高知駅
高知駅(こうちえき)は、高知県高知市栄田町二丁目にある、四国旅客鉄道(JR四国)土讃線の駅である。駅案内パネルのコメントは「龍馬とよさこい、日曜市の駅」。駅番号はD45、K00。 土讃線の駅番号は、高知駅を境にD(阿波池田・琴平・多度津方面)とK(須崎方面)に分かれる。
土讃線の列車のほかに、後免駅から乗り入れる土佐くろしお鉄道阿佐線(ごめん・なはり線)の列車も当駅を発着している。
とさでん交通桟橋線(駅前線)の高知駅前停留場(こうちえきまえていりゅうじょう)についてもここで述べる。
Contents
歴史
- 1924年(大正13年)11月15日:高知線の日下駅 - 高知駅間とともに開業。
- 1925年(大正14年)12月5日:高知線の高知駅 - 土佐山田駅間が延伸開業。
- 1928年(昭和3年)2月16日:土佐電気(のちの土佐電気鉄道)の高知駅前停留場開業[2][3]。
- 1935年(昭和10年)11月28日:高知線の路線名変更に伴い、土讃線の駅となる。
- 1951年(昭和26年)
- 1963年(昭和38年)12月18日:土讃線が土讃本線に改称[3]。
- 1971年(昭和46年)4月1日:二代目駅舎が開業。
- 1983年(昭和58年)6月1日:土佐電気鉄道(のちの土佐電ドリームサービス)空港連絡バスが当駅に乗り入れる。
- 1986年(昭和61年)11月1日:駅における貨物の取扱を廃止。代替として高知コンテナセンターが設置される。
- 1987年(昭和62年)
- 1988年(昭和63年)6月1日:土讃本線が土讃線に再改称[3]。
- 1990年(平成2年)11月1日:当駅構内に高知自動車営業所を開設。
- 2001年(平成13年)4月1日:高知駅前停留場をJR高知駅正面(現在の南口)に移設[2][3]。
- 2002年(平成14年)3月23日:高知駅構内北側にあった車両基地(高知運転所)を布師田に移転。
- 2003年(平成15年):駅弁の販売会社を中央食堂から仕出しのあんどう(安藤商店)に変更。
- 2004年(平成16年):高知駅高架工事着工。
- 2005年(平成17年)4月1日:JR貨物の高知駅が廃止。
- 2006年(平成18年)4月1日:高知コンテナセンターが高知オフレールステーションに改称。
- 2008年(平成20年)
- 2009年(平成21年)
- 2012年(平成24年)3月10日:駅舎の南北に駅名表示を設置。
- 2014年(平成26年)10月1日:土佐電気鉄道が高知県交通・土佐電ドリームサービスと経営統合し、とさでん交通が発足[5]。高知駅前停留場はとさでん交通の停留場となる。
駅構造
JR四国
高知駅 駅舎 | |
---|---|
情報 | |
用途 | 駅舎 |
設計者 | 四国旅客鉄道、四国開発建設、内藤廣建築設計事務所 |
構造設計者 | 川口衞構造設計事務所 |
構造形式 | S造、木造 |
延床面積 | 3,297 m² |
階数 | 3階 |
現駅舎は3代目で、2008年(平成20年)2月26日に完成した[4]。内藤廣設計の新駅舎ホームは、地元の杉材で作られたアーチ状の大屋根となっている。愛称は「くじらドーム」、大きさは、線路と平行する東西方面に60.9m、南北に38.5m、高さ23.3mで、杉のみではメンテナンス上問題があるため、外部にチタン亜鉛合金を使用している[6]。駅舎では、南国の明るく開放的なイメージを表現するために内部を白色で統一している。駅の利用客の動線上に市の観光案内所を設置し、逆に喫煙所は故意に動線から外す配置となっている[6]。
交換・待避設備を備えた島式ホーム2面4線の高架駅である。現駅舎は2代目駅舎と比べ、のりばが1線増えた[注 1]。新線への切り替え及び新駅舎の開業は、高架化工事にともない行われた。このドームをはじめとした鉄道駅付近高架化工事について、第7回日本鉄道賞のランドマークデザイン賞が送られている。当駅とその周辺の区間踏切11ヶ所は、高架化により廃止され、それまで駅北に隣接していた車両基地の高知運転所は2002年(平成14年)3月に高知市布師田へ移転した[注 2]。
JR四国では初となる自動改札機[注 3]と指定席券売機が導入された(指定席券売機の使用開始は2008年3月15日のダイヤ改正から)[6]。発車標は、2代目駅舎同様、3代目駅舎でも改札上部及び各ホームに設置されている(2代目・3代目駅舎とも全て3色LED式を使用)。また、3代目駅舎の各ホームには電照式の接近表示器も設置された。
