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佐倉駅(さくらえき)は、千葉県佐倉市六崎にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)の駅である。
総武本線を所属線としており[1]、成田線を含めた2路線が乗り入れている。当駅は線路名称上での成田線の起点であるが、成田線の列車はすべて総武本線を通じて千葉駅まで乗り入れ、一部はさらに東京駅方面へ直通する。
Contents
歴史
佐倉駅は、総武本線を建設した私鉄である総武鉄道により、1894年(明治27年)7月20日に開設された[2]。高台上にある市街地とは約1キロメートル離れた位置に駅があり、地元が鉄道建設に反対したためにやむなく隣村の根郷村六崎に駅が建設されたとする鉄道忌避説が『千葉県史明治編』などにも記載されているが、総武鉄道社員が1903年(明治36年)に編纂した『総武鉄道線路案内』によれば、佐倉の町が高台にあるため、線路設計上やむを得ず市街を隔てた田んぼの中に建設したものとされている[3]。
かつてはアイスクリームの立ち売りで知られる駅であり、石田屋といせやの2軒が営業しており、特に両国18時発普通銚子行の到着時には最大30人にも及ぶ売り子がアイスクリームを売り歩いていた[4]。
年表
- 1894年(明治27年)7月20日 - 総武鉄道の市川駅 - 当駅間開業により開設[2]。
- 1897年(明治30年)
- 1907年(明治40年)9月1日 - 総武鉄道が買収され、国有鉄道の駅となる[5]。
- 1920年(大正9年)9月1日 - 成田鉄道が国有化[6]。
- 1968年(昭和43年)3月28日 - 総武本線・成田線の千葉駅 - 成田駅間電化、千葉駅 - 当駅間複線化[6][7]。
- 1974年(昭和49年) - 総武本線の当駅 - 銚子駅間電化[7]。
- 1984年(昭和59年)2月1日 - 貨物扱い廃止。
- 1985年(昭和60年)12月 - 駅橋上化、現在の駅舎になる。
- 1986年(昭和61年)2月24日 - 成田線の当駅 - 成田駅間複線化[6]。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、JR東日本の駅となる[6][8]。
- 1991年(平成3年) - 成田線の成田空港乗り入れに際し2面4線化。
- 1992年(平成4年) - 3月末をもって駅弁立売を終了。関東地方のJR駅での駅弁立売は宇都宮駅だけとなった[注釈 1]。
- 1997年(平成9年) - 佐倉機関区廃止。
- 2001年(平成13年)11月18日 - ICカード「Suica」供用開始[広報 1]。
- 2009年(平成21年)2月 - ホームにLED式発車標設置。
- 2010年(平成22年)1月 - ホームにエレベーター設置。
駅構造
島式ホーム2面4線を有する地上駅で、橋上駅舎を持つ。改札内コンコースとホームの間を連絡するエスカレーターとエレベーターが設置されている。
直営駅であり、管理駅として総武本線の南酒々井駅・榎戸駅・八街駅および成田線の酒々井駅を管理している。駅舎内にはみどりの窓口(営業時間 6:00 - 21:00)、自動改札機・指定席券売機などが設置されている。
2011年12月から自動改札機はSuica専用レーンが大幅に増え、入場は有人改札寄りのわずか1基のみとなった。しかし、1基ではSuica利用の多い通勤時間帯以外の定期外利用客の流れが悪いためか、うち1基がすぐに専用レーンから外されて元に戻った。
駅構内には数本の留置線(佐倉客貨車区跡)があり、夜間などに中心に車両が留置される。
総武本線、成田線ともにCTC線区であるが、当駅は運転取扱駅であり、信号制御は信号扱所にて行っている。
のりば
番線 | 路線 | 方向 | 行先 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | ■総武本線 | 下り | 八街・成東・八日市場・旭・銚子方面 | 一部は2番線 |
2 | ■成田線 | 成田・佐原・小見川・銚子・(鹿島線直通鹿島神宮)・(空港支線成田空港)方面 | 一部は1番線 | |
3・4 | ■総武本線 (■成田線含む) |
上り | 四街道・千葉・津田沼・船橋・錦糸町・東京方面 | 始発の一部は2番線 |
