静岡新聞
静岡新聞(しずおかしんぶん)は、静岡新聞社(静岡県静岡市駿河区)が発行する地方紙である。略称は「静新(しずしん)」。
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概要
配布地域は静岡県と愛知県豊橋市。発行部数は朝夕刊セットで約64万3千部。静岡県内の市場占有率は朝刊59%・夕刊80%と優位ではあるが、浜松市を中心とした地域では、中日新聞との競合が激しい。
購読料は朝夕刊セットで月額2,980円である[1]。朝刊一部売りは130円。
夕刊に毎日掲載される「茶況」欄を持ち、茶の相場取材を担当する専門記者がいる。また、以前には「平成茶考」というユニークな企画も存在していた。
地方紙としては数少ない、別刷りの土曜版「とっとこ静岡」を発行している。2010年4月に体裁をブランケット版8ページからタブロイド版16ページに変更し、日曜版から土曜版にリニューアルした。
号外を発行することはほとんどなく、重要な出来事があった際は「静岡新聞 速報」として主要駅周辺のデパートや駅ビル、新聞販売店などに貼り出されることが多い。そして、この記事を直接見た読者の声が紙面に掲載されることもある。また、静岡新聞社主催のイベント会場内で、そのイベントに関する情報を「オリジナル号外」として配布することがある。2010年6月2日に、鳩山由紀夫首相(当時)が辞任した際には、駿河湾地震の際以来10か月ぶりに号外を発行し配布した。同年6月25日にも、サッカーW杯で日本代表が決勝トーナメントに進出した際に発行した。
山梨県の山日(さんにち)YBSグループ(山梨日日新聞(やまなしにちにちしんぶん)、山梨放送など)とは友好関係にある。これは、静岡新聞オーナーの大石家は、山日YBSグループオーナーの野口家と姻戚関係にあるためである。
静岡県は東海地震の想定される地域であり、そのため普段から地震を特集した記事がよく掲載される。また震災被害による印刷不可能な状態を想定して、山梨日日新聞や信濃毎日新聞と非常時の提携を取り交わしており、印刷原盤をヘリコプターで輸送し印刷してもらえるように体制を整えている。
1964年5月10日から日曜日、祝日の夕刊を廃止した。2011年2月1日、土曜日の夕刊を4月から廃止することを発表した。この背景には、土・日の週休2日制が定着してきたことや、土曜日に家族で外出する機会が増えたことなどによるライフスタイルの変化があげられる。それらに合わせる形として、社内調査などの結果を踏まえ、土曜夕刊はその役割を終えたと判断し、廃止を決定した[2]。土曜夕刊廃止後も月ぎめ購読価格は据置となる。その一方、日曜日付で小・中学生とその親に向けた別刷り紙面(タブロイド版)を発行することも同時に発表した[3]。
土曜日夕刊が休刊となるのは、元から朝刊だけしかないものは別として、沖縄タイムスと琉球新報(いずれも沖縄県)が一時期毎月第2週土曜に夕刊を休刊した例はある[4]が、毎週の休刊は全国的にも珍しく、2011年6月には東奥日報(青森県)、2012年10月には朝日新聞(名古屋本社版)も土曜日の夕刊を廃止した。
沿革
- 1961年 カラー印刷を開始。
- 1964年5月10日から日曜日、祝日の夕刊を廃止。
- 1970年3月 静岡市紺屋町15番地の4から石田609番地(現駿河区登呂三丁目)の新社屋に移転。
- 1997年3月 制作センター完成。
- 2011年4月 土曜日の夕刊を廃止。
テレビ・ラジオ欄
静岡新聞の朝刊テレビ欄は、最終面ではなく中面に見開きで掲載。中面見開きで広告が掲載される場合や、特集記事を組む場合は、別刷りとなる日もある。
左側のページ(メインテレビ面)はNHKと民放4局を掲載。右側のページ(第2テレビ面)は衛星放送に加えて、東京・神奈川の民放6局、愛知の民放5局を掲載。
- テレビ欄
メインテレビ面 (見開き左側・フルサイズ) |
第2テレビ・ラジオ面 (見開き右側) | |||
---|---|---|---|---|
地上波 | 衛星放送 ハーフサイズ |
周辺県域地上波 小サイズ | ||
NHK BS1 1 |
- ラジオ欄
周波数 サイズ別 |
大サイズ | 中サイズ | 小サイズ |
---|---|---|---|
中波・短波 | SBSラジオ | NHK静岡ラジオ第1 NHK静岡ラジオ第2 |