3代目駅舎開業とともに、列車接近時のアナウンスにはBGMとして『アンパンマンのマーチ』が流れるようになった。当初は簡易的な放送だけであったが、2009年3月頃よりJR九州のPTCシステム「JACROS」をスタンドアローン化(放送装置だけを独立化させたもの)した詳細放送が導入された。アナウンスはJR九州の在来線(博多駅等)と同じ田尻敏明と長瀬祐子が担当している。これにより、種別・発車時分・行先・停車駅の案内が追加され、新たに予告放送、発車放送がされるようになった[注 4]。JR四国管内で詳細型自動放送を行う駅は高知駅が唯一である[注 5]。
のりば
のりば | 路線 | 方向 | 行先 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1・2 | ■土讃線 | 下り | 伊野・須崎・窪川・中村方面 | 特急・普通 |
上り | 土佐山田・阿波池田・高松・岡山方面 | 特急のみ | ||
2 | ■土讃線 | 下り | 伊野・須崎・窪川・中村方面 | 特急・普通 |
上り | 土佐山田・阿波池田・高松・岡山方面 | 特急(および一部の普通) | ||
3 | ■土讃線 | 上り | 土佐山田・奈半利・阿波池田方面 | 普通のみ(ごめん・なはり線直通あり) |
下り | 伊野・須崎・窪川・中村方面 | 普通のみ | ||
4 | ■土讃線 | 上り | 土佐山田・奈半利・阿波池田方面 | 普通のみ(ごめん・なはり線直通あり) |
特急列車は上下線とも売店のあるホームに面した1番線(一部は2番線)を使用[6]する。普通列車は下りが1・2・3番線、上りが3・4番線(一部は2番線)の発着である。なお、土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線に直通する列車は、主に4番線から発車する。2012年3月17日のダイヤ改正で、高知発土佐山田行き普通列車が23時台に設定された。これは今までの最終列車の時刻を繰り下げたものであり、それまでは22時台後半が最終だった。
- Kochi sta06n3872.jpg
木造の大屋根
- Kochi sta05s3200.jpg
構内
- Kochi station kaisatsu.JPG
改札口・コンコース
とさでん交通
東西方向に広がるJRの駅舎に南から直角に接する形で設置されている。配線は櫛形ホーム3面2線[注 6]で、桟橋線のほか伊野線県庁前方面へ直通する電車が乗り入れている[7]。ホームの先にはシーサスポイントがある[7][8]。
1928年(昭和3年)に開業した際の停留場は、桟橋線と国鉄の貨物線との接続が当時構想されていたことから駅前で西(左向き)に折れた場所にあった[2]。しかし貨物線と接続することはなく、1951年(昭和26年)に都市計画の中で東(右向き)に折れた場所へと移設[2]。その後自動車の増加に伴い、駅とは歩道橋で接続されるようになった[注 7]が、距離があり乗り換えに不便であったため、高知国体開催を控えた2001年(平成13年)に直進して駅前広場に乗り入れるようになった[2][9]。この当時、JRと土電の双方はタクシー・一般乗用車用の細い道路によって分割されていたが、道路上にも歩行者用に屋根が取り付けられており、外観は一体化していた。
JR高知駅の高架化による駅南口の再開発に伴い、JR駅入口の直前まで北側に30メートル移設する工事が2008年より行われ、2009年(平成21年)2月14日より新しい乗り場を2面1線で暫定的に使用し、3月11日に3面2線での全面使用が開始された。この移設に伴い、従来乗り入れができなかったハートラムの乗り入れが可能となり、5月14日の高知駅南口再開発完成式典の際に記念運行が行われた。
- Kochiekimae sta.JPG
南より望む
- KouchiekimaeStation.jpg
移設前の停留場(2006年10月)
駅弁
主な駅弁は下記の通り[10]。
- 焼きさば寿司 - 柚子入りの酢飯を用いた焼き鯖寿司[11]。「四国の駅弁選手権2013」の銅賞に選ばれた[11]。(本池澤)
- うなぎ弁当
- 彩弁当
- 龍馬弁
- 土佐っ子駅弁とさべん
- かつおたたき弁当
- よさこい弁当
利用状況
「高知県統計書」によると、1日の平均乗車人員は以下の通りである。
年度 | 1日平均 乗車人員 |
---|---|
1997年 | 6,302 |
1998年 | 5,993 |
1999年 | 5,657 |
2000年 | 5,527 |
2001年 | 5,399 |
