菊陽町

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菊陽町(きくようまち)は、熊本県中部にあるで、菊池郡に属する。近年、熊本市のベッドタウン化が進み、人口増加率が全国トップクラスとなっている。

地理

熊本市の北東側に隣接する町。町の中南部を白川が西流しており、沿岸には河岸段丘(段丘崖)が広がっている。また、北部では堀川が流れており、流域には数多くの用水路が張り巡らされている。

人口

熊本市の中心部まで約15km程度で鉄道で20分、バスで約30分で移動できることからベッドタウンとしての性格が強まり人口が急増している。特に住宅地「光の森」の分譲が始まってから、町の人口増加率は熊本県内の自治体としては最も高い数値を示す。

菊陽町(に相当する地域)の人口の推移
総務省統計局 国勢調査より

統計

項目 県内順位 調査年度
人口 36,383 11/47位 2009年10月1日現在
人口増減率 2.37 1/47位 2008年-2009年
世帯数 13,518 11/47位 2009年10月1日現在
1世帯当たり人員 2.69 35/47位 2009年10月1日現在
平均年齢 40.0 47/47位 2005年(国勢調査
老年人口割合 16.6 47/47位 2009年10月1日現在
老年化指数 94.0 47/47位 2009年10月1日現在

隣接している自治体・行政区

地名

  • 久保田(旧津田村)
  • 津久礼(旧津田村)
  • 原水(旧原水村)
  • 辛川(旧白水村)
  • 戸次(旧白水村)
  • 馬場楠(旧白水村)
  • 曲手(旧白水村)
  • 光の森1丁目~7丁目(2007年、津久礼より分立)
  • 新山1丁目~3丁目(2008年、津久礼・原水より分立)
  • 杉並台1丁目~2丁目(2008年、原水より分立)
  • 武蔵ヶ丘1丁目~3丁目(2009年、津久礼より分立)
  • 武蔵ヶ丘北1丁目~3丁目(2010年、津久礼より分立)
  • 向陽台(2011年、津久礼より分立)
  • 花立1丁目~3丁目(2011年、津久礼より分立)
  • 沖野1丁目~4丁目(2013年、原水より分立)

歴史

町の歴史(近現代)

  • 1914年6月 豊肥本線が開通、三里木駅開業
  • 1920年7月 原水駅開業
  • 1971年4月 熊本空港開港
  • 1987年3月 サンリー菊陽寿屋開業
  • 1992年4月 菊陽バイパス開通
  • 1998年6月 さんさん公園開園
  • 1999年3月 国体道路南北線・東北線開通
  • 2001年10月 ソニーセミコンダクタ九州熊本工場稼動
  • 2002年1月 新免許センター開業
  • 2002年5月 寿屋破綻により、サンリーの営業がジャスコに引き継がれる
  • 2004年4月 人口3万人突破
  • 2004年6月 ゆめタウン光の森開業
  • 2004年10月 熊本北郵便局開業(菊陽郵便局の局種改定・移転)
  • 2006年10月 富士フイルム九州新工場稼動
  • 2015年4月 人口4万人突破[1]

行政区域の変遷

行政

歴代首長

1995年刊行 『菊陽町史』より[2]

首長名 就任期間 備考
1 松岡拓平 1955年4月1日 - 1959年3月31日
2 齊藤兼亀 1959年4月1日 - 1966年9月2日 任期途中で逝去、8代原水村村長
3(村長)
1(町長)
阪本貢 1966年10月15日 - 1978年10月13日 就任期間中の1969年に町制施行
2 冨永清次 1978年10月15日 - 2006年10月13日
3 後藤三雄 2006年10月14日 - 現職(2期目)

平成の大合併

周辺の合志町西合志町大津町合併し、2005年に東熊本市として市制を施行するべく法定協議会を設けていたが、大津町が協議会から離脱したため2004年10月に協議会の休止が決定され、合併不成立に終わった。当面は合併の予定はなく、単独町政を継続する方向を示している。

