核兵器廃絶国際キャンペーン
略称 | ICAN(アイキャン) |
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設立年 | 2007年[1] |
設立者 | ティルマン・ラフら[2] |
本部 |
スイス・ジュネーヴ 150 Route de Ferney[3] |
座標 | 東経6度7分43秒北緯46.23度 東経6.12861度 |
事務総長 | 事務局長ベアトリス・フィン |
ウェブサイト | http://www.icanw.org/ |
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核兵器廃絶国際キャンペーン(かくへいきはいぜつこくさいキャンペーン、英: International Campaign to Abolish Nuclear Weapons、略: ICAN アイキャン,アイカン)は、各国政府に対して、核兵器禁止条約の交渉開始・支持のロビー活動を行う目的で設立された国際的な運動(キャンペーン)の連合体である[4][5]。赤のピースマークと弾頭(加害の主体を成す部分)が折られたミサイルのイメージがシンボルになっている。
沿革
2005年5月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議で成果が得られず、反核運動家の間に危機感が広がる中、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)のオーストラリアの会員が、地雷禁止国際キャンペーン(ICBL)の主導で1997年に対人地雷全面禁止条約が成立したことに着目し、2006年9月のIPPNW世界大会で核兵器禁止の条約づくりを提案した[2]。同大会に出席した広島市長の秋葉忠利が協力を表明し、秋葉が会長を務める平和首長会議が最初の賛同団体になった[2]。
条約づくりの取り組みの拠点として2007年4月メルボルンに事務所が開設され、ICANが発足し[2]、核兵器禁止条約の採択などに貢献した。その後、2017年にノーベル平和賞を受賞した。2017年現在、101か国で468の提携組織が活動している。
ノーベル平和賞
2017年にノーベル平和賞を受賞した。同年12月10日のオスロでの受賞式では、事務局長のベアトリス・フィンと、組織の一員で広島市出身の被爆者でもあるサーロー節子が、演説を行った[6]。
長年にわたって核兵器の廃絶を訴えていた被爆者らなどが受賞を祝福した[7]一方で、エコノミスト誌のように、実効性の面から受賞の妥当性に疑問を抱く声もある[8]。
事務局長の来日
2017年12月6日、長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)は、事務局長のフィンが翌月長崎を訪問すると発表[9]。2018年1月12日-18日フィンが来日し、RECNA主催のシンポジウムでの基調講演[10]、長崎原爆資料館での長崎市長田上富久との会談[11]、広島平和記念資料館訪問、被爆者との会談[12]、与野党の国会議員との討論集会出席[13]、創価学会本部訪問[14]などをおこなった。首相である安倍晋三との会談を希望していたが、日程の都合がつかず実現しなかった。
- 2017年12月14日 - 政府は首相の東欧歴訪を1月12日から1月18日までの日程で調整中[15]と報道[16]。
- 2018年1月15日 - ICAN側は2017年12月下旬より二度にわたり、1月16日から1月18日までの期間におけるフィンと首相の会談を要請したが、1月14日までに外務省経由で日程の都合を理由に面会できないとの回答があったと発表[17]。
これに対しフィンは、「日本政府は(核保有国と非保有国の)橋渡し役を担いたいと言っているので話し合いたかった。大変失望している。次の機会に期待したい」と述べた[18]が、首相が欧州歴訪から帰国したのは17日の夕方であり[15]、18日は午前から日豪首脳会談の関連行事が控えており、与党内には「面会を断られる姿を演出するために要請してきたのでは…」との声もあった [19]。
また、フィンは来日中の広島市における講演で、核兵器禁止条約に参加しない日本政府を「(核廃絶を求める)合理的な国際社会から足を踏み外した」と批判した。唯一の戦争被爆国である日本が条約に反対していることに「広島、長崎以外で同じ過ちが繰り返されていいと思っているのではないか」と指摘し、「被爆地と日本政府の隔たりは大きく、埋める必要がある」と訴えた[20]。16日に東京都の日本記者クラブで会見を行い、「日本は国際社会の仲間外れになり得る」と核兵器禁止条約に日本が参加していないことを批判した。
会談の要請を受けなかった首相については、「条約に署名したからといって、同盟国との関係が崩れることはない」と条約批准の必要性を訴えた。また、日本が条約に参加するための問題点を検証する委員会の設置を提案し、国民を含めた幅広い議論を呼び掛けた[21]。
提携する組織
以下の組織などを国際的な提携組織としている[22]。
- 国際反核法律家協会
- 国際友和会
- 国際平和ビューロー
- 核戦争防止国際医師会議
- 地球的責任のための技術者・科学者国際ネットワーク
- 国際労働組合総連合
- 国際社会主義青年同盟
- 平和首長会議
- 創価学会インタナショナル
- ユニ・グローバル・ユニオン
- 世界教会協議会
- 国際連合協会世界連盟
- 婦人国際平和自由連盟
また、日本における提携組織は、ヒューマンライツ・ナウ、核戦争防止国際医師会議日本支部、ピースボート、核戦争に反対する医師の会、プロジェクト・ナウ[23]である[22]。
脚注
- ↑ “Campaign overview”. International Campaign to Abolish Nuclear Weapons. . 2017閲覧.(英語)
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 “ICAN創設者「核禁止の後押しに」 平和賞に至る道程”. 朝日新聞. (2017年10月6日) . 2017閲覧.