TBSラジオ 文化放送 ニッポン放送 ラジオ日本 CBCラジオ 東海ラジオ ラジオNIKKEI |
FM | K-MIX NHK静岡FM |
TOKYO FM J-WAVE FMヨコハマ FM-FUJI @FM ZIP-FM |
これまで東部・伊豆の一部地域では、静岡放送以外の在静民放は第2テレビ面のハーフサイズで掲載し、その分在京キー局のものをメインテレビ面へフルサイズ(テレビ朝日のみフルサイズだが第2テレビ面)で載せていたが、メインテレビ面を「全県共通版」にするため「東部・中部版」と統合し、在静局はメインテレビ面(同時に西部版との共通編集へ移行)在京局は第2テレビ面と再編された。また、BSデジタルの番組表はラジオ欄の下2段を使っての掲載を改め、第2テレビ面に統合された。
2009年10月から2011年9月まで[5]は、左端にNHKのBS2局をハーフサイズ、その次の2列に在京民放系列BS各局(2011年3月31日まではNHKハイビジョンも)をクォーターサイズで、4列目からは在京・在名キー局の番組表をハーフサイズで系列局ごとにまとめて掲載していた(tvkはテレビ東京の隣の列、テレビ愛知は広告の関係もありクォーター2列で掲載)。2011年10月から[6]は在京と在名のキー局は、左端2列のクォーター(ページ左側が在名局、右側が在京局。tvkはテレビ東京の隣)に移り、BSは在京キー局系など無料放送の全チャンネルと、WOWOWの3つ、スターチャンネル1、BSスカパー!をハーフサイズで収録するようになった。
2011年7月24日の地上デジタル放送完全移行に伴い、第2テレビ面の東部・中部版と西部版は統合され「全県共通版」に変更された。
静岡新聞の夕刊番組表は2009年11月に改編が行われた。
BSデジタル放送各局を最終面に新規掲載する代わりに、SBSラジオを除くラジオ番組表が中面に移行した。また、これまでは東・中・西の地域別編集だった夕刊番組表は「全県共通版」に変更された。[7]
以前は東部向けのNHK総合テレビ番組表において、NHK東京が視聴できることを意識して【東京別】の表記がなされることがあった。
地域面
静岡新聞では、地域の実情に合わせて3つの地域面を編集し、配布地域ごとに差し替えている。また、紙面の広告はさらに細かく7地域に区分されている(太字は紙面の肩に表記される区分)。
- 東部版…東 地域版の名称「伊豆・東部」
- 沼津・三島版(伊豆地方含む)…沼
- 岳南版…岳
- 中部版…中 地域版「静岡」「志太・榛原」
- 静岡版(静岡市葵区・駿河区)…静
- 清水版(静岡市清水区)…清
- 志太・榛原版…志
- 西部版…西 地域版「浜松」「遠州」
- 磐田・掛川版…掛
- 浜松版…浜
- 地域区分については静岡新聞の発行部数(外部リンク)を参照のこと。
四コママンガ
朝刊
現在
- ゴンちゃん(かまちよしろう) - 2009年4月1日から連載開始。作者のかまちは静岡県出身。静岡以外では山梨日日新聞・福島民報・岐阜新聞・北日本新聞・京都新聞・日本海新聞・大阪日日新聞・四国新聞・長崎新聞・宮崎日日新聞(いずれも朝刊)、神戸新聞(夕刊)・中国新聞(朝刊別刷りの中国新聞SELECT)にも同時連載中。
過去
- チッちゃん
- アラ・マー子さん
- コッ平くん
- おとぼけ坊や
- タイコさん
- らくてんさん
- おぉ!エル子さん
- キラキラおやじ
- ユックリくん
- 雑草社員
- ドレミファ家族
- フルーツさん
- こつぶちゃん(吉本どんど) - 山梨日日新聞にも連載されていた。登場するキャラクターの名前に静岡・山梨の名前を連想するものが多かった。
夕刊
現在
- あんずちゃん(田中しょう) 信濃毎日新聞、京都新聞(いずれも朝刊)などにも掲載中。過去には新潟日報、神戸新聞、中国新聞などにも連載されていたが、2007年7月以降ちびまる子ちゃん(さくらももこ)を連載するため打ち切り(ちびまる子ちゃんは静岡県では浜松に発行本社がある中日新聞・東京新聞=東部・中部の一部で連載)。
過去
このほか、日曜版に「ヒメコさま」(ビッグ錠)等の長編漫画が連載されていた時期もあった。
本社
本社構内の印刷工場(制作センター)で県内向け紙面すべての印刷を行っている。特に夕刊中部版の締切は遅く、株式市況欄は13時30分時点の情報を掲載していた時期があった(現在では全県で午前終値となっている)また、日本経済新聞の静岡県内向け紙面についても印刷を受託している。
