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福山 哲郎(ふくやま てつろう、1962年1月19日 - )は、日本の政治家。立憲民主党所属の参議院議員(4期)、立憲民主党幹事長(初代)、京都造形芸術大学客員教授(政治学)、学校法人龍谷大学理事、学校法人瓜生山学園理事。
参議院環境委員長、参議院外交防衛委員長、参議院内閣委員会理事、民主党政策調査会長、民進党幹事長代理、外務副大臣、内閣官房副長官などを歴任。
Contents
来歴
生い立ち
東京都出身[1]。京都府立嵯峨野高等学校、同志社大学法学部卒業。大学卒業後、1986年に大和証券に入社し、1990年退社。同年、松下政経塾に入塾(第11期生)。政経塾在籍中の1991年にスリランカを訪れ、アリヤラトネの主催する社会運動・サルボダヤ運動に参加していた。
1992年、松下政経塾の「地域から日本を変える運動」で、最初に設立された同塾の地域政経塾である京都政経塾の塾頭に就任。その後、東京政経塾塾頭、松下政経塾政策調査室長等を務める[2]。1995年、京都大学大学院法学研究科修士課程修了[2][3]。
政治家として
1996年、第41回衆議院議員総選挙に旧民主党公認で京都1区から出馬したが、落選。なお当初は新党さきがけからの立候補を検討していたが、総選挙直前にさきがけ、社会民主党を離党した議員らで結成された旧民主党に参加した。1998年、第18回参議院議員通常選挙に京都府選挙区から無所属で出馬し、初当選。この選挙では、京都府選挙区で福山、西山登紀子(日本共産党)が当選し、非自民系候補で2議席を独占した。当選後、民主党に入党し、4回連続当選。2005年、参議院環境委員長に就任。
2009年9月、鳩山由紀夫内閣で外務副大臣に任命される。翌2010年6月、菅内閣で内閣官房副長官に就任し、2011年の菅内閣総辞職まで務める。在任中は外交問題に疎い菅直人首相を補佐するため、菅が出席する国際会議にしばしば随行した。官房副長官退任後、参議院外交防衛委員長に就任。
2012年4月、民主党社会的包摂PT会長に就任。同年6月、一般社団法人 京都府身体障害者団体連合会会長に就任[4]。
2012年12月、民主党「次の内閣」でネクスト経済再生・科学技術・宇宙政策・情報通信技術(IT)・海洋政策担当に就任。
2013年5月、学校法人龍谷大学理事、学校法人瓜生山学園理事に就任。
2017年民進党代表選挙にて、前原グループだが、前原誠司ではなく枝野幸男を支持した。
10月5日に参議院議員として、民進党を離党して立憲民主党に入党すると表明した [5]。その際、同党代表の枝野から直々に指名を受け、初代の党幹事長に就任することが決まった。10月30日に民進党会派を退会し、どの会派にも所属しない議員となった[6]。11月1日の特別国会開会時点では、同党所属の唯一の参議院議員である。
役職
以下は公式プロフィールによる[7]。
- 立憲民主党幹事長
- 所属委員会:外交防衛委員会委員
- 所属会派:なし[8]
- 京都府身体障害者団体連合会会長
- 京都造形芸術大学客員教授(政治学)
- 学校法人龍谷大学理事
- 学校法人瓜生山学園理事(京都造形芸術大学)
略歴
- 1981年 - 京都府立嵯峨野高等学校卒業。
- 1986年 - 同志社大学法学部卒業。
- 1986年 - 大和證券入社。
- 1990年 - 松下政経塾入塾。
- 1995年 - 京都大学大学院法学研究科修士課程修了(政治学専攻)。
- 1998年 - 第18回参議院議員通常選挙当選(京都府選挙区)。
- 2001年 - 京都造形芸術大学客員教授(政治学)。
- 2002年 - 民主党地方組織局長。
- 2002年 - 民主党京都府総支部連合会会長。
- 2003年 - マニフェスト準備委員会事務局長。
- 2004年 - 第20回参議院議員通常選挙当選(京都府選挙区)。
- 2005年 - 参議院環境委員長。
- 2005年 - 民主党調査局長。
- 2005年 - 民主党憲法調査会第二小委員会座長。
- 2005年 - マニフェスト起草委員会事務局長。
- 2007年 - 民主党・新緑風会政策審議会長。
- 2007年 - 民主党政策調査会会長代理。
- 2008年 - 民主党地球温暖化対策本部事務総長。
- 2009年 - 外務副大臣(鳩山由紀夫内閣)。