- ↑ “Contact ICAN”. International Campaign to Abolish Nuclear Weapons. . 2017閲覧.(英語)
- ↑ Campaign overview - ICAN公式サイト
- ↑ 核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の概要 - 核兵器廃絶日本NGO連絡会
- ↑ Onternational Campain to Abolish Nuclear Weapons (ICAN) - Nobel Lecture
- ↑ AFP- 時事通信社, ロイター, 共同通信社, AP通信. “Anti-nuclear campaign ICAN awarded Nobel Peace Prize”. . 2017閲覧.
- ↑ エコノミスト (2017年10月6日). “This year's Nobel peace prize rewards a nice but pointless idea”
- ↑ “ICAN フィン事務局長、来年1月長崎へ”. 『毎日新聞』 (2018年1月12日). . 2018閲覧.
- ↑ “被爆者尽力で核禁止条約生まれた ICANフィンさん、長崎で感謝の講演”. 東京新聞. (2018年1月14日) . 2018-1-14閲覧.
- ↑ “ノーベル平和賞 ICAN事務局長が長崎訪問”. 『毎日新聞』 (2018年1月12日). . 2018閲覧.
- ↑ “WEB特集 ノーベル平和賞 ICAN事務局長が見た「核と日本」”. 日本放送協会 (2018年1月22日). . 2018閲覧.
- ↑ “核兵器禁止条約 国会で議論を ICANのフィン事務局長、国会議員と討論集会 /広島”. 『毎日新聞』 (2018年1月23日). . 2018閲覧.
- ↑ “ICANの事務局長が総本部を訪問”. 創価学会 (2018年1月18日). . 2018閲覧.
- ↑ 15.0 15.1 17日午後に帰国。“首相が濃茶を堪能 表千家の「初釜式」でつかの間の息抜き”. 産経新聞. (2018年1月17日) . 2018-1-18閲覧.
- ↑ “安倍首相、来月欧州6カ国歴訪へ”. 共同通信. (2017年12月14日) . 2017閲覧.
- ↑ “ICAN japanese(ICAN日本語版公式Twitterアカウント)”. (2018年1月14日) . 2018-1-14閲覧.
- ↑ “核兵器廃絶へ「希望・活力が武器」 ICAN事務局長、広島で若者に”. 朝日新聞. (2018年1月16日) . 2018-1-16閲覧.
- ↑ “ノーベル平和賞のICAN事務局長の来日、安倍政権批判目的だった?主要運営団体は「ピースボート」”. (2018年1月22日) . 2018-1-26閲覧.
- ↑ “ICAN事務局長が広島で講演”. 共同通信. (2018年1月15日) . 2018-1-15閲覧.
- ↑ “ICANの事務局長 核兵器禁止条約めぐり「日本は国際社会の仲間外れになる」”. ライブドアニュース. (2018年1月17日) . 2018-1-17閲覧.
- ↑ 22.0 22.1 “Partner organizations”. International Campaign to Abolish Nuclear Weapons. . 2017閲覧.(英語)
- ↑ 英: Project Now
関連項目
外部リンク
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