2002年 | 5,461 |
2003年 | 5,379 |
2004年 | 5,205 |
2005年 | 5,134 |
2006年 | 5,027 |
2007年 | 5,156 |
2008年 | 5,171 |
2009年 | 4,942 |
2010年 | 5,062 |
2011年 | 5,018 |
2012年 | 5,091 |
2013年 | 5,210 |
2014年 | 5,027 |
2015年 | 5,291 |
2016年 | 5,276 |
2017年 | 5,277 |
- 1日平均乗車人員(単位:人/日)
駅周辺
北口東側にはバスターミナルがあり、空港連絡バスや高速バスなどが発着する。
高架化工事に関連して周辺の区画整理が進められることになり、駅前広場と合わせて5.6ヘクタールの土地を「よさこい咲都(さいと)」と命名し、街づくりが実施されている。駅北口の駅前広場は高架化と同日に使用開始し、またバスターミナルに隣接して税務署や法務局などが入る高知よさこい咲都合同庁舎が2011年2月に開庁した。西側には10月に駐輪場や駐車場が設置された。なお駐輪場はバスターミナル近くの高架下に開設されている。南口の駅前広場は、2代目駅舎とそれまでの駅前広場のあった場所を利用して整備が進められ、2009年5月1日より自動車の乗り入れが開始された。5月14日に完成記念式典が行われ、ひとまずの完成をみた。
南口
- こうち旅広場[13]
- 高知県高知警察署
- 高知中央郵便局
- 徳島銀行高知支店
- 高知情報ビジネス&フード専門学校
- 土佐鶴酒造 高知支店
- 高知県農協電算センター
- 高知ホテル
- コンフォートホテル高知駅前
- 国道32号
- 高知県道249号後免中島高知線
- 高知県道384号北本町領石線
- 江ノ口川
北口
- 高知よさこい咲都合同庁舎
- 高知地方法務局
- 高知税務署
- 高知赤十字病院
- 太平洋学園高等学校
- 高知県立高知江の口養護学校
- 高知市立江ノ口小学校
- 四国銀行よさこい咲都支店
- ドラッグセイムス高知駅前店
- 久万川
バス路線
駅南西側にあったバスターミナルが駅北側に移転し2008年7月28日より使用を開始した。これにより一般路線バスの運行経路変更、空港連絡バスの増便がはかられ利便性が向上した。
一般路線
- 比島を経由する各路線(とさでん交通、県交北部交通)
- 杉井流を経由する路線(とさでん交通)
- 34 美術館通・高知医療センター経由十津団地行き(とさでん交通)
- 38 美術館通・高知医療センター経由望海ヶ丘行き(とさでん交通)
- 83 比島行き(とさでん交通)
バスターミナルの開業によって多くの路線が乗り入れを開始したが、行先によっては高知駅バスターミナルでなく、高知駅前バス停(方向別に2箇所)に停車や、高知駅方面を経由しない路線もある。
空港連絡バス
両社は共同運行や共通乗車を行なわず、自動券売機も当初は別々に設置されるが利用者から不評がられ現在は共通乗車を行っている。バスターミナル開業より乗り入れることになった。2010年9月から高知駅前観光は駅東域を経由し空港への直行便を廃止、朝倉始発便と統合する形でとさでん交通と同様の運行経路となりはりまや橋など市中心部でも乗車を扱うようになった。
高速バス
(四国内)
- しまんとライナー さんご号 (中村・土佐清水・大月・宿毛方面、とさでん交通・高知西南交通)
- 黒潮エクスプレス(観音寺・善通寺・丸亀・高松駅方面、JR四国バス・四国高速バス・とさでん交通)
- なんごくエクスプレス(三島川之江・川内インター・大街道・松山駅方面、JR四国バス)
- ホエールエクスプレス(三島川之江・川内インター・大街道・松山駅方面、とさでん交通・伊予鉄バス)
- 高知徳島エクスプレス(三好・美馬・脇町・土成・上板・徳島駅方面、JR四国バス・とさでん交通・徳島バス)
(中国方面)
(近畿、中部方面)
- ハーバーライナー(神戸三宮方面、とさでん交通・神姫バス)
- よさこい号(大阪梅田方面、とさでん交通・阪急バス)
- 高知エクスプレス号(神戸三宮・大阪・京都方面、西日本JRバス・JR四国バス)
- ドラゴンライナー【夜行便】(京都・名古屋方面、とさでん交通)
- コトバスエクスプレス【夜行便】(コトバスステーション鳴門インター乗換 名古屋方面、琴平バス)
(関東方面)
- ドリーム高知号【夜行便】(池尻大橋・バスタ新宿・東京駅・新木場駅方面、JR四国バス・JRバス関東)
- ブルーメッツ号【夜行便】(バスタ新宿方面、とさでん交通・小田急シティバス)