財政

主な施設

後述のショッピングセンター空港などは除く。

町営施設

  • 総合交流ターミナルさんふれあ - 杉並木公園内に設けられている、温泉を核とする施設。
  • 町立図書館
  • 町立体育館
  • 中央公民館
  • 三里木町民センター
  • 西部町民センター
  • 東部町民センター
  • 南部町民センター
  • 光の森町民センター「キャロッピア」 - 地域センター、西部支所、体育館、子育て支援センターの4つの機能を備えた複合施設。2015年3月オープン。武蔵ヶ丘支所から役場の出張機能を移転させた[4]
  • ふれあいの森研修センター
  • ふれあい福祉支援センター

その他施設

経済

  • 町内総生産 2,718億円(2012年度)[5]
    • 2001年度は約791億円であり、年々増加している。

菊陽町に本社を置く主要企業

農業

主に菊陽町の南部及び東部では農業が盛んである。特に南部の白川周辺域は熊本都市圏に於ける地下水涵養に重要な役割を果たす事から、地下水保全の為に2004年熊本市及び大津町と共に、休作中の畑田に水を張る農家に助成金を払うという「白川中流域における水田湛水推進に関する協定」を結んだ。また、にんじんは国から産地指定を受けており、『熊本長人参』『菊陽人参』などのブランドで全国に出荷している。なお、菊陽町のマスコットキャラクターはこのにんじんをモチーフにしたキャロッピーである。

  • 主な特産品
    • にんじん(フルーツニンジン)

工業

昭和50年代まで工業分野では目ぼしい成果が無かったが、昭和末期である1987年1月より東京エレクトロン九州熊本工場が稼動。そして、2002年第2テクノパーク(後にセミコンテクノパークに改称)にソニーセミコンダクタ九州(現・ソニーセミコンダクタ)が工場を稼動してからは、半導体関連企業の進出が相次いだ。特に都築紡績熊本工場跡に建設された富士フイルム九州工場がその最たるものである。半導体工場の進出が相次いだ理由としては、工場に必要な地下水が豊富であること、熊本空港及び九州自動車道熊本インターが近く交通の便が良いこと、中国や韓国などに近くアジア戦略の拠点となりやすいこと、等を進出企業がマスコミのインタビューで挙げている。

主な工場

※東京エレクトロン九州熊本事業所(元熊本工場)は2008年10月をもって閉鎖、合志市に本拠地を移転。

本社を置く企業

商業

1980年代前半には隣接する熊本市武蔵ヶ丘にムサシプラザ、ニコニコドー武蔵ヶ丘店、寿屋楠店(現在全て閉店、ただしムサシプラザは改築の上で2006年12月営業を再開した)、或いは熊本市内中心部の鶴屋などがあり、町民は地元の商店で揃わない物はそこまで買いに出かけていたが、1987年寿屋菊陽店(サンリー、現ジャスコ菊陽店)が開店してからは市内に出かける事も少なくなった。寿屋が実質倒産した後、菊陽店は寿屋系列の中でも売り上げが高い方であり宇土店・玉名店などと同じく中心店舗の一つであったため寿屋の店舗が次々閉鎖される中、宇土店・玉名店と共にジャスコ(AEON)が買い取り再オープンした。更に、2004年、熊本県住宅供給公社が開発を進めていた光の森に約120のテナント及びシネコンを揃えたゆめタウンが開店して、光の森に飲食店・ファッション関係の店などが数多く進出している。 2013年には東京エレクトロン九州工場跡地に大規模商業地を開発[7]菊陽 MEGA MALLとしてHIヒロセドン・キホーテなどが展開している。

