総合科学技術・イノベーション会議
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総合科学技術・イノベーション会議(そうごうかがくぎじゅつ・イノベーションかいぎ、英語:Council for Science, Technology and Innovation、略称:CSTI)は、内閣府に設置される「重要政策に関する会議」のひとつである。内閣総理大臣、科学技術政策担当大臣のリーダーシップの下、各省より一段高い立場から、総合的・基本的な科学技術・イノベーション政策の企画立案及び総合調整を行う役目を担っている。同組織の前身組織の名前は、科学技術会議である。
Contents
概要
2001年(平成13年)1月6日、内閣府設置法(平成11年法律第89号)に基づき、「総合科学技術会議」として設置された。内閣府設置法の一部を改正する法律(平成26年法律第31号)の施行により2014年5月19日に「総合科学技術・イノベーション会議」と改称されるとともに、科学技術政策に関する司令塔機能の一層の強化がなされた。英訳名はCouncil for Science, Technology and Innovation(CSTI)[1]。
内閣総理大臣及び国務大臣と有識者の議場として、日本全体の科学技術を俯瞰し、各省より一段高い立場から、総合的・基本的な科学技術政策の企画立案及び総合調整を行うことを目的とする。会議の議長は内閣総理大臣。会議の議員定数(議長を除く)は14人以内で関係閣僚・官吏のほか民間の有識者から内閣総理大臣が任命(有識者議員)するが、当該民間からの任命には衆議院・参議院両方の同意を必要とする(国会同意人事)。
総合科学技術・イノベーション会議のロゴには、日本政府の紋章でもある桐紋のひとつ、五三桐が用いられている。
所掌事務
内閣府設置法第26条において、以下の所掌事務が定められている[2]。
- 内閣総理大臣の諮問に応じて科学技術の総合的かつ計画的な振興を図るための基本的な政策について調査審議すること。
- 内閣総理大臣又は関係各大臣の諮問に応じて科学技術に関する予算、人材その他の科学技術の振興に必要な資源の配分の方針その他科学技術の振興に関する重要事項について調査審議すること。
- 科学技術に関する大規模な研究開発その他の国家的に重要な研究開発について評価を行うこと。
- 内閣総理大臣の諮問に応じて研究開発の成果の実用化によるイノベーションの創出の促進を図るための環境の総合的な整備に関する重要事項について調査審議すること。
- 関係各大臣に意見を述べること。
主な答申・決定・意見具申
答申
- 諮問第1号「科学技術に関する総合戦略について」に対する答申 2001年(平成13年)3月22日
- 諮問第2号「国の研究開発評価に関する大綱的指針について」に対する答申 2001年(平成13年)11月28日
- 諮問第3号「ヒトES細胞の樹立及び使用に関する指針について」に対する答申 2001年(平成13年)8月30日
- 諮問第4号「特定胚の取扱いに関する指針について」に対する答申 2001年(平成13年)11月28日
- 諮問第5号「科学技術に関する基本政策について」に対する答申 2005年(平成17年)12月27日
- 諮問第6号「ヒトES細胞の樹立及び使用に関する指針の改正について」に対する答申 2006年(平成18年)11月12日
- 諮問第7号「特定胚の取扱いに関する指針の改正について」に対する答申 2009年(平成21年)4月21日
- 諮問第8号「ヒトES細胞の樹立及び使用に関する指針の改正について」に対する答申 2009年(平成21年)4月21日
- 諮問第9号「ヒトES細胞の樹立及び分配に関する指針について」に対する答申 2009年(平成21年)7月24日
- 諮問第10号「ヒトES細胞の使用に関する指針について」に対する答申 2009年(平成21年)7月24日
- 諮問第11号「科学技術に関する基本政策について」に対する答申 2010年(平成22年)12月24日
- 諮問第12号「ヒトES細胞の使用に関する指針の改正について」に対する答申 2010年(平成22年)4月27日
- 諮問第13号「ヒトES細胞の樹立及び分配に関する指針の改正について」に対する答申 2010年(平成22年)4月27日
- 諮問第14号「科学技術イノベーション総合戦略について」に対する答申 2013年(平成25年)6月6日
決定・意見具申
- 「ゲノムネットワーク研究」について 2003年(平成15年)11月25日
- 知的財産戦略について 2004年(平成16年)5月26日
- ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方について 2004年(平成16年)7月23日
- 我が国における宇宙開発利用の基本戦略 2004年(平成16年)9月9日
- 「地球観測の推進戦略」について 2004年(平成16年)12月27日
構成員
- 内閣総理大臣が外遊その他で参席できないときは、科学技術政策担当大臣が議長代理を務める。ただし、科学技術政策担当大臣が置かれていないときは内閣官房長官が務める。
- 議長は必要があると認めるときには、上記に掲げる議員である国務大臣以外の国務大臣を特定議案に限って議員として参加させることができる。過去には、外務大臣、厚生労働大臣、農林水産大臣、国土交通大臣、環境大臣、防衛庁長官、経済財政政策担当大臣、防災担当大臣、構造改革特区担当大臣、少子化対策担当大臣、IT担当大臣などが会議に参加している。
科学技術政策フェロー
- 内閣府には、専門的な知識経験に基づき、科学技術イノベーションに関する専門的事項の調査・分析及び施策の推進に係る企画及び立案に従事する科学技術政策フェローが若干名おり、同会議及び事務局と協同している[3]。なお、調査官や調査員とは別格のものである。
産学官連携功労者表彰
- 企業や大学などの公的研究機関が連携した科学技術イノベーション活動において、顕著な功績があったと認められる個人または、団体に対して産学官連携功労者表彰を実施している。同会議及び政策統括官(科学技術・イノベーション担当)が取りまとめを行い、内閣総理大臣賞をはじめ、各大臣賞、主催者団体会長賞を表彰する、産学官連携分野では規模と栄誉が極めて大きい表彰である。また、複数のノーベル賞受賞者や文化勲章などの授与者らが、受賞・授与前に表彰されており、科学技術・イノベーション分野においても大きな価値がある表彰となっている[4]。
事務局
- 内閣府政策統括官(科学技術政策・イノベーション担当)が、産学官金などから幅広く登用された150名規模の職員とともに、総合科学技術会議の事務局機能を果たす。
脚注
- ↑ 「内閣府設置法の一部を改正する法律」の施行について - 科学技術政策 内閣府
- ↑ 内閣府設置法 法令データ提供システム
- ↑ 科学技術政策フェローについて 内閣府
- ↑ 産学官連携功労者表彰とは 内閣府
関連項目
- 科学技術会議(前身の組織名)
- 重要政策に関する会議
- 有識者議員
- 科学技術基本計画
- 日本学術会議
- 競争的資金 - 科学研究費助成事業
- 国家基幹技術
- イノベーション - オープンイノベーション - ベンチャー
- 産学官連携 - 産学官連携功労者表彰
- 知的財産 - 技術移転機関(TLO)
- 大学教育 - 学校 - 大学院 - 大学 - 短期大学 - 高等専門学校 - 研究大学 - 職業大学
- 独立行政法人 - 国立研究開発法人 - 特定研究開発法人
- 人工知能(AI) - IoT - VR
- ゲノム
- ES細胞 - iPS細胞
- 生命倫理 - 生命倫理学
- 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)
外部リンク
- 総合科学技術・イノベーション会議 - 内閣府
- 総合科学技術会議 - 首相官邸