朝鮮民主主義人民共和国
正式名称 朝鮮民主主義人民共和国。
面積 12万2762km2
人口 2472万(2013推計)
首都 ピョンヤン(平壌)特別市
アジア大陸の東部にある朝鮮半島の北半を占める社会主義国。
行政区はピョンヤン特別市,ケソン(開城)地区(ケソン〈開城〉市),チョンジン(清津)直轄市と八つの道に分かれる。北はアムロク(鴨緑)江,トゥマン(豆満)江を境に中国,ロシアと接する。地形は北東部が高く,ハムギョン(咸鏡)山脈,ペクトゥ(白頭)山脈,ケマ(蓋馬)高原などからなる。ケマ高原の西縁をランリム(狼林)山脈が走って,南はトンジョソン(東朝鮮)湾の湾奥付近に達し,その南にテベク(太白)山脈が続く。ランリム山脈,テベク山脈から南西方向に支脈が並走し,西海岸付近に達する。西海岸に注ぐ河川はテドン(大同)江,チョンチョン(清川)江など朝鮮半島での大河を含み,流域には準平原と沖積平野が発達。東海岸側の河川は流路が短く,平野も規模が小さい。気候は寒暑の差が大きく,月平均気温は南部のピョンヤン市で-8℃(1月)~24℃(7月),北部のチュンガン(中江)で-21~22℃。年降水量は 800~1500mmで 60%が 6~8月に降る。
主作物は米,トウモロコシ,コムギ,オオムギ,ジャガイモ,サツマイモ,ダイズなどで,リンゴを中心とする果樹作,牧牛,養鶏,養蚕も行なわれたが,自然災害や機械化の遅れにより生産力は低下した。
沿岸の各港で漁業が盛んであり,東岸のキムチェク(金策)市,シンポ(新浦)市は遠洋漁業の基地。ペクトゥ山脈一帯では林業が行なわれ,ヘサン(恵山)市などに製材,製紙の工場が立地する。地下資源は種類,量とも豊富で,石炭,鉄,銅,鉛,亜鉛,マグネサイト,金,銀,黒鉛などを産したが,設備が老朽化して衰えた。またアムロク江とその支流に大型ダムが建設され,電力を供給している。重化学工業では,ソンリム(松林)市,カンソン(降仙),チョンジン市,キムチェク市に鉄鋼関連の工場が,フンナム(興南)市にビニロン工場,肥料工場などがある。ほかに機械,精密機械,電機,造船,冶金などの工場がある。
中国,大韓民国(韓国),ロシア,日本,タイなどと,食品,燃料,衣料品などの輸入,家畜,農産物,衣料品などの輸出を行なう。鉄道はピョンヤン市,ウォンサン(元山)市を起点としておもな町を結ぶ。テベク山脈中のクムガン(金剛)山は奇岩奇峰で知られる景勝地。ペクトゥ山一帯は抗日革命運動の戦跡が多い。(朝鮮史)