パーフェクト リバティー教団
設立年 | 1916年 |
---|---|
設立者 | 御木徳一 |
種類 | 宗教法人 |
パーフェクト リバティー教団(パーフェクトリバティーきょうだん)は、日本の大正時代に立教された宗教団体。政府(文部科学省)での統計上における分類では、諸教。通称でPL教(ピーエルきょう)、PL教団(ピーエルきょうだん)と表記されることが多い。
Contents
概要
現在の教主(おしえおや)は御木貴日止(みきたかひと)。信仰対象は「宇宙全体=神である、大元霊(みおやおおかみ。だいげんれい、とも)」。
教団本部は大阪府富田林市にあり、大本庁と称する。大本庁には、大本庁神霊を祀る正殿、教団の初代教祖・御木徳一の霊を祀る初代教祖奥津城等の施設があり、万国の戦没者を超宗派で慰霊する超宗派万国戦争犠牲者慰霊大平和祈念塔(通称「大平和塔」PLの塔、PLタワーとも呼ばれる)が立つ。PL学園高等学校のほか、中学校、小学校、幼稚園、専門学校も敷地内にあり、かつては短大(PL学園女子短期大学)や遊園地(PLランド(桜ケ丘遊園))、ゴルフの練習場などもあった。
教え
「人生は芸術である」の真理のもと、各人の真の個性を世の為人の為に最大限発揮し、ひいては世界人類永遠の平和と福祉の為に貢献する事を目標とする。教えの最も特徴的なものとして、「みしらせ」「みおしえ」の真理がある。
身の回りに起こる災難や病気などすべての苦痛や苦難は、自分自身の心得違い、心の傾き(=心癖)を知らせるために、神が発してくれる警告と考える。これを「みしらせ」と呼んでいる。この「みしらせ」を引き起こしている心の癖は何なのか、教団から個人個人に下付されるものが「みおしえ」で、個々の自己表現の上で邪魔となっている心癖を教えてもらうものである。
また、信者の身を襲う突然の苦痛に対応する「お身代わりの神事」というしくみがある。信者の苦痛を一時的に教祖の肉体に引き取ってもらうものである。
教団としての戒律は特に存在せず、日常生活の心得として「PL処世訓」「PL信仰生活心得」などがある。
本教団は教祖が代々出現して時代にあった教えを説くという形をとる。
沿革
- 1916年(大正5年) 立教。当初「御嶽教徳光大教会」と称していた。(当時、外来宗教の仏教・キリスト教以外の新しい宗教団体は、日本の民族宗教である神道の神道十三派のいずれかに所属しなければならなかったため、御嶽教の冠がついている)初代教祖:御木徳一。
- 1928年(昭和3年) 扶桑教に転属、「扶桑教人道徳光教会」と称す。
- 1931年(昭和6年) 「扶桑教ひとのみち教会」と改称。
- 1934年(昭和9年)10月 1,008畳敷の大広間を有する鉄筋3階建の施設を仮本殿として大阪府中河内郡布施町(現東大阪市)永和に建設。
- 1936年(昭和11年) 御木徳近、二代教祖を継承。その翌日、御木徳一が盛岡支部長の娘を強姦し警察に逮捕される。
- 1937年(昭和12年) 天照大神・教育勅語の解釈の違いから不敬罪を問われ、当局の弾圧によって解散させられる。
- 1938年(昭和13年) 御木徳一死去
- 1946年(昭和21年) 御木徳近がひとのみち教団を引き継ぐ形で佐賀県鳥栖市にて「PL教団」立教
- 1949年(昭和24年) 本部を静岡県清水市(現在の静岡市清水区)へ移転
- 1953年(昭和28年) 大阪府富田林市の現在地に教団本部建設の鍬入式。後にこの地を聖地とする
- この年の教祖祭にて初めて花火を打ち上げる
- 新日本宗教団体連合会発足。本教団も加盟。御木徳近が初代理事長に就任。
- 1955年(昭和30年) 聖地に仮本殿完成、本部神霊を遷座。以後、大本庁と称する。
- 1959年(昭和34年) 大本庁に正殿完成
- 1963年(昭和38年) 教祖祭の花火を発展させ「PL花火芸術」と呼称
- 1967年(昭和42年) 衆院建設委員会で国有地無断使用を指摘される[2]。
- 1970年(昭和45年) 超宗派万国戦争犠牲者慰霊大平和祈念塔 完成
- 1973年(昭和48年) 御木徳近、ローマ教皇パウロ6世と会談
- 1974年(昭和49年) 教団名を「パーフェクト リバティー教団」に変更
- 1980年(昭和55年) 御木徳近、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世と会談。
- 1983年(昭和58年) 御木徳近死去。御木貴日止、三代教祖を継承。衆議院決算委員会で、教団資金のサラ金流出を指摘[4]。