- 基本的に、1・4番線は総武本線が、2・3番線は成田線が発着する。
運転番線 | 営業番線 | ホーム | 千葉方面着発 | 成東方面着発 | 成田方面着発 | 引上げ線着発 | 電留線着発 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
下本 | 1 | 15両分 | 到着可 | 出発可 | 出発可 | 不可 | 入出区可 | 総武本線・成田線下り主本線 |
下1 | 2 | 15両分 | 到着・出発可 | 到着・出発可 | 到着・出発可 | 入出区可 | 入出区可 | |
成上 | 3 | 15両分 | 出発可 | 到着・出発可 | 到着・出発可 | 入出区可 | 入出区可 | 成田線上り主本線 |
上本 | 4 | 15両分 | 到着・出発可 | 到着・出発可 | 到着・出発可 | 入出区可 | 入出区可 | 総武本線上り主本線 |
上1 | ホームなし | 到着・出発可 | 到着・出発可 | 到着・出発可 | 不可 | 不可 | 待避線 |
- 主本線を発着する場合は通過が可能。
- 物井寄りに短い引き上げ線があり、快速電車の増解結で使用する。
- 夜間には酒々井寄りにある留置線4本(電留1番 - 電留4番、15両対応)に総武快速線用車両が4本留置される。
- 総武本線は、当駅より成東・銚子方面は単線となる。
* 参考資料:「JR東日本全線【決定版】鉄道地図帳」 第4巻 「水戸・千葉支社管内編」 『学研』 2010年3月
発車メロディ
1・3・4番線はスイッチ製、2番線は東洋メディアリンクス製のメロディが使用されている。
1 | ■ 蝶々のように(戸塚駅でも使用) |
---|---|
2 | ■ Verde rayo V2 (京葉線東京駅 - 越中島駅でも使用) |
3 | ■■ ムーンストーン(市川駅3番線でも使用) |
4 | ■■ シーウィンド(川井駅、軍畑駅でも使用) |
利用状況
2017年(平成29年)度の1日平均乗車人員は10,207人である。
JR東日本および千葉県統計年鑑によると、近年の1日平均乗車人員の推移は下記の通り。
年度 | 1日平均 乗車人員 |
出典 |
---|---|---|
1990年(平成 | 2年)9,527 | [* 1] |
1991年(平成 | 3年)10,611 | [* 2] |
1992年(平成 | 4年)11,223 | [* 3] |
1993年(平成 | 5年)11,739 | [* 4] |
1994年(平成 | 6年)11,807 | [* 5] |
1995年(平成 | 7年)12,065 | [* 6] |
1996年(平成 | 8年)12,084 | [* 7] |
1997年(平成 | 9年)11,825 | [* 8] |
1998年(平成10年) | 11,605 | [* 9] |
1999年(平成11年) | 11,602 | [* 10] |
2000年(平成12年) | [JR 1]11,643 | [* 11] |
2001年(平成13年) | [JR 2]11,647 | [* 12] |
2002年(平成14年) | [JR 3]11,542 | [* 13] |
2003年(平成15年) | [JR 4]11,459 | [* 14] |
2004年(平成16年) | [JR 5]11,212 | [* 15] |
2005年(平成17年) | [JR 6]11,164 | [* 16] |
2006年(平成18年) | [JR 7]11,201 | [* 17] |
2007年(平成19年) | [JR 8]11,214 | [* 18] |
2008年(平成20年) | [JR 9]11,115 | [* 19] |
2009年(平成21年) | [JR 10]10,736 | [* 20] |
2010年(平成22年) | [JR 11]10,520 | [* 21] |
2011年(平成23年) | [JR 12]10,422 | [* 22] |
2012年(平成24年) | [JR 13]10,341 | [* 23] |
2013年(平成25年) | [JR 14]10,360 | [* 24] |
2014年(平成26年) | [JR 15]10,070 | [* 25] |
2015年(平成27年) | [JR 16]9,983 | [* 26] |
