の1998年まで奈良県内にも拠点(奈良営業所)を持っていたが撤退し、グループの奈良観光バスに移管した。
その後近鉄観光バスは2006年9月1日に近鉄バスに吸収合併され、旧:近鉄観光バス布施営業所は近鉄バス布施観光営業所となった。2008年に京都府からも撤退しており[20]、大阪府と奈良県生駒市・平群町のみでの営業となっている[21]。
注釈
- ↑ “ICカードでピタッと簡単乗車!~近鉄バスで交通系ICカードPiTaPaが平成27年4月1日からご利用できます~”. 近鉄バス (2015年3月4日). . 2015閲覧.
- ↑ 「京都・大阪・三宮〜高知(安芸・奈半利)」間高速バスの運行申請をいたしました! - 近鉄バス 2010年11月02日
- ↑ 2/4から京都・大阪・神戸〜高知県(安芸・なはり)行き夜行高速バスの運行を開始いたします♪ - 近鉄バス 2011年1月28日
- ↑ 大分・別府〜神戸・大阪・京都間 高速バス運行にかかる許認可の申請について (PDF) - 大分バス・大分交通・亀の井バス・近鉄バス 2011年9月29日
- ↑ 「京都・大阪・神戸〜別府・大分」間夜行高速バスの運行申請をしました!! - 近鉄バス 2011年9月30日
- ↑ 大分・別府〜三宮・大阪・京都間夜行高速バス「SORIN号」運行開始いたします! (PDF) - 大分バス・大分交通・亀の井バス・近鉄バス 2011年11月29日
- ↑ 【京都・大阪・三宮〜中津・別府・大分】間の夜行高速バス「SORIN(そうりん)号」デビュー決定!! - 近鉄バス 2011年11月29日
- ↑ 近鉄2階建てオープンデッキバス、愛称「OSAKA SKY VISTA」7/10から運行開始 - マイナビニュース 2014年6月25日
- ↑ 【平成27年4月1日~】交通系ICカード導入のお知らせ - 近鉄バス 2015年3月4日
- ↑ ICカードでピタッと簡単乗車! ~近鉄バスで交通系ICカードPiTaPaが平成27年4月1日からご利用できます。~ (PDF) - 近鉄バス 2015年3月4日
- ↑ 昼行バス/八尾(JR久宝寺・近鉄八尾)(八尾・京都特急線)←→京都 近鉄バス
- ↑ JR久宝寺・近鉄八尾駅前~京都駅間高速バス新路線の運行の申請について 近鉄バス 2013年6月27日
- ↑ JR久宝寺駅・近鉄八尾駅前~京都駅八条口間の高速バス運行について 近鉄バス 2013年6月27日
- ↑ JR久宝寺・近鉄八尾駅前~京都駅間高速バス新路線の運行について(8月8日更新) 近鉄バス 2013年8月8日
- ↑ 高度経済成長期に近鉄と西日本車体工業の親会社である西日本鉄道(西鉄)との関係が悪かったため、西工への供給にあまり積極的ではない日野との関係が深かったことと、日野が佐伯勇や上山善紀、辻井昭雄と近鉄の歴代の社長・会長が同社の監査役を務めていたことに起因している。なお、UDトラックス(旧:日産ディーゼル)製は一切導入されていない。
- ↑ 2012年6月以降、ジェイ・アール北海道バスに1998年式のKC-HU2MPCAワンステップ車が数台譲渡された。
- ↑ グループ会社譲渡の場合、塗装を大きく変更せずに供用する場合もある。(『バスマガジン』No.88 P.32 講談社ビーシー・2018年3月27日発行 ISBN 978-4-06-366746-2 )
- ↑ 近畿日本鉄道直営時代から一部の車両は大阪府より排ガス規制の緩い京都営業所に異動している。かつて近鉄直営時代にあった奈良営業所にも同様のことを行なっていた。
- ↑ 『バスラマ・インターナショナル』No.167 P.48 ぽると出版・2018年4月25日発行 ISBN 978-4-89980-167-2
- ↑ 『バスマガジン』No.88 P.45 講談社ビーシー・2018年3月27日発行 ISBN 978-4-06-366746-2
- ↑ “貸切バスに関するQ&A”. 近鉄バス. . 2018-4-4閲覧.
関連項目
- 近鉄グループ
- KNT-CTホールディングス(近鉄バスが第3位の大株主)
- 信貴生駒スカイライン(近畿日本鉄道自動車局時代から管理運営を担っていたが、近鉄レジャーサービスに移管)
- 朝日放送グループホールディングス(近鉄バスが第9位の大株主)
- クラシエホールディングス(旧・鐘淵紡績、茨木自動車→茨木バスの親会社)
- 日野自動車(近畿日本鉄道自動車局時代はほぼすべての車両が日野自動車製で、現在でも多くの車両が日野自動車・ジェイバス製)