主な商業施設

通信環境

ケーブルテレビ

  • 熊本ケーブルネットワーク(JCN熊本)
    • これまで熊本市のみだったサービスエリアが、光の森の発展に伴い2005年から周辺地域に拡大している。

インターネット

※但し、町東部(原水駅周辺など)や南部(熊本空港周辺)などはこれらのサービスエリア外となっている。

姉妹都市・提携都市

国内

地域

教育

大学

高校

町内には高校は公立・私立ともに存在しない。公立高校に関しては、菊陽町は「熊本県立高等学校の通学区域に関する規則」では県央学区となり、熊本市内の公立高校及び御船高校宇土高校などへ通学することが出来る[8]。また、県北学区に属する大津高校は、特例として菊陽町も通学区域となっている[8]

中学校

町立

小学校

町立

学校教育以外の施設

交通

空港

滑走路の大部分は菊陽町(ターミナルビルは益城町)。

鉄道

バス

路線バス

2008年10月には熊本電鉄バスの三里木経由竹迫線が休止、2015年11月30日に産交バスの路線網再編により三里木地区以東の路線が短縮・廃止された[9]ことにより、町北部・東部・南部地区では公共交通機関としてのバスは産交バスの子8系統とコミュニティバスキャロッピー号のみとなっている。ただし、道明地区では1日1または2往復、子15系統の熊本交通センター - 熊本リハビリテーション病院線が運行されている。

町内では、日 - 金曜日において上記2社のバスを利用したコミュニティバス「キャロッピー号」を運行している。

高速バス

最寄のバス停は武蔵ヶ丘バスストップ又は松の本バスストップ(どちらも熊本市)。特に武蔵ヶ丘バスストップは、熊本交通センターを発着とする福岡方面・長崎方面および本州方面行き全ての高速バスが停留する。

道路

高速道路

九州自動車道が町の西部を通っているが、町内に施設はない。最寄りインターチェンジは熊本インターチェンジ

一般国道

ファイル:Route 57 Kumamoto-Kikuyo border.JPG
国道57号線上の菊陽町と熊本市の境界

主要地方道

一般県道

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

名所

  • 菊陽杉並木公園さんさん(総合交流ターミナルさんふれあ)

旧跡

祭り

  • 御法使祭り
    • 神輿を担いで地区内を廻り、最後には神輿を破壊する奇祭。菊陽町・西原村・益城町にある12地区が1年毎に持ち回り。
  • 蘇古鶴神社年限祭
    • 鉄砲小路で25年に1度開かれる祭事。近年では2009年に行なわれており、次は2034年の予定である。

スポーツ施設

菊陽町関連の有名人

出身

在住

  • 川崎のぼる - 漫画家。2003年に妻の実家がある熊本へ移住した(この時の様子はテレビ番組にも採り上げられている)。現在は絵本作家として活動する傍ら、熊本県関連のイラストも数多く手掛けている。2016年4月の熊本地震の際は、くまモン左門豊作が共演した被災者を励ますイラストを執筆した。

ゆかりのある人物

郵便番号

869-1101 大字津久礼
869-1102 大字原水
869-1103 大字久保田
869-1104 大字戸次
869-1105 大字馬場楠
869-1106 大字曲手
869-1107 大字辛川
869-1108 光の森1~7丁目 2007年8月11日追加
869-1109 新山1~3丁目 2008年3月1日追加
869-1110 杉並台1~2丁目 2008年3月1日追加
869-1111 武蔵ヶ丘1~3丁目 2009年10月6日追加
869-1112 武蔵ヶ丘北1~3丁目 2010年3月1日追加
869-1113 花立1~3丁目 2011年3月7日追加
869-1114 向陽台 2011年3月7日追加
869-1115 沖野 2013年2月28日追加
869-1100 上記地域以外
869-1192 菊陽町役場
861-8799 熊本北郵便局

大字津久礼が広大であり人口も増加した事に伴い、2007年度より住居表示に関する法律による住居表示事業を進めている。その為、新規の郵便番号が住居表示を実施した地区に割り当てられているが、光の森に関しては土地区画整理による町名の変更であり住居表示とは異なる。

脚注・出典

外部リンク