- スマイルライナー【夜行便】(バスタ新宿・東京・東京ディズニーランド方面、高知駅前観光)
- コトバスエクスプレス【夜行便】(コトバスステーション鳴門インター乗換 東京方面、琴平バス)
(九州方面)
- コトバスエクスプレス【夜行便】(宇多津駅南口乗換 福岡方面、琴平バス)
周遊観光バス
- MY遊(まいゆう)バス(とさでん交通、南口のこうち旅広場前にあるJR高知駅バス停)
隣の駅
※特急「南風」「しまんと」「あしずり」(うち「あしずり」は当駅が発着駅)の隣の停車駅は各列車記事を参照。また、土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線からの乗り入れ列車は当駅が終点となる。
- 四国旅客鉄道(JR四国)
- ■土讃線
- (※)普通列車の朝上り1本は薊野駅を通過する。
- とさでん交通
- 桟橋線(駅前線)
- 高知駅前停留場 - 高知橋停留場
脚注
注釈
- ↑ 地上駅時代は2面3線で1970年(昭和45年)に完成した旧駅舎(2代目)は1番線に接続しており、両ホームは跨線橋によって結ばれていた旧国鉄の一般的な地方駅であった。
- ↑ 名称は移転後もそのままである。
- ↑ JR四国で初めて自動改札機が設置されたため当駅に停車する列車では車内放送で高知到着時に自動改札機の利用方法の案内もあった。
- ↑ ただし、同じJACROSの放送と違い、駅名放送・乗り換え案内等は省略されている。発車放送も発車ベルと連動していない。(当駅ではワンマン列車発車時に発車ベルを鳴らさないため)
- ↑ 高松駅、松山駅などその他のJR四国の駅の自動放送は「列車がまいります」と放送するだけで行き先や両数は駅員の肉声で案内される。
- ↑ 本来のホームを2線とも使用している際、弾力的に使用できる降車専用ホームが存在する。
- ↑ 2009年現在も歩道橋は残存しており、停留場への階段を撤去した痕跡が残っている。
出典
- ↑ 日本国有鉄道旅客局(1984)『鉄道・航路旅客運賃・料金算出表 昭和59年4月20日現行』。
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 土佐電鉄の電車とまちを愛する会 『土佐電鉄が走る街 今昔』 JTBパブリッシング〈JTBキャンブックス〉、2006年、67・101・156-158頁。ISBN 4-533-06411-6。
- ↑ 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 今尾恵介(監修) 『日本鉄道旅行地図帳』11 中国四国、新潮社、2009年、58-61。ISBN 978-4-10-790029-6。
- ↑ 4.0 4.1 “高知市でJR高知駅“7年”の記念式典 園児が合唱で祝う”. 高知新聞(高知新聞社). (2015年2月23日)
- ↑ 上野宏人 (2014年10月2日). “とさでん交通:「再出発」 「便利な市民の足に」高知で設立式 新デザインの車両披露”. 毎日新聞 (毎日新聞社)
- ↑ 6.0 6.1 6.2 6.3 交通新聞 2008年2月26日 第4面
- ↑ 7.0 7.1 川島令三 『四国・九州ライン 全線・全駅・全配線』第2巻 四国西部エリア、講談社〈【図説】 日本の鉄道〉、2013年。ISBN 978-4-06-295161-6。
- ↑ 川島令三 『全国鉄道事情大研究』四国篇、草思社、2007年、283-285。ISBN 978-4-7942-1615-1。
- ↑ 服部重敬(編著) 『路面電車新時代 LRTへの軌跡』 山海堂、2006年。ISBN 4-381-01816-8。
- ↑ 『JR時刻表』2017年3月号、交通新聞社、2017年、 496頁。
- ↑ 11.0 11.1 伊藤遥(2014年5月2日). “四国の駅弁選手権:ナンバーワンは中村駅の「こだわりの四万十うなぎ弁当」 地元の幸をふんだんに−−JR四国”. 毎日新聞 (毎日新聞社)
- ↑ 会社案内 - JR四国
- ↑ こうち旅広場 - 公益財団法人高知県観光コンベンション協会(よさこいネット)、2016年3月29日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 四国の駅情報 | 高知駅 - 四国旅客鉄道
テンプレート:土讃線 (阿波池田地区)
テンプレート:土讃線 (須崎地区)
テンプレート:土佐くろしお鉄道阿佐線
テンプレート:とさでん交通桟橋線