2016年(平成28年) | [JR 17]10,048 | [* 27] |
2017年(平成29年) | [JR 18]10,207 |
駅周辺
佐倉市役所や佐倉市立美術館などが所在する旧城下町地区の市街地には京成電鉄(京成本線)の京成佐倉駅が立地しているが、当駅からは約2km離れている。両駅間は路線バス(ちばグリーンバス)による移動が一般的である。このような立地ではあるが、JTB時刻表では当駅が市の代表駅とされている。ただし、佐倉警察署などの一部公共施設や宮小路町に所在する武家屋敷に行くには当駅の方が至近である。
旧城下町側の出口(北口)には観光案内所(観光情報センター)や江戸時代に焼失した佐倉城の天守を模した観光客用の歓迎モニュメントが設置された。
北口
- 千葉地方法務局 佐倉支局
- 千葉県佐倉警察署
- 千葉県印旛合同庁舎
- 印旛地域振興事務所
- 千葉県印旛健康福祉センター(印旛保健所)
- 千葉県佐倉県税事務所
- 千葉県印旛農業事務所
- 千葉県印旛土木事務所
- 北部林業事務所 印旛支所
- 千葉県教育庁 北総教育事務所
- 佐倉商工会議所
- 佐倉駅前郵便局
- 千葉興業銀行佐倉支店
- 佐原信用金庫佐倉支店
- いなげや佐倉店
- ベイシア佐倉店
- 国道296号
南口
- 佐倉警察署佐倉駅前交番
- 佐倉駅南口郵便局
- 千葉信用金庫佐倉支店
- 京葉銀行佐倉支店
- ライフ佐倉店
- トウズJR佐倉店
- 千葉県立佐倉南高等学校
バス路線
のりば | 系統 | 主要経由地 | 行先 | 運行会社 | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|---|
JR佐倉駅(北口) | 1 | 神門線 | 栄町・京成佐倉駅 | 田町車庫 | ちばグリーンバス | |
栄町・京成佐倉駅・国立歴史民俗博物館 | 日中の一部のみ・休館日は経由なし | |||||
栄町 | 京成佐倉駅 | |||||
物井線 | 市役所 | |||||
深夜急行バス | JR酒々井駅・公津の杜駅・JR成田駅 | 成田空港 | 金曜日のみ | |||
2 | 神門線 | 根郷・神門・工団中央 | 第三工業団地 | |||
和田 | 朝夕2本のみ | |||||
根郷・神門・馬渡坂上 | 西御門 | 朝夕2本のみ | ||||
根郷・神門 | 馬渡坂上 | |||||
3 | 物井線 | 第一工業団地・南図書館 | 物井駅 | |||
寺崎線 | 寺崎北・臼井南中学校 | 臼井駅 | ||||
臼井線 | 市役所・聖隷佐倉市民病院・臼井駅・東邦大佐倉病院 | 志津駅南口 | 平日朝1本のみ | |||
本佐倉線 | 栄町・京成佐倉駅・酒々井町役場 | 京成酒々井駅 | 平日夕方1本のみ | |||
4 | 白銀線 | 合同庁舎 | 白銀ニュータウン | |||
鏑木町一丁目・鷹匠橋 | 田町車庫 | 朝1本のみ | ||||
JR佐倉駅南口 | 佐倉南高校線 | 佐倉南高校・大崎台公園 | JR佐倉駅南口 | 午前運転 | ||
大崎台公園・佐倉南高校 | 午後運転 | |||||
松ヶ丘線 | 角栄団地 | 松ヶ丘5号公園 | ||||
法務局・鷹匠橋 | 田町車庫 |
この他、
- 平日、数寄屋橋(有楽町駅)発JR成田駅行き深夜急行バス(平和交通)が当駅で降車扱いする(乗車はできない)。
- 土・日・祝日、JR佐倉駅入口バス停(ちばグリーンバスの倉庫前バス停)から東京駅八重洲口前経由浜松町バスターミナル行き早朝便高速バス(千葉交通)が発車している。
- 南口から川村記念美術館行きの無料送迎バスが発車している[9]。
隣の駅
- 東日本旅客鉄道
- ■総武本線
- 特急「しおさい」停車駅
- ■成田線
- 特急「成田エクスプレス」一部停車駅
- ■通勤快速
- 四街道駅 (JO 31)(総武本線) - 佐倉駅 (JO 33) - 酒々井駅 (JO 34)
- ■快速・■普通(各駅停車)
- 物井駅 (JO 32)(総武本線) - 佐倉駅 (JO 33) - 酒々井駅 (JO 34)
脚注
注釈
出典
- ↑ 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB 1998年
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 引用エラー: 無効な