- 2010年 - 内閣官房副長官(菅内閣 - 菅第1次改造内閣 - 菅第2次改造内閣)。
- 2010年 - 第22回参議院議員通常選挙当選(京都府選挙区)。
- 2011年 - 参議院外交防衛委員長。
- 2014年 - 民主党政策調査会長。
- 2015年 - 民主党幹事長代理。
- 2016年 - 第24回参議院議員通常選挙当選(京都府選挙区、民進党公認)。
- 2017年 - 参議院東日本大震災復興特別委員長。
- 2017年 - 立憲民主党幹事長。
政策・主張
環境問題
- 民主党「地球温暖化対策本部」事務総長として「地球温暖化対策基本法案」を国会に提出するなど、環境政策に深く関わる。鳩山由紀夫内閣の成立後は、外務副大臣として鳩山イニシアチブを推進した。
- 2009年11月24日、温室効果ガスの25%削減による家計への影響を検討してきた政府のタスクフォース(有識者会議)は、最小3万円、最大76万5千円の負担がかかるとの試算を報告した。これについて福山は、国民にネガティブなイメージを与えるとして非公開とするよう求めた。また、タスクフォース内での意見対立も深刻であったため新しいメンバーによる再試算を迫る小沢鋭仁環境大臣に対し「リシャッフル(再編)した方がいいと思う」と答えた[9]。
日本獣医師会との関係
日本獣医師会が強く反対している加計学園の獣医学部新設問題では、佐川宣寿前国税庁長官を証人喚問で質問し[10]、2018年3月27日の会見で「まったく不誠実な答弁で疑惑はますます深まったと言わざるを得ない」と批判した[11]。
この件で加戸守行前愛媛県知事から、2010年に日本の大学に獣医学部を新設することに強く反対をする日本獣医師会から100万円の政治献金を受けていることを指摘され[12]、「100万円の政治献金であんなに義理堅く働かれる先生ってのは自民党にはいませんねぇ」と評されたことに対し[13]、福山は5月24日の記者会見で加戸前知事に対して法的措置を検討していることを明らかにした[14]。
この件に対し、日本大学法学部教授の岩井奉信は「売り言葉に買い言葉の状態だが、そもそも政治家が法的措置をとるという言葉を軽々に言うものではない」と批判した[15]。
その他
- 1999年、国旗及び国歌に関する法律案の参議院本会議における採決で反対票を投じた[16]。
- 2008年、戦時性的強制被害者問題解決促進法案を参議院に提出[17]する際、提出者の1人に名前を連ねた。
- 2009年9月22日、国連気候変動首脳会合における鳩山首相の演説文書を作成。この文書の起案から外務官僚を排除し「脱官僚」をアピールした。
- 2013年6月、DV防止法改正及びストーカー規制法改正に民主党の法案担当者として関わった[18]。
- 選択的夫婦別姓制度の導入に賛成[19]。「より多様な生き方を可能とし、一人ひとりが尊重される社会をめざす」とする[20]。
- 財団法人日本漢字能力検定協会が設立をめざしていた資格標準化機構に関する文部科学大臣への陳情の場に同席し、「検定の資質を上げる仕組みが必要だ」と意見を述べた[21]。
議員連盟歴
- ホームエンタテイメント議員連盟(副会長)
- 民主党日韓議員交流委員会(幹事)
- 犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟(会長代行)[22]
- アルコール問題議員連盟(事務局長)[23]
その他、所属議員連盟多数あり。
人物・エピソード
- 枝野幸男と政策面で近く、枝野の政治的立場を一貫して支持している。菅内閣では枝野官房長官のもとで官房副長官、下野後の民主党においては枝野幹事長のもとで幹事長代理を務め、枝野が立憲民主党を結党した際には「枝野さんの想いに強く共鳴し、馳せ参じました[24]」として参議院議員として初めて立憲民主党に合流した。
- (第48回衆議院議員総選挙にあたり民進党分裂の中心的舞台となった衆議院議員ではなく)参議院議員であるが、立憲民主党の設立には、枝野幸男による結党宣言以前から深くかかわった[25]。福山は枝野に「無所属でやられても枝野さんは勝てると思います。でも、『枝野、立て』の声がネットにあふれ、希望から排除された人が『政党をつくってくれ』と願う状況で、たとえ無所属で当選を果たしても、枝野さんという政治家としては厳しくなるかもしれません[26]」と告げ、結党の決意を促した[25]。