静岡新聞は他紙に比べると紙の質が良く[8]、またカラー印刷の能力は以前から業界内で評価が高い。1959年(昭和34年)、新聞界の先陣を切ってカラー新聞を発行している。1992年(平成4年)、輪転機1台で新聞最大8ページ分のカラー印刷ができる画期的な輪転機を、静岡新聞社の印刷局技術陣と輪転機メーカーの東京機械製作所とで共同開発した。カラー印刷の大きなズレが発生すると印刷済み紙面を廃棄処分にしていたとも言われている。インキ調整の実績を反映したインキ変換カーブの割り出しの開発に対し、2003年に「平成15年度日本新聞協会技術委員会賞」。2006年(平成18年)には「国際新聞カラー品質コンテスト」で国内唯一の受賞を果たした。
旧輪転機は日本新聞博物館に寄贈され、同博物館の入っている横浜情報文化センターの吹き抜けロビーに展示されており、訪れれば誰でも見ることができる。
不祥事
2007年6月29日朝刊のコラム「大自在」で、宮澤喜一に関する内容が、ウィキペディア日本語版の記事に酷似しているという指摘がなされたため、社内調査をした結果、執筆した記者が出典を明記しないまま引用したとして、同年7月5日にお詫びの記事を掲載した[9][10]。
本社・支社・総局・支局
全ての支社・総局が静岡新聞社と静岡放送の事業を兼務する。
- 本社 静岡市駿河区登呂三丁目1番1号
- 支局:蒲原、清水、焼津、藤枝、島田
- 東京支社 東京都中央区銀座八丁目3番7号 静岡新聞・静岡放送東京支社ビル内
- 大阪支社 大阪市北区梅田一丁目8番17号 大阪第一生命ビル8階
- 名古屋支社 名古屋市中区栄四丁目16番8号 栄メンバーズオフィスビル内
- 浜松総局 浜松市中区旭町11番地の1 プレスタワー内
- 支局:榛原、掛川、御前崎、袋井、磐田、浜北、天竜、細江、水窪、湖西、豊橋
- 東部総局 沼津市魚町1番地 サンフロント内
- 支局:下田、伊東、熱海、松崎、大仁、三島、御殿場、富士、富士宮
関連新聞社
その他
- 2011年1月1日付より、朝刊連載小説として『親鸞 激動編』(五木寛之作)が掲載されている。同作品は、静岡県内でも発行されているブロック紙の中日新聞・東京新聞(いずれも中日新聞社発行)でも掲載されている。なお、2008年に執筆された『親鸞』(激動編の前作)は、静岡新聞では掲載されていなかった。
脚注
- ↑ 購読料改定のお知らせ 4月から月決め2980円に
- ↑ “静岡新聞 土曜日の夕刊を廃止”. ShizuuokaOnline (静岡新聞社). (2011年2月1日)
- ↑ “静岡新聞 小・中学生とその親に向けた新聞を発行 大人が読んでも役立つ わかりやすい紙面に”. ShizuuokaOnline (静岡新聞社). (2011年2月1日)
- ↑ 2009年に夕刊廃刊
- ↑ その写真
- ↑ その写真
- ↑ 2014年現在は、NHK静岡放送局ラジオ第1・第2・FMの3波と、K-mix、TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送、CBCラジオ、東海ラジオ、@FM、ZIP-FMを掲載している。
- ↑ 裏移りを嫌ったため厚めの紙を使用している。逆に朝日などは配達員の負担軽減のために紙を薄めにしている
- ↑ ネット事典の記述を不正引用、静岡新聞がおわび記事 読売新聞
- ↑ 無断引用:ウィキペディア記述 静岡新聞コラムで 毎日新聞
関連項目
- 静岡新聞ニュース
- SBSイブニングeye
- SBSラジオ夕刊
- 毎日新聞社
- 富士山検定
- ジュビロ磐田 - 大株主。
- 清水エスパルス - 新社(エスパルス)の経営となって以降の大株主。旧社(エスラップコミュニケーションズ)時代はライバル紙である中日新聞と関係が深かった。
外部リンク
- しずおかライフ @S(アットエス)(一部コンテンツの閲覧には会員登録が必要)
- 静岡新聞 - 公式YouTubeチャンネル
- [1] - Google+
座標: 東経138度24分17.668秒北緯34.96017194度 東経138.40490778度
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