<ref>
タグです。 「sone 16
」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません - ↑ 白土貞夫「総武線開業120周年 正岡子規が見た総武鉄道」、『鉄道ピクトリアル』第900号、電気車研究会、2015年2月、 106-110頁。
- ↑ 根本幸男「「べんと、べんとー、えーアイス」の時代」、『鉄道ピクトリアル』第854号、電気車研究会、2011年10月、 81-85頁。
- ↑ 『歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』 通巻26号 総武本線・成田線・鹿島線・東金線 17頁
- ↑ 6.0 6.1 6.2 6.3 『歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』 通巻26号 総武本線・成田線・鹿島線・東金線 23頁
- ↑ 7.0 7.1 『歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』 通巻26号 総武本線・成田線・鹿島線・東金線 18頁
- ↑ 『歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』 通巻26号 総武本線・成田線・鹿島線・東金線 19頁
- ↑ DIC川村記念美術館ホームページの交通案内より
広報資料・プレスリリースなど一次資料
統計資料
- JR東日本の2000年度以降の乗車人員
- ↑ 各駅の乗車人員(2000年度) - JR東日本
- ↑ 各駅の乗車人員(2001年度) - JR東日本
- ↑ 各駅の乗車人員(2002年度) - JR東日本
- ↑ 各駅の乗車人員(2003年度) - JR東日本
- ↑ 各駅の乗車人員(2004年度) - JR東日本
- ↑ 各駅の乗車人員(2005年度) - JR東日本
- ↑ 各駅の乗車人員(2006年度) - JR東日本
- ↑ 各駅の乗車人員(2007年度) - JR東日本
- ↑ 各駅の乗車人員(2008年度) - JR東日本
- ↑ 各駅の乗車人員(2009年度) - JR東日本
- ↑ 各駅の乗車人員(2010年度) - JR東日本
- ↑ 各駅の乗車人員(2011年度) - JR東日本
- ↑ 各駅の乗車人員(2012年度) - JR東日本
- ↑ 各駅の乗車人員(2013年度) - JR東日本
- ↑ 各駅の乗車人員(2014年度) - JR東日本
- ↑ 各駅の乗車人員(2015年度) - JR東日本
- ↑ 各駅の乗車人員(2016年度) - JR東日本
- ↑ 各駅の乗車人員(2017年度) - JR東日本
- 千葉県統計年鑑
- ↑ 千葉県統計年鑑(平成3年)
- ↑ 千葉県統計年鑑(平成4年)
- ↑ 千葉県統計年鑑(平成5年)
- ↑ 千葉県統計年鑑(平成6年)
- ↑ 千葉県統計年鑑(平成7年)
- ↑ 千葉県統計年鑑(平成8年)
- ↑ 千葉県統計年鑑(平成9年)
- ↑ 千葉県統計年鑑(平成10年)
- ↑ 千葉県統計年鑑(平成11年)
- ↑ 千葉県統計年鑑(平成12年)
- ↑ 千葉県統計年鑑(平成13年)
- ↑ 千葉県統計年鑑(平成14年)
- ↑ 千葉県統計年鑑(平成15年)
- ↑ 千葉県統計年鑑(平成16年)
- ↑ 千葉県統計年鑑(平成17年)
- ↑ 千葉県統計年鑑(平成18年)
- ↑ 千葉県統計年鑑(平成19年)
- ↑ 千葉県統計年鑑(平成20年)
- ↑ 千葉県統計年鑑(平成21年)
- ↑ 千葉県統計年鑑(平成22年)
- ↑ 千葉県統計年鑑(平成23年)
- ↑ 千葉県統計年鑑(平成24年)
- ↑ 千葉県統計年鑑(平成25年)
- ↑ 千葉県統計年鑑(平成26年)
- ↑ 千葉県統計年鑑(平成27年)
- ↑ 千葉県統計年鑑(平成28年)
- ↑ 千葉県統計年鑑(平成29年)
参考文献
- 曽根悟(監修) 『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』26号 総武本線・成田線・鹿島線・東金線、朝日新聞出版分冊百科編集部(編集)、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2010-01-17、5-23。