- 1999年(平成11年) 1995年(平成7年)に改正された宗教法人法で義務づけられた役員名簿や財産目録の書類提出に応じなかったとして、大阪地方裁判所が三宅一彦・前理事長代務者を過料1万円に処した。
- 2010年(平成22年) 5月2日 錬成会館落成式典を挙行。
主な活動
教団の祭典(四大祭)
- 元旦祭(1月1日)
- 新年を迎え、前年1年間を平穏無事に過ごせたことを感謝し、今年1年間幸せな生活ができるよう神に祈願する祭典。大本庁では正月3が日に多くの会員が聖地参拝する。
- 教祖祭(8月1日)
- おしえおやの神業、初代教祖、2代教祖の残した神業に感謝し、世界平和への祈りを捧げる祭典。国内の各教会所属会員、そして世界中のPL会員が参拝する。そして夜には教祖祭PL花火芸術(PL花火)が行われ、その花火の迫力や規模は地元の風物詩ともなっている。
- PL祭(9月29日)
- 本教団が立教された日。PLの教義が世に敷かれ現在に至るまでの過程を理解し、立教記念日を祝う祭典。
- 教主誕生祭(12月2日)
- 3代目教主である御木貴日止の誕生日を祝う日。PLの教えを解くおしえおやへの感謝の気持ちをささげる祭典。式典後には各教会で様々な行事を行っている。
個人の祭典
- 神霊鎮座祭(しんれいちんざさい)
- 遷座祭
- 誕生祭
- PL結婚式
- PL葬
- 愛児生誕感謝祭
- 地鎮祭
一の日詣
- 平和の日(毎月1日)
- 先祖の日(毎月11日)
- 感謝の日(毎月21日)
毎月1日、11日、21日に教会に参詣することを「一の日詣り」といい、全国各地の教会で式典などが行われている。中でも感謝の日(感謝祭)は重要な行事となっている。
その他の活動
- 座談会
- バトントワリング (PLMBA)
かつて行われていた活動
- 社会人野球チーム
- PL茶道
- PL華道
- 政治活動(芸術政治連合)
施設
その他
必要に応じて、各地の教会で様々な祈願、つまり世間的に言うところの必勝祈願や合格祈願、交通安全や病気平癒などの祈祷を受けることもできるが、これは単なるお願いことというよりも決意を神に誓うということや神に感謝するという意味合いが強く、祖遂断神事(おやしきり しんじ)と呼ばれている。
教団名「完全なる自由」(※完全の意味はとり間違えやすいが、人間本来の“真の自由”という意味)とは、日々の生活において心癖にとらわれることなく、自由無碍なる表現を心がけ、世のため・人のために役立つよう自分に与えられた天職を全うし、毎日を明るく楽しく過ごすことを標榜する。
PL教式の葬儀は神葬祭に準じた形である。
PLランドの開園当時は大平和記念塔の上部にある展望台まで一般開放していたが、世界平和と戦争犠牲者慰霊のためのモニュメントという位置づけを明確にするため、現在は展望台を閉鎖している。
ABCラジオ「宗教の時間」月曜日(4:50から5:00)でPL教団の時間を放送していた。(2015年1月で終了)
教祖祭PL花火芸術
- 参照: 教祖祭PL花火芸術
脚注
参考文献
- 御木徳近 (パーフェクトリバティー教団 文教部編) 『人生是芸術―讃仰 第二代教祖御木徳近日知』 ISBN 4328012789
- 清水雅人他 『新宗教の世界 5』 ISBN 4804352058
- YTV情報産業研究グループ 『情報産業としての宗教―日本の情報産業 大衆操作の生態学的研究 2』 ISBN 4377302396
- 井上順孝 『現代宗教事典』ISBN 4335160372
- 井上順孝 『新宗教・教団人物事典』ISBN 4335160283
- 井上順孝 『新宗教事典』ISBN 4335160259
- 國學院大學日本文化研究所『神道事典』ISBN 4335160232
- 國學院大學日本文化研究所『神道人物研究文献目録』ISBN 4335160356
- 朝日新聞社 『二十世紀の千人8』ISBN 4022586060
- 岩波新書『宗教弾圧を語る』
- 池田昭『ひとのみち教団不敬事件関係資料集成 』三一書房(1977)
- 第一法規出版『日本政治裁判史録(昭和・後編)』
- 松野純孝『新宗教辞典』(東京堂出版)
関連項目
- PL学園 - 教団が運営する学校法人。
- 明治大学付属中野中学校・高等学校 - 初代教祖の御木徳一が組織した財団法人「徳光育英会」運営の旧制中学校が前身。
- 河内永和駅 - 1936年(昭和11年)に「ひとのみち教団」仮本殿への最寄り駅「人ノ道駅」として開業した。
- 芸術生活社 - 関連の出版社。
- 光丘 - 関連のゴルフ場の経営、食堂、学校給食の経営など。
- PL病院
- 劇団カッパ座
- 御木裕
外部リンク