- 菅直人(元内閣総理大臣、立憲民主党最高顧問)について、「枝野さんと私は菅さんに育ててもらった政治家です」と語る[27]。
- 学生時代の福山は「貧乏」であり、高校時代から自身の学費をアルバイトで稼いでいた。ゴルフ場のキャディー、スーパーマーケットのパック寿司製造、イベント会場設営、家庭教師、塾講師、予備校事務など、大学時代を含め、様々なアルバイトを経験している。[28]
- 地球環境問題、気候変動問題への対策をライフワークとしている。「政治家には最低限、社会のため人のためになにが出来るかを考え、そのために突き進む素質が求められる」とし、「自分が何のために政治家をやって、何を実現するか」という問題は、福山自身にとっては環境問題であると語っている。鳩山イニシアチブとして有名となった、CO2の25%削減目標を含む鳩山由紀夫首相(当時)の国連演説の原稿は、福山が書いたものである。[29]
- 2010年6月民主党代表選挙における菅直人の推薦人の一人。
家族・親族
著作
- 『21世紀・日本の繁栄譜』、共著(松下政経塾出身国会議員の会)、PHP研究所、1999年。
- 『民主主義が一度もなかった国・日本』、宮台真司共著、幻冬舎 2009年。
- 『原発危機 官邸からの証言』、ちくま新書、2012年。
- 『2015年安保 国会の内と外で――民主主義をやり直す』、奥田愛基、倉持麟太郎共著、岩波書店、2015年。
- 『私の「貧乏物語」――これからの希望をみつけるために』、共著論集・岩波書店編集部編、岩波書店、2016年。
- 『民進党蘇生計画』、玄葉光一郎、玉木雄一郎、山尾志桜里、田原総一朗、野田佳彦、井手英策、熊谷晋一郎共著、中央公論新社、2017年。
裁判
- 2010年3月12日、文藝春秋2月号の「CO2 25%削減 『友愛』外交の敗北」と題された記事と、その後福山がライターの横田由美子に圧力をかけたとするブログ「ペコちゃんジャーナル」[30]により名誉を傷つけられたとして、1650万円の損害賠償と謝罪広告を求めて、文藝春秋と横田を東京地裁に提訴した。横田と文藝春秋は法廷で「民主主義への挑戦」、「言論封殺」であると反論している。福山は、この記事について「環境部門で強硬な意見を持つものの影響を受けて、国民に対する配慮をせず、政府を取り仕切っているという印象を与えるが、虚偽だ」と主張をしている[31]。2011年10月12日、福山が圧力をかけた事実はなくブログの記載が名誉毀損に当たるとして、横田に33万円の賠償とブログの該当部分の削除を命じる一審判決が下った[30][32]。一方、「月刊文藝春秋」「WiLL」「週刊朝日」などの記事については朝日新聞が違法性がないと明記し、毎日新聞は記事の大部分について「政治家が批判を受けるのは当然」とされたと報じている[32]。2012年7月3日、東京高裁にて、福山が謝罪広告を含めたすべての損害賠償要求を放棄する代わりに、ブログの該当部分を削除する形で和解した。
政治資金
- 2010年に開催した講演会で、約196万円の収支の差額があった。これについて事務局は「飲食を一切提供していない時局講演会で、寄付行為はない。公選法上も全く問題ない」としている[33]。
- 福山の資金管理団体が2014年2月6日に六本木のガールズバーでの飲食代金21,000円を「会合費」の名目で政治活動費に含めていることが報じられた[34]。福山の事務所は「マスコミ関係者数名との懇談で使用した。待ち合わせ場所として先方より指定があり、そこに出向き、当方で支払った」、「内容は当時の政治状況についての意見交換であり、会合費としての支出は適切であると考える」と説明した[34]。これに対し、憲法学者の上脇博之は「実質は政治活動でないのは明らか。不適切であることは間違いない」としている[34]。
- 福山が代表を務める政党支部などが2010年、2011年に、手ぬぐい代として7件計26万3665円を京都市内の業者に支出していた。福山事務所は「海外要人からの土産の返礼や海外訪問時の土産として使用した。」と説明した[35]。
不祥事
脚注
- ↑ 1.0 1.1 内閣官房副長官 福山 哲郎
- ↑ 2.0 2.1 福山 哲郎
- ↑ 公式プロフィール
- ↑ 京都府身体障害者団体連合会 概要
- ↑ 民進の福山氏、離党し立憲民主へ 京都、元官房副長官京都新聞 2017.10.5
- ↑ “山尾氏、立憲会派に=入党はせず”. 時事通信. (2017年10月30日) . 2017閲覧.
- ↑ 公式プロフィール
- ↑ 立憲民主党は結党の時点において衆議院議員を中心としていることもあり、2017年9月結党時から11月末現在に至るまで、立憲民主党所属の参議院議員が福山哲郎一人だけであり、参議院に会派を結成できる状況に至っていないため。
- ↑ 「政治迎合は学者生命にかかわる」 温暖化試算、お蔵入りの背景は… (1/3ページ) - MSN産経ニュース
- ↑ “詳報(10)福山哲郎氏、「答弁控えたい」連発の佐川氏に「疑惑の火に油を注いだ」”. 産経新聞. (2018年3月27日)
- ↑ “立憲民主・福山哲郎幹事長「不誠実な答弁で疑惑深まった」”. 産経新聞. (2018年3月27日)
- ↑ “「非常に不可思議なことを言われるなあ」 立憲民主・福山哲郎幹事長、加戸守行前愛媛県知事の「ブレーキかかった」発言に反論 記者会見詳報”. 産経新聞. (2018年5月24日)
- ↑ “福山哲郎氏と玉木雄一郎氏は「100万円の政治献金で義理堅く働く先生」だった!? 加戸前愛媛県知事がチクリ”. 産経新聞. (2018年5月23日)
- ↑ “「非常に不可思議なことを言われるなあ」 立憲民主・福山哲郎幹事長、加戸守行前愛媛県知事の「ブレーキかかった」発言に反論 記者会見詳報”. 産経新聞. (2018年5月24日)
- ↑ “「法的措置」の前に“潔白”の説明は? 加戸前愛媛県知事の玉木、福山両氏「献金でブレーキ」発言で場外戦”. 産経新聞. (2018年6月6日)
- ↑ 第145回国会 1999年8月9日 投票結果 2015年1月11日閲覧。
- ↑ 民主党:参議院へ「戦時性的強制被害者問題解決促進法案」を再提出
- ↑ DV防止法第3次改正案が26日成立へ 3党担当者が共同記者会見 民主党 2013年6月25日
- ↑ 共同通信 2009年4月25日
- ↑ http://www.ne.jp/asahi/m/net/26kyoto.html
- ↑ 漢検、各種検定の「格付け」財団を設立 業界主導狙う?
- ↑ 福山哲郎公式サイト、「犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟」、2015年2月12日/
- ↑ 福山哲郎公式サイト、「アルコール問題議員連盟」、2015年10月27日
- ↑ ポリタス、【衆院選2017】立憲民主党 政見放送 書き起こし
- ↑ 25.0 25.1 朝日新聞、WEB RONZA「福山幹事長が語る、立憲民主党が目指す政治」2017年12月25日
- ↑ 朝日新聞、WEB RONZA「福山幹事長が語る、立憲民主党が目指す政治」2017年12月25日、「早朝の電話で「やりましょう」」の節
- ↑ 菅直人Twitter2017年10月20日23:08
- ↑ alley、「【あの議員に突撃!】民進党福山哲郎議員に聞いた、あれやこれ」:前編、2016年5月31日
- ↑ [1]
- ↑ 30.0 30.1 YOMIURIONLINE2011年10月13日
- ↑ 福山外務副大臣が文芸春秋とライターを提訴 名誉棄損でasahi.com 2010年3月15日
- ↑ 32.0 32.1 毎日jp2011年10月13日
- ↑ “福山民主政調会長、講演会の収支に差額”. 産経新聞. (2014年10月30日). オリジナルの2014年10月30日時点によるアーカイブ。 . 2014閲覧.
- ↑ 34.0 34.1 34.2 “【収支報告書公表】民主党・福山幹事長代理の団体が六本木のガールズバーに「会合費」支出”. 産経新聞. (2015年11月28日) . 2016閲覧.
- ↑ “立憲民主、福山哲郎幹事長は手ぬぐい代26万円を支出 線香問題飛び火の野党、公選法改正を主張”. 産経新聞. (2018年2月6日) . 2018閲覧.
- ↑ 党所属国会議員の国民年金保険料の納付状況について 民主党メールマガジン 2004年5月13日 2014年4月26日閲覧
関連項目
